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五章
※番外編クリスマス仙人を×そう!※
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クリスマス仙人を×そう!
やあみんな。元気かのう?
わし?
わしの名はクリスマス仙人じゃ。
異世界では100年間クリスマスをひとりで過ごすと、仙人になることができるんじゃて。
というわけで、わしは今年もクリスマスをひとりですごそうと思っておるんじゃ。
じゃがのう、それもいい加減飽きたのう。
不審者?
なんじゃそれ。わし、そんなあぶないやつじゃないのじゃ。
とにかく、仙人になったわしには特殊能力が備わっておるのじゃ。
『クリスマスにひとりぼっちの者を見つける能力』
通称クリぼっちレーダーじゃのう。
クリぼっちは飽きたからのう。
このクリぼっちレーダーを使って、わしはオリエンテールのクリぼっちたちを救いたい。
具体的にいえば、ひとりぼっちの女の子のところに行って慰めてあげて、ちょっといい感じになりたいのじゃ。
え? 不審者?
違うのじゃ。
わしが考えているのはあくまで人助けじゃ。この能力を悪用して、女の子をひっかけてクリスマスをあわよくば性なる夜に。なんていう一般凡人、パンピーたちの考えるような下世話な思考はしないのじゃ。わし、仙人じゃぞ?
めっちゃエロいこと考えそう? 見た目で決めつけなんて失礼しちゃうのじゃ。
んー、じゃがのう……。
相手がどうしてもわしを求めるというなら、仕方がないがのう、むふふ。
裸の男女がならす性なる鐘。この能力があれば、とうとうわしにもディンディンドン。
じつはわしの能力には、魔法を掛けている間だけ女の子を自由にする事ができるというものもあってだね。
むぉっほっほっほ……オホン。
それでは、今年はこの国に決めたのじゃ。
行けトナカイモンスター!!
わしを美少女たちの元へ運ぶのじゃ!!
「わたしだけ!?……セツカくんのクリスマスパーティ呼ばれてない。他のクラスメイトは呼ばれてるのに、なななんで!?」
あれま。
これは最初から重症なのじゃ。
絵にかいたようなクリぼっちじゃな!
とある街角。
黒髪ロングで目立たない感じの女の子がひとりで立っているのじゃ。
珍しい服じゃのう。
ここでわしのクリぼっちレーダー発動じゃ!
クリぼっちレーダーは相手のステータスを開示できるのじゃ。主に知られたくない個人情報をメインにのう。
名前はハヤサカ。
着ている服は高校の制服。スカートがひらひらで可愛いのう。けっこうむちむちした発育のいい身体をしていて、胸が大きくわし好みじゃな。
前髪が目にかかるくらいで、あまり手入れしなかったのは、目立たないためじゃな。
可愛らしいことに、今日は気合いをいれてしっかり手入れしておるのじゃな。呼ばれなかったのにw
おほっ、あまり周囲には気づかれてはおらんが、この娘かなりの美少女じゃのう。
どうやら『性格に難あり』らしいのじゃが……。
正直言って、わし、スタイルと顔がよければいけるのじゃ!!
もう好きになってきたかもしれん……この娘に決めようかのう?
「なんで……セツカくん。わたしとのことを忘れたの? わたしたち結婚する約束だったのに、セツカくんセツカくんセツカくん……」
ん?
好きな男がいるのかつまらんのう。
しかし、クリスマス仙人は寝取りも全然いけるのじゃ。自分が寝取られるのは絶対にごめんじゃがの。
この娘の背後から優しく肩を抱いてやり、『クリぼっち仙人パワー』をすこしばかり悪用してやれば……。
すーぐにハヤサカちゃんは過去の男を忘れ、わしにめろめろになるのじゃよ!
しっかし、エロい身体じゃのう。うるうると涙目なのもポイント高いのじゃ!
よっこいせとしゃがんだふり。やれやれ腰が痛いのじゃー。
なんと!? 勝負下着は白じゃと!?
まだ年末じゃが、もはやハッピーニューイヤーと言われた気分じゃよ!
「わたしとセツカくん、わたしとセツカくんの……よし、できたよ」
なんかぶつぶつ言っておるのう。ま、いいか。
女の子って、いいにおいがするから好きじゃ。
わしがクリぼっち仙人能力で透明になりながらハヤサカちゃんの顔をペロペロしようとしたときだった。
「おろろろろろ」
吐いた!?
この娘、往来でいきなり吐きおった!?
ちょっと……待って。クリぼっちレーダーどういうこと、説明して?
『ハヤサカはセツカのことが好きすぎてクリスマスに呼ばれなかった現実に耐えられませんでした。よって、自らの精神に負荷を与えて今……妊娠しようとしています』
……はい?
意味がわかるように説明してくれんかのう?
『想像で妊娠すればセツカにクリスマスパーティに呼んでもらえるとハヤサカは考えています。今、三週目です。つわりのようですね』
こ、怖っ。
ハヤサカちゃんはやめとこう。
セツカ……どんな男なのかのう? ハヤカサにあんなに愛されて。
うう、寒っ。
怖すぎて寒気がしたのじゃ。くわばらくわばら。
気をとりなおして次に行くのじゃ!!
オリエンテールは美人が多くて好きじゃ。
街を歩く人並みをぼうっと眺めて今日のパートナーを探すのじゃ。
もちろん透明化しているので、誰もわしの存在には気づいておらん。
……んほっ!?
いや、びっくりするぐらいの美少女を見つけて恥ずかしい声をだしちゃったのじゃ。
なんじゃ……あれは、可愛いすぎてびっくりするのじゃ。
尻尾と大きな耳があるのじゃ。獣人のようじゃな。
「はあ……」
浮かない顔じゃな。
クリぼっちレーダー、情報を頼むのじゃ。
……ふむふむ。
レーネちゃんというのか。フェネク族というめずらしいキツネの獣人なのじゃな。
頭の毛と尻尾の毛が透明感のある金色で、小顔に映える大きな耳。
おっぱいはささやかじゃが、あの歳なら成長期じゃろうて。
一言で言うならば『完成された生物』じゃな。あれは反則じゃ。
尻尾をモフりながらベッドの中で将来について語り合いたいのじゃ!
きっとすごく肌触りがいいのじゃろうなぁ……。
ダメじゃ我慢ならん、ケモミミをちょっとだけ触ってみるのじゃ。
仙人パワーがあるから、少しだけなら気づかんじゃろ。
……や、柔らかいのじゃー!!!
「ごしゅじんさま……レーネはえらい。がまんします。がまん……します」
ほう、こんなケモミミ美少女でもクリぼっちなのか?
情報によると、主人のクリスマスパーティに呼ばれなかったらしいのじゃ。
あんな可愛いらしい奴隷を放置する主人とか、頭がおかしいんじゃなかろうか?
「…………」
無言で歩き続けるレーネちゃん。
てくてくと街の外までやってきたのう。
「血爪」
のわっ!?
巨大な岩を次々を爪で切り裂いているのじゃ……。
無言で、ケモミミ美少女が、うつむきながら。
怖いのじゃ……。
「ごしゅじんさま、すき」
……強すぎじゃ。
レーネちゃんはやめとこう。
わしの命があぶないのじゃ。
なんなのじゃ!! 可愛いと思ったらヤバイ女の子ばっかりなのじゃ!!
しかもレーネちゃんもセツカのことが好きと情報が出ていたぞ? なんなのじゃつまらん!!
わしは焦っていた。
クリスマスはクリスマスの日だけなのじゃ。
何を言っているかわからんじゃろうか? わしの能力を使えるのは、つまり今日だけということ。
クリぼっち仙人が能力を使えるのは1日だけ。
わしが女の子を×××できるのも今日だけなのじゃ!!
考えていると、道の先から二人組が歩いてきたのじゃ。
「フローラ。今日は天気が良いですね」
「はぃぃ。スレイちゃん。とてもお天気が良いですぅ」
「クリスマス日和なのに私たち一人ですね」
「ざんねんですぅ。せっかくのクリスマスなのに、ふーちゃん孤独ですぅ」
おいおい。
ここは天国かと勘違いしちゃうのじゃ。
腰より長い銀髪の美少女と、ベールをまとったエルフの美しい女の子が歩いてきた。
クリぼっちレーダーによると、あの子たちは銀髪がスレイで、エルフがフローラという名前じゃな。
「ハヤサカさんはあれとして、レーネはすこしかわいそうですね」
「ハヤサカさんはあれとしてぇ、レーネちゃんずっと楽しみにしてましたからねえ」
可愛いのう。
てか、あの二人がクリぼっちは絶対嘘なのじゃ!!
なんか様子がおかしいぞ?
でも……すごく、すごいのじゃこの二人!
銀髪の子は赤色の瞳がとってもきれいで華奢な身体つき。真っ白な肌はすべすべしてそうじゃ……。
エルフなんか、おっぱい大きすぎて、もはや乳の権化ではないか!!
えっろ!!!!
ダメじゃろそんな格好で歩いたら。わしが両手で包んで隠してやりたいのじゃ。たぶん、包みきれんぞこれ!?
二人とも揉みたい……ペロペロしたいのじゃ!!
「…………」
「…………」
おっと危ない。
いくらクリぼっちパワーで透明になっているとはいえ、あんまり近寄ったら吐息でバレてしまうのじゃ。
二人とも不思議そうな顔をしとるが、スルーしてくれおった。
ちょっとだけ、匂いだけ嗅がせてもらうのじゃ!!
はぁ、二人からは果物みたいな素晴らしく良い名状しがたい若い香りがするのじゃ。
「……お家に帰りましょう」
「はいぃ」
そうじゃ、この二人を追跡しよう!
この二人のお家でパーティナイトじゃ!
今年こそは行けそうな気がする。
わしの時代の到来じゃ!!
●それはありません。『殺し』ます。
えっ!?
○○○
「みんな、よくやってくれた」
俺は勢揃いになった皆を前にし、口を開いた。
「厄介なモンスターの討伐だった。出没条件がまさかクリスマスの日に一人でいる少女のもとへ現れるという限定的なものだったとは」
討伐されたクリスマス仙人とかいうモンスター。紛らわしいことにサンタクロースのような配色をしている。
レーネ達のおとりによっておびき出された奴は、俺の『殺す』スキルによって倒された。
こいつが巷を騒がせていたクリスマスの日に少女に対しエロいことをしようと企むモンスターの正体だ。
一年に一度しか現れないため、討伐が難しかったらしい。
「きもちわるかったですごしゅじんさま~」
「すっごく見てきました。はぁはぁしていましたね」
「ふーちゃんおっぱい触られそうになったぁ!」
女の子たちは不満爆発だ。
仕方ない。本当だったらもうパーティをしている時間だったもんな。
悪かった。だが、この子たちの協力あってモンスターも討伐できたのだ。
俺は本心から礼を告げる。
「みんなありがとう。ご褒美は何がいい?」
「ごしゅじんさま!」
「セツカ様です」
「セツカちゃんですぅ」
おっと。
一斉に抱きついてくる。
柔らかな胸まで押しつけてくるなんて、ちょっと苦しいぞ?
やれやれ。まだまだ子供っぽい所があるな。俺の名前を出すということは、親に甘えたいということ。決して本気の意味じゃないだろう。
「わかった。ケーキな」
「ほんきなのに……ケーキ!?」
「本気です。……ケーキ!?」
「ほんとにセツカちゃんを……けぇき!?」
女の子たちの目がいっせいに輝いた。
こんなこともあろうかと、クリスマスケーキを作っておいたんだ。材料を集めるのに苦労した。『殺せ』ば簡単に作成可能だが、それでは味気ない。
時間を作って、ときには冒険者をやっているクラスメイトに頼んで材料を揃えたセツカ特製ケーキさ。
「すごくおいしいですごしゅじんさま!!」
「こんなに舌触りのいいクリーム、王族でも食べたことないですわ」
「エルフのほっぺが落ちちゃいますぅ」
気に入ってもらえたようだな。
女の子たちの欲しいものはリサーチ済みだ。
彼女たちが寝た後、枕元の靴下に投入するつもりだ。
……異世界にはサンタクロースいないからな。やれやれ。
「セツカ呼んでくれてありがとな」
「なんか、こーいうの懐かしいねっ」
「料理すごく美味しいよ。来てよかった!」
クラスメイトの奴らも適当に料理を摘んだり、ケーキを取り分けたりして楽しく過ごしたようだ。
しばらくしたらハヤサカが到着した。
「あ、あの……呼ばれてないけど、きき来ちゃいました」
申し訳無さそうにドアを開けるハヤサカ。
迎えに行くつもりだったが、来てしまったなら仕方ない。
俺はハヤサカの肩に手を掛ける。
「みんな。主役の登場だ」
「えっ!? えっええ!?」
動揺するハヤサカ。
なんだ、自分で来たくせに気付いてないのか?
ハヤサカに尋ねる。
「今日はなんの日だ?」
「えっと、えっと、クリスマス?」
「ああ。あとは?」
「あと!? なんだっけ、えっと、えっと……」
まごついているな。
これは本気で忘れている可能性もある。
なら、サプライズは成功かもな。
「誕生日おめでとう」
「「「誕生日おめでとうハヤサカちゃん」」」
「ええっ!?」
12月24日はハヤサカの誕生日だ。
一応、覚えていたんでな。中学が一緒だったよしみで。
「あ……はっ。うふっ。うれしい。セツカくん、うれしいっ!!」
「……泣くなよ」
「ちが、これ、うれしくて。えっぐ。わたしの誕生日なんて、誰も覚えてないと思ってたから……」
「ま、ついでさ」
プレゼントとして毛糸のマフラーを渡した。
そしたらハヤサカは異常に喜ぶのなんのって、別にマフラーぐらい簡単に作れるからいくらでもくれてやるのに。
「セツカくんほんとに……ありがとう」
とにかく、こうしてクリスマス会兼ハヤサカの誕生日会兼レアモンスターの討伐は無事終了した。
たまにはこういうのも、良いんじゃないか?
「まって。ほんとに呼ばれてない人がいるから。ねぇぇぇぇっ!!」
真のぼっちは誰なのか。
それは誰も知らない……。
「おい待てぇえええ!! アハハハァァーンッこのまま終わってたまるかーいっ! わたし、けっこうクリスマスって好きなのね。なんていうか、雰囲気だけでも幸せっていうか? 現実のあたしはどうとかじゃなくて、総合的にこう……ね。ていうかケーキもつくるし、お料理も用意するのよ。化粧もしっかりして、ベッドまで整えちゃって、足りないのは相手だけ!! つまりセツカ、あんた今どこ!? あたし待ってるんだけど!? クリスマスくらいあたしと●●●するという気合を見せてよねっ!! まだ間に合うからっ!! 待ってるから…………来いっ!!」
●『殺す』スキルより事後報告。クリスマス会が終わった後に、セツカは行きました。「朝に来ないで夜に来て」と言われたので「馬鹿め」と返しました。なんだかんだ仲は良いみたいです。
やあみんな。元気かのう?
わし?
わしの名はクリスマス仙人じゃ。
異世界では100年間クリスマスをひとりで過ごすと、仙人になることができるんじゃて。
というわけで、わしは今年もクリスマスをひとりですごそうと思っておるんじゃ。
じゃがのう、それもいい加減飽きたのう。
不審者?
なんじゃそれ。わし、そんなあぶないやつじゃないのじゃ。
とにかく、仙人になったわしには特殊能力が備わっておるのじゃ。
『クリスマスにひとりぼっちの者を見つける能力』
通称クリぼっちレーダーじゃのう。
クリぼっちは飽きたからのう。
このクリぼっちレーダーを使って、わしはオリエンテールのクリぼっちたちを救いたい。
具体的にいえば、ひとりぼっちの女の子のところに行って慰めてあげて、ちょっといい感じになりたいのじゃ。
え? 不審者?
違うのじゃ。
わしが考えているのはあくまで人助けじゃ。この能力を悪用して、女の子をひっかけてクリスマスをあわよくば性なる夜に。なんていう一般凡人、パンピーたちの考えるような下世話な思考はしないのじゃ。わし、仙人じゃぞ?
めっちゃエロいこと考えそう? 見た目で決めつけなんて失礼しちゃうのじゃ。
んー、じゃがのう……。
相手がどうしてもわしを求めるというなら、仕方がないがのう、むふふ。
裸の男女がならす性なる鐘。この能力があれば、とうとうわしにもディンディンドン。
じつはわしの能力には、魔法を掛けている間だけ女の子を自由にする事ができるというものもあってだね。
むぉっほっほっほ……オホン。
それでは、今年はこの国に決めたのじゃ。
行けトナカイモンスター!!
わしを美少女たちの元へ運ぶのじゃ!!
「わたしだけ!?……セツカくんのクリスマスパーティ呼ばれてない。他のクラスメイトは呼ばれてるのに、なななんで!?」
あれま。
これは最初から重症なのじゃ。
絵にかいたようなクリぼっちじゃな!
とある街角。
黒髪ロングで目立たない感じの女の子がひとりで立っているのじゃ。
珍しい服じゃのう。
ここでわしのクリぼっちレーダー発動じゃ!
クリぼっちレーダーは相手のステータスを開示できるのじゃ。主に知られたくない個人情報をメインにのう。
名前はハヤサカ。
着ている服は高校の制服。スカートがひらひらで可愛いのう。けっこうむちむちした発育のいい身体をしていて、胸が大きくわし好みじゃな。
前髪が目にかかるくらいで、あまり手入れしなかったのは、目立たないためじゃな。
可愛らしいことに、今日は気合いをいれてしっかり手入れしておるのじゃな。呼ばれなかったのにw
おほっ、あまり周囲には気づかれてはおらんが、この娘かなりの美少女じゃのう。
どうやら『性格に難あり』らしいのじゃが……。
正直言って、わし、スタイルと顔がよければいけるのじゃ!!
もう好きになってきたかもしれん……この娘に決めようかのう?
「なんで……セツカくん。わたしとのことを忘れたの? わたしたち結婚する約束だったのに、セツカくんセツカくんセツカくん……」
ん?
好きな男がいるのかつまらんのう。
しかし、クリスマス仙人は寝取りも全然いけるのじゃ。自分が寝取られるのは絶対にごめんじゃがの。
この娘の背後から優しく肩を抱いてやり、『クリぼっち仙人パワー』をすこしばかり悪用してやれば……。
すーぐにハヤサカちゃんは過去の男を忘れ、わしにめろめろになるのじゃよ!
しっかし、エロい身体じゃのう。うるうると涙目なのもポイント高いのじゃ!
よっこいせとしゃがんだふり。やれやれ腰が痛いのじゃー。
なんと!? 勝負下着は白じゃと!?
まだ年末じゃが、もはやハッピーニューイヤーと言われた気分じゃよ!
「わたしとセツカくん、わたしとセツカくんの……よし、できたよ」
なんかぶつぶつ言っておるのう。ま、いいか。
女の子って、いいにおいがするから好きじゃ。
わしがクリぼっち仙人能力で透明になりながらハヤサカちゃんの顔をペロペロしようとしたときだった。
「おろろろろろ」
吐いた!?
この娘、往来でいきなり吐きおった!?
ちょっと……待って。クリぼっちレーダーどういうこと、説明して?
『ハヤサカはセツカのことが好きすぎてクリスマスに呼ばれなかった現実に耐えられませんでした。よって、自らの精神に負荷を与えて今……妊娠しようとしています』
……はい?
意味がわかるように説明してくれんかのう?
『想像で妊娠すればセツカにクリスマスパーティに呼んでもらえるとハヤサカは考えています。今、三週目です。つわりのようですね』
こ、怖っ。
ハヤサカちゃんはやめとこう。
セツカ……どんな男なのかのう? ハヤカサにあんなに愛されて。
うう、寒っ。
怖すぎて寒気がしたのじゃ。くわばらくわばら。
気をとりなおして次に行くのじゃ!!
オリエンテールは美人が多くて好きじゃ。
街を歩く人並みをぼうっと眺めて今日のパートナーを探すのじゃ。
もちろん透明化しているので、誰もわしの存在には気づいておらん。
……んほっ!?
いや、びっくりするぐらいの美少女を見つけて恥ずかしい声をだしちゃったのじゃ。
なんじゃ……あれは、可愛いすぎてびっくりするのじゃ。
尻尾と大きな耳があるのじゃ。獣人のようじゃな。
「はあ……」
浮かない顔じゃな。
クリぼっちレーダー、情報を頼むのじゃ。
……ふむふむ。
レーネちゃんというのか。フェネク族というめずらしいキツネの獣人なのじゃな。
頭の毛と尻尾の毛が透明感のある金色で、小顔に映える大きな耳。
おっぱいはささやかじゃが、あの歳なら成長期じゃろうて。
一言で言うならば『完成された生物』じゃな。あれは反則じゃ。
尻尾をモフりながらベッドの中で将来について語り合いたいのじゃ!
きっとすごく肌触りがいいのじゃろうなぁ……。
ダメじゃ我慢ならん、ケモミミをちょっとだけ触ってみるのじゃ。
仙人パワーがあるから、少しだけなら気づかんじゃろ。
……や、柔らかいのじゃー!!!
「ごしゅじんさま……レーネはえらい。がまんします。がまん……します」
ほう、こんなケモミミ美少女でもクリぼっちなのか?
情報によると、主人のクリスマスパーティに呼ばれなかったらしいのじゃ。
あんな可愛いらしい奴隷を放置する主人とか、頭がおかしいんじゃなかろうか?
「…………」
無言で歩き続けるレーネちゃん。
てくてくと街の外までやってきたのう。
「血爪」
のわっ!?
巨大な岩を次々を爪で切り裂いているのじゃ……。
無言で、ケモミミ美少女が、うつむきながら。
怖いのじゃ……。
「ごしゅじんさま、すき」
……強すぎじゃ。
レーネちゃんはやめとこう。
わしの命があぶないのじゃ。
なんなのじゃ!! 可愛いと思ったらヤバイ女の子ばっかりなのじゃ!!
しかもレーネちゃんもセツカのことが好きと情報が出ていたぞ? なんなのじゃつまらん!!
わしは焦っていた。
クリスマスはクリスマスの日だけなのじゃ。
何を言っているかわからんじゃろうか? わしの能力を使えるのは、つまり今日だけということ。
クリぼっち仙人が能力を使えるのは1日だけ。
わしが女の子を×××できるのも今日だけなのじゃ!!
考えていると、道の先から二人組が歩いてきたのじゃ。
「フローラ。今日は天気が良いですね」
「はぃぃ。スレイちゃん。とてもお天気が良いですぅ」
「クリスマス日和なのに私たち一人ですね」
「ざんねんですぅ。せっかくのクリスマスなのに、ふーちゃん孤独ですぅ」
おいおい。
ここは天国かと勘違いしちゃうのじゃ。
腰より長い銀髪の美少女と、ベールをまとったエルフの美しい女の子が歩いてきた。
クリぼっちレーダーによると、あの子たちは銀髪がスレイで、エルフがフローラという名前じゃな。
「ハヤサカさんはあれとして、レーネはすこしかわいそうですね」
「ハヤサカさんはあれとしてぇ、レーネちゃんずっと楽しみにしてましたからねえ」
可愛いのう。
てか、あの二人がクリぼっちは絶対嘘なのじゃ!!
なんか様子がおかしいぞ?
でも……すごく、すごいのじゃこの二人!
銀髪の子は赤色の瞳がとってもきれいで華奢な身体つき。真っ白な肌はすべすべしてそうじゃ……。
エルフなんか、おっぱい大きすぎて、もはや乳の権化ではないか!!
えっろ!!!!
ダメじゃろそんな格好で歩いたら。わしが両手で包んで隠してやりたいのじゃ。たぶん、包みきれんぞこれ!?
二人とも揉みたい……ペロペロしたいのじゃ!!
「…………」
「…………」
おっと危ない。
いくらクリぼっちパワーで透明になっているとはいえ、あんまり近寄ったら吐息でバレてしまうのじゃ。
二人とも不思議そうな顔をしとるが、スルーしてくれおった。
ちょっとだけ、匂いだけ嗅がせてもらうのじゃ!!
はぁ、二人からは果物みたいな素晴らしく良い名状しがたい若い香りがするのじゃ。
「……お家に帰りましょう」
「はいぃ」
そうじゃ、この二人を追跡しよう!
この二人のお家でパーティナイトじゃ!
今年こそは行けそうな気がする。
わしの時代の到来じゃ!!
●それはありません。『殺し』ます。
えっ!?
○○○
「みんな、よくやってくれた」
俺は勢揃いになった皆を前にし、口を開いた。
「厄介なモンスターの討伐だった。出没条件がまさかクリスマスの日に一人でいる少女のもとへ現れるという限定的なものだったとは」
討伐されたクリスマス仙人とかいうモンスター。紛らわしいことにサンタクロースのような配色をしている。
レーネ達のおとりによっておびき出された奴は、俺の『殺す』スキルによって倒された。
こいつが巷を騒がせていたクリスマスの日に少女に対しエロいことをしようと企むモンスターの正体だ。
一年に一度しか現れないため、討伐が難しかったらしい。
「きもちわるかったですごしゅじんさま~」
「すっごく見てきました。はぁはぁしていましたね」
「ふーちゃんおっぱい触られそうになったぁ!」
女の子たちは不満爆発だ。
仕方ない。本当だったらもうパーティをしている時間だったもんな。
悪かった。だが、この子たちの協力あってモンスターも討伐できたのだ。
俺は本心から礼を告げる。
「みんなありがとう。ご褒美は何がいい?」
「ごしゅじんさま!」
「セツカ様です」
「セツカちゃんですぅ」
おっと。
一斉に抱きついてくる。
柔らかな胸まで押しつけてくるなんて、ちょっと苦しいぞ?
やれやれ。まだまだ子供っぽい所があるな。俺の名前を出すということは、親に甘えたいということ。決して本気の意味じゃないだろう。
「わかった。ケーキな」
「ほんきなのに……ケーキ!?」
「本気です。……ケーキ!?」
「ほんとにセツカちゃんを……けぇき!?」
女の子たちの目がいっせいに輝いた。
こんなこともあろうかと、クリスマスケーキを作っておいたんだ。材料を集めるのに苦労した。『殺せ』ば簡単に作成可能だが、それでは味気ない。
時間を作って、ときには冒険者をやっているクラスメイトに頼んで材料を揃えたセツカ特製ケーキさ。
「すごくおいしいですごしゅじんさま!!」
「こんなに舌触りのいいクリーム、王族でも食べたことないですわ」
「エルフのほっぺが落ちちゃいますぅ」
気に入ってもらえたようだな。
女の子たちの欲しいものはリサーチ済みだ。
彼女たちが寝た後、枕元の靴下に投入するつもりだ。
……異世界にはサンタクロースいないからな。やれやれ。
「セツカ呼んでくれてありがとな」
「なんか、こーいうの懐かしいねっ」
「料理すごく美味しいよ。来てよかった!」
クラスメイトの奴らも適当に料理を摘んだり、ケーキを取り分けたりして楽しく過ごしたようだ。
しばらくしたらハヤサカが到着した。
「あ、あの……呼ばれてないけど、きき来ちゃいました」
申し訳無さそうにドアを開けるハヤサカ。
迎えに行くつもりだったが、来てしまったなら仕方ない。
俺はハヤサカの肩に手を掛ける。
「みんな。主役の登場だ」
「えっ!? えっええ!?」
動揺するハヤサカ。
なんだ、自分で来たくせに気付いてないのか?
ハヤサカに尋ねる。
「今日はなんの日だ?」
「えっと、えっと、クリスマス?」
「ああ。あとは?」
「あと!? なんだっけ、えっと、えっと……」
まごついているな。
これは本気で忘れている可能性もある。
なら、サプライズは成功かもな。
「誕生日おめでとう」
「「「誕生日おめでとうハヤサカちゃん」」」
「ええっ!?」
12月24日はハヤサカの誕生日だ。
一応、覚えていたんでな。中学が一緒だったよしみで。
「あ……はっ。うふっ。うれしい。セツカくん、うれしいっ!!」
「……泣くなよ」
「ちが、これ、うれしくて。えっぐ。わたしの誕生日なんて、誰も覚えてないと思ってたから……」
「ま、ついでさ」
プレゼントとして毛糸のマフラーを渡した。
そしたらハヤサカは異常に喜ぶのなんのって、別にマフラーぐらい簡単に作れるからいくらでもくれてやるのに。
「セツカくんほんとに……ありがとう」
とにかく、こうしてクリスマス会兼ハヤサカの誕生日会兼レアモンスターの討伐は無事終了した。
たまにはこういうのも、良いんじゃないか?
「まって。ほんとに呼ばれてない人がいるから。ねぇぇぇぇっ!!」
真のぼっちは誰なのか。
それは誰も知らない……。
「おい待てぇえええ!! アハハハァァーンッこのまま終わってたまるかーいっ! わたし、けっこうクリスマスって好きなのね。なんていうか、雰囲気だけでも幸せっていうか? 現実のあたしはどうとかじゃなくて、総合的にこう……ね。ていうかケーキもつくるし、お料理も用意するのよ。化粧もしっかりして、ベッドまで整えちゃって、足りないのは相手だけ!! つまりセツカ、あんた今どこ!? あたし待ってるんだけど!? クリスマスくらいあたしと●●●するという気合を見せてよねっ!! まだ間に合うからっ!! 待ってるから…………来いっ!!」
●『殺す』スキルより事後報告。クリスマス会が終わった後に、セツカは行きました。「朝に来ないで夜に来て」と言われたので「馬鹿め」と返しました。なんだかんだ仲は良いみたいです。
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だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
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この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
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まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
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