『殺す』スキルを授かったけど使えなかったので追放されました。お願いなので静かに暮らさせてください。

晴行

文字の大きさ
上 下
76 / 149
四章

4年後の少女は

しおりを挟む
 ごつごつとした岩場が続く山あい、焼けたような真っ赤な地面の肌が露出している。
 ここはオリエンテールからだいぶ遠い、魔王領土と呼ばれる危険地帯だ。
 現在はアラガミの神徒との戦闘状態にあり、その最前線であるためこの世界で最も危険な場所と言っても過言ではない。

「ったく……どこに行ったっつーんだよ」

 ガリガリと立派な赤いたてがみの生えた頭を掻くのは、魔王のひとりに数えられるハウフル。
 彼はこんなところでいったい何をしているのだろうか?

「俺はそんなに鼻が効くタイプじゃねーんだから。ちょろちょろすんじゃねーって」

 ぶつぶつとぼやきながら辺りを見回す。
 しかし、目当ての人物は発見できないようだ。

「しかし……俺の『領域』を出し抜けるまでに成長するとはな。俺ぁこれでも魔王なんだぜ? まあ、修行をつけてやったのは俺なんだけどよ」

 大きめの岩に腰かける。
 誰かを探すのを諦めたのか、それとも。

「ま、なんかあったら向かうとしますか。それまでお昼寝だぜ」

 なんとハウフルはふて寝をしてしまった。
 大きなからだをして、まるで猫科の小動物である。











「ひゃっはー。いい感じの子みっけ!!」
「こんなところで何してんの?」
「ここはねー、君みたいなかわいこちゃんがくるとこじゃないよー?」

 まるでテンプレートを体現したかのような展開。
 灰色のフードつきローブを被った少女が、巨大な体の男三人に絡まれる。
 しかし一般的でないとすれば、その三人の強さだろう。
 チンピラとは一線を画す彼らの強力な戦闘力は、洗練された装備や身のこなしの軽さから見てとれる。
 かなりの手練れ、それも冒険者でいえばトップレベル並みといえるだろう。
 三人は丁寧に自己紹介までしてくれるようだ。

「俺たちはメカニカル=シール様の配下だぜ」
「んーきみは見覚えがあるぞー」
「獣人の女……ハウフルの尻を追っかける奴隷女かよ」
「はははっ」
「ちげえねえな」
「おい、獣王とやらはどうした? いても負けねえけどな?」

 やいのやいのどやされるも、ローブの少女は微動だにしない。動揺している様子もない。
 彼女はゆっくりとフードを取り払う。
 
「…………」

 三人の男は言葉を失う。
 あらわれた姿はあまりにも美しく、あまりも儚かったからだ。
 金色に輝く長髪、大きく特徴的なとがった獣耳、濡れたような青い瞳は泣いているようにすらみえる。
 端正な顔立ちはまるで運命に愛されたものの風格さえ漂う。
 14歳くらいの、適齢の女の子だ。
 男たちは思わず任務を忘れて低級なチンピラ風情のようにこの女を犯しつくしたい衝動にかられた。

「へ、へっ……なんだこいつ」
「けっこうかわいいじゃんか」
「俺らの奴隷になれよ」

 しかし、少女はまったく彼らを見ていないように思えた。
 それどころか、心がその場所にはなく、ぬけがらとして動いているかのような温度で、

「イージーコースか、ハードコースです……」

 とつぶやいた。
 つまり、立ち去れば見逃す。
 戦えば?

「ころします」

「は?」
「お前みたいな女に俺らが殺されるとでも?」
「さっさと仕事を済ませようぜ? こいつは捕まえて後で楽しもう」

 男たちは剣をかまえる。
 魔法剣というめずらしい戦闘スタイルを使うらしい。
 三人は隙が生まれないように、連続攻撃できるように位置どる。
 口では余裕めいたことを言っておきながら、男たちは少女に一切の手加減をする気がないようだ。

「血爪(けっそう)」

 ザンッ。

 たいした技を出す必要もない。
 少女はそう言いたげな表情で、三人の立っていた場所を振り返った。
 彼らはバラバラになり、無言を貫いている。
 あっけない最後。弱すぎる結末。

「ごしゅじんさま、レーネはまた殺しました」

 少女は祈りを捧げる。
 神でも死体でもなく、たったひとりの男に向かって。

「相手にならない。これじゃいつまでたっても強くなりません……どうしたら。わたしはごしゅじんさまに会えるんだろう」

 14歳になったレーネは美しく成長していた。
 手足はすらりと延び、顔立ちに幼さは残るものの、凛とした雰囲気をまとうようになった。
 女らしさを主張し始めた自分の身体にレーネはどう振る舞っていいかわからないでいた。
 ローブを着用するのはそういった自分の容姿を隠すためでもある。
 レーネははっきり言ってあの人以外に自分の姿を晒すのは我慢がならない行為であった。
 あの日、かりそめの勝利に浮かれて彼に優しくしてもらった後。
 彼は光の中に消えてしまった。
 ミリアは彼についていったのに、どうして自分は取り残されたのだろう?
 レーネは後悔した。あのとき動けなかった自分を恨んだ。
 だから、強くなろうと決めた。
 セツカに与えられた力はもちろん、自分なりになにかを掴まなくては。
 そうして獣王ハウフルに弟子入りしたのであった。
 彼女の顔から笑顔が消えて、四年と三ヶ月になる。

「すぐに会えるぜぇ?」

「!?」

 背後から聞こえた声に、レーネは驚きを隠せなかった。
 しまった。
 三人の男たちは、体をバラバラにされながらも死んでいなかったのだ。
 男たちの頭部が不気味に喋る。

「レイゼイ=セツカはアラガミ様に目をつけられたんだ。今ごろ死んでいるさ」
「残念だったなぁ、てめえらアホどもの希望はすでに失われてんだよ」
「天国で報告しな。俺たちにたっぷりと可愛がってもらったってな」

「くっ!?」

 男たちの身体は空中に浮かび、レーネへと襲いかかる。バラバラにした手足たちにあっという間に四肢を押さえつけられてしまうレーネ。
 アラガミの配下であるメカニカル=シール。
 その部下である三人はかなりの手練れであった。
 レーネは身動きが取れなくなる。
 だめだ。
 このままでは、この男たちに自由にされてしまう。
 こんなに簡単に私は負ける。
 あんなに修行したのに、すこしもご主人様には近づいていないのか。
 レーネの瞳から涙が溢れる。それがまた、三人の男たちを興奮させた。
 男たちの毒牙が乙女に届きかけたとき。

 ーーガッッ!!

 圧倒的なまでの突風が、男たちを襲う。
 レーネにまとわりつく不気味な男たちの身体は、吹き飛ばされて岩に叩きつけられる。

(この力……この圧倒的な力は、まさかごしゅじんさま?)

 今まさに乱暴をされそうだったにもかかわらず、レーネは目を輝かせてあの人の姿を探した。
 しかし聴こえてきた声は、まったく予想をしていなかった人物のもの。

「あいかわらず甘々ですねぇ。死亡確認くらいしたらどうですか?」

「あなた……どうして!?」

「お久しぶりです。聖女アリエル只今戻りました。ふふ」

「そんな……あなたはごしゅじんさまが封印したはず!!」

「でちゃいました♡」

 ぺろりと真っ赤な舌を出す人物は、確かに聖女アリエルであった。
 以前敵として戦い、今、一番会いたくない人物。
 しかしレーネが解せなかったのは、どうしてアリエルが助けてくれたのかということだ。
 驚くレーネを尻目に、アリエルは三人の男たちが吹き飛んだ先を指差す。

「メカニカル=シールの配下は機械種(マーシナリ)です。どうやら、身体の6割ほどが機械で出来ているのでバラバラになっても死ななかったみたいですね。見てください、血が一切出ていません」

 アリエルが指摘した通り、男たちの傷口からは一切の血液が溢れていなかった。
 機械種(マーシナリ)。
 メカニカル=シールを筆頭としたアラガミに従うとされる種族のことだが、何故アリエルはその情報をレーネに伝えるのだろうか?
 レーネは口調を荒らげる。

「どうしてっ!? 助けるとでも言うのですかっ!? あなたのしたことは、絶対に許されないことなんですよ?」

「知ってますよ。耳元で怒鳴らないで下さいね? セツカ様、見つからないんでしょう? だったら、私は自分のしたいように動きます。私は彼が与えてくれた罰を受けて、それで出てきたんです。あなたにとやかく言われる筋合いはないですね」

「それは……でも、どうして?」

「目的の一致ですよ。友情とか愛情はないので悪しからず」

 と、会話をしているレーネとアリエルを遮るように三人の男たちが襲いかかる。
 レーネによってバラバラにされた身体は元どおりのようにくっつき、三人とも魔力のこもった剣による強力な斬撃を放つつもりだ。

「バレちまったぜぇ」
「俺たちは人間とちがってやわじゃねえ」
「一人増えたが、楽しみも増えたな! こっちも美人だぜ!」

「うるさいです」
「黙って下さい話の途中なので」

 タネの明らかになった手品ほどつまらないものはない。
 レーネは爪で細切れにまで刻み、アリエルはあくびをしながらその死体を焼却する。
 二人の協力で、三人の男たちは一瞬でこの世から消滅した。
 アリエルはにっこりと微笑みながら、レーネの手を握る。

「オリエンテールに、私の国へ連れて行って下さいな。今、あの国は誰が治めているので?」

「ふざけないでください。オリエンテールは、スレイが臨時の指導者になり運営しています。あなたの戻る場所なんてどこにもありません!」

「へぇ、あの子が。……因果ですねえ。困りました。私、住む場所も食べるものも、お着替えもなくて。このままでは餓死ですよ?」

「うそばっかり。すこしも汚れていない服を着て、肌だってあのときのまま」

「これは加護のおかげなんです。お願いしますよ、助けてあげたじゃないですか?」

「いやです。はなして……」

「待って下さい。レーネさん、ちょっとミスりました。ヤバイのが来てしまったみたいですねえ」

 襲撃者は三人の男たちだけではなかったようだ。
 異様に細い手足、アシンメトリーな髪型が特徴の中性的な人物がぼうっとレーネたちを眺めていたのだ。
 その人物は聞き取れないような小さな声で呟いた。

「……心配になったから来てみれば。人間って残酷だなぁ。ボクたちはただ生きたいだけだというのになぁ。死ねばいいのに……。死ねばいいのに……」

「あなたは、だれ?」

「あーレーネさん。あれ、メカニカル=シールです。アラガミの神徒の。ちょっと、無理ですね。逃げましょう」

 額に冷や汗を浮かべたアリエルは、レーネの手をとりこの場を切り抜ける方法を模索していたのだった。
 
しおりを挟む
感想 193

あなたにおすすめの小説

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜

サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。 父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。 そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。 彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。 その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。 「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」 そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。 これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処理中です...