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聖女の章
手遅れになったプロローグ(アリエルside)
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セツカたちは神域を脱出できた。
が、それは新たな戦いの始まりを意味する。
スキルの自動防御効果によりアラガミの魔の手から一時的に逃れていたセツカは、ようやくスキルを攻略し自らの支配下においたのだ。
しかしアラガミによる攻撃は世界の方を蝕んでいた。
セツカの居ない異世界は四年という月日が経過し、その間、アラガミの配下にあたる使徒、通称『神徒』によって大陸の八割は支配され危険地帯と化した。
オリエンテール国周辺や皮肉なことに魔王の力が及ぶ一部の国が抵抗を続けているが、いずれジリ貧となるだろう。
さらなる予想外も発生した。
セツカのスキルが新しくパワーアップすると同時にに、その隙をついて覚醒した者も現れた。
聖女アリエル。
彼女は無限に続くと思われたループから抜け出し、セツカが作成した亜空間のダンジョンより覚醒した。
本来、罪の意識を認識しない限り絶対に抜け出すことの出来ない仕組みの特別な造りだったはずだが。
アリエルはどうやって抜け出すことが出来たのか?
全てを失った彼女が今更何を求めるのか?
それは彼女のみ知るところである。
「……やっぱり甘いですよねぇ。セツカ様も」
アリエルは囚われたままの生徒たち三人は放置し、自分だけその場を立ち去る。
「私に気遣いは無用だったんですよ。私たちに罰を与える茶番は高度な幻影の術だったのですねぇ。セツカ様もピュアボーイなんですから。ふふっ」
無傷の身体をさすり、アリエルは皮肉めいた笑みを浮かべる。
「元々、汚いですからね……」
とっくに薄汚れた身体だったのだ。今更、遠慮などしてもらわずとも良かったのに。と。
これは、セツカが神域に入った直後の話。
語られることのない悪人のエピソード。
アラガミの攻撃ののち。
レイゼイ=セツカの消滅が観測された。
同時に魔王たちは各々動き始める。
予定よりも大幅に繰り上がった『滅び』の序曲は始まっている。
それぞれが抱える約束を果たすときがやってきたと言わんばかりに。
●手遅れになったプロローグ(アリエルside)
深淵の森……3000年前は、『銀髪姫の眠る森』と呼ばれた場所。
ボロをまとった美しい青い髪の少女がふらふらとさまよう。
彼女の姿はいたましく、全身にアザや乱暴をされた跡があった。
あてもなく、ただただ少女は森の奥へと進む。
何かから逃れるように。
アリエル。
それは私の名前。
高名な魔法使いの父のもとに生まれた最高最強の魔法少女なんです。
だったらなんでこんな森をさまよっているのかって?
私が聞きたいですね。
男の人って、どうして妻のほかに関係をもつ女性が必要なんでしょうか?
そう、私はいわゆる妾腹。
正妻の子があまりにバカで魔法の才能がなかったから嫉妬された私は、14歳というこの歳にしてありとあらゆる拷問を受け家から放り出されました。
ありえないと思いましたよ。さすがの父も少しは味方してくれると考えていましたし。
結局、私はどんなに才能があれども父にとっては妾が孕んだ面倒な存在だったんですね。
父は正妻にいいように操られたち●こで考えるバカ男です。
見知った大勢の使用人たちに慰みものにされる私を、あの男は横目でチラリと見てなんの感情もなく、いつも引き込もっている魔法工房へと向かいました。
父親なんてみんなそんなもんです。くそったれです。
逆にありがたいですねぇ。
最強最高の私にとって家族など邪魔です。
家の名前なんて綺麗サッパリ忘れちゃいましたよ。あんなバカどもと同列に語られるのはごめんです。
私には仲間も必要ありません。
恋人だっていらないですね。そもそも、一生分男とはヤりましたからね。はっきりいって最後のほうは使用人の方がへとへとでしたし。
ぜんぜん気持ち良かったですね。あんなのが拷問とか片腹いたしです。
あーきもちよかった。
お陰で私の覚悟が決まりました。
絶対に生き抜いてやる。
死にたくない。
大天才アリエルは天才すぎるので妬まれやすいです。
街では私の頭の良さに嫉妬した愚民どもが私を殺そうとしてきますし(まあ、正妻に手を回されたのですが)。
身体を売って金を荒稼ぎしていたら、衛兵に追いかけ回されるハメになりました。まったく、私のテクニックは犯罪レベルですね(男が寝ている間に金を盗ったのが良くなかった)。
基本的に容赦がないですよ。衛兵にとらえられ、殺意をもって超絶美少女である私の顔面をタコ殴りにしてくるのはなんでか、泣いているフリをして聞いたらなんと父が私に対して懸賞金を出していたという事実が判明しました。
父としても、正妻と不仲になる面倒を早めに消し去りたかったんですねぇ。
そのあと犯そうとしてきた衛兵のアレをかみちぎり脱走成功です。やったねアリエル。
街にいられなくなった私は、仕方なくこの森の中へと入ってきました。
この森の中へは誰も入ってきません。
何故なら、この森は凶悪モンスターのオンパレードだから。
私は最強なんで大丈夫ですがね。
そんな中で暮らしているという噂の、銀髪の救国姫サリアナ。
魔女だとか聖女だとか言われる彼女の存在はなかば伝説と化していますが、民衆には人気あるおとぎ話ですね。
いてもいなくても私には関係ありませんがね。
さて。
唐突ですがここで問題発生です。
私、アリエルは大天才なのですが、どちらかというと知識系大天才なのでした。
魔法の種類は豊富ですが、魔法威力としてはそれなりのものしか発動できません。
そんな私の目の前に。
「カロロロロロロロ…………」
ヴァイツァー・スパイカーのお出ましです。
あ、初見の人にとっては私が何を言っているか意味がわかりませんよね?
説明しましょう。
ヴァイツァー・スパイカーとはカマキリ型の魔物の、最上級クラスと言われる変異種です。
数万個ある複眼はスキルを各々発動可能で、その気になればヴァイツァー・スパイカーの周囲数千メトルを覆う戦闘領域を発動可能です。
この戦闘領域を発動されてしまったら最後、冒険者は自らのスキルや魔法を発動する時間すら与えられずに首を刈られると伝えられています。
一般的に頭がわるいとされる昆虫族でありながら的確に相手の弱点を刈り取ることから、森の死神、大鎌の狩人などと恐れられ戦うことは忌避されています。
が、しかーし!!
実は私、杖を隠していたのです。衛兵に身体をまさぐられても奪われない場所にね!!
こいつでカマキリ野郎、お前をぶっとばしてやる!!
「は、はう……ぁ」
「カロロロロ……?」
大カマキリはへたりこむ私を見つめ、首をかしげた。
どうやら私のお肉が美味しそうすぎたらしい。そんなに見つめられると照れるです。
カマキリの数えきれない複眼ひとつひとつに超絶美少女アリエル、つまり私の顔が反射して写っていた。
なんでだろう。その姿が無邪気で可愛らしいなと思った私は目から大量の汗が吹き出していることに気がつく。
股間からももじょわじょわとあったかい汗がふきだすのを止められない。
右手で魔法用の杖を握ろうとして、言うことを聞かないお手てはぴょんぴょんと別の生き物のように跳ねている。
カマキリがカパリと開いた牙の中は真っ赤で、まるで果実を横に裂いたよう。
なんかエロいなーと考えながら呼吸が荒くなる。
ダメだこれ。あいつ鎌すら使う気ない。
頭から私をしゃぶる気だ。
あ、殺され……る?
やだ。
こわい。
しにたくない。
しにたくないよ……っ!!
――ピシッ!!
まるで静寂な森のなかで、乾いた朽ち木がひとつ弾けたかのような音がした。
そのくらいの拍子抜けしたものだった。
鋭い剣、いや、それ以上の何かがカマキリの首元を通りすぎたような跡が残り。
パカリと頭と胴が離れる。
――ドシン……。
思わず目をつむっていた私は、ゆっくりと開けてみる。
目の前にはカマキリの大きな頭が……。
「きゃぁあっ!?」
「あ、ごめんなさい。びっくりさせちゃったかな? 今日の晩御飯にちょうどいいと思って。一緒に食べるかい?」
鈴が鳴るような声って言うけど、本当にそう思える声に出会ったのは初めてだった。
薄暗い不気味な森のなかで、突如として現れた銀色の髪の乙女。
すらりと伸びた長髪は光を吸い込み、キラキラと煌めいて彼女の美しく整った顔を装飾する。
まるで羽衣のような柔らかな服は清潔で、こんな森のなかで暮らしているようには思えない。
くやしいけど、私の次くらいには美人だ。
彼女の周囲だけ嘘みたいに光にまみれて後光が差しているようで、私は思わず口にしていた。
「銀髪の救国姫……サリアナ?」
「誰かな? それは知らない人の名前だね」
「え、でも……」
「私のことは……そうだね。カマキリハンターXと呼んでほしい」
(ださい……)
得意気に胸を張る彼女はとっても嘘つきだった。
が、それは新たな戦いの始まりを意味する。
スキルの自動防御効果によりアラガミの魔の手から一時的に逃れていたセツカは、ようやくスキルを攻略し自らの支配下においたのだ。
しかしアラガミによる攻撃は世界の方を蝕んでいた。
セツカの居ない異世界は四年という月日が経過し、その間、アラガミの配下にあたる使徒、通称『神徒』によって大陸の八割は支配され危険地帯と化した。
オリエンテール国周辺や皮肉なことに魔王の力が及ぶ一部の国が抵抗を続けているが、いずれジリ貧となるだろう。
さらなる予想外も発生した。
セツカのスキルが新しくパワーアップすると同時にに、その隙をついて覚醒した者も現れた。
聖女アリエル。
彼女は無限に続くと思われたループから抜け出し、セツカが作成した亜空間のダンジョンより覚醒した。
本来、罪の意識を認識しない限り絶対に抜け出すことの出来ない仕組みの特別な造りだったはずだが。
アリエルはどうやって抜け出すことが出来たのか?
全てを失った彼女が今更何を求めるのか?
それは彼女のみ知るところである。
「……やっぱり甘いですよねぇ。セツカ様も」
アリエルは囚われたままの生徒たち三人は放置し、自分だけその場を立ち去る。
「私に気遣いは無用だったんですよ。私たちに罰を与える茶番は高度な幻影の術だったのですねぇ。セツカ様もピュアボーイなんですから。ふふっ」
無傷の身体をさすり、アリエルは皮肉めいた笑みを浮かべる。
「元々、汚いですからね……」
とっくに薄汚れた身体だったのだ。今更、遠慮などしてもらわずとも良かったのに。と。
これは、セツカが神域に入った直後の話。
語られることのない悪人のエピソード。
アラガミの攻撃ののち。
レイゼイ=セツカの消滅が観測された。
同時に魔王たちは各々動き始める。
予定よりも大幅に繰り上がった『滅び』の序曲は始まっている。
それぞれが抱える約束を果たすときがやってきたと言わんばかりに。
●手遅れになったプロローグ(アリエルside)
深淵の森……3000年前は、『銀髪姫の眠る森』と呼ばれた場所。
ボロをまとった美しい青い髪の少女がふらふらとさまよう。
彼女の姿はいたましく、全身にアザや乱暴をされた跡があった。
あてもなく、ただただ少女は森の奥へと進む。
何かから逃れるように。
アリエル。
それは私の名前。
高名な魔法使いの父のもとに生まれた最高最強の魔法少女なんです。
だったらなんでこんな森をさまよっているのかって?
私が聞きたいですね。
男の人って、どうして妻のほかに関係をもつ女性が必要なんでしょうか?
そう、私はいわゆる妾腹。
正妻の子があまりにバカで魔法の才能がなかったから嫉妬された私は、14歳というこの歳にしてありとあらゆる拷問を受け家から放り出されました。
ありえないと思いましたよ。さすがの父も少しは味方してくれると考えていましたし。
結局、私はどんなに才能があれども父にとっては妾が孕んだ面倒な存在だったんですね。
父は正妻にいいように操られたち●こで考えるバカ男です。
見知った大勢の使用人たちに慰みものにされる私を、あの男は横目でチラリと見てなんの感情もなく、いつも引き込もっている魔法工房へと向かいました。
父親なんてみんなそんなもんです。くそったれです。
逆にありがたいですねぇ。
最強最高の私にとって家族など邪魔です。
家の名前なんて綺麗サッパリ忘れちゃいましたよ。あんなバカどもと同列に語られるのはごめんです。
私には仲間も必要ありません。
恋人だっていらないですね。そもそも、一生分男とはヤりましたからね。はっきりいって最後のほうは使用人の方がへとへとでしたし。
ぜんぜん気持ち良かったですね。あんなのが拷問とか片腹いたしです。
あーきもちよかった。
お陰で私の覚悟が決まりました。
絶対に生き抜いてやる。
死にたくない。
大天才アリエルは天才すぎるので妬まれやすいです。
街では私の頭の良さに嫉妬した愚民どもが私を殺そうとしてきますし(まあ、正妻に手を回されたのですが)。
身体を売って金を荒稼ぎしていたら、衛兵に追いかけ回されるハメになりました。まったく、私のテクニックは犯罪レベルですね(男が寝ている間に金を盗ったのが良くなかった)。
基本的に容赦がないですよ。衛兵にとらえられ、殺意をもって超絶美少女である私の顔面をタコ殴りにしてくるのはなんでか、泣いているフリをして聞いたらなんと父が私に対して懸賞金を出していたという事実が判明しました。
父としても、正妻と不仲になる面倒を早めに消し去りたかったんですねぇ。
そのあと犯そうとしてきた衛兵のアレをかみちぎり脱走成功です。やったねアリエル。
街にいられなくなった私は、仕方なくこの森の中へと入ってきました。
この森の中へは誰も入ってきません。
何故なら、この森は凶悪モンスターのオンパレードだから。
私は最強なんで大丈夫ですがね。
そんな中で暮らしているという噂の、銀髪の救国姫サリアナ。
魔女だとか聖女だとか言われる彼女の存在はなかば伝説と化していますが、民衆には人気あるおとぎ話ですね。
いてもいなくても私には関係ありませんがね。
さて。
唐突ですがここで問題発生です。
私、アリエルは大天才なのですが、どちらかというと知識系大天才なのでした。
魔法の種類は豊富ですが、魔法威力としてはそれなりのものしか発動できません。
そんな私の目の前に。
「カロロロロロロロ…………」
ヴァイツァー・スパイカーのお出ましです。
あ、初見の人にとっては私が何を言っているか意味がわかりませんよね?
説明しましょう。
ヴァイツァー・スパイカーとはカマキリ型の魔物の、最上級クラスと言われる変異種です。
数万個ある複眼はスキルを各々発動可能で、その気になればヴァイツァー・スパイカーの周囲数千メトルを覆う戦闘領域を発動可能です。
この戦闘領域を発動されてしまったら最後、冒険者は自らのスキルや魔法を発動する時間すら与えられずに首を刈られると伝えられています。
一般的に頭がわるいとされる昆虫族でありながら的確に相手の弱点を刈り取ることから、森の死神、大鎌の狩人などと恐れられ戦うことは忌避されています。
が、しかーし!!
実は私、杖を隠していたのです。衛兵に身体をまさぐられても奪われない場所にね!!
こいつでカマキリ野郎、お前をぶっとばしてやる!!
「は、はう……ぁ」
「カロロロロ……?」
大カマキリはへたりこむ私を見つめ、首をかしげた。
どうやら私のお肉が美味しそうすぎたらしい。そんなに見つめられると照れるです。
カマキリの数えきれない複眼ひとつひとつに超絶美少女アリエル、つまり私の顔が反射して写っていた。
なんでだろう。その姿が無邪気で可愛らしいなと思った私は目から大量の汗が吹き出していることに気がつく。
股間からももじょわじょわとあったかい汗がふきだすのを止められない。
右手で魔法用の杖を握ろうとして、言うことを聞かないお手てはぴょんぴょんと別の生き物のように跳ねている。
カマキリがカパリと開いた牙の中は真っ赤で、まるで果実を横に裂いたよう。
なんかエロいなーと考えながら呼吸が荒くなる。
ダメだこれ。あいつ鎌すら使う気ない。
頭から私をしゃぶる気だ。
あ、殺され……る?
やだ。
こわい。
しにたくない。
しにたくないよ……っ!!
――ピシッ!!
まるで静寂な森のなかで、乾いた朽ち木がひとつ弾けたかのような音がした。
そのくらいの拍子抜けしたものだった。
鋭い剣、いや、それ以上の何かがカマキリの首元を通りすぎたような跡が残り。
パカリと頭と胴が離れる。
――ドシン……。
思わず目をつむっていた私は、ゆっくりと開けてみる。
目の前にはカマキリの大きな頭が……。
「きゃぁあっ!?」
「あ、ごめんなさい。びっくりさせちゃったかな? 今日の晩御飯にちょうどいいと思って。一緒に食べるかい?」
鈴が鳴るような声って言うけど、本当にそう思える声に出会ったのは初めてだった。
薄暗い不気味な森のなかで、突如として現れた銀色の髪の乙女。
すらりと伸びた長髪は光を吸い込み、キラキラと煌めいて彼女の美しく整った顔を装飾する。
まるで羽衣のような柔らかな服は清潔で、こんな森のなかで暮らしているようには思えない。
くやしいけど、私の次くらいには美人だ。
彼女の周囲だけ嘘みたいに光にまみれて後光が差しているようで、私は思わず口にしていた。
「銀髪の救国姫……サリアナ?」
「誰かな? それは知らない人の名前だね」
「え、でも……」
「私のことは……そうだね。カマキリハンターXと呼んでほしい」
(ださい……)
得意気に胸を張る彼女はとっても嘘つきだった。
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