ある男の物語

三枝麻衣

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店主

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 乱暴に置かれるさかずき、卓に零れる発泡酒、響き渡る哄笑こうしょう。むせ返るような酒の匂い、雑に俗語が描かれた壁面。
 酒場という舞台の主役は決まっている。労働の疲れを癒しに来た男共と、彼らを癒してやる店主、それから少しの目の保養になる美女だ。
 男共の頼むものはいつも、安酒を樽一本分、酷い時には三本分。用意する店主をねぎらいながら、仕事への愚痴を零しては同士と肩を組む。店主は右へ左へ駆けまわりながら、その愚痴を聞いてやる。
 男共に酔いが回った頃、どこからともなく女が数人訪れ、男共の欲を十二分に解放させる。いずれも身寄りのない、訳ありの娘だ。彼女たちは無論、そんな素振りは見せない。眩い程の白い四肢を露出させ、形の良い胸を揺らしながら、薄桃色のベールを手に男共の周囲を歩く。時に独学でならった舞踊を披露して、男共を歓喜に沸かせる。

「姉ちゃん、いい尻してるねえ。」
「いやだもう、お兄さんったら!」
「ぎゃは、おい聞いたか!俺、お兄さんだってよ!」
「馬鹿言え、こいつはもうお兄さんなんて年じゃねえや!」
「ここにいる連中みんなそうだって!」
「若いのは姉ちゃんぐらいだぜ、なあ姉御!」
「ああん?あんた、このあたしが若くないってえのかい?」
「お、おい馬鹿!姉御を怒らすんじゃねえぞっ!」
「二度とうまい酒が飲めなくなっちまう!」
「そうだそうだ、姉御だってまだよ…」
「こらこらだめでしょ、お兄さんたち!
 姐さん怒らせたら大変なんだから!」

 目を尖らせた店主の様相に、慌ててなだめる女達と面白がる男共。変わりない日常の光景。その片隅で窺い知る影があることには、誰も気付かない。

「…いやあでも、楽しいねえ、ここは。」
「変わらないよなあ、この酒場だけは。」
「おう、ここんとこ物騒な事件ばかり起きてやがるからなあ。」
「え、なになに?」
「あれでしょ、路地裏で大量に人が死んでたっていう…」
「うそー!そんなことあったの?」
「なあに、同情するこたあねえよ!
 どうせ定職にも就けない情けねえ浮浪者だぜ!」
「飢えて死んじゃったとか?」
「それがよ、辺りには大量の銀貨があって、みんなそれを鷲掴みしながら死んでたって話だ。」
「親切な誰かが毒でも仕込んだんでしょ。」
「わあ…かわいそう。」
「そう思うんだったらよしな、死者を侮辱するんじゃないよ。」

 …店主の一喝に、それまで話していた者全員が黙りこくった。なまめかしい肢体で色目を使っていた女も、ジョッキを片手に大声で笑っていた男共も、嘘のように萎縮いしゅくしている。本意でなかったとしても、この女傑に敵う者はここにはいない。
 従って沈黙した一同を見渡し、深く溜息を吐いた店主は背を向け…男共が手にしているものと同じジョッキを取り出し、そこに酒を注ぐ。

「…さあ、仕切り直しだよ!」

 振り向いてジョッキを掲げた店主と同調するように、おうおうと声があがる。その声は次第にまた大きくなっていき、何事もなかったかのように先程と同様の活気を取り戻す。安心した女達も、店主に酒を頼みながら再び男共に寄り添った。
 誰も皆、気付いていない。片隅の小さな円卓で一人、黙して座する男の姿に。上半身を裸体に、逞しい筋肉を見せる肉体労働者の中でも一際、浮いているはずの白銀の鎧に。
 …否、店主は気付いていた。誰も言わないが為に最初、酒の匂いに酔っているのではないかと思い、あえて無視を決め込んでいた。
 しかし、どう目を凝らしてみても変わらない様子に、そうもいかなくなった。鼻の下を伸ばし、女と戯れている男共の合間を縫って、ジョッキを片隅に置かれた円卓へと黙って置く。

「あれ、姉御…そいつ確かもう使い物にならねえって…」
「今まで何年も世話になった物だよ、礼代わりに置いてやってんのさ。」
「へえー…姐さんもそういう愛着ってあるんだね。」
「あんた達、あたしのことを何だと思ってんだい。」
「やだあ姐さんこわーい!」
「おっかねえー。」

 一人が怖がるふりをすると、女達の笑い声が響く。

「…ほら、あんた達!今日はもう店仕舞いだよ!」

 これでは収まりがつかないと、店主は腹いせに男共からジョッキを取り上げた。

「え、なんだって?まだ始まったばっかじゃねえか!」
「口答えするんじゃないよ!」
「ほーら、姐さん怒っちゃったぁ。」
「わ、悪かった悪かった!
 俺達が悪かったよ姉御ー!」
「こんな時だけ、何しゅんとしてんだい。
 どのみち今日はこれで仕舞いだよ、外に書いてあっただろう。」
「あ、忘れてたあ!」

 女の一人が声をあげ、慌てて外へ出た。何かを剥がす音が聞こえたかと思うと、帰ってくるなり一枚の紙を突きつけた。そこには確かに、夜間閉店の告知が時間と共に書かれている。
 その瞬間、男共からは野太い悲鳴が上がった。

「うがあああ、なんてこった!」
「俺達の時間はこれからだってえのによお!」
「なあ姉御ー、もうちっとぐらい伸ばしてくれよー!」
「酒をくれええ、酒が足りねえよお…」
「俺達肉体労働者の癒しがああ…」
「…ああもう、ごちゃごちゃうるさいねえ、大の男が情けない!
 明日もやるから明日来な、ほら、さっさと片付けるんだよ!」

 店主が強引に男共の手からジョッキを奪うと、どころを無くした男共は肩を落として渋々、背を向けて退店していく。後ろ髪を引かれるように、女達も自分の宿へ戻っていった。
 最後の一人もいなくなると、そこには店主ともう一人、誰も気付かなかった鎧男の二人のみが残った。男女の喧騒が無くなり、嵐が過ぎ去った後の如く静まり返る。
 普段は飲み零した酒と散らかる肴の滓で惨憺さんたんたる有様だが、今回は店仕舞いが早いため、量もかなり少ない。翌日の凄惨な光景を想像するに、片付ける必要も無いだろう。

「…これでいいかい。」

 完全に人がいなくなったことを確認して、店主は呼びかけた。店内の片隅で、塗装が剥げて朽ちた木片が剥き出しになっている円卓と、座った瞬間に崩れそうな椅子…そこに座する男へと。

「誰も気付かないなんて、まさかとは思ったけどねえ…」
「そんなものだ。」
「それも何かの魔法のおかげかい。」
「そんなものだ。」
「都合がいいねえ、魔法ってものは。」

 淡々と答える男に心底、辟易として店主は首を横に振る。

「妖精のお姫様がいなくなったとか、大量の銀貨残して浮浪者が死んだとか…
 その前は旅商人を名乗る胡散臭い男が、お偉いさんのブローチを売りつけて捕まったとか…
 みんな、あれに関わってる連中じゃないか。
 これもみんな、あんたの仕業かい。」
「それだけじゃない。」
「なんだって?」
「神父と残党も眠っている。」

 …変わらず淡々と答える男に、店主は深い溜息を吐いた。

「あいつら…やっぱり繋がっていたのかい。」
「知っていたのか。」

 それまで無関心だった男が驚く。

「知ってるも何も…この一帯はもうヨダイの言いなりだよ。
 情けないことに、あたしもさ…。
 だからどいつもこいつも全員、いい気味だ。
 特に教会なんか形だけさ…死体があることなんて、誰も知らないんじゃないかい。」

 …手近な椅子に恰幅かっぷくの良い体を預けて、店主は嘆いた。
 街中で、不自然に鳴り止んだ鐘の音を気に留めて聞く者はいない。開かれた門扉の奥を覗く姿はなく、誰の目にも止まらない。人々の目が向くのは、雨風に晒され、錆びたまま天に向かって一直線に伸びている十字架のみ…戦禍の爪痕と戦勝国への服従で疲弊している人々には、もはやそこまでの信仰心は無いらしい。
 店主は視線を、黙したまま杯を傾ける男の白髪交じりの頭に合わせた。男共を一喝していた女傑でも、目を合わせる程の勇気は無かった。

「…で、何しに来たんだい。
 まさか酒を飲みたくて墓の中から起きたわけじゃないだろうね。
 用が無いんならとっとと出て行っておくれ。
 死んだ英雄が出てきたなんて知れたら、怖がって客が来なくなっちまう。」

 そう強気に返すものの、実際におそれているのは店主の方だった。目前にしても、死者が生き返ったという現象は俄かに信じ難く、御伽噺おとぎばなしの中のことだと思っていたからだ。それも甦ったのが志半こころざしなかばに戦死した英雄とあれば、認めたところで自分も連れていかれるか、呪い殺されるか。サント帝国が栄華えいがを極めた時代の常連客だったとは言え、今の店主にとって忌む存在であることには変わらなかった。
 だからと言って、無下に追い払おうとも思えない。去った後で蔵から大蒜にんにくや塩を出して、そこら中に撒いておこうという程度には考えていた。
 …暫しの間を置き、男は言った。

「状況が知りたい。」
「復讐かい。」

 店主の返しに、男は頷きも否定もしない。店主はいよいよ恐ろしくなった。
 酒場を立ち上げた夫が戦死し、代わりに息子が駆り出され、独り身となっても必死に切り盛りしてきた。街がサント帝国からヨダイ帝国への支配下となって尚、変わらずいとなんできた。今や労働者の憩いの場と化しているが、老若男女問わず多くの客を相手にしてきた、この男もまたその一人だった。
 言いようの知れない恐れを隠して視線を合わせぬようにしつつ、店主は過去を振り返っていた。この男は、果たしてこうも近寄り難い人物であったろうかと。
 真一文字まいちもんじに結び、貝のように閉ざした口。前を見据みすえたその目は、陰に潜み隙を窺い、獲物を狙う獣の如く鋭い。男の周囲に漂う空気は、明らかに常人とは違う異様なものだった。戦争に行った者は皆、こうなってしまうのだろうか…帰らぬ夫と息子を思いながら、店主は慎重に口を開く。

「…この街にサントが落城したって報せが来たのは、明け方だった。
 店じまいの看板をげてるのに、荒々しく兵士達が入ってきてね。
 恰好を見て、すぐに分かったよ。

『ああ、あたし達の国サント帝国は負けたんだ、奴らヨダイ帝国はあたし達を殺しに来たんだ』
 ってさ。
 でも、そうじゃなかった。
 奴らはあたし達に忠誠を誓わせたんだ、そうすれば金も命も保障するって。」

 深く溜息を吐き、言葉を切った。当時の情景が脳裏を過り、目をきつく閉じて顔をしかめる。苦しみながら首を横に振り、吐息と共に小さく、こう続けた。

「忠誠を誓うって言うのは、人や金や物のやりとりじゃない。
 つまり、歴史そのものを否定するってことだ。
 最初からこの街はヨダイ帝国のものだった、サント帝国が我らヨダイ帝国から街を簒奪さんだつした。
 我らヨダイ帝国は、巨悪のサント帝国に勝利し、この街を奪還だっかんしたのだ…ってね。 
 そして、その歴史の『修正』を認めさせたうえで…奴らはあたしに、その場でサント帝国の旗を踏むように命じた。」

 …男からただならぬ殺気が発せられているのが、店主の肌に伝わる。

「あたし…って言ったけど、後から聞いた話…全員がそうだった。
 自分の生活の保障と引き換えに、サント帝国の歴史は全て闇に葬り去られた。
 忌むべき悪として旗を踏みつけた…抗う人間も、物も、全てが灰となった。
 そして見逃された人々に課せられたのは、新たな皇帝による重税と過酷な労働…よくある話さ。
 街の住民は皆、そうやって服従を強いられてるよ。」

 声を震わせ、言い終えた。喧騒で活気のある酒場とは思えぬ、重苦しい空気が漂う。明るいだけが酒場ではない。軍隊の雑踏ざっとうと住民の悲鳴が無い分、今の方が遥かにましだろう。
 …そう言い聞かせるしかない自分に、不甲斐なさを感じながら目を開けると、空のジョッキが見えた。見えぬ姿に驚いていると、間もなく冷たい夜風が吹いてくる。視線を上げると、去ろうとする背中が見えた。

「行くのかい」

 両開きの扉を片手で押し開ける男に、店主は尋ねた。

「ああ」

 男は小さく答えた。

「止めても行くんだろう」

 僅かな緊張を含む調子で問いかけ、店主はその背を見つめながら言った。男は、今度は答えなかった。扉の軋む音と煤汚れた鎧の擦れる音が、同時に響いた。
 …誰一人いなくなり、静まり返った酒場の中で、店主は呟いた。

「嫌だねえ…戦争っていうのは…」
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