恐怖日和

黒駒臣

文字の大きさ
上 下
23 / 120

兄貴

しおりを挟む

 兄貴が死んだ。身内に迷惑をかけっぱなしの人生で、たぶん地獄に落ちるだろう。
 数日して伯父が死んだ。そのすぐ後に伯母が死に、兄貴の唯一の親友も死んだ。
 あまりに不自然な死の連鎖。次は誰なのか戦々恐々としていたら、父が死に母も死ぬ。
 これは兄貴の祟りなのか。
 確かに兄貴の死にみな安堵し、当然の報いだと喜びもした。だが我々が殺したわけでなく祟られる筋合いなどない。
 次は僕か。
 そう考えていたら兄貴が目の前に立った。
 手には大鎌を持っている。
 地獄行きを免れるために魂を集める契約をしたと笑う。
 死んでまでも身内に迷惑をかけるとは本当にひどい兄貴だ。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

廃屋詛~はいおくそ~

黒駒臣
ホラー
ミンナワタシトオナジ―― 廃屋に行ったことがすべての始まりだった。

変容

小紕 遥
ホラー
夢と現実の境界が溶ける夜、突然の来客。主人公は曖昧な世界で何を見るのか。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...