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五章
百獣の王×戦争の天才
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「ガルルルル。踏んでるぜえ。お前さんよぉ」
「すぅ……はぁっ。何だお前は?」
にらみ合い。
山岳地帯の途中で、サトウはタバコをふかしながら立ち止まった。
目の前にいるのは、魔王ハウフル。獣人戦力の最高峰とよばれる男だ。
ハウフルの体長はゆうに3mを越え、筋肉は鋼の装甲のようだ。
ハウフルは真っ赤なたてがみをいからせながら声を荒らげる。
「俺の『領域』を踏んじまってるって言ってんだよ。てめえは一歩も動けねえぞ、オラ?」
カチッ。
シュボッ。
「すうっ……はぁっ。わかるように言えや?」
サトウはぶっきらぼうにいい放った。
ハウフルは豪快に笑い白い牙をみせる。
「がははっ。ずっと見てたんだがな、てめえの武器。飛距離だけは立派なモンだ。だが威力は大したモンじゃねーし、俺なら撃たれたのを見てからもかわせる。いちおーのため、俺の領域の中に誘い込んだってわけだ。つーかお前……普通の人間じゃねーか? 確かに鍛えてはいるが、魔力だとか大したスキルの奔流は感じねえ。一歩でも動いたら、俺の爪がてめえを八つ裂きにできるってことだ」
「あ?」
「てめえが一番弱ええ。だから、最初にぶっ倒す。こっから先には俺の弟子もいるんでね。人間に味方するつもりはねーが、お前みたいな殺しに美学がねえクズはここで死んどけ」
偶然見かけた関所での出来事は、あまりにも一方的だった。
作業のように殺されていく人間たち。
一人も慈悲をかけられることなく、関所は地獄以下のありさまであった。
決闘を好むハウフルとしては、あまりにつまらない出来事。
サトウは無表情で答える。
「猫がしゃべるな。踏んだくらいでうるせえんだよ……はぁ。畜生はこれだから嫌いなんだ」
「なんだと!?」
圧倒的なハウフルの雰囲気を前にして、サトウは全く動じる様子がない。
どう考えても現代兵器はハウフルの肉体に通用しない。しかしながらサトウは武器を構えるそぶりすら見せない。
そんなサトウはイライラした様子でいい放つ。
「いいか? 野生動物ってのは籠が見えてるのに目の前のエサを我慢できないクソバカだ。お前はまさにそれだよ。まんまと俺の目の前までやってきてくれてありがとう。猫科の動物など媚びることぐらいが取り柄だから俺は嫌いだね。さあ、踏んだからなんだってんだ? あ?」
「てめえ……後悔するぞ、人間風情が……っ!!」
ハウフルは『領域』を強化する。
__領域。
それは獣人の優れた認知能力と第六感を最大限に拡張させた、絶対戦闘空間。
領域内での動きは音速に迫り、まさに一瞬にしてワープしてきたかのような距離の詰め方や攻撃を見ずにかわすなどアドバンテージが大きくなる。
ハウフルの領域は約1km。
さらに、最大限最小有効領域は100m。この領域の中で戦えば時間すら超越するようなスピードで戦えるということ。
今、サトウとハウフルの距離は50m以下だ。サトウの手がピクリと動いた瞬間に、その手を切り落とすことも可能だ。
ビシッ!!
ハウフルは、サトウのタバコの火だけを落とした。
どうだ? なにも見えてねーだろうがクソ人間。
ハウフルは見下したような笑みを浮かべ腕を組む。
サトウはため息をついて、胸ポケットに手をいれる。
ふてぶてしくも、新しいタバコに火を着けるつもりらしい。
「ちっ……はぁ」
カチッ。
シュボッ。
「すうっ…………はぁ」
「余裕じゃねーか。今のは指を切り落としてやっても良かったんだぜ?」
「タバコぐらいゆっくり吸わせろクソ猫」
「やっぱりダメだわ。死ねや」
ハウフルは爪を巨大化させた。
レーネに教えた血爪の発展系、『硬化鉄爪』は山をも砕く威力だ。
決して油断しているわけではなかった。獅子は獲物を全力で狩るものだ。
ハウフルの爪は、人間が認知できない速度で横凪ぎにサトウの元へ襲いかかる。
紙切れのように人間の肉体など引き裂ける!
__ダダァン!!
「……なんだ、てめえ……っ」
しかし。
次の瞬間に待っていたのは、煙をあげるデリンジャーの銃口。
右手を抑えるハウフルの姿。
ハウフルの右手は、人差し指が吹き飛んでいた。
感情のない声でサトウは呟く。
「現代兵器に猫がかなうわけねえだろ。馬鹿なのか?」
「あ、ありえねえ……っ。そんな武器で、俺の爪がっ!! そんな豆みたいな弾でっ」
「その豆みたいな弾で何千万人も死んでるんだぜ?」
「クソッ……」
ハウフルは思案する。
領域を発動している状態にも関わらず、奴の武器を構える速度は神がかり的にまで速かった。
いや、速いのは理解できた。速いのはわかった上で、武器を発射させた上で、その弾丸を爪で弾き飛ばすつもりだった。
ところがどうだ?
弾き飛ばされたのは自身の右指。
それはおかしい。相手の武器の弾は先ほどの関所で調べた。
鉛弾だ。
魔力や装甲の防御があれば簡単に無効化可能なもの。
ハウフルの実力ならつまんで受け止めることすら可能だったはずなのに。
実際つまんだのに。
「どうした? 思ってたのと違うか? 道具は使い手次第だろう。なんでも、な」
(こいつはとんでもねえ奴だ。今になって野生の勘が働いてきやがる。一番ヤベエ奴だったのかもしれん。失敗した。逃げられねえ)
ハウフルは人差し指をぎゅっと握って止血した。
落とした指を拾うとか、回復とかはもう考えることはできない。
どうやってサトウから逃げるか。どうやって……。
(あの坊主にこいつの情報を知らせねえと。でもどうやって?)
ハウフルはゆっくりと後ずさる。
目の前のサトウは、出会ったときと全く表情を変えない。
苦し紛れにハウフルは言ってみる。
「なあ、帰ってもいいかい?」
カチッ。
シュボッ。
「すうっ……はぁっ。ダメだね」
どこから取り出したのか、サトウの手には短機関銃が。
「だよな……っ」
ハウフルが駆け出したと同時に、山あいにタタタタタッと小気味のいい発射音が響いたのだった。
「すぅ……はぁっ。何だお前は?」
にらみ合い。
山岳地帯の途中で、サトウはタバコをふかしながら立ち止まった。
目の前にいるのは、魔王ハウフル。獣人戦力の最高峰とよばれる男だ。
ハウフルの体長はゆうに3mを越え、筋肉は鋼の装甲のようだ。
ハウフルは真っ赤なたてがみをいからせながら声を荒らげる。
「俺の『領域』を踏んじまってるって言ってんだよ。てめえは一歩も動けねえぞ、オラ?」
カチッ。
シュボッ。
「すうっ……はぁっ。わかるように言えや?」
サトウはぶっきらぼうにいい放った。
ハウフルは豪快に笑い白い牙をみせる。
「がははっ。ずっと見てたんだがな、てめえの武器。飛距離だけは立派なモンだ。だが威力は大したモンじゃねーし、俺なら撃たれたのを見てからもかわせる。いちおーのため、俺の領域の中に誘い込んだってわけだ。つーかお前……普通の人間じゃねーか? 確かに鍛えてはいるが、魔力だとか大したスキルの奔流は感じねえ。一歩でも動いたら、俺の爪がてめえを八つ裂きにできるってことだ」
「あ?」
「てめえが一番弱ええ。だから、最初にぶっ倒す。こっから先には俺の弟子もいるんでね。人間に味方するつもりはねーが、お前みたいな殺しに美学がねえクズはここで死んどけ」
偶然見かけた関所での出来事は、あまりにも一方的だった。
作業のように殺されていく人間たち。
一人も慈悲をかけられることなく、関所は地獄以下のありさまであった。
決闘を好むハウフルとしては、あまりにつまらない出来事。
サトウは無表情で答える。
「猫がしゃべるな。踏んだくらいでうるせえんだよ……はぁ。畜生はこれだから嫌いなんだ」
「なんだと!?」
圧倒的なハウフルの雰囲気を前にして、サトウは全く動じる様子がない。
どう考えても現代兵器はハウフルの肉体に通用しない。しかしながらサトウは武器を構えるそぶりすら見せない。
そんなサトウはイライラした様子でいい放つ。
「いいか? 野生動物ってのは籠が見えてるのに目の前のエサを我慢できないクソバカだ。お前はまさにそれだよ。まんまと俺の目の前までやってきてくれてありがとう。猫科の動物など媚びることぐらいが取り柄だから俺は嫌いだね。さあ、踏んだからなんだってんだ? あ?」
「てめえ……後悔するぞ、人間風情が……っ!!」
ハウフルは『領域』を強化する。
__領域。
それは獣人の優れた認知能力と第六感を最大限に拡張させた、絶対戦闘空間。
領域内での動きは音速に迫り、まさに一瞬にしてワープしてきたかのような距離の詰め方や攻撃を見ずにかわすなどアドバンテージが大きくなる。
ハウフルの領域は約1km。
さらに、最大限最小有効領域は100m。この領域の中で戦えば時間すら超越するようなスピードで戦えるということ。
今、サトウとハウフルの距離は50m以下だ。サトウの手がピクリと動いた瞬間に、その手を切り落とすことも可能だ。
ビシッ!!
ハウフルは、サトウのタバコの火だけを落とした。
どうだ? なにも見えてねーだろうがクソ人間。
ハウフルは見下したような笑みを浮かべ腕を組む。
サトウはため息をついて、胸ポケットに手をいれる。
ふてぶてしくも、新しいタバコに火を着けるつもりらしい。
「ちっ……はぁ」
カチッ。
シュボッ。
「すうっ…………はぁ」
「余裕じゃねーか。今のは指を切り落としてやっても良かったんだぜ?」
「タバコぐらいゆっくり吸わせろクソ猫」
「やっぱりダメだわ。死ねや」
ハウフルは爪を巨大化させた。
レーネに教えた血爪の発展系、『硬化鉄爪』は山をも砕く威力だ。
決して油断しているわけではなかった。獅子は獲物を全力で狩るものだ。
ハウフルの爪は、人間が認知できない速度で横凪ぎにサトウの元へ襲いかかる。
紙切れのように人間の肉体など引き裂ける!
__ダダァン!!
「……なんだ、てめえ……っ」
しかし。
次の瞬間に待っていたのは、煙をあげるデリンジャーの銃口。
右手を抑えるハウフルの姿。
ハウフルの右手は、人差し指が吹き飛んでいた。
感情のない声でサトウは呟く。
「現代兵器に猫がかなうわけねえだろ。馬鹿なのか?」
「あ、ありえねえ……っ。そんな武器で、俺の爪がっ!! そんな豆みたいな弾でっ」
「その豆みたいな弾で何千万人も死んでるんだぜ?」
「クソッ……」
ハウフルは思案する。
領域を発動している状態にも関わらず、奴の武器を構える速度は神がかり的にまで速かった。
いや、速いのは理解できた。速いのはわかった上で、武器を発射させた上で、その弾丸を爪で弾き飛ばすつもりだった。
ところがどうだ?
弾き飛ばされたのは自身の右指。
それはおかしい。相手の武器の弾は先ほどの関所で調べた。
鉛弾だ。
魔力や装甲の防御があれば簡単に無効化可能なもの。
ハウフルの実力ならつまんで受け止めることすら可能だったはずなのに。
実際つまんだのに。
「どうした? 思ってたのと違うか? 道具は使い手次第だろう。なんでも、な」
(こいつはとんでもねえ奴だ。今になって野生の勘が働いてきやがる。一番ヤベエ奴だったのかもしれん。失敗した。逃げられねえ)
ハウフルは人差し指をぎゅっと握って止血した。
落とした指を拾うとか、回復とかはもう考えることはできない。
どうやってサトウから逃げるか。どうやって……。
(あの坊主にこいつの情報を知らせねえと。でもどうやって?)
ハウフルはゆっくりと後ずさる。
目の前のサトウは、出会ったときと全く表情を変えない。
苦し紛れにハウフルは言ってみる。
「なあ、帰ってもいいかい?」
カチッ。
シュボッ。
「すうっ……はぁっ。ダメだね」
どこから取り出したのか、サトウの手には短機関銃が。
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