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五章
聖女の祈り④
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____祈り。
人は能力を超えた苦難に突き当たると、努力を放棄して神や超常の力に精神を委ねる。
彼女はいつも皆に祈られていた。
気軽に手を合わせれば救われるとでも考えているのだろうか。
いったい貴方たちは何を差し出したのか。
何を犠牲にして祈りを叶えようというのか。
彼女は救う方で、救われることはない。
人のお願いはいつだって自分勝手で、彼女は次第に人から隠れて暮らすようになった。
……それでも人々は彼女に救いを求めた。
土煙が嘘のようにたち消える。
怖いくらいに静かだ。
「……ずいぶんと荒っぽく起こされたみたいだね」
鉄の処女は地面に衝突した衝撃でヒビが入り、砕け散る。
まるで卵が割れるようだ。
そうだ。これは死ではなく誕生。
中から登場した人物を見て、冷や汗を浮かべアリエルは息を飲む。
「やはり貴女でしたか……」
「久しぶりだね」
サリアナ。
時間が凍った。そう感じるほどのオーラがある。
純白のローブに包まれ、初雪のような清純さを携えながら歩みを進める。
裸足で踏んだ土から植物が生まれ、早回しのように枯れていく。
透明かと思うほど美しい銀髪は身体のラインに沿って貼りつき、怪しい魅力を放っている。
まぎれもない聖女。
史上最高とされたサリアナの姿がそこにはあった。
サリアナは美しい髪を片手で梳かし、微笑む。
「可愛いアリィ。どうしてわたしを攻撃するんだい?」
おびえるアリエル。震えながら答えた。
「貴女に聞きたいですね。どうして死んだはずの貴女が神徒をやっているんですか?」
「死んだはず? 君がわたしを殺したんだ。そうだろう?」
「それは……っ」
サリアナを殺したのはアリエルだ。
忘れてしまいたい過去。
消えない罪。背負った十字架。
自らの手で命を奪ったはずの女が目の前に立つ恐怖に耐えながらアリエルは問う。
「でも、貴女は私が! あのとき、この手でっ!」
「サリィだよ」
サリアナは真顔になった。
アリエルはその顔が恐ろしい。
「は……っ」
「わたしのことはサリィと呼んでくれとお願いしたじゃないか。忘れたのかい? それとも、最愛のわたしを殺した事実から逃れるために記憶を封じようとでもしているのかい?」
「ぅ……ぁ……」
「震えちゃって、アリィ。ちゃんと確認はしたかい? わたしをあんな冷たい土の中に埋めて、それで終わりなんてダメだよ。死体はきちんと消滅させなきゃいけないよね」
淡々と口を動かし、アリエルの元へ近づいてくるサリアナ。
どうして動けないのだろう!?
アリエルは身体が震えてしまい攻撃できない。
蘇ったサリアナの姿はあのときと同じで、同じ口調で。優しくしてくれたあの人で。
身体と精神が過去に揺り戻されたような感覚。もしかしたら謝ればあの時のことは全部無くなって、またこの人と幸せになれるのかもしれない。そう思わせる包容感がサリアナにはあるような気がした。
動けないアリエルにかわりスリザリがサリアナを牽制する。
「数千年は見ないと思えば。ずいぶんと下衆になったものだなサリアナ」
「ん。ああ、いたのか。君は魔王を名乗る紛い物だね。たしかスリザリと言ったかい?」
サリアナは視線すらスリザリの方に向けず答える。
スリザリは注意深くサリアナの動向を観察しつつ、アリエルの肩に手を回す。
「アリエルを惑わすのはやめて頂こう」
眉をひそめたサリアナは少し口調が荒くなる。
「……君、そういうキャラだっけ? はっきり言うけど痛いよ? アリィは私を好きなんだ。君が入る余地はないし、ここにいる意味がわからない。自分の役目も忘れたような自殺志願者はどこか適当な場所で遊んでてくれないかな?」
「……看過されないとでも思ったか穢れた聖女め。貴様の思惑は薄々感づいている。アリエルを仕上げに使うつもりだろうがそうはいかんぞ?」
「へぇ。気付いてたの」
スリザリの言葉に感心するサリアナ。
アリエルは正気を取り戻し尋ねる。
「私も……そうじゃなきゃいいと思ってましたが。実際に目の当たりにすると、どうしてと訊ねずにはいられません!! なんで……どうしてオリエンテールを攻撃したのですか? どうして人間を殺したのですか!? なんでアラガミなんかの仲間に!?」
「アリィは知りたがりだなぁ。いいよ、教えてあげよう」
サリアナはカラリと笑う。これから面白い話でも始めるかのように笑顔で切り株に腰掛けた。
無防備なのだが、アリエルもスリザリもサリアナの気配の鋭さに攻撃のタイミングを逃してしまう。
余裕の態度でゆっくりと語り始めた。
「人間として生きる選択をして、アリィに聖女を任せたんだけど……気付いたんだよ。人間は醜い。醜くすぎる。男の人と一緒になって、赤ちゃんを産んでみて、気分が盛り上がったことは認めるよ? でもさ。皺々になっていく旦那をみてごらん。汚いなぁって思わない?」
サリアナは頬に手を当てる。
若い、一番いい時で止まった素晴らしい肌を確認しうっとりした。
「それにわたし、聖女としてすごく頑張ったよね? なのにこぢんまりとした幸せで満足していると思い込む自分に腹が立ってね。人間は自分勝手にわたしに助けを求めるくせにわたしに何かしてくれたかい? 何もしないよ彼ら。わたしはもっともっと幸せになる権利がある。馬鹿な人間どもはその礎になる義務があるはずだとね」
そう言うと、サリアナは胸の前で両手を合わせる。
目を閉じ、何かに祈るポーズをとった。
「わたしだって誰かに祈りたいよ。そんな時に助けてくれたのがアラガミ様。わたしの『祈り』を聞き届けてくれたんだ。そうして、祈りの力で生き返ったわたしは『鉄の処女』の中でじっと時を待っていたわけだ。アリィ……君が美味しく成熟してくれるときをね」
サリアナはにっこりと微笑む。
そして、アリエルの方に両手を広げてこう言った。
「さあアリィ。大好きなわたしのために、聖女の力を返して? 喜んで死んでくれるよね? だってアリィはわたしのものなんだから」
人は能力を超えた苦難に突き当たると、努力を放棄して神や超常の力に精神を委ねる。
彼女はいつも皆に祈られていた。
気軽に手を合わせれば救われるとでも考えているのだろうか。
いったい貴方たちは何を差し出したのか。
何を犠牲にして祈りを叶えようというのか。
彼女は救う方で、救われることはない。
人のお願いはいつだって自分勝手で、彼女は次第に人から隠れて暮らすようになった。
……それでも人々は彼女に救いを求めた。
土煙が嘘のようにたち消える。
怖いくらいに静かだ。
「……ずいぶんと荒っぽく起こされたみたいだね」
鉄の処女は地面に衝突した衝撃でヒビが入り、砕け散る。
まるで卵が割れるようだ。
そうだ。これは死ではなく誕生。
中から登場した人物を見て、冷や汗を浮かべアリエルは息を飲む。
「やはり貴女でしたか……」
「久しぶりだね」
サリアナ。
時間が凍った。そう感じるほどのオーラがある。
純白のローブに包まれ、初雪のような清純さを携えながら歩みを進める。
裸足で踏んだ土から植物が生まれ、早回しのように枯れていく。
透明かと思うほど美しい銀髪は身体のラインに沿って貼りつき、怪しい魅力を放っている。
まぎれもない聖女。
史上最高とされたサリアナの姿がそこにはあった。
サリアナは美しい髪を片手で梳かし、微笑む。
「可愛いアリィ。どうしてわたしを攻撃するんだい?」
おびえるアリエル。震えながら答えた。
「貴女に聞きたいですね。どうして死んだはずの貴女が神徒をやっているんですか?」
「死んだはず? 君がわたしを殺したんだ。そうだろう?」
「それは……っ」
サリアナを殺したのはアリエルだ。
忘れてしまいたい過去。
消えない罪。背負った十字架。
自らの手で命を奪ったはずの女が目の前に立つ恐怖に耐えながらアリエルは問う。
「でも、貴女は私が! あのとき、この手でっ!」
「サリィだよ」
サリアナは真顔になった。
アリエルはその顔が恐ろしい。
「は……っ」
「わたしのことはサリィと呼んでくれとお願いしたじゃないか。忘れたのかい? それとも、最愛のわたしを殺した事実から逃れるために記憶を封じようとでもしているのかい?」
「ぅ……ぁ……」
「震えちゃって、アリィ。ちゃんと確認はしたかい? わたしをあんな冷たい土の中に埋めて、それで終わりなんてダメだよ。死体はきちんと消滅させなきゃいけないよね」
淡々と口を動かし、アリエルの元へ近づいてくるサリアナ。
どうして動けないのだろう!?
アリエルは身体が震えてしまい攻撃できない。
蘇ったサリアナの姿はあのときと同じで、同じ口調で。優しくしてくれたあの人で。
身体と精神が過去に揺り戻されたような感覚。もしかしたら謝ればあの時のことは全部無くなって、またこの人と幸せになれるのかもしれない。そう思わせる包容感がサリアナにはあるような気がした。
動けないアリエルにかわりスリザリがサリアナを牽制する。
「数千年は見ないと思えば。ずいぶんと下衆になったものだなサリアナ」
「ん。ああ、いたのか。君は魔王を名乗る紛い物だね。たしかスリザリと言ったかい?」
サリアナは視線すらスリザリの方に向けず答える。
スリザリは注意深くサリアナの動向を観察しつつ、アリエルの肩に手を回す。
「アリエルを惑わすのはやめて頂こう」
眉をひそめたサリアナは少し口調が荒くなる。
「……君、そういうキャラだっけ? はっきり言うけど痛いよ? アリィは私を好きなんだ。君が入る余地はないし、ここにいる意味がわからない。自分の役目も忘れたような自殺志願者はどこか適当な場所で遊んでてくれないかな?」
「……看過されないとでも思ったか穢れた聖女め。貴様の思惑は薄々感づいている。アリエルを仕上げに使うつもりだろうがそうはいかんぞ?」
「へぇ。気付いてたの」
スリザリの言葉に感心するサリアナ。
アリエルは正気を取り戻し尋ねる。
「私も……そうじゃなきゃいいと思ってましたが。実際に目の当たりにすると、どうしてと訊ねずにはいられません!! なんで……どうしてオリエンテールを攻撃したのですか? どうして人間を殺したのですか!? なんでアラガミなんかの仲間に!?」
「アリィは知りたがりだなぁ。いいよ、教えてあげよう」
サリアナはカラリと笑う。これから面白い話でも始めるかのように笑顔で切り株に腰掛けた。
無防備なのだが、アリエルもスリザリもサリアナの気配の鋭さに攻撃のタイミングを逃してしまう。
余裕の態度でゆっくりと語り始めた。
「人間として生きる選択をして、アリィに聖女を任せたんだけど……気付いたんだよ。人間は醜い。醜くすぎる。男の人と一緒になって、赤ちゃんを産んでみて、気分が盛り上がったことは認めるよ? でもさ。皺々になっていく旦那をみてごらん。汚いなぁって思わない?」
サリアナは頬に手を当てる。
若い、一番いい時で止まった素晴らしい肌を確認しうっとりした。
「それにわたし、聖女としてすごく頑張ったよね? なのにこぢんまりとした幸せで満足していると思い込む自分に腹が立ってね。人間は自分勝手にわたしに助けを求めるくせにわたしに何かしてくれたかい? 何もしないよ彼ら。わたしはもっともっと幸せになる権利がある。馬鹿な人間どもはその礎になる義務があるはずだとね」
そう言うと、サリアナは胸の前で両手を合わせる。
目を閉じ、何かに祈るポーズをとった。
「わたしだって誰かに祈りたいよ。そんな時に助けてくれたのがアラガミ様。わたしの『祈り』を聞き届けてくれたんだ。そうして、祈りの力で生き返ったわたしは『鉄の処女』の中でじっと時を待っていたわけだ。アリィ……君が美味しく成熟してくれるときをね」
サリアナはにっこりと微笑む。
そして、アリエルの方に両手を広げてこう言った。
「さあアリィ。大好きなわたしのために、聖女の力を返して? 喜んで死んでくれるよね? だってアリィはわたしのものなんだから」
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