上 下
99 / 149
五章

アラガミの正体

しおりを挟む
 日が沈みきった時間だが、俺の精神状態は昂ったままだ。
 まさかそんなはずが……。

 ハヤサカとの会話によって妹の死因に認識の違いが生じていたことが判明した。
 事故で死んだはずの妹を、ハヤサカは病死だと言っていて、スキルで確かめたところ、それは真実であった。
 クラスメイトたちを集め、皆に確認してみよう。
 もし、俺の考えていることが正しいならば。これまでとんでもない勘違いを犯していたことになる。

 さて。
 皆は城の一室に集まった。
 レーネたちも来てくれた。家で待っていていいと言ったのだが、心配してくれたようだ。
 みんな4年の年月が経過しているため大人びてはいるが、基本的に記憶にあるクラスメイトの顔だ。
 みんな、遅い時間に呼び出して申し訳ない。
 
「どうしたんですセツカくん?」
「良かったぜレーネちゃんとミリアちゃんの決闘!! 熱くなるモンがあるよなぁ!!」
「こうやって全員で集まるのはひさしぶりかもー」
「みんな大人になったよなー。セツカ様は最初から大人っぽかったから、なんか年下になった気がしないや」
「こっちに来て4年もたつのかぁー」

「みんな聞いてくれ」

 不満も口にせず集まってくれたクラスメイトたち。
 全員の顔を見回し、続ける。

「おかしなことを聞くかもしれない。中学のときのことだし、個人的なことだから知らない奴もいて当然だ。それはハッキリそう言ってほしい。俺の妹が死んだ理由を教えてくれないか?」

「えっ」
「セツカの妹って、あの?」
「……どうしたのセツカくん。なにかあったのかい?」
「私たちを集めてくれたってことは、必要としてくれてるってことなんだね」
「みんな、セツカ様が必要としている情報を正確に話そう。きっと重要なことなんだ」

 クラスメイトたちはいきなりの質問で反応に困っていたものの、すぐに協力してくれた。
 ひとりひとりに妹が死んだ事件にいついて聞いてまわる。
 判明した事実はとても受け入れられるものではなかった。

「通り魔、飛行機事故、船の沈没、電車事故、水難、火事、爆発事故、毒や病気……中学が遠くて知らなかった者を除いて、これほどまでに俺の妹の死因が違っている、だと?」

 どういうことだ?
 妹は事故で死んだんだ。
 一応のためスキルを使わせてもらい、真偽を確かめたが皆は真実を話していた。
 つまり、事実が違っているのに、ここに集ったものたちの言葉はすべて正しいという異常状態だ。
 ハヤサカも不安そうにこちらの顔色を伺っているが。
 腕を組んで考え込む。

「だいじょうぶですかご主人さま?」

「ああ」

 レーネが近くにやってきて、そっと隣に寄り添った。
 ふと、唐突にイメージがわいてくる。

「…………そうか!!」



 平行世界。
 同じ世界からこの世界に召喚されたとばかり思っていたクラスメイトたちは、それぞれ別々の世界から寄せ集めにされていたのではないか?
 ハヤサカも、イシイもオニズカもサカモトもキシも誰も彼も、実は俺が知る奴らじゃないのかもしれない。
 元の世界の本人とはまったくの別人。

 ……しかし、なぜだ?

 意味がわからない。
 そんなことをして何になる?
 仮に平行世界から召喚者を集めるとして、クラスメイトたちは俺の知っている皆と大体同じだ。そんなに変わらない。
 ひとつの世界からまとめて呼び出さずに、バラバラに呼び出す理由は?
 いったい誰が?

 思考を加速させる。
 アリエルは違う。あの女は召喚勇者を呼び出すための道具にされたにすぎない。
 ということは、アラガミがなにかを仕組んだのか。
 アラガミのしたいことはなんだ?

 ……なにかに似ている。
 ソシャゲのキャラクターなんかを集めるために、初回ボーナスを引き。気に入らなかったら破棄して再度登録し再び引く。
 そうして自分のお気に入りのキャラクターを集める『リセットマラソン』のような。

 リセマラ。


 『殺す』スキル。



 リセマラ……。
 リセマラ?



「わかった。この状況はアラガミが俺を引き当てるため、アラガミの正体は……っ」
『わかっちゃダメでしょ、おにいちゃん?』




 __停止



 ○○○

 すごいすごい!
 この程度のヒントで気づいちゃうとか、おにいちゃん高校生探偵になったほうがいいよ。天才すぎ。
 おにいちゃんの考えてる通り、最高のおにいちゃんを引くためにはたくさんの『調整』と『回数』が必要なのです。
 さてっと。時間は止めた。準備もできたっ!
 あんまり長くは使えないんだけどなー。
 おにいちゃんを含め、この世界で時間が『止まって』いることを認識できる人間は誰一人としていない。
 女の子がペタペタと裸足で歩いてくる。それはわたし。地下から階段をひたひた上ってきて、扉をあける。もういっこ、もういっこ。さあ、ここにおにいちゃんがいるのね? きいっ。扉をあけた。なんか人がたくさん集まってる。ふぅ。ひさしぶりの外は気持ちいいや。ずーーーーーっとじめじめした召喚部屋にいたから、わたし気が滅入っちゃって。それにおにいちゃんの……おっと

「おにいちゃんのことばっかり考えてたから頭がぽぽぽんってなりそうだったよ。なので腹いせに神徒とか作っちゃって世界滅ぼしちゃう的な?」

 この世界はわたしだけのもの。
 わたしがやりたいと思えばやりたいようにできる。
 時間も止めれるし、なんでも思い通りなんだよ?
 __わたしはおにいちゃんの周囲をぐるぐる回る。時間が止まっていて可愛いわたしがおにいちゃんに見えていないのが残念!
 やっぱおにいちゃんはいつみてもかっこいい。これが何億回目のおにいちゃんだったか忘れたけど、ぜんぶのおにいちゃんを愛しているよ?
 『今回の』おにいちゃんは最高の状態。完璧に『殺す』スキルを使いこなせてる。

「……なのにさ」

 ドウシテ。

「どうして?」

 どうしてどうしてどうしてどうしてどうして!!
 なんでいつも邪魔をするんだ『レーネ』。
 こいつだけじゃない……『スレイ』『フローラ』『ミリア』。
 わたしは虫になっておにいちゃんに殺されるのをまってたのに……最初にレーネを『殺し』ちゃうんだもん。
 それじゃダメなんだよおにいちゃん。最初にわたしの運命を殺してくれなきゃ。
 そうじゃなきゃ終わらないのに、どうしていっつも邪魔してくれるかなぁくそ女?
 ひどいことが起きて苦しむように運命を『調整』してやったにも関わらず、こいつらゴキブリ並みにおにいちゃんに付きまとう。どの世界線でもやってくるお邪魔キャラだよ。
 ユルサナイから。

「ほんと……憎たらしい顔。わたしのおにいちゃんに発情しやがって。セッタイユルサナイ」

 わたしはアホ顔で停止したレーネの目の前にやってきた。
 おにいちゃんを見上げて、キラキラした発情顔をしている。ホントみっともない。
 こいつのせいで……。
 わたしは『能力』を発動させ、レーネをこの世界から排除する。
 わたしは細くて小さな可愛い手をレーネに向かって突き出した。

「死ね」

●攻撃を『殺し』ました。させません。

「……はぁ? あんた何やってんの?」

●レーネを決して殺させません。

 うっざ。ちょっと意味わかんないです。
 レーネを殺そうと手を振りかざした瞬間、おにいちゃんの『殺す』スキルに止められたのでした。
 清らかな水でつくられたような、ぼんやりとした女性の姿。
 でもおかしくないですか?
 『殺す』スキルは元々、わたしが作ったスキルのはずなんですけど?

●あなたが作成したのではありません。作成者は『シロガミ』です。

「細かいなぁ。今はいない人のことなんて持ち出しても仕方ないでしょう?」

●あなたではありません。

「はいはい」 

 ほんと細けえな。
 ま、はっきり言ってしまえば。
 あの子がつくった『殺す』スキルは強すぎたんだよねー。わたしが奪えなかったワケだよw
 あの子=わたしのはずなんだけどなー。シロガミの置き土産だね。
 でもさー?
 おにいちゃんがわたしを選ばなかったのにこれ以上あんた強くなっても仕方ないじゃん?
 だからニイミと戦ってる最中のおにいちゃんを、おにいちゃんガチャ引き直しにしようとしたわけ。
 結果、『殺す』スキルはおにいちゃんの死を偽装して『神域』に逃げたんだけど。
 正直そこまでできると思っていなかったからあせったよー。
 おかげでわたしはおにいちゃんのいない世界を『送る』ことしかできなくなった。
 まじでごみだわー。

「でもラッキー。お馬鹿な魔王……アーティファクトの脱け殻がやってきてくれたからね。こうして人の形を取り戻すことができた。かつてシロガミが作成した『死』の概念のアーティファクト……今はその役割を終え、暗殺魔王(笑)とかいってるらしいけど」

●セツカが悲しみます。レイブンを解放してください。

「お前になにがわかる!! おにいちゃんを呼び捨てにするな!!」

 ……おっと、わたしは少し、声を荒らげてしまったのでした。
 忘れてはいけない。停止能力は長くは使えない……この世界線では。

 わたしの体になってくれたレイブン。
 レイブンやハウフル、スリザリたちは概念のアーティファクトだった過去があるのです。
 シロガミがこの世界を産み出したとき、死や生、勇気と調和などの概念を人のかたちに押し込めて作成した。
 そのなれの果てが、現在の魔王とされる力ある者です。
 本人たちは知らないんですがwバカだねw
 彼らはこの世界における人族をデザインする際の、原型みたいなものだから。
 だからわたしと相性がいいんですよ。

 ふう。
 人のかたちになれたのが嬉しくて調子に乗るところでしたよ。
 レイブンなんて消えちゃった子はどーでもいーの。
 あの子が、シロガミくそ野郎が作成した『殺す』スキル相手に油断は禁物です。

「手を出すなっていうなら、周りから攻めるね? 神徒が動き出してると思うからしばらくはそっちに任せる。わたしにこの体が馴染んだら、そのときは世界の終わりだね」

●どんな方法で攻撃をしてきても、決してセツカを傷つけさせはしません。

「うっざ!!」

 シロガミの死に土産、ホントうざすぎる。
 でも、複雑な気分だ。
 わたしだって、こいつの存在に一抹の望みをかけている部分もあるからな。
 こいつがいないとわたしの『望み』は完成しない!
 それでも『殺す』スキルのおかげでわたしはおにいちゃんとさよならのキスすらできやしない。
 近づきたいのにいっつもあのスキルが邪魔してきやがる。
 くそ獣女と赤髪豚野郎はポンポン口付けしてるのにわたしだけ……。
 わたし、おこだよ?

 ころすころすころすころす!!ころす!!

 あーイライラする。しねっ!!

「『はじまりのばしょ』で待ってるっておにいちゃんに伝えて? わかった?」

●……承知しました。

「ふふっ。楽しみだね、おにいちゃん」


 わたしは長い黒髪をファサっとかきあげ、意味深な表情でその場をあとにする。一度やってみたかった退場シーンだよ。
 わたし、ほんと美しすぎると思う。はやくおにいちゃんに見せたいな。
 見てるのが『殺す』スキルだけってのが気に入らない。

 ○○○


 __再生






「アラガミは……俺の妹のコピーだ」

●アラガミによる時間停止攻撃を確認しました。現在はこの場より離脱。

「なに!?」

 さらりとスキルが言ってのけた言葉に驚愕する。時間停止攻撃だと!?
 見たところ誰も欠けていないし、体に不調もなさそうだが。

●攻撃は自動で『殺し』回避しました。

「ありがとう。まったく気がつかなかった」

●いえ。アラガミより伝言『はじまりのばしょにて待つ』以上です。

「はじまりのばしょ……」



 あっさりと、それだけ伝えられた。
 スキルの話では、再攻撃の可能性は無いそうだ。
 とにかく、集まってくれた皆には礼を伝え家に帰した。
 アラガミは妹のコピー……仮説の段階だが、そう考えるとすべての辻褄が合ってしまう。
 だけど『殺す』スキルに確認するのが怖い。
 仮説が正しかったとすると、本物の妹は……。

「セツナはずっと……くっ」

 今まで気づかなかったとは。
 こんな現実が待ち受けていたとは、身が裂けるよりも耐えがたい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います

騙道みりあ
ファンタジー
 魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。  その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。  仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。  なので、全員殺すことにした。  1話完結ですが、続編も考えています。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

レベル1の最強転生者 ~勇者パーティーを追放された錬金鍛冶師は、スキルで武器が作り放題なので、盾使いの竜姫と最強の無双神器を作ることにした~

サイダーボウイ
ファンタジー
「魔物もろくに倒せない生産職のゴミ屑が! 無様にこのダンジョンで野垂れ死ねや! ヒャッハハ!」 勇者にそう吐き捨てられたエルハルトはダンジョンの最下層で置き去りにされてしまう。 エルハルトは錬金鍛冶師だ。 この世界での生産職は一切レベルが上がらないため、エルハルトはパーティーのメンバーから長い間不遇な扱いを受けてきた。 だが、彼らは知らなかった。 エルハルトが前世では魔王を最速で倒した最強の転生者であるということを。 女神のたっての願いによりエルハルトはこの世界に転生してやって来たのだ。 その目的は一つ。 現地の勇者が魔王を倒せるように手助けをすること。 もちろん勇者はこのことに気付いていない。 エルハルトはこれまであえて実力を隠し、影で彼らに恩恵を与えていたのである。 そんなことも知らない勇者一行は、エルハルトを追放したことにより、これまで当たり前にできていたことができなくなってしまう。 やがてパーティーは分裂し、勇者は徐々に落ちぶれていくことに。 一方のエルハルトはというと、さくっとダンジョンを脱出した後で盾使いの竜姫と出会う。 「マスター。ようやくお逢いすることができました」  800年間自分を待ち続けていたという竜姫と主従契約を結んだエルハルトは、勇者がちゃんと魔王を倒せるようにと最強の神器作りを目指すことになる。 これは、自分を追放した勇者のために善意で行動を続けていくうちに、先々で出会うヒロインたちから好かれまくり、いつの間にか評価と名声を得てしまう最強転生者の物語である。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

外れスキル『レベル分配』が覚醒したら無限にレベルが上がるようになったんだが。〜俺を追放してからレベルが上がらなくなったって?知らん〜

純真
ファンタジー
「普通にレベル上げした方が早いじゃない。なんの意味があるのよ」 E級冒険者ヒスイのスキルは、パーティ間でレベルを移動させる『レベル分配』だ。 毎日必死に最弱モンスター【スライム】を倒し続け、自分のレベルをパーティメンバーに分け与えていた。 そんなある日、ヒスイはパーティメンバーに「役立たず」「足でまとい」と罵られ、パーティを追放されてしまう。 しかし、その晩にスキルが覚醒。新たに手に入れたそのスキルは、『元パーティメンバーのレベルが一生上がらなくなる』かわりに『ヒスイは息をするだけでレベルが上がり続ける』というものだった。 そのレベルを新しいパーティメンバーに分け与え、最強のパーティを作ることにしたヒスイ。 『剣聖』や『白夜』と呼ばれるS級冒険者と共に、ヒスイの名は世界中に轟いていく――。 「戯言を。貴様らがいくら成長したところで、私に! ましてや! 魔王様に届くはずがない! 生まれながらの劣等種! それが貴様ら人間だ!」 「――本当にそうか、確かめてやるよ。この俺出来たてホヤホヤの成長をもってな」 これは、『弱き者』が『強き者』になる――ついでに、可愛い女の子と旅をする物語。 ※この作品は『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しております。

女神に同情されて異世界へと飛ばされたアラフォーおっさん、特S級モンスター相手に無双した結果、実力がバレて世界に見つかってしまう

サイダーボウイ
ファンタジー
「ちょっと冬馬君。このプレゼン資料ぜんぜんダメ。一から作り直してくれない?」 万年ヒラ社員の冬馬弦人(39歳)は、今日も上司にこき使われていた。 地方の中堅大学を卒業後、都内の中小家電メーカーに就職。 これまで文句も言わず、コツコツと地道に勤め上げてきた。 彼女なしの独身に平凡な年収。 これといって自慢できるものはなにひとつないが、当の本人はあまり気にしていない。 2匹の猫と穏やかに暮らし、仕事終わりに缶ビールが1本飲めれば、それだけで幸せだったのだが・・・。 「おめでとう♪ たった今、あなたには異世界へ旅立つ権利が生まれたわ」 誕生日を迎えた夜。 突如、目の前に現れた女神によって、弦人の人生は大きく変わることになる。 「40歳まで童貞だったなんて・・・これまで惨めで辛かったでしょ? でももう大丈夫! これからは異世界で楽しく遊んで暮らせるんだから♪」 女神に同情される形で異世界へと旅立つことになった弦人。 しかし、降り立って彼はすぐに気づく。 女神のとんでもないしくじりによって、ハードモードから異世界生活をスタートさせなければならないという現実に。 これは、これまで日の目を見なかったアラフォーおっさんが、異世界で無双しながら成り上がり、その実力がバレて世界に見つかってしまうという人生逆転の物語である。

追放された美少女を助けた底辺おっさんが、実は元”特級冒険者”だった件について。

いちまる
ファンタジー
【毎週木曜日更新!】 採取クエストしか受けない地味なおっさん冒険者、ダンテ。 ある日彼は、ひょんなことからA級冒険者のパーティーを追放された猫耳族の少女、セレナとリンの面倒を見る羽目になってしまう。 最初は乗り気でなかったダンテだが、ふたりの夢を聞き、彼女達の力になると決意した。 ――そして、『特級冒険者』としての実力を隠すのをやめた。 おっさんの正体は戦闘と殺戮のプロ! しかも猫耳少女達も実は才能の塊だった!? モンスターと悪党を物理でぶちのめす、王道冒険譚が始まる――! ※本作はカクヨム、小説家になろうでも掲載しています。

処理中です...