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四章
つかの間の勝利を×そう!
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メカニカル=シールはだらりと両腕を下げ、猫背になりうなだれている。
奴の青白い顔は陶器のような質感で、男にも女にも見えるのが不思議だ。
アシンメトリーな髪型がさらに中性的なイメージを加速させ、真ん中で白と黒に分かれたとても目立つ配色のローブを着用している。
彼、もしくは彼女は俺に向かって宣言する。
「ぐるぐるこねくり回して、殺してやるよ……レイゼイ=セツカ。キミはじつに愚かだ。アラガミ様に嫌われていることも知らず、のうのうと戻ってくるなんてのんきな奴。目障りだから死んで? アラガミ様のお気に入りの、神徒のボクにキミが敵うはずないのに」
「口だけならなんとでも言える」
「ボクのスキルはアラガミ様にもらった新しいモノさ。キミのような古いモノとは訳が違うよ。万物は回転して、世界の営みを造り出している……ボクのスキルは最強なのさ。このスキルをアラガミ様がボクにくれたってことは、意味わかるよね?」
「なら試してみればいい」
回転。
メカニカル=シールの能力も俺の『殺す』スキルと同じで、世界のコードに干渉……つまりは物の仕組みを殺すように、奴のスキルも『回転』の特性を物体に与えられる可能性が高い。
汎用性はかなり高いだろうと予測がつく。
問題は奴のスキルでどこまで『世界』に干渉してくるかといったところか?
メカニカル=シールは左腕を伸ばし俺を指差した。
攻撃がやってくる!
「言われるまでもないさ。『回転』!!! 上下左右の高速回転をキミの体に与える!! 臓物を撒き散らして死ね。ボクの腕を返せ!!」
「……なるほど」
奴が合図した瞬間、俺の体はその場でありえない動きをする。
まるで腹の中心に軸をぶちこまれて、ぐるぐると風車のように360度超高速回転させられた感じだ。
当然、恐ろしいまでの遠心力が体にかかる。
普通ならばバラバラに裂けて飛び散るレベルだ。
普通なら、ね。
「まるでお遊びだな」
余裕で殺しきれる。
スキルにより守られている俺には全く影響はない。
●体の回転による遠心力を『殺し』ました。
●レイゼイ=セツカに付与された回転を『殺し』ました。
俺は平然と地面に立つ。
早速アホ顔を晒すメカニカル=シール。
「ハァ? あれ? なんで?」
「理解できないのか? お前の攻撃は無効だ」
「んなっ、まったく効いていないのかっ!? ボクのスキルによる直接攻撃が?」
「これで終わりか? 大きく出たわりにはショボいスキルだな」
「……くくっ、そんなわけないだろう。ボクの力はこれからさ」
メカニカル=シールはいきなり地面を殴り付けた。
すると、小石がいくつかふわりと浮かび上がる。
バチバチと激しい電撃が巻き起こり、風の回転が形成され……。
「超電磁『回転』。エアーレールキャノンだ」
ズガァァァァッ!!
恐ろしいまでの爆風と衝撃。
複数の小石は、空気を回転させてつくり出した高密度の筒から撃ち出されることにより音速を越える弾丸と化した。
なるほど、石自体を回転させずに砲筒を回転圧縮した空気でレールガンをつくるという発想は褒めてやろう。
人体に当たればミンチよりも酷いことになるだろう。
当たれば、な。
●エアーレールキャノンの砲撃を『殺し』ました。エネルギーの消滅を確認。
俺はあきれつつも尋ねる。
「これで終わりか?」
「え…………?」
なんだ、結構な必殺技だったとでも言うのか?
機械っぽい顔しているくせに焦っているのがバレバレだぞ?
「本当に聞くが、これで終わりなのか?」
「ぐ、偶然さ。キミのスキルは『殺す』スキルだろう? ボクの『回す』スキルのほうがぜったいに応用がきくはずなんだ。だってそうさ、キミのスキルなんて人殺しぐらいにしか役に立たないだろう?」
「はぁ」
メカニカルなんちゃらの言い訳を聞きにやってきたんじゃないんだけどな。
思わず左手に力が入る。
スキルにより握力ゴリラ×10の状態の俺に握りしめられたおかげで、メカなんちゃらのもげた腕がひしゃげてしまった。
「あぁあああっ!? ぼ、ボクの腕っ!! めきゃめきゃになったじゃないかっ!! は、はなせっ!!」
「ほら、いつでも取っていいぞ? 回転とやらで取り返せ」
「返せっ!! 返せよっ!!」
「ほら、どうぞ?」
俺は腕を差し出す。
すると、メなんちゃらは掴んで取りかえそうとしたのだった。
「あれ、取れない……クソ、ボクの腕……はなせよっ」
「ほらほら、どうした? そんなに力はいれてないんだが?」
「このっ……か、かえせって」
「ほら、返すぞ」
「うわぁっ!?」
メカニカル=シールは尻餅をつく。
どうした? いつまで地面に転がっている。
万物は回転して世界を造り出す?
回転したのはお前のほうだったな?
やれやれ。
「話にならない」
「くうっ……ボクはっ」
取り返した腕をかかえ、メカニカル=シールは後ずさりをした。
土にまみれ、這いずる姿は戦意を喪失しているように思える。
勝負あったかな?
「ごしゅじんさま……さらにお強くなられたのですね。わたしたちが殺されかけたメカニカル=シールを子供あつかいなんて、すごすぎます。かっこよすぎです。レーネは……どきどきしてしまいますっ」
背後でレーネは瞳を潤ませていた。
きっとメカニカル=シールに絡まれて怖かったのだろう。
「……私に出来ないことを平然とやってのける。彼で確定ですサリアナ。セツカ様は本当に不可能を『殺し』ちゃうんですね。見てください。負の予言なんて彼の前では小さな障害。神徒をあんなにも簡単にいなすなんて、ほんとうにすごい。心から私は彼に……」
アリエルはなにやら満足そうに微笑んでいる。
この女は危険だが……。
あとで治療くらいはしてやらないとな。一応、レーネが助けられている。
俺は敵に背を向ける。
「終わったような雰囲気をかもしているんじゃないよお!! ボクはまだ負けてないんだからね!!」
「帰れ」
●斥力を『殺し』ます。メカニカル=シールを吹き飛ばします。
「ぐはあっ!?」
俺のスキルによって弾き飛ばされたメカニカル=シールは大木に叩きつけられた。
巨木は衝撃でへし折れる。
奴のボディはみしみし音をたて、巨木はずしんと地面へと倒れ落ちた。
はぁ。どう考えても終わった雰囲気だ。
ゆらりと立ち上がってなにかぶつぶつ言っているが。
「コロス……使いたくなかったけど、アレをつかう。コロス。ぜったいにころぉぉぉぉす!! ボクはお前をコロス!!」
出た出た。
ありがちな台詞を吐いてメカニカル=シールは立ち上がった。
まだ何かをしようというのだろうか?
「『輪廻天性』……」
「はいはい・ここまでですね」
ん、女の声?
メカニカル=シールの声は唐突に聞こえた少女の声で遮られた。
それどころか、目の前にいたはずの奴の姿がみえない。
いったいどこにいった?
「はじめまして・ごきげんよう。アンリエッタ=アンリエッタと申します」
「どこだ?」
「ここですよ・みえますか?」
頭上。
巨木の枝のひとつに人影がある。
「お初にお目にかかります・レイゼイ=セツカ様」
「お前も神徒とやらの一人か?」
「はい・おっしゃる通り。魅惑のアンリエッタと呼ばれております」
「……加勢に来たというわけか」
アンリエッタ=アンリエッタ。
そう名乗った女は、まるでフランス人形をそのままま大きくしたかのような場違いめいた豪奢な白ドレスをまとう少女であった。
つんと尖った鼻に切れ長の目、セットにひたすら時間のかかりそうな分厚い金髪縦ロールはまるで貴族令嬢のステレオタイプのようで、なかなかの美人に思える。
しかし、どことなく人間味がないというか、不気味な美しさのような気がする。
アンリエッタは器用に木の上に立つばかりではなく、片手にぬいぐるみでも引っ張るようにしてメカニカル=シールを抱えていた。
「今日はこれまでにしておきたいですね・わたくしたちのアラガミ様も、本日の決着は望んでおりませんので」
「はなせよアンリエッタ!! ボクはまだできる!!」
「ちょっと・しずかにしてメカニカル=シール」
「うぅ……わ、わかった」
メカニカル=シールを回収しにきたということだろうか?
そう簡単に逃がすわけがない。
俺はスキルにアンリエッタの能力の鑑定を急がせる。
●………………………。
どうしたスキル?
なぜ反応しない?
「ダメ・ですよ?」
「なに!?」
いつのまにかアンリエッタは俺の背後にまわっていた。
そんな能力ありえるのか!?
メカニカル=シールを抱えた状態で、非力な少女が瞬時に巨木の上から俺の背後まで移動したというのか!?
スキルの危険察知能力(アラート)には何も引っ掛かっていないぞ?
アンリエッタは余裕の微笑みでウインクをする。
「楽しみ・です。レイゼイ=セツカ様、あなたをわたくしの能力で屈服させるときが」
「スキル発動『殺せ』」
●アンリエッタ・アンリエッタを『殺し』ます。
「ふふ・せっかち」
「なっ!?」
アンリエッタはいつの間にか正面へとまわっていた。
いや、いつの間にかとかいうレベルの話ではない。
まるで最初からそこにいたかのように、自然に目の前に立っていたのだ。
アンリエッタは、俺の唇にひとさし指で軽く触れる。
「おあずけです・それでは、ごきげんよう」
「……消えただと!?」
アンリエッタと、メカニカル=シールは煙のようにこつぜんと消えてしまった。
警戒を続けても、それ以降は攻撃の気配は一切なかった。
レーネとアリエルを救いだすことができたが……。
神徒アンリエッタ=アンリエッタ。それにメカニカル=シール。
さすがに並の存在ではなさそうな気がしてきたな。
奴の青白い顔は陶器のような質感で、男にも女にも見えるのが不思議だ。
アシンメトリーな髪型がさらに中性的なイメージを加速させ、真ん中で白と黒に分かれたとても目立つ配色のローブを着用している。
彼、もしくは彼女は俺に向かって宣言する。
「ぐるぐるこねくり回して、殺してやるよ……レイゼイ=セツカ。キミはじつに愚かだ。アラガミ様に嫌われていることも知らず、のうのうと戻ってくるなんてのんきな奴。目障りだから死んで? アラガミ様のお気に入りの、神徒のボクにキミが敵うはずないのに」
「口だけならなんとでも言える」
「ボクのスキルはアラガミ様にもらった新しいモノさ。キミのような古いモノとは訳が違うよ。万物は回転して、世界の営みを造り出している……ボクのスキルは最強なのさ。このスキルをアラガミ様がボクにくれたってことは、意味わかるよね?」
「なら試してみればいい」
回転。
メカニカル=シールの能力も俺の『殺す』スキルと同じで、世界のコードに干渉……つまりは物の仕組みを殺すように、奴のスキルも『回転』の特性を物体に与えられる可能性が高い。
汎用性はかなり高いだろうと予測がつく。
問題は奴のスキルでどこまで『世界』に干渉してくるかといったところか?
メカニカル=シールは左腕を伸ばし俺を指差した。
攻撃がやってくる!
「言われるまでもないさ。『回転』!!! 上下左右の高速回転をキミの体に与える!! 臓物を撒き散らして死ね。ボクの腕を返せ!!」
「……なるほど」
奴が合図した瞬間、俺の体はその場でありえない動きをする。
まるで腹の中心に軸をぶちこまれて、ぐるぐると風車のように360度超高速回転させられた感じだ。
当然、恐ろしいまでの遠心力が体にかかる。
普通ならばバラバラに裂けて飛び散るレベルだ。
普通なら、ね。
「まるでお遊びだな」
余裕で殺しきれる。
スキルにより守られている俺には全く影響はない。
●体の回転による遠心力を『殺し』ました。
●レイゼイ=セツカに付与された回転を『殺し』ました。
俺は平然と地面に立つ。
早速アホ顔を晒すメカニカル=シール。
「ハァ? あれ? なんで?」
「理解できないのか? お前の攻撃は無効だ」
「んなっ、まったく効いていないのかっ!? ボクのスキルによる直接攻撃が?」
「これで終わりか? 大きく出たわりにはショボいスキルだな」
「……くくっ、そんなわけないだろう。ボクの力はこれからさ」
メカニカル=シールはいきなり地面を殴り付けた。
すると、小石がいくつかふわりと浮かび上がる。
バチバチと激しい電撃が巻き起こり、風の回転が形成され……。
「超電磁『回転』。エアーレールキャノンだ」
ズガァァァァッ!!
恐ろしいまでの爆風と衝撃。
複数の小石は、空気を回転させてつくり出した高密度の筒から撃ち出されることにより音速を越える弾丸と化した。
なるほど、石自体を回転させずに砲筒を回転圧縮した空気でレールガンをつくるという発想は褒めてやろう。
人体に当たればミンチよりも酷いことになるだろう。
当たれば、な。
●エアーレールキャノンの砲撃を『殺し』ました。エネルギーの消滅を確認。
俺はあきれつつも尋ねる。
「これで終わりか?」
「え…………?」
なんだ、結構な必殺技だったとでも言うのか?
機械っぽい顔しているくせに焦っているのがバレバレだぞ?
「本当に聞くが、これで終わりなのか?」
「ぐ、偶然さ。キミのスキルは『殺す』スキルだろう? ボクの『回す』スキルのほうがぜったいに応用がきくはずなんだ。だってそうさ、キミのスキルなんて人殺しぐらいにしか役に立たないだろう?」
「はぁ」
メカニカルなんちゃらの言い訳を聞きにやってきたんじゃないんだけどな。
思わず左手に力が入る。
スキルにより握力ゴリラ×10の状態の俺に握りしめられたおかげで、メカなんちゃらのもげた腕がひしゃげてしまった。
「あぁあああっ!? ぼ、ボクの腕っ!! めきゃめきゃになったじゃないかっ!! は、はなせっ!!」
「ほら、いつでも取っていいぞ? 回転とやらで取り返せ」
「返せっ!! 返せよっ!!」
「ほら、どうぞ?」
俺は腕を差し出す。
すると、メなんちゃらは掴んで取りかえそうとしたのだった。
「あれ、取れない……クソ、ボクの腕……はなせよっ」
「ほらほら、どうした? そんなに力はいれてないんだが?」
「このっ……か、かえせって」
「ほら、返すぞ」
「うわぁっ!?」
メカニカル=シールは尻餅をつく。
どうした? いつまで地面に転がっている。
万物は回転して世界を造り出す?
回転したのはお前のほうだったな?
やれやれ。
「話にならない」
「くうっ……ボクはっ」
取り返した腕をかかえ、メカニカル=シールは後ずさりをした。
土にまみれ、這いずる姿は戦意を喪失しているように思える。
勝負あったかな?
「ごしゅじんさま……さらにお強くなられたのですね。わたしたちが殺されかけたメカニカル=シールを子供あつかいなんて、すごすぎます。かっこよすぎです。レーネは……どきどきしてしまいますっ」
背後でレーネは瞳を潤ませていた。
きっとメカニカル=シールに絡まれて怖かったのだろう。
「……私に出来ないことを平然とやってのける。彼で確定ですサリアナ。セツカ様は本当に不可能を『殺し』ちゃうんですね。見てください。負の予言なんて彼の前では小さな障害。神徒をあんなにも簡単にいなすなんて、ほんとうにすごい。心から私は彼に……」
アリエルはなにやら満足そうに微笑んでいる。
この女は危険だが……。
あとで治療くらいはしてやらないとな。一応、レーネが助けられている。
俺は敵に背を向ける。
「終わったような雰囲気をかもしているんじゃないよお!! ボクはまだ負けてないんだからね!!」
「帰れ」
●斥力を『殺し』ます。メカニカル=シールを吹き飛ばします。
「ぐはあっ!?」
俺のスキルによって弾き飛ばされたメカニカル=シールは大木に叩きつけられた。
巨木は衝撃でへし折れる。
奴のボディはみしみし音をたて、巨木はずしんと地面へと倒れ落ちた。
はぁ。どう考えても終わった雰囲気だ。
ゆらりと立ち上がってなにかぶつぶつ言っているが。
「コロス……使いたくなかったけど、アレをつかう。コロス。ぜったいにころぉぉぉぉす!! ボクはお前をコロス!!」
出た出た。
ありがちな台詞を吐いてメカニカル=シールは立ち上がった。
まだ何かをしようというのだろうか?
「『輪廻天性』……」
「はいはい・ここまでですね」
ん、女の声?
メカニカル=シールの声は唐突に聞こえた少女の声で遮られた。
それどころか、目の前にいたはずの奴の姿がみえない。
いったいどこにいった?
「はじめまして・ごきげんよう。アンリエッタ=アンリエッタと申します」
「どこだ?」
「ここですよ・みえますか?」
頭上。
巨木の枝のひとつに人影がある。
「お初にお目にかかります・レイゼイ=セツカ様」
「お前も神徒とやらの一人か?」
「はい・おっしゃる通り。魅惑のアンリエッタと呼ばれております」
「……加勢に来たというわけか」
アンリエッタ=アンリエッタ。
そう名乗った女は、まるでフランス人形をそのままま大きくしたかのような場違いめいた豪奢な白ドレスをまとう少女であった。
つんと尖った鼻に切れ長の目、セットにひたすら時間のかかりそうな分厚い金髪縦ロールはまるで貴族令嬢のステレオタイプのようで、なかなかの美人に思える。
しかし、どことなく人間味がないというか、不気味な美しさのような気がする。
アンリエッタは器用に木の上に立つばかりではなく、片手にぬいぐるみでも引っ張るようにしてメカニカル=シールを抱えていた。
「今日はこれまでにしておきたいですね・わたくしたちのアラガミ様も、本日の決着は望んでおりませんので」
「はなせよアンリエッタ!! ボクはまだできる!!」
「ちょっと・しずかにしてメカニカル=シール」
「うぅ……わ、わかった」
メカニカル=シールを回収しにきたということだろうか?
そう簡単に逃がすわけがない。
俺はスキルにアンリエッタの能力の鑑定を急がせる。
●………………………。
どうしたスキル?
なぜ反応しない?
「ダメ・ですよ?」
「なに!?」
いつのまにかアンリエッタは俺の背後にまわっていた。
そんな能力ありえるのか!?
メカニカル=シールを抱えた状態で、非力な少女が瞬時に巨木の上から俺の背後まで移動したというのか!?
スキルの危険察知能力(アラート)には何も引っ掛かっていないぞ?
アンリエッタは余裕の微笑みでウインクをする。
「楽しみ・です。レイゼイ=セツカ様、あなたをわたくしの能力で屈服させるときが」
「スキル発動『殺せ』」
●アンリエッタ・アンリエッタを『殺し』ます。
「ふふ・せっかち」
「なっ!?」
アンリエッタはいつの間にか正面へとまわっていた。
いや、いつの間にかとかいうレベルの話ではない。
まるで最初からそこにいたかのように、自然に目の前に立っていたのだ。
アンリエッタは、俺の唇にひとさし指で軽く触れる。
「おあずけです・それでは、ごきげんよう」
「……消えただと!?」
アンリエッタと、メカニカル=シールは煙のようにこつぜんと消えてしまった。
警戒を続けても、それ以降は攻撃の気配は一切なかった。
レーネとアリエルを救いだすことができたが……。
神徒アンリエッタ=アンリエッタ。それにメカニカル=シール。
さすがに並の存在ではなさそうな気がしてきたな。
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