レベルが上がりにくい鬼畜な異世界へ転生してしまった俺は神スキルのお陰で快適&最強ライフを手にしました!

メバル

文字の大きさ
上 下
1 / 43
第一章【幼少期編】

【1】また!?こんな名前で生まれ変わりたくなかったんですけどっ!!

しおりを挟む
 レベル:それは自分自身の全てを意味するもの。
 武・知・精神・忍耐・速度・魔法。
 大きく分けて、この六つの部類に分けられる。
 更に六つの部類は様々な分野に派生しており多種多様なスキルがある。また、それを習得するにはそれぞれ経験値が必須なのである。

 ちょっとした鬼畜ゲームによく似てる気もする。
 リアルな世界ではカンストしたことを当然のように語るゲーマーも居るが、この世界ではカンストがない。
 というより誰も達成した人がいないというのが現実である。

 それだけ派生したスキルが異常に多いのだ。
 多すぎる派生スキルのお陰で元のスキル、ここでは始祖スキルというが、それが何なのかも分からなくなる始末だ。
 ゲーム的に言えばトロフィーコンプが出来ない鬼ムズこいただのクソゲーと酷似している。

 この世界にも勇者・魔王は存在するらしい。
 この者たちのレベルがどれだけなものなのかは、はっきり言って俺は知らん。
 しかしながら生まれながらにレベルはプラス5の状態で生まれるらしい。
 言わば生まれた時点で上位冒険者クラスの強さを有しているとか。

 この世界では冒険者以外も全員がレベル持ちである。
 ゆえにレベルの掲示、或いはステータス掲示は一種の履歴書として扱われることも少なくない。
 面接やデキレースの試験も不要である。
 ステータスを見れば現状は勿論、今後の見込みも想像ができるからだ。
 ある意味便利だと思うが、ある意味で世知辛いところもある。


 だがなぜだか俺はこの変な世界で自由を満喫している。

 なぜ別の世界で死んだ俺が、よくある異世界転生をし自由を謳歌してるのか。まずこれを説明する必要があるよね。



 俺は元日本人だ。
 こよなくタバコと糖分を愛しタバコは1日5箱。甘いものが好物で、なかでもあんこが大好物という変な男だった。
 まぁ当然ながらそんな生活をしていれば陥る病気がある。
 俺は糖分過多で糖尿病というファックなスキルを32歳でゲッチュ。
 更にタバコの吸いすぎで、40歳独身のおっさんは、普通に肺癌で死んだ。
 キッチリ厄年に……
 皆!お祓いは行こうな!


 あっさりと最短の人生で死んじまった。


 俺は死ぬときに強く思ったのさ。
 願わくば次に生まれ変わる場所では、こんな弱い体で生まれ変わりませんように……

 だってあれじゃん?こんな不摂生な生活をしても無病息災で長寿な人もいるじゃん?俺もそうなりたいじゃん!

 だからさ!それはそれはとても強く願ったら願いが成就して生まれ変われたようだ!
 俺は心の底から感謝したよ。
 この現実を知るまでは……
 そう……俺は地球+日本という場所ではなく、星+世界も不明な異世界転生をしていたわけだ。


 って気取って簡単に説明したけどさ!
 これってどえらいことだからね!
 マジでなんなの!?死んだら天国に行けるって死んだじぃちゃん言ってたよ!?
 そんで輪廻転生で地球に生まれ変わるって聞いてたのに!

 死んで記憶を残したまま異世界にエントリーですか!?
 ビックリなんて言葉じゃ済まないんですけど!本当にあったのね!異世界転生!


 って白目になるほど焦ってしまったけど、死んだ直後に出会った奴らが居た。
 何かのお祭りですか?そのような格好をした自称神たち。
 見た目だけで言えば、胡散臭い祭り好きの酔っ払い。

 頭のイカれた自称神たちは会うなり、ノリノリなテンションで凄いギフトを与えるから今度は人生を最高に楽しみなさい……とさ。
 有り難く受け取ったが、あのノリノリな感じ……多分本当に何かのお祭り帰りでテンション爆上がりしてただけだと思う。

 簡単に割り切って、じゃー異世界生活を満喫します!ってなれんけど、どーせ日本に戻れても俺死んでますし。
 もう火葬されてますし。
 独身だったし。
 子供もいなかったし。
 孤独だったし。

 仕方ないか。
 こう考えるほかなかったというのが現実であった。


 うだうだと愚痴ってみたが、自己紹介がまだだった。
 日本での名前は紙巻糖児かみまきとうじ本当にこんな甘党のような名前を付けた親を何度恨んだことか……
 名字もよ!
 どんな先祖や!
 タバコに由来する名字って。
 俺が糖尿病になったときは俺と付き合いのある人から死ぬほど笑われたのを死んだ今でも鮮明に覚えている。
 もちろん肺癌になったときも同情より笑いの反応の方が多かったのも覚えてる……。


 転生してからの名前は西洋風?そんな名前に自分自身が一番慣れなかった。
 そりゃそうだよね。赤ちゃんから再スタートとはいえ、記憶を持ってる日本人だもん。
 横文字名前は慣れないよ。

 名をザハル・シガレットという。


 いや!ふざけんなし!この名前の意味、砂糖・タバコって意味なんですけど!
 呪いですか!?これは呪いなのですか!?
 前世の名前と大して変わらんやないか!
 そうですよ!これが原因で死んだんですよ!
 きっついわー。異世界転生エグいわー。
 つーかこれ、名字ありえなくない?
 前世もそうだけどさ!
 シガレットを選んだ先祖を恨むわ!
 相当のヘビースモーカーだったのだろう。何かもう色々察するわ……

 と思ってたとおり、俺のパピーはヘビースモーカーでした……。
 このときに俺は前世の死因を最高に満喫することに決めたのである。


 甘いもの食いまくって、タバコを吸いまくってやるぜ!


 とはいいつつも、俺はまだベイビーちゃんであって自分から進んで行動できる訳ではない。

 って、おいおい親父殿!タバコを吸いながら俺を抱っこしないでくれよ!副流煙になっちまうじゃねーか!
 もう肺癌は勘弁なんだよ。

 俺の母親はそんなパピーをうっとりとした目でみつつ、ケーキの様なものを頬張っていた。

 俺の前世の禁欲生活は何処へ行ったのやら……

 すると親父殿であるアルコさんが俺に何やら話しかけてきた。
 そう皆さんお察しのようにパピーは酒好きのヘビースモーカー。現代の日本では入れる居酒屋すら少ないですよ!

「ほらー、ザハルー家宝の煙だぞー」

 と、俺にタバコの煙を吹き掛けてきた。
 タバコ嫌いな人であれば発狂するレベルだろう。
 いや、現代のご時世ではまぁまぁな罪になるであろう……

 そして俺もある意味で発狂した。
 いやこれは歓喜と言うべきか、五臓六腑に染み渡り一瞬ズガンと頭に衝撃が来るあの感じ。
 忘れていた禁煙直後に吸った衝撃と激情。

 はっきり言って美味い!
 それ以外の感情はなかった。
 その直後に俺の中で変な声が聞こえた。

「補助人格作動。
 システム起動開始。
 オールクリア。
 先ほどの煙を養分にしレベルの構築開始。
 完了。
 主へ通達。
 システムを完全に起動させるには甘いものを欲します」

 え?なにこれ?リアルではバブーとしか言えねー俺だが心はオッサンだから色々気持ち悪さが伝わる。

「誰だよお前は」

「神より遣わされたあなた専属サポーターです」

「あーなんかそんなこと言ってたな。で、甘いものだと?」

「はい。甘いものを主が口にすればシステムは完全に起動し主の生涯を支える事が出来ます。全ては主の覚醒のためです」

 甘いもの、甘いもの……マミーのベリーさんが食べてたやつをどうにか口にすれば。ちっアルコが邪魔だな。

 仕方がない。あれを出すしかない。
 食らえアルコ!
 赤ちゃん必殺のギャン泣き!

「ビャャャーーー!!!」

「お、お、どうした?すまんすまん。よーしよーし」

「あなた変わってくれる?お腹が空いたのかも?お乳飲みましょうねー」

 俺はすかさず手を振り上げマミーの口に付いたクリームを裏拳で拭い、勢いでそのまま飲み込んだ。
 よし!成功だ!

「さすがは主です。これよりシステムの再構築を開始します。少しお時間が掛かってしまいますので、その間に主は母ちゃんの乳でもしゃぶってて下さい」

「何か嫌な言い方したな!それ悪口だからな!」

 と、まぁ変なやり取りがあったものの俺はマミーの母乳をたらふく飲み、そのまま爆睡したのであった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!

海夏世もみじ
ファンタジー
 旧題:動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョン配信中にレッドドラゴン手懐けたら大バズりしました  動物に好かれまくる体質を持つ主人公、藍堂咲太《あいどう・さくた》は、友人にダンジョンカメラというものをもらった。  そのカメラで暇つぶしにダンジョン配信をしようということでダンジョンに向かったのだが、イレギュラーのレッドドラゴンが現れてしまう。  しかし主人公に攻撃は一切せず、喉を鳴らして好意的な様子。その様子が全て配信されており、拡散され、大バズりしてしまった!  戦闘力ミジンコ主人公が魔物や幻獣を手懐けながらダンジョンを進む配信のスタート!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

処理中です...