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第一章【幼少期編】
【5】冒険者でもあり軍人でもあるパピーの日常
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この国では通例ではありえないことばかりが存在する。
最もいい例を例えると、国王でも冒険者家業を行うことが出来るという事だろうか。
そのお陰もあって、この国の軍人の殆どは冒険者家業も兼任している事が多い。
そういうこともありギルドには2種類ある。
いや、正確には3種類というべきか……
国営化されたギルドと民間ギルドが存在する。
当然の事ながら国事に関わるものは国営ギルドに所属する。
逆に民間ギルドとは何か?となると、簡単に言えば大衆向けのギルドになる。
双方のギルドには双方なりのメリット・デメリットがある。
まず国営ギルドは治安が良く換金率が高いものの手数料が高い。
これは稼ぎの多くない冒険者には大きなデメリットになる。
逆に民間ギルドには、荒くれ者も居る反面、手数料・仲介料は安い。
換金率に関しては青天井もある。
どちらを選ぶも自由でありどちらにも属す事も可能であるが、当然ながら国営ギルドには審査が厳しく前科者などは入れない。
まぁ勿論民間ギルドにも審査はあり、犯罪者は免許の剥奪なども行われている。
結局のところ正当な上記2種類のギルドに属せないものは、もう1つのギルドに入る者が多い。
察しの通り、闇ギルドである。
手数料も馬鹿高く、盗み・強盗・人さらい・殺しなど。
しかしながら、闇ギルドに属するということは身の安全は保証されなくなる。
国営ギルドや国家より日々討伐対象にされており、毎日数十人単位で逮捕され極刑にされている。
まぁ自業自得だね。
稀に何処にも属さないフリーの冒険者も存在するが、ギルドに属していないと昇級試験のときに莫大な手数料を取られるので、概ね属する形になる。
その上でうちの破天荒なパピーの話をしよう。
パピーが属しているのは当然国営ギルド。
あ、伝え忘れていたが、国の名前はジェンノ王国。
パピーはジェンノ王国軍第2軍団隊長という肩書きらしい。
多分立派な肩書なんだろう。
爵位もあるらしくパピーは子爵なんだって。
あんな破天荒な性欲魔神が子爵とはねぇ……
この国大丈夫か?
素直に俺はそう思う。
ちなみにマミーの出自は男爵位の次女でパピーの一目惚れで結婚に至ったとか。
やるじゃんパピー。
パピーの父、つまり俺のじいちゃんに当たる人は騎士爵だったけどパピーは、軍での功績や冒険者としての功績を認められて独立した形で子爵にまで上り詰めた男だった。
じいちゃんの騎士爵領はパピーの弟が継いでいるとかで、我が家は、まぁまぁ立派な家系だそうだ。
俺には毎日ファックして死ぬほどタバコを吸ってる変人にしか見えないんだけどね。
当然国家の仕事に従事しているときは真面目に仕事をしてるんだろうけど、全く想像できないよね。
そんなパピーの日常生活を俺はこっそり覗き見をすることにしたのさ。
色々スキルが成長してきて、現代で言うところのモニタリング機能が身に付いた。
この機能を使えば10km離れた場所にいるパピーの仕事風景と冒険者家業を覗き見することが出来る。
今は限界が10kmまでなのでそれ以上離れられると見れなくなる。
例えば戦などが始まり10km以上先が野営地になるとこの機能は無力化してしまう。
まぁダンジョン程度なら今のパピーで潜れても3km程度なので全く問題ない。
それに俺はマミーを未亡人にする訳にはいかんので、パピーが冒険者家業をしているときに限っては、超危険なときだけ遠隔で助けている。
この世界では覇気や闘気のようなものをメストという。
メストはすごく便利な物で、目線を送るだけで雑魚魔物を一蹴できる素敵スキルである。
前回、パピーと一緒にダンジョンへ行ったとき俺が援助したスキルがこれに当たる。
それではパピーの日常を覗いてみよう。
朝起きて軍部に出勤するまでの間、マミーとイチャラブしている。
まじでお腹いっぱいなので勘弁願いたい。
我が家には使用人がいる。
奴隷とかではなくちゃんとお給料が発生している住み込みのお手伝いさんと考えてもらっていい。
それでもマミーは育児に熱心な人だ。
全て任せっきりということは絶対にしない。
母乳で俺の事を育ててくれるし、しっかり愛情をもらってると実感ができる。
勿論パピーも同じで、イクメンって感じがする。
ただ歩く生殖鬼であるパピーとマミーは1度スイッチが入ると手が付けられないようだ。
ただベクトルは妻に、マミーは夫にしか向かないようだ。
この点は素晴らしいよね。
不倫は文化じゃないってことだね。
出勤時間になるとパピーは目つきが変わり軍人の顔になる。
破天荒クソ野郎だが、そこら辺はメリハリを付けてるようで安心している。
戦の危険性がないときの軍部での仕事は主に演習と肉体強化の訓練に勤しんでいる。
見た感じ結構激しめの演習である。
そのため、度々負傷者が出るとか。
王国第2軍団は王国軍の中でゴリゴリの武闘派の集まりである。
それは偏にパピーの育成方針らしい。
人より狡猾で恐ろしい魔物と戦う場合、一瞬の判断が命取りになる。
その判断を人に委ねることなく、自己判断で戦えるように育て上げた男である。
やるじゃんパピー。正にその通りだよ。
戦場とは乱戦である。
乱戦において指示待ちの人間など殺してくださいと言ってるようなものだ。
それはダンジョンに置いてもそうだ。
ヘトヘトに疲れて暫しの休息を取っている所を狙って連携を組んで殺しに来る魔物も多い。
全ては経験においてパピーの理論は証明されている。
パピーの軍部での勤務時間は17:00まで。
これは日勤で夜勤などもあるらしいが、隊長格以上は基本的に早い時間に帰宅する。
軍部はダンジョン探索も任務の1つであるからだ。
18:00~19:00の1時間はダンジョンで冒険者家業を行い換金など事務的処理を終わらせ20:00には大体帰宅してくる。
しかしあれだったなぁ、凛々しいパピーが見られたのは出勤するときと演習のときだけだったな。
それ以外は誰の前でもタバコ吸ってるだけじゃん!
いいのかよあれで!
そりゃタバコの消費が早いのも頷けますわ!
破天荒通り越してただのジャンキーじゃねーか!
気を取り直して再度観察しよう。
パピーは帰宅前にダンジョンへ向かった。
今日のダンジョンはパピーを含めた手練れの冒険者5人で探索することもあり、いつも2~3人で探索する階層よりも深めに潜るようだ。
いつもは1階層~2階層をメインで探索しているパピー。
しかし本日の階層は2.5階層。
正直、危険な香りしかしない。
以前も話したように0.5だけでも階層が深くなると魔物の強さは格段に上がる。
先程にも述べた通り俺はマミーを未亡人にしたくないので、この探索を全力でフォローしようと思う。
ただ今回のパピーが選択した判断は間違いではない。
メンバー選びもさることながら人数も。
初めて行く階層にはベストな数だ。
古来より五とは組として用いられてきた数だ。
1つの塊になり戦いにおいても生活する上でも5人という数がベストな数だ。と、何かの文献で読んだ記憶がある。
彼らは手練れの冒険者であり軍人。
どうやらパピーの側近たちのようだ。
呼吸も合っておりパピーをリーダーとして今の所は隙がない。
ただこれは2階層までの話でしかない。
遂にパピーたちは下の階段を見つけマップに記しを付けて2.5階層へと突入していった。
2.5階層。
湿気・蒸し暑さ・足場の悪さ。
この居心地の悪い空間が2階層から2.5階層の特徴になるが2階層に比べて、より険しい環境になっている。
重力も少し加重され、暑苦しく普段の動きが鈍る所に重力により更に動きが鈍ってしまう。
「なんだここは足場はドロで動きにくく、何より蒸し暑い。重力変動もあるのか。
皆!バラけるなよ!慎重に進む。俺が危険だと判断したらエスケープを使う」
「はい!」
うむ。判断は悪くない。
何故ならこのパーティはリーダーであるパピーのレベルは5。
それ以外はレベル3とレベルに開きがあり、レベル3の者が2.5階層で冒険するには過酷すぎる環境だからだ。
パピーが居なかったら2分で全滅だろうなぁ。
いや、その前にダンジョンから弾かれて入れないか。
思った通りパピーたちは精彩を欠き度々死地に追いやられる事が多かった。
ちなみに今の所俺は何も助けてない。
少しパピーに学習して貰う必要もあった。
連れるメンバーは最低でもレベル4以上が必要で自身のレベルも全く足りてない事に。
そろそろエスケープしてほしいところだが、見た感じそんな余裕もなさそうなので、今対峙している魔物討伐が終わったら数分間だけ俺が2.5階層の魔物の全てを引き受けることにした。
その間にサッサと脱出してくれ。
なんとか眼前の魔物を退治することが出来たパピーたちだが、まぁまぁズタボロにやられていた。
パピーは残りの魔力でエスケープを使いダンジョンを脱出。
この判断は良き判断と言える。
通常あの状態ならエスケープを使うにも治癒スキルを使えるものが仲間を治癒し、その上でエスケープなど使う奴らが大多数だろう。
しかしここは鬼畜な世界の鬼畜なダンジョン。
1秒の判断ミスで全滅するダンジョン。
実際そうやって死んでいった奴らを何十人も見てきた。
ダンジョンで死ねば死体はダンジョンの栄養分として吸収され骨も残らない。
なので絶対的に必要な判断は、まずエスケープを使うこと。
その後に治癒する。
この判断と動作が結果として自分と仲間の命を守ることになる。
パピーの仲間は治癒スキルで回復。
その間もパピーはズタボロのままだったが、俺はここでありえない光景を目にする。
パピーといえば?そう!タバコ!
あいつタバコ吸ったら傷口が治癒していきやがった!
なにあれ!?俺の親父、絶対人間じゃねーよ!
キッショ!!
まぁ俺的にはパピー達を逃がすための1分間で大体100体くらいの魔物を屠ったからありがたく経験値を稼がせてもらった。
というか、その1分で2.5階層の魔物を全て狩ってしまったというのが実状で、まぁやりすぎちゃったね。テヘヘ。
これに関してはキアにもやりすぎだと咎められた。
パピーはズタボロにされた上、魔力も使い果たしたようで疲れた様子で帰宅してきた。
マミーはその様子を見てパピーの状態を直ぐに把握し食事に魔力を注ぎ込んだ。
マミーは治癒魔術士らしい。
マミーの作った料理、身体。
マミーの全てが治癒に値する恩恵を与えられるとか。
これってまぁまぁ凄いスキルじゃないの?
キア曰く結構レア体質らしい。
マミー自身はその補充に甘い物を食べる事で補っているらしい。
流石糖分!
先程、マミーの身体も治癒に有効と伝えたよね?
そうなるとだね、そうなるとだよ。
今日は俺、ぐっすり睡眠できるのかなー……
というのが1番の悩み所である。
今後の安寧なる生活のためにもユニークスキルでも作っておくか……
そう思ってキアに依頼し重力無効・完全防音スキルを瞬時に作ってもらい、本日は激しいベッドの揺れの中、俺は快適な眠りについた。
瞬時に作ってくれた理由はキアにも迷惑極まりない環境でクソ苛ついてたらしい。
相変わらず口の悪いシステムなことだ。
ベッド揺れは震度4くらいあんぜ!
最もいい例を例えると、国王でも冒険者家業を行うことが出来るという事だろうか。
そのお陰もあって、この国の軍人の殆どは冒険者家業も兼任している事が多い。
そういうこともありギルドには2種類ある。
いや、正確には3種類というべきか……
国営化されたギルドと民間ギルドが存在する。
当然の事ながら国事に関わるものは国営ギルドに所属する。
逆に民間ギルドとは何か?となると、簡単に言えば大衆向けのギルドになる。
双方のギルドには双方なりのメリット・デメリットがある。
まず国営ギルドは治安が良く換金率が高いものの手数料が高い。
これは稼ぎの多くない冒険者には大きなデメリットになる。
逆に民間ギルドには、荒くれ者も居る反面、手数料・仲介料は安い。
換金率に関しては青天井もある。
どちらを選ぶも自由でありどちらにも属す事も可能であるが、当然ながら国営ギルドには審査が厳しく前科者などは入れない。
まぁ勿論民間ギルドにも審査はあり、犯罪者は免許の剥奪なども行われている。
結局のところ正当な上記2種類のギルドに属せないものは、もう1つのギルドに入る者が多い。
察しの通り、闇ギルドである。
手数料も馬鹿高く、盗み・強盗・人さらい・殺しなど。
しかしながら、闇ギルドに属するということは身の安全は保証されなくなる。
国営ギルドや国家より日々討伐対象にされており、毎日数十人単位で逮捕され極刑にされている。
まぁ自業自得だね。
稀に何処にも属さないフリーの冒険者も存在するが、ギルドに属していないと昇級試験のときに莫大な手数料を取られるので、概ね属する形になる。
その上でうちの破天荒なパピーの話をしよう。
パピーが属しているのは当然国営ギルド。
あ、伝え忘れていたが、国の名前はジェンノ王国。
パピーはジェンノ王国軍第2軍団隊長という肩書きらしい。
多分立派な肩書なんだろう。
爵位もあるらしくパピーは子爵なんだって。
あんな破天荒な性欲魔神が子爵とはねぇ……
この国大丈夫か?
素直に俺はそう思う。
ちなみにマミーの出自は男爵位の次女でパピーの一目惚れで結婚に至ったとか。
やるじゃんパピー。
パピーの父、つまり俺のじいちゃんに当たる人は騎士爵だったけどパピーは、軍での功績や冒険者としての功績を認められて独立した形で子爵にまで上り詰めた男だった。
じいちゃんの騎士爵領はパピーの弟が継いでいるとかで、我が家は、まぁまぁ立派な家系だそうだ。
俺には毎日ファックして死ぬほどタバコを吸ってる変人にしか見えないんだけどね。
当然国家の仕事に従事しているときは真面目に仕事をしてるんだろうけど、全く想像できないよね。
そんなパピーの日常生活を俺はこっそり覗き見をすることにしたのさ。
色々スキルが成長してきて、現代で言うところのモニタリング機能が身に付いた。
この機能を使えば10km離れた場所にいるパピーの仕事風景と冒険者家業を覗き見することが出来る。
今は限界が10kmまでなのでそれ以上離れられると見れなくなる。
例えば戦などが始まり10km以上先が野営地になるとこの機能は無力化してしまう。
まぁダンジョン程度なら今のパピーで潜れても3km程度なので全く問題ない。
それに俺はマミーを未亡人にする訳にはいかんので、パピーが冒険者家業をしているときに限っては、超危険なときだけ遠隔で助けている。
この世界では覇気や闘気のようなものをメストという。
メストはすごく便利な物で、目線を送るだけで雑魚魔物を一蹴できる素敵スキルである。
前回、パピーと一緒にダンジョンへ行ったとき俺が援助したスキルがこれに当たる。
それではパピーの日常を覗いてみよう。
朝起きて軍部に出勤するまでの間、マミーとイチャラブしている。
まじでお腹いっぱいなので勘弁願いたい。
我が家には使用人がいる。
奴隷とかではなくちゃんとお給料が発生している住み込みのお手伝いさんと考えてもらっていい。
それでもマミーは育児に熱心な人だ。
全て任せっきりということは絶対にしない。
母乳で俺の事を育ててくれるし、しっかり愛情をもらってると実感ができる。
勿論パピーも同じで、イクメンって感じがする。
ただ歩く生殖鬼であるパピーとマミーは1度スイッチが入ると手が付けられないようだ。
ただベクトルは妻に、マミーは夫にしか向かないようだ。
この点は素晴らしいよね。
不倫は文化じゃないってことだね。
出勤時間になるとパピーは目つきが変わり軍人の顔になる。
破天荒クソ野郎だが、そこら辺はメリハリを付けてるようで安心している。
戦の危険性がないときの軍部での仕事は主に演習と肉体強化の訓練に勤しんでいる。
見た感じ結構激しめの演習である。
そのため、度々負傷者が出るとか。
王国第2軍団は王国軍の中でゴリゴリの武闘派の集まりである。
それは偏にパピーの育成方針らしい。
人より狡猾で恐ろしい魔物と戦う場合、一瞬の判断が命取りになる。
その判断を人に委ねることなく、自己判断で戦えるように育て上げた男である。
やるじゃんパピー。正にその通りだよ。
戦場とは乱戦である。
乱戦において指示待ちの人間など殺してくださいと言ってるようなものだ。
それはダンジョンに置いてもそうだ。
ヘトヘトに疲れて暫しの休息を取っている所を狙って連携を組んで殺しに来る魔物も多い。
全ては経験においてパピーの理論は証明されている。
パピーの軍部での勤務時間は17:00まで。
これは日勤で夜勤などもあるらしいが、隊長格以上は基本的に早い時間に帰宅する。
軍部はダンジョン探索も任務の1つであるからだ。
18:00~19:00の1時間はダンジョンで冒険者家業を行い換金など事務的処理を終わらせ20:00には大体帰宅してくる。
しかしあれだったなぁ、凛々しいパピーが見られたのは出勤するときと演習のときだけだったな。
それ以外は誰の前でもタバコ吸ってるだけじゃん!
いいのかよあれで!
そりゃタバコの消費が早いのも頷けますわ!
破天荒通り越してただのジャンキーじゃねーか!
気を取り直して再度観察しよう。
パピーは帰宅前にダンジョンへ向かった。
今日のダンジョンはパピーを含めた手練れの冒険者5人で探索することもあり、いつも2~3人で探索する階層よりも深めに潜るようだ。
いつもは1階層~2階層をメインで探索しているパピー。
しかし本日の階層は2.5階層。
正直、危険な香りしかしない。
以前も話したように0.5だけでも階層が深くなると魔物の強さは格段に上がる。
先程にも述べた通り俺はマミーを未亡人にしたくないので、この探索を全力でフォローしようと思う。
ただ今回のパピーが選択した判断は間違いではない。
メンバー選びもさることながら人数も。
初めて行く階層にはベストな数だ。
古来より五とは組として用いられてきた数だ。
1つの塊になり戦いにおいても生活する上でも5人という数がベストな数だ。と、何かの文献で読んだ記憶がある。
彼らは手練れの冒険者であり軍人。
どうやらパピーの側近たちのようだ。
呼吸も合っておりパピーをリーダーとして今の所は隙がない。
ただこれは2階層までの話でしかない。
遂にパピーたちは下の階段を見つけマップに記しを付けて2.5階層へと突入していった。
2.5階層。
湿気・蒸し暑さ・足場の悪さ。
この居心地の悪い空間が2階層から2.5階層の特徴になるが2階層に比べて、より険しい環境になっている。
重力も少し加重され、暑苦しく普段の動きが鈍る所に重力により更に動きが鈍ってしまう。
「なんだここは足場はドロで動きにくく、何より蒸し暑い。重力変動もあるのか。
皆!バラけるなよ!慎重に進む。俺が危険だと判断したらエスケープを使う」
「はい!」
うむ。判断は悪くない。
何故ならこのパーティはリーダーであるパピーのレベルは5。
それ以外はレベル3とレベルに開きがあり、レベル3の者が2.5階層で冒険するには過酷すぎる環境だからだ。
パピーが居なかったら2分で全滅だろうなぁ。
いや、その前にダンジョンから弾かれて入れないか。
思った通りパピーたちは精彩を欠き度々死地に追いやられる事が多かった。
ちなみに今の所俺は何も助けてない。
少しパピーに学習して貰う必要もあった。
連れるメンバーは最低でもレベル4以上が必要で自身のレベルも全く足りてない事に。
そろそろエスケープしてほしいところだが、見た感じそんな余裕もなさそうなので、今対峙している魔物討伐が終わったら数分間だけ俺が2.5階層の魔物の全てを引き受けることにした。
その間にサッサと脱出してくれ。
なんとか眼前の魔物を退治することが出来たパピーたちだが、まぁまぁズタボロにやられていた。
パピーは残りの魔力でエスケープを使いダンジョンを脱出。
この判断は良き判断と言える。
通常あの状態ならエスケープを使うにも治癒スキルを使えるものが仲間を治癒し、その上でエスケープなど使う奴らが大多数だろう。
しかしここは鬼畜な世界の鬼畜なダンジョン。
1秒の判断ミスで全滅するダンジョン。
実際そうやって死んでいった奴らを何十人も見てきた。
ダンジョンで死ねば死体はダンジョンの栄養分として吸収され骨も残らない。
なので絶対的に必要な判断は、まずエスケープを使うこと。
その後に治癒する。
この判断と動作が結果として自分と仲間の命を守ることになる。
パピーの仲間は治癒スキルで回復。
その間もパピーはズタボロのままだったが、俺はここでありえない光景を目にする。
パピーといえば?そう!タバコ!
あいつタバコ吸ったら傷口が治癒していきやがった!
なにあれ!?俺の親父、絶対人間じゃねーよ!
キッショ!!
まぁ俺的にはパピー達を逃がすための1分間で大体100体くらいの魔物を屠ったからありがたく経験値を稼がせてもらった。
というか、その1分で2.5階層の魔物を全て狩ってしまったというのが実状で、まぁやりすぎちゃったね。テヘヘ。
これに関してはキアにもやりすぎだと咎められた。
パピーはズタボロにされた上、魔力も使い果たしたようで疲れた様子で帰宅してきた。
マミーはその様子を見てパピーの状態を直ぐに把握し食事に魔力を注ぎ込んだ。
マミーは治癒魔術士らしい。
マミーの作った料理、身体。
マミーの全てが治癒に値する恩恵を与えられるとか。
これってまぁまぁ凄いスキルじゃないの?
キア曰く結構レア体質らしい。
マミー自身はその補充に甘い物を食べる事で補っているらしい。
流石糖分!
先程、マミーの身体も治癒に有効と伝えたよね?
そうなるとだね、そうなるとだよ。
今日は俺、ぐっすり睡眠できるのかなー……
というのが1番の悩み所である。
今後の安寧なる生活のためにもユニークスキルでも作っておくか……
そう思ってキアに依頼し重力無効・完全防音スキルを瞬時に作ってもらい、本日は激しいベッドの揺れの中、俺は快適な眠りについた。
瞬時に作ってくれた理由はキアにも迷惑極まりない環境でクソ苛ついてたらしい。
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ベッド揺れは震度4くらいあんぜ!
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