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四章
大人のキス
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戦闘は終了し。
アンリエッタとメカニカル=シールが撤退した後すぐ、俺はアリエルを治療した。
●聖女アリエルの傷を『殺し』ます…………完了。
アリエルの傷はすっかりよくなった。
微笑む聖女の姿は、あのときと違い毒が抜けたような感じだ。
だが、この女は油断できない。
「ありがとうございます。私を治してくれるなんてセツカ様は優しいのですね?」
「お前に借りをつくりたくないだけだ。レーネを一時的にでも守ってくれて助かった。お前の過去には複雑な事情があるとは知っていたが、まさかアラガミ関連だったとはな」
「私もセツカ様が関わっていると知って驚いたのですよ。ある意味お互い様ですね」
「ぬかせ。これからどうする?」
俺はアリエルに尋ねる。
オリエンテールに戻りたいと彼女が言ったとしても……多くの人間がそれを認めないだろう。
アリエルはあっけらかんと口にする。
「そうですね……旅にでも出ましょうか?」
「いったいどこへ?」
「ある御方を探さなければいけないのです。私に宝石をくれた男のひとなんですが……ごめんなさい、セツカ様のハーレムに加われなくて」
「なんだそれは? こちらがお断りだ」
「ですよね。ふふ」
アリエルは髪をかきあげてみせる。
彼女は今までにないような、裏表のない笑顔で笑うのだった。
「おう、やってんな」
「ん、お前は……」
こちらに向かい叫んでいるのは、獣王ハウフル。
なんか散歩のついでのような感じでこちらに歩いてくる。
確か獣人族を束ねる魔王のひとりだったか?
その姿をみつけたレーネは口を尖らせた。
「……おっそいです」
「すまねえ。普通に迷った」
「ばかじゃないですか? ごしゅじんさまがいなかったらわたし、しんでました」
「こわっ……お前、弟子のくせに口がどんどん悪くなってないか!?」
なんかレーネに辛辣な言葉をかけられてペコペコ謝っているが。
そういえばスレイやフローラの話だと、レーネはハウフルに弟子入りしたんだっけ?
赤いたてがみをぐしぐしかきながら、ハウフルは俺に言う。
「つーわけで、こいつ育てといた。だいぶ強くなっちまったが、それでも神徒にはかなわねえ。あとは自分の女なんだから自分で育てろよな。はっきりいって、お前のためとはいえこの娘はとんでもねえ鍛え方をしてるぜ。油断しなきゃもう少し戦えたんじゃね?」
「もう!! ごしゅじんさまのおんなって……ばかでしょ!?」
「いでっ!? おい、お前強くなってんだから本気で殴んなよ!? 寝言で毎日ごしゅじんさま~ぎゅってして~って聞かされる身にもなれや」
「きゃぁあああ。ばか! あほ師匠!」
「わりいわりい」
へらへらしていたハウフルだが。
アリエルの姿を見て、すこしばかり暗い顔になる。
「お前、あいつのとこに行くか?」
「ええ。連れていっていただけますか?」
「……それで、お前さんが納得するならな」
「いいんですよ。そのためにまた、ここに戻ったんですから」
アリエルは立ち上がり、ハウフルのもとへ。
どうやら二人は一緒にどこかへと向かうみたいだな。
「ありがとうございましたセツカ様、がんばってくださいレーネ様。二度とオリエンテールであのようなことはいたしませんと約束します。だから少しだけ……私に時間をくださいな」
「俺は構わない。人を傷つける気がないなら止める理由がない」
「…………わたしは納得はできないです。でも、あなたがなにかたいせつなことをしようとしているのはわかります。それでも……ほんとうはごしゅじんさまがあなたに優しいのが憎いです。ミリアさん、スレイさんとフローラ様にみつかるまえに、大切なことをしてしまうべきです」
「おふたりとも、ありがとう……」
アリエルは振り返らずに行った。
彼女は彼女の道を進むのだろう。
俺のスキルが造り出した断罪のダンジョンを抜け出すということは、罪と罰をしっかりと認識しているという証。
ならばそれ以上の追求を俺からすることはない。
ただし、スレイやフローラ、ミリアは別だろう。
俺とレーネがアリエルを見逃したことを、後々彼女たちに責められるかもしれないな。
しかしアリエル。彼女の進む道に光明はあるのだろうか?
レーネはアリエルの姿を見送ると、ぼんやりと呟いた。
「いっちゃいましたね……」
「ああ」
「四年と、三つの月ぶりです」
「そんなになるのか……俺にとっては一週間ほどなのに」
問題は俺にも残されている。
『殺す』スキル。
また発動しなかった。
しかし、今回のは前とは条件が違う。
以前はスキルを使いこなせていなかったために起きた現象だ。
今回は、使いこなしているスキルに起きた現象。
どっちが危機的な状況かは明白だ。
「スキル。原因はわかったか?」
●デバッグの結果、相手スキルの干渉を確認。認識阻害系の能力だと類推されます。
なるほどな。
メカニカル=シールのような直接影響型じゃなく、アンリエッタのスキルはスキルや感情、感覚を阻害するタイプのスキルだったということか?
俺のスキルすら欺いたとすればかなりの強敵だな。
アンリエッタ=アンリエッタ。対策を整えておかねば。
スキルよ。現在採れる最善の防衛を用意しておけ。
●承知しました。『殺す』スキルの稼働限界を『殺し』ます。インベントリ参照。スキルのバックドアを作成。スキルが認識阻害された場合、ただちに行動不可能にならないように二重構造にて対策。
●思考領域の拡大を提案。並列思考演算領域を確保します。
●探知能力拡大。第六感センサー始動。
俺はスキルに防衛能力の強化を依頼しておいた。
コードセツナと一体化してからできることが増えたとはいえ、常にスキルに何かをやらせるのは負担になる。
例えばパソコンと同じだ。
タスクを多く抱えた状態だと、微妙にスキルの立ち上がりがぐらついたりするおそれがあるのだ。
あまりこういう状態にはしておきたくなかったが、仕方がないな。
ふう、こんなものでいいか。
ふと見上げると、レーネが首を傾けて俺の顔を覗きこんでいた。
ちょうど夕方がすぎ、夜になる。
あたりは静かな闇に包まれ、星が瞬きを始める時刻だ。
なぜだろう、レーネの姿は夕闇の中で浮かび上がるように光って見えた。
「まちどおしかった。わたしはおおきくなりました」
「ほんとうだな。こんなにおおきくなったレーネを見れて嬉しいよ」
「わたしはごしゅじんさまにあいたくて、あいたくて……まいにちあいたくて」
「きれいになったね。元から可愛かったけど、大人になったんだ」
「…………っ。そうです。レーネはおとなです」
●認識……少女の接近。レーネの顔が近づいています。
ん?
レーネが近づいたくらいで警報は出さなくていいぞスキル。
勘違いか?
●危険……少女が接近。レーネの顔がさらに近づいています。
だからどうして味方に警告を出す?
壊れてしまったのか?
●接近、接近、接近。危険です。危険です。
うるさいな。
レーネが俺を殺すわけないだろう?
まさか敵がちかくに……えっ!?
「んっ……………」
「ぁ…………っ」
最初は、なにがおきたかわからなかった。
やわらかい。
あたたかい。
やわらかくてあたたかく、愛しく小さな鼓動を感じる。
やがて現実を認識しはじめると、身体が心臓の鼓動に合わせて波打つみたいに沸き立ってくる。
目の前にレーネの可愛らしい顔がある。どうして、なぜ!?
体温が上昇し、手のひらから汗がぶわりと出てくる。
どうする!?
いま、離れていいものなのか……?
「んっ……はっ…………っはっ」
すると、ゆっくりと、しかしこじあけるようにしてくちびるの中へと入ってくるレーネ。
背筋に電撃が走り、すさまじいまでの幸福感と快感が頭の方へと突き抜けていく。
ああ、この可愛らしい子はきっと愛を伝えたくて、それを何年も何年も待っていて。
その相手がなぜだか俺で。
唇を重ねている最中にも関わらず、現実味に欠ける現象に混乱してしまう。
すこし目をあけると、レーネは涙を流していた。
透明感の溢れる笑顔で、彼女は抱きつくちからをぎゅっと強める。
「やくそくのおとなのキスです。ごしゅじんさま」
せつない息づかいが首もとにかかり、くすぐったかった。
今すぐに彼女の涙を止めてやりたい。
そう考えた俺は、むさぼるようにして少女の唇を求めた。
アンリエッタとメカニカル=シールが撤退した後すぐ、俺はアリエルを治療した。
●聖女アリエルの傷を『殺し』ます…………完了。
アリエルの傷はすっかりよくなった。
微笑む聖女の姿は、あのときと違い毒が抜けたような感じだ。
だが、この女は油断できない。
「ありがとうございます。私を治してくれるなんてセツカ様は優しいのですね?」
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「私もセツカ様が関わっていると知って驚いたのですよ。ある意味お互い様ですね」
「ぬかせ。これからどうする?」
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「おう、やってんな」
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こちらに向かい叫んでいるのは、獣王ハウフル。
なんか散歩のついでのような感じでこちらに歩いてくる。
確か獣人族を束ねる魔王のひとりだったか?
その姿をみつけたレーネは口を尖らせた。
「……おっそいです」
「すまねえ。普通に迷った」
「ばかじゃないですか? ごしゅじんさまがいなかったらわたし、しんでました」
「こわっ……お前、弟子のくせに口がどんどん悪くなってないか!?」
なんかレーネに辛辣な言葉をかけられてペコペコ謝っているが。
そういえばスレイやフローラの話だと、レーネはハウフルに弟子入りしたんだっけ?
赤いたてがみをぐしぐしかきながら、ハウフルは俺に言う。
「つーわけで、こいつ育てといた。だいぶ強くなっちまったが、それでも神徒にはかなわねえ。あとは自分の女なんだから自分で育てろよな。はっきりいって、お前のためとはいえこの娘はとんでもねえ鍛え方をしてるぜ。油断しなきゃもう少し戦えたんじゃね?」
「もう!! ごしゅじんさまのおんなって……ばかでしょ!?」
「いでっ!? おい、お前強くなってんだから本気で殴んなよ!? 寝言で毎日ごしゅじんさま~ぎゅってして~って聞かされる身にもなれや」
「きゃぁあああ。ばか! あほ師匠!」
「わりいわりい」
へらへらしていたハウフルだが。
アリエルの姿を見て、すこしばかり暗い顔になる。
「お前、あいつのとこに行くか?」
「ええ。連れていっていただけますか?」
「……それで、お前さんが納得するならな」
「いいんですよ。そのためにまた、ここに戻ったんですから」
アリエルは立ち上がり、ハウフルのもとへ。
どうやら二人は一緒にどこかへと向かうみたいだな。
「ありがとうございましたセツカ様、がんばってくださいレーネ様。二度とオリエンテールであのようなことはいたしませんと約束します。だから少しだけ……私に時間をくださいな」
「俺は構わない。人を傷つける気がないなら止める理由がない」
「…………わたしは納得はできないです。でも、あなたがなにかたいせつなことをしようとしているのはわかります。それでも……ほんとうはごしゅじんさまがあなたに優しいのが憎いです。ミリアさん、スレイさんとフローラ様にみつかるまえに、大切なことをしてしまうべきです」
「おふたりとも、ありがとう……」
アリエルは振り返らずに行った。
彼女は彼女の道を進むのだろう。
俺のスキルが造り出した断罪のダンジョンを抜け出すということは、罪と罰をしっかりと認識しているという証。
ならばそれ以上の追求を俺からすることはない。
ただし、スレイやフローラ、ミリアは別だろう。
俺とレーネがアリエルを見逃したことを、後々彼女たちに責められるかもしれないな。
しかしアリエル。彼女の進む道に光明はあるのだろうか?
レーネはアリエルの姿を見送ると、ぼんやりと呟いた。
「いっちゃいましたね……」
「ああ」
「四年と、三つの月ぶりです」
「そんなになるのか……俺にとっては一週間ほどなのに」
問題は俺にも残されている。
『殺す』スキル。
また発動しなかった。
しかし、今回のは前とは条件が違う。
以前はスキルを使いこなせていなかったために起きた現象だ。
今回は、使いこなしているスキルに起きた現象。
どっちが危機的な状況かは明白だ。
「スキル。原因はわかったか?」
●デバッグの結果、相手スキルの干渉を確認。認識阻害系の能力だと類推されます。
なるほどな。
メカニカル=シールのような直接影響型じゃなく、アンリエッタのスキルはスキルや感情、感覚を阻害するタイプのスキルだったということか?
俺のスキルすら欺いたとすればかなりの強敵だな。
アンリエッタ=アンリエッタ。対策を整えておかねば。
スキルよ。現在採れる最善の防衛を用意しておけ。
●承知しました。『殺す』スキルの稼働限界を『殺し』ます。インベントリ参照。スキルのバックドアを作成。スキルが認識阻害された場合、ただちに行動不可能にならないように二重構造にて対策。
●思考領域の拡大を提案。並列思考演算領域を確保します。
●探知能力拡大。第六感センサー始動。
俺はスキルに防衛能力の強化を依頼しておいた。
コードセツナと一体化してからできることが増えたとはいえ、常にスキルに何かをやらせるのは負担になる。
例えばパソコンと同じだ。
タスクを多く抱えた状態だと、微妙にスキルの立ち上がりがぐらついたりするおそれがあるのだ。
あまりこういう状態にはしておきたくなかったが、仕方がないな。
ふう、こんなものでいいか。
ふと見上げると、レーネが首を傾けて俺の顔を覗きこんでいた。
ちょうど夕方がすぎ、夜になる。
あたりは静かな闇に包まれ、星が瞬きを始める時刻だ。
なぜだろう、レーネの姿は夕闇の中で浮かび上がるように光って見えた。
「まちどおしかった。わたしはおおきくなりました」
「ほんとうだな。こんなにおおきくなったレーネを見れて嬉しいよ」
「わたしはごしゅじんさまにあいたくて、あいたくて……まいにちあいたくて」
「きれいになったね。元から可愛かったけど、大人になったんだ」
「…………っ。そうです。レーネはおとなです」
●認識……少女の接近。レーネの顔が近づいています。
ん?
レーネが近づいたくらいで警報は出さなくていいぞスキル。
勘違いか?
●危険……少女が接近。レーネの顔がさらに近づいています。
だからどうして味方に警告を出す?
壊れてしまったのか?
●接近、接近、接近。危険です。危険です。
うるさいな。
レーネが俺を殺すわけないだろう?
まさか敵がちかくに……えっ!?
「んっ……………」
「ぁ…………っ」
最初は、なにがおきたかわからなかった。
やわらかい。
あたたかい。
やわらかくてあたたかく、愛しく小さな鼓動を感じる。
やがて現実を認識しはじめると、身体が心臓の鼓動に合わせて波打つみたいに沸き立ってくる。
目の前にレーネの可愛らしい顔がある。どうして、なぜ!?
体温が上昇し、手のひらから汗がぶわりと出てくる。
どうする!?
いま、離れていいものなのか……?
「んっ……はっ…………っはっ」
すると、ゆっくりと、しかしこじあけるようにしてくちびるの中へと入ってくるレーネ。
背筋に電撃が走り、すさまじいまでの幸福感と快感が頭の方へと突き抜けていく。
ああ、この可愛らしい子はきっと愛を伝えたくて、それを何年も何年も待っていて。
その相手がなぜだか俺で。
唇を重ねている最中にも関わらず、現実味に欠ける現象に混乱してしまう。
すこし目をあけると、レーネは涙を流していた。
透明感の溢れる笑顔で、彼女は抱きつくちからをぎゅっと強める。
「やくそくのおとなのキスです。ごしゅじんさま」
せつない息づかいが首もとにかかり、くすぐったかった。
今すぐに彼女の涙を止めてやりたい。
そう考えた俺は、むさぼるようにして少女の唇を求めた。
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