93 / 149
四章
ハーレム×ラプソディ④
しおりを挟む
「セツカくん」
「ん、なんだ?」
「というわけで結婚してください」
「イキナリ結婚!?どういうワケがあったんだ!?」
「うふふっ。だって王子と姫は結婚するものでしょう? アンデッドと戦争したとき、クイーンって言ってくれて嬉しかった」
ハヤサカは両頬を押さえて照れる。
可愛くないわけではない。発想がぶっ飛んでるだけなんだ。うん。多少。
しっかり説明すれば勘違いだったとわかってくれるはずさ。
「クイーンと言ったのは、チェスの話を絡めた戦術論なんだが? それに姫ならクイーンじゃなくプリンセスじゃ……?」
「えっ」
するとハヤサカはショックを受けた顔をする。
まさかマジで意味を取り違えてたのか?
逆に、なぜあの場面で俺がハヤサカを姫に指名すると思った!?
「…………せ、セツカくんしらないの? 姫って進化すると女王になるの。だからクイーンとプリンセスはほとんど同じ意味なのよ」
「ボールに入ったモンスターか!? んなわけあるか!!」
「だ、だいたい同じだもん。どっちも女の子の憧れだし多少はね?」
「滝のように汗をかいてるのは見間違いか?」
ハヤサカのやつ緊張すると汗をかく体質らしいな。
指摘すると、さらに焦ったハヤサカは慌ててとりつくろおうとする。
「ちち違うもん……うぅ、これはセツカくんを好きな気持ちがあふれて出てきた液なの」
「出ないでそんな液!!!」
「セツカくん。つ、ちゅ月が綺麗ですね? はやく結婚しましょう?」
「文学的に告白してもダメ!! それに今は昼だ!!」
・・・
セツカとハヤサカが屋上で(城の頂上で)語り合っている頃。
城に備え付けられた運動場では、仮設のコロシアムが設置され、その中心でにらみ会う二人の女の子がいた。
レーネとミリアである。
レーネは戦闘用の灰色ローブを羽織り、ミリアは一番高い軽装鎧を装着しドラゴンスレイブを装備している。
……ガチである。
レーネはローブをはためかせながら余裕の表情で微笑む。
「……やっぱり、あなたとは決着をつけることになりましたねミリアさん」
「だね、レーネちゃん。あたしは最初からレーネちゃんに一目置いていたよ」
真っ赤な髪をなびかせつつ、苦笑いするミリア。
そんなミリアに対し、フードの中でとがった耳をぴくりとさせレーネはすました顔でいい放つ。
「わたしはミリアさんのことは特に普通でしたね」
「そこは一目置いとこうよ!! なんかあたしばっか意識してるみたいじゃんっ」
「ミリアさんって、あれですね」
「あれ?」
「森によくいるんですよ。肌を出しているとしつこく寄ってくるので困ります」
「なんの話かな?」
「血を吸ってこようとするので、思いっきり叩いちゃいます」
「蚊!? あたしを蚊だと思ってたのレーネちゃん!?」
「ちがうんですか?」
「言ってくれるじゃない……っ」
戦いはすでに始まっているとでも言わんばかりの舌戦。
しかし、なぜ私たちはこうしてみんなの前で戦おうとしているのだろう?
ただお互いにセツカという男を好きというだけなのに、どうしても譲ることができない。
当人たちもなぜこの場で決着をつけるのかよくわからなくなっているのであった。
声援も、観客の熱気ももはや別世界の出来事だ。
どうしても負けたくない相手が目の前にいる。
おしとやかに、きれいにまとまる段階はとうに過ぎている感じはしていた。
ミリアは思考を加速させレーネの弱点を探す。
みえた!!
レーネの弱点!!
と、いわんばかりにミリアばビシッと指を指す。
「レーネちゃんって、すっごくわかりやすいよね」
「どうしてですか?」
「だって、セツカがいなくなったから修行って……年頃の少年かよって感じでさ。必死すぎっていうかー」
「悪いですか?」
「わ、わるくはないけど……単純だなーって。セツカを好きなのバレバレじゃん」
「すき。ですが? 隠していないので」
「あ、え、そっか。でも……ばーかっ!!」
「……はぁ。ミリアさんってほんとずるいですよね」
ミリアの口撃は空振りに終わった。
思考加速は意味があるのだろうか……?
しかし、レーネは浮かない顔をして呟いた。
「みとめたくないですが、ミリアさんとわたしはにています。わたしもひとりぼっち、ミリアさんもひとりぼっち。そしてふたりともたくましく生きるしかなかった。でも、ミリアさんはわたしよりもずっと純粋で、ずるい気持ちがすくない。そんなのほんとうにずるい。ほんとうにほしかったら、どろぼうでもなんでもしてほしくなるはずなのに、ミリアさんはぜったいにそれをしないから……だからこうして戦うことになったのですけど」
「……そう、なのかな?」
「まあ、ミリアさんはわたしよりも『ばか』なだけかもしれませんが」
「おいー!!」
ミリアは盛大にずっこける。
冷静なままのレーネは続ける。
「わたしはずるいです。ご主人さまのためなら、わたしはどろぼうだってするし泥水だってすすってみせる」
「……ははっ。妬けちゃうよなー。一番近くでそんなに頑張ってるんだもん」
「わたしがご主人さまを一番すきです」
「…………で?」
ミリアはゆっくりと立ち上がった。
土を払うと、すっきりとした顔でいい放つ。
「悲壮感をかもしだすレーネちゃんのターンは終了かな? あたしバカだからさ、人生笑って過ごすくらいしか思い付かないんだけど……隣にはセツカにいてもらうって決めてるから。あたしの人生の意味はそれだってもう決めたから」
「……そんなの勝手すぎます」
「邪魔しないで。あたしがセツカを幸せにする!! あたしが笑顔にしてもらったぶん、あたしがセツカを笑わせてみせるんだから!!」
「……っ!?」
吠えるように宣言したミリア。
あまりにまっすぐな主張だったため、レーネは思わずたじろいでしまいそうになる。
巨大な壁……最初に出会ったときに感じた本能的な驚異。
今、こうして本当に目の前にすると本当に強い。
何のために修行を繰り返したのか?
命を救われたあのときから、レーネにとって主人のセツカは人生のすべてだった。
何かを考えるとき、必ずセツカの顔を思い浮かべながら思考し、行動した。
あのひとならどうする、あのひとはどうよろこぶ? どうしたらあのひとにきにいってもらえる?
――どうやったら『すき』って言ってもらえる?
待っているだけではダメだ。
ただご主人さまの隣に座っているだけではダメなんだ。
それでもご主人さまはいつでも助けてくれるし、優しくしてくれるけど。
――わたしがほしいのは、ご主人さまのぜんぶなんだ。一番じゃなきゃいやだ。
こんなレーネはずるいでしょ? きらいになるでしょ?
レーネは胸の前でぎゅっと両手を握る。わたしがおびえていれば、ご主人さまはいつでもたすけてくれた。
何かしないとダメなんだ。自分で歩かないと勝てないんだ。
目の前の女のひとは、きれいだ。
あんなに苦しんだのに、いつでも自分で歩くことにおびえがない。
わたしと同じ……わたしよりつらい境遇のくせに。
どうして? そんなのずるい。わたしよりつらいのにそんなに笑わないで。
こんなことを考えちゃうわたしは、ご主人さまにきらわれちゃうかもしれない。
かわりたい。
まるで伝説の女勇者とでもたたかうみたいな緊張感。
赤い髪の、きれいで、純粋な、愛の炎でもえさかる。
だけどミリアさんよりもつよく、きれいになってご主人さまにえらばれたい。
こんなわたしだけれど……。
こんなわたしでも……っ!!
レーネの瞳に、光が宿る。
少女は心は美しく昇華する。まるで金色の精神を解き放つかのように、ローブを脱ぎはなち美しい長髪を露にした。
レーネの唇がゆっくり動いた。
「ご主人さまを幸せにできるのはわたしだけです。わたしが一番ご主人さまを知っているし、愛しているから!! ミリアさんが100回笑顔にさせるなら、わたしは101回笑顔にさせてみせます!!」
「大きくなったねレーネちゃん。とってもキレイでまぶしい。あたしにないものをたくさん持ってて、本当にキライだよ」
真っ赤に燃えさかる少女は剣に手をかける。
まるで美しい神話の獣でも相手にするような気分を味わっているのだろうか?
ミリアの顔からは少しの油断も、ふざけた表情も消え去ったのであった。
「ん、なんだ?」
「というわけで結婚してください」
「イキナリ結婚!?どういうワケがあったんだ!?」
「うふふっ。だって王子と姫は結婚するものでしょう? アンデッドと戦争したとき、クイーンって言ってくれて嬉しかった」
ハヤサカは両頬を押さえて照れる。
可愛くないわけではない。発想がぶっ飛んでるだけなんだ。うん。多少。
しっかり説明すれば勘違いだったとわかってくれるはずさ。
「クイーンと言ったのは、チェスの話を絡めた戦術論なんだが? それに姫ならクイーンじゃなくプリンセスじゃ……?」
「えっ」
するとハヤサカはショックを受けた顔をする。
まさかマジで意味を取り違えてたのか?
逆に、なぜあの場面で俺がハヤサカを姫に指名すると思った!?
「…………せ、セツカくんしらないの? 姫って進化すると女王になるの。だからクイーンとプリンセスはほとんど同じ意味なのよ」
「ボールに入ったモンスターか!? んなわけあるか!!」
「だ、だいたい同じだもん。どっちも女の子の憧れだし多少はね?」
「滝のように汗をかいてるのは見間違いか?」
ハヤサカのやつ緊張すると汗をかく体質らしいな。
指摘すると、さらに焦ったハヤサカは慌ててとりつくろおうとする。
「ちち違うもん……うぅ、これはセツカくんを好きな気持ちがあふれて出てきた液なの」
「出ないでそんな液!!!」
「セツカくん。つ、ちゅ月が綺麗ですね? はやく結婚しましょう?」
「文学的に告白してもダメ!! それに今は昼だ!!」
・・・
セツカとハヤサカが屋上で(城の頂上で)語り合っている頃。
城に備え付けられた運動場では、仮設のコロシアムが設置され、その中心でにらみ会う二人の女の子がいた。
レーネとミリアである。
レーネは戦闘用の灰色ローブを羽織り、ミリアは一番高い軽装鎧を装着しドラゴンスレイブを装備している。
……ガチである。
レーネはローブをはためかせながら余裕の表情で微笑む。
「……やっぱり、あなたとは決着をつけることになりましたねミリアさん」
「だね、レーネちゃん。あたしは最初からレーネちゃんに一目置いていたよ」
真っ赤な髪をなびかせつつ、苦笑いするミリア。
そんなミリアに対し、フードの中でとがった耳をぴくりとさせレーネはすました顔でいい放つ。
「わたしはミリアさんのことは特に普通でしたね」
「そこは一目置いとこうよ!! なんかあたしばっか意識してるみたいじゃんっ」
「ミリアさんって、あれですね」
「あれ?」
「森によくいるんですよ。肌を出しているとしつこく寄ってくるので困ります」
「なんの話かな?」
「血を吸ってこようとするので、思いっきり叩いちゃいます」
「蚊!? あたしを蚊だと思ってたのレーネちゃん!?」
「ちがうんですか?」
「言ってくれるじゃない……っ」
戦いはすでに始まっているとでも言わんばかりの舌戦。
しかし、なぜ私たちはこうしてみんなの前で戦おうとしているのだろう?
ただお互いにセツカという男を好きというだけなのに、どうしても譲ることができない。
当人たちもなぜこの場で決着をつけるのかよくわからなくなっているのであった。
声援も、観客の熱気ももはや別世界の出来事だ。
どうしても負けたくない相手が目の前にいる。
おしとやかに、きれいにまとまる段階はとうに過ぎている感じはしていた。
ミリアは思考を加速させレーネの弱点を探す。
みえた!!
レーネの弱点!!
と、いわんばかりにミリアばビシッと指を指す。
「レーネちゃんって、すっごくわかりやすいよね」
「どうしてですか?」
「だって、セツカがいなくなったから修行って……年頃の少年かよって感じでさ。必死すぎっていうかー」
「悪いですか?」
「わ、わるくはないけど……単純だなーって。セツカを好きなのバレバレじゃん」
「すき。ですが? 隠していないので」
「あ、え、そっか。でも……ばーかっ!!」
「……はぁ。ミリアさんってほんとずるいですよね」
ミリアの口撃は空振りに終わった。
思考加速は意味があるのだろうか……?
しかし、レーネは浮かない顔をして呟いた。
「みとめたくないですが、ミリアさんとわたしはにています。わたしもひとりぼっち、ミリアさんもひとりぼっち。そしてふたりともたくましく生きるしかなかった。でも、ミリアさんはわたしよりもずっと純粋で、ずるい気持ちがすくない。そんなのほんとうにずるい。ほんとうにほしかったら、どろぼうでもなんでもしてほしくなるはずなのに、ミリアさんはぜったいにそれをしないから……だからこうして戦うことになったのですけど」
「……そう、なのかな?」
「まあ、ミリアさんはわたしよりも『ばか』なだけかもしれませんが」
「おいー!!」
ミリアは盛大にずっこける。
冷静なままのレーネは続ける。
「わたしはずるいです。ご主人さまのためなら、わたしはどろぼうだってするし泥水だってすすってみせる」
「……ははっ。妬けちゃうよなー。一番近くでそんなに頑張ってるんだもん」
「わたしがご主人さまを一番すきです」
「…………で?」
ミリアはゆっくりと立ち上がった。
土を払うと、すっきりとした顔でいい放つ。
「悲壮感をかもしだすレーネちゃんのターンは終了かな? あたしバカだからさ、人生笑って過ごすくらいしか思い付かないんだけど……隣にはセツカにいてもらうって決めてるから。あたしの人生の意味はそれだってもう決めたから」
「……そんなの勝手すぎます」
「邪魔しないで。あたしがセツカを幸せにする!! あたしが笑顔にしてもらったぶん、あたしがセツカを笑わせてみせるんだから!!」
「……っ!?」
吠えるように宣言したミリア。
あまりにまっすぐな主張だったため、レーネは思わずたじろいでしまいそうになる。
巨大な壁……最初に出会ったときに感じた本能的な驚異。
今、こうして本当に目の前にすると本当に強い。
何のために修行を繰り返したのか?
命を救われたあのときから、レーネにとって主人のセツカは人生のすべてだった。
何かを考えるとき、必ずセツカの顔を思い浮かべながら思考し、行動した。
あのひとならどうする、あのひとはどうよろこぶ? どうしたらあのひとにきにいってもらえる?
――どうやったら『すき』って言ってもらえる?
待っているだけではダメだ。
ただご主人さまの隣に座っているだけではダメなんだ。
それでもご主人さまはいつでも助けてくれるし、優しくしてくれるけど。
――わたしがほしいのは、ご主人さまのぜんぶなんだ。一番じゃなきゃいやだ。
こんなレーネはずるいでしょ? きらいになるでしょ?
レーネは胸の前でぎゅっと両手を握る。わたしがおびえていれば、ご主人さまはいつでもたすけてくれた。
何かしないとダメなんだ。自分で歩かないと勝てないんだ。
目の前の女のひとは、きれいだ。
あんなに苦しんだのに、いつでも自分で歩くことにおびえがない。
わたしと同じ……わたしよりつらい境遇のくせに。
どうして? そんなのずるい。わたしよりつらいのにそんなに笑わないで。
こんなことを考えちゃうわたしは、ご主人さまにきらわれちゃうかもしれない。
かわりたい。
まるで伝説の女勇者とでもたたかうみたいな緊張感。
赤い髪の、きれいで、純粋な、愛の炎でもえさかる。
だけどミリアさんよりもつよく、きれいになってご主人さまにえらばれたい。
こんなわたしだけれど……。
こんなわたしでも……っ!!
レーネの瞳に、光が宿る。
少女は心は美しく昇華する。まるで金色の精神を解き放つかのように、ローブを脱ぎはなち美しい長髪を露にした。
レーネの唇がゆっくり動いた。
「ご主人さまを幸せにできるのはわたしだけです。わたしが一番ご主人さまを知っているし、愛しているから!! ミリアさんが100回笑顔にさせるなら、わたしは101回笑顔にさせてみせます!!」
「大きくなったねレーネちゃん。とってもキレイでまぶしい。あたしにないものをたくさん持ってて、本当にキライだよ」
真っ赤に燃えさかる少女は剣に手をかける。
まるで美しい神話の獣でも相手にするような気分を味わっているのだろうか?
ミリアの顔からは少しの油断も、ふざけた表情も消え去ったのであった。
0
お気に入りに追加
3,421
あなたにおすすめの小説

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる