上 下
59 / 149
二章

コード・セツナ

しおりを挟む
 立ち上がった俺の姿を見て、表情が固まるニイミ。
 俺は奴をしっかりと見据える。奴は早口にまくしたて始める。
 俺たちの担任はこんなに小さな奴だったっけ?

「おいおい立てんのかよ!? そいつは素直に驚きだ。先生びっくりしちゃったよ。はっきりいってマジで殴ったからな。生徒をマジ殴りするの気持ちいいぜー。で。立ったところでセツカ、お前の体力はウサギ小屋のウサギ以下で、妹を見殺しにした事実は変わらないぞ?」

「…………」

「最初にお前の能力は封じている。俺の能力『通信簿変更(パラメータ・チェンジ)』なら言うことをきかない生徒は全員言いなりさ。俺に評価を下げられたくなかったらしっかり従え。面倒を起こすな。イジメは俺のクラスでは起きていない。存在しない。そういう報告を上にしなきゃいけないんだよ。わかれよ小僧。大人は大変なの。お前らのせいで俺の給料が下がったらどうすんだ? あ? セツカ、お前は本当にぶっ殺してやりたい奴だよ。俺はイシイの親に金と権力をもらえて、JKと仲良くなれればそれでよかったのによー」

「…………」

 好き勝手言ってくれるじゃないか。
 俺は無言で足に力を込める。
 手にも足にも力が入らない。
 そのくせ殴られた場所はじんじんと痛む。

「なんか言えよ? 俺の特別授業だっつーの。世の中そんなにうまくいかねーってことをクラスのバカどもにじっくりねっとり教えこまなきゃいけないからな。あっちの世界みたいに邪魔してんじゃないぞ?」

「滑稽だな」

「は? ……なにが? ボコボコにされているセツカ、お前がか?」

「いや。結局のところお前は矛盾してるんだよ。子供みたいに、『悪いことするのはやめなさい』って言われるのを待ってるんだろ? その力を使えばよそでいくらでも悪事をはたらき、いい思いはできる。なのに、関わりを絶てばいい俺たちにわざわざ絡んで、そうやって恥をさらすのは教師の理想を叶えられなかった自分に耐えきれなかったからだろ?」

「は? おい高校生のクソガキのくせして、大人に説教かます気か? ふざけ、ん、んなわけねー」

「こっちじゃ俺だって高校生じゃない。身分はおろか命すら保証されていない。お前と俺は対等だ。だから言わせてもらう。お前はいい先生になれなかった。いい人間にはなれなかった。その鬱憤を俺たちで晴らそうとするな!!」

「こ、この……ぶっ殺すぞ? お前は今、その辺に落ちている棒切れより弱いんだからな!!」

「やってみろよ」

 ニイミを睨み付け宣言する。
 知ってるのかニイミ。
 あの荒廃していたクラスメイトたちが、協力してことにあたれるまで回復したんだぞ?
 今回の件をお前はどう思う。危機に対し団結できる彼らの姿を見てもまだお前は絶望しているのか?

 ……殺されない。

 なんというか、ハッタリではなく、気迫ともちがう感情が俺の中にある。
 覚悟。
 いや、信念だ。
 奴の言う通り俺は棒切れなんだろう。だが、その棒切れをお前は折ることができるのか?
 ヘタレたその考え方で、甘えた理屈でセツカという一本の棒を半分にできるのか?
 今、俺のスキルは発動できない。
 だがニイミの言う『ぶっ殺す』に『殺され』るとはどうしても思えないのだ。
 こんな奴に負けたら、セツナに怒られちゃうから。
 ニイミは憎々しげに歯をくいしばる。

「て……めえ」

「お前を殺す。お前の負の感情の連鎖は俺が止める。覚悟はいいかニイミ」

「やっぱり、セツカ。お前が一番嫌いな生徒だ。消さねばならんな」

「いくぞ」

 走る。
 算段はついている。
 ニイミの能力は強力だが、必ず弱点があるはずだ。
 これまで相対してきて、少し気になった点がある。それは、奴の視線だ。
 奴はこれまで、俺たちの姿全てを『視界』に入れるように位置どりをしている。
 ハヤサカが上空から攻撃を仕掛けたとき、若干無理のある体勢で後ろに跳んだのが気になったのだ。
 奴のスキルは見えている敵にしか発動できない可能性が高い。
 俺は弧を描くようにして走り、ニイミの元へと近づく。
 こうすれば奴の視線上から外れて……。

「おっおー!? 気づいたのかセツカ!? やっぱ成績優秀者は違うな? じゃあごほうびに内申点を下げておくぞ?」

 ズシンと身体に衝撃。
 まるで大量のつけもの石にのしかかられたような感覚だ。
 こんなに能力を下げられては、走ることすらままならない。

「さっき殴ったダメージは、今の耐久なら大したことないみたいだな。んじゃ、もっと下げたらどうなる?」

 ドクン!
 まるで身体から発せられる警報のオンパレード。
 殴られた顔面の激痛が数倍に増し、冷や汗が背中を伝う。
 命の危険が迫る気配。
 そんなものはどうでもいい。
 臆する心を殺し、俺は足を少しでも前へと差し出す。
 一歩でも前へ。

「ほぉーう。これほどステータス下げても倒れないか。じゃ、俺が少し後ろに下がろうかな」

 ニイミは距離をとってしまった。
 しまった。これでは。

「おおかた、あっちのサエキらクラスメイトや、剣とか槍持った物騒な奴等を俺のスキルの範囲外にして攻撃させようと考えていたんだろ? 残念でした。そんな手に引っ掛かるかよ」

「……」

「ほぉーら。残念でちゅね。ミリアちゃん見てみな、セツカが失敗しましたよー」

 顎を掴まれ、強引にこちらを向かされるミリア。
 ……泣くな。必ず助ける。
 俺は足を動かす。
 動かす。
 動かす、動かす動かす動かす!!

「お、おい。真っ正面から来ても無駄だぞ? なにせ今のお前は並の人間からすれば100分の1程度のステータスだ。俺の通信簿ではそうなっているんだ。頭がおかしくなったのかセツカ?」

「ごちゃごちゃとうるさい」

「…………!? せ、せんぶんのいち。1000分の1に変更だセツカぁぁっ!! てめえなんか大した奴じゃない!! 俺は……俺は自由に生きていくんだよ。いいじゃないか。イシイの家が悪いんだ。大事なのは自分の利益だ。そうだろ? まず自分が最初に幸せになって、それからじゃないか。みんなやってるのに、どうして俺だけの邪魔をするんだよ!!」

「黙れ!!!」

 拳を握り、思いっきり振り抜く。
 ニイミの顔へクリーンヒット。
 しかしニイミの頬に当たった俺の拳は、ボキリと嫌な音をたて砕ける。
 ニヤと笑みを浮かべるニイミ。

「カルシウム足りてないみたいでちゅねー。ボッキボキにしてやるよ」

 思ったようにダメージが入らない!?
 『殺す』スキルが発動しない。恐らく、奴のスキルの影響を受けてしまったからだ。
 こんなところで負けるわけにはいかない。しかし。
 ニイミが勝ち誇り、俺の腕をつかんで砕こうとした瞬間。


 ■――コード・セツナ『殺す』スキル


 頭の中に点滅する文字列が浮かんできた。
 発動できなくなったはずの『殺す』スキルなのか?
 いや、少し違う?
 

 ■――コード・セツナ;了承・実行開始

 ■――『殺す』スキル;復元完了

 ■――『殺す』スキルにコード『セツナ』を最適化しますか?
 ■――自動最適化……………完了。
 ■――コード・セツナの実行に伴いアラガミのスクリーミングを開始します…………終了
 


 ■――アラガミの始動を確認。レメゲトン800による自動迎撃を開始します。



 ■――■

 刹那。

 生きていくこととは、刹那の瞬間を殺し続けていくことに他ならない。
 死んでいった過去たちは記憶として残るが不完全で、あたかもそこにあるような体をとるくせにすでにこの世には存在しない。
 死んでしまったセツナを思い出すことしかできないのなら。
 せめて決して忘れないようにここに記す。

 コード・セツナ開発者§‰○×―¶…………■










 ……。









 ■――『殺す』スキル再始動……『通信簿変更(パラメータ・チェンジ)』の精神影響によるスキル使用不可状態から自動復帰。
 ■――コード・セツナ履行。『通信簿変更(パラメータ・チェンジ)』の影響をキャンセル。
 ■――『殺す』スキル制限解除。同時発動制限、量的、質的発動上限の大幅向上を確認。
 ■――ダメージコントロール……完了。受けたダメージを殺します。
 ■――ダメージコントロールその2……完了。レーネ、ミリア両名のダメージを殺します。
 ■――コード・セツナ発動。



 ■――眼前の敵を『殺し』ます。




「んぎぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!?!?!?!?」

 ふと気がついたらニイミが情けない悲鳴をあげ叫んでいた。
 ニイミの拳が砕けている!?
 俺が奴の頬を殴って、俺の拳が砕けたはずなのにどうしてか奴の拳の骨が粉々になっていた。
 コード・セツナの能力の一端か?

「セツカぁああああ!! お前がやったのかぁあああ!? いっでぇえええっ!?!? 先生に向かって、お前っ」

「生徒を『通信簿』だけで判断しないでもらいたい。俺たちだって一個の人間だ」

「うるせえええええ!! お前らは人生これからかも知れねーけどな、俺の人生は決まりきった監獄の中なんだよ!! お前ら道連れだよ。いい学校に進学? 夢? 希望? ふざけんなボケ。イジメ最高!! 淫行最高!! 俺にみじめな思いさせるクソ高校生ども、てめえらは全員どす黒い社会のブラックホールの中に引き込んでやるからな!!」

「救いがたい」

「黙れよバーカ。俺のスキルは生徒どもに使うのが本領じゃねえー。『通信簿変更(パラメータ・チェンジ)』俺自身の能力を100倍に……いや、一万倍だ!! 確実にセツカをくびり殺す」

 ニイミがそう宣言した瞬間。
 ボッ!!!
 奴の肉体が膨れ上がった。
 イメージするなら、巨大なオーク。最初に出会ったあいつのような姿。
 くたびれた茶スーツやネクタイが弾けとび、情けない中年太りの姿は巨大化し。
 メキメキと砕けていた拳は修復された。
 そして怪獣映画のように俺を見下ろす。

「小さく見えるぜセツカぁ。しっかり先生を見上げて敬いなさい。はぁーっはっは」

「やりやすくなった。見た目がモンスターだ」

「ん? なにか言ったか羽虫。お前の能力を一万分の一にしたから、俺のパンチで宇宙まで吹っ飛ばせるぞセツカ? よかったな。担任である俺からの最後のプレゼントは宇宙旅行だ」

「……」

 ■――『通信簿変更(パラメータ・チェンジ)』からの影響を『殺し』ました。

 ニイミは巨大化した拳を振りかぶる。
 殺意のこもった瞳で俺を睨みつけ、降り下ろす。

「死ねや!! おらぁああああああっ!!」

「さよなら、俺たちの元担任。通信簿の評価だけが全てじゃない。そんなものは俺たちを表現するたった一部なんだ」

 片手で受け止める。
 ニイミの放った恐ろしい威力の拳は、衝撃伝播を『殺し』ていた俺の体に当たった瞬間にニイミ自身の体へと威力がすべて跳ね返る。
 一万倍と不自然にステータスを上昇させていたニイミの攻撃の破壊力は物理学的に恐るべきものだった。
 あっと言う隙間もなかった。
 TNT火薬2から3メガトン分ほどの爆発衝撃力を伴い、俺たちの担任は身体の内側からはじけ飛んで消滅した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います

騙道みりあ
ファンタジー
 魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。  その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。  仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。  なので、全員殺すことにした。  1話完結ですが、続編も考えています。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

レベル1の最強転生者 ~勇者パーティーを追放された錬金鍛冶師は、スキルで武器が作り放題なので、盾使いの竜姫と最強の無双神器を作ることにした~

サイダーボウイ
ファンタジー
「魔物もろくに倒せない生産職のゴミ屑が! 無様にこのダンジョンで野垂れ死ねや! ヒャッハハ!」 勇者にそう吐き捨てられたエルハルトはダンジョンの最下層で置き去りにされてしまう。 エルハルトは錬金鍛冶師だ。 この世界での生産職は一切レベルが上がらないため、エルハルトはパーティーのメンバーから長い間不遇な扱いを受けてきた。 だが、彼らは知らなかった。 エルハルトが前世では魔王を最速で倒した最強の転生者であるということを。 女神のたっての願いによりエルハルトはこの世界に転生してやって来たのだ。 その目的は一つ。 現地の勇者が魔王を倒せるように手助けをすること。 もちろん勇者はこのことに気付いていない。 エルハルトはこれまであえて実力を隠し、影で彼らに恩恵を与えていたのである。 そんなことも知らない勇者一行は、エルハルトを追放したことにより、これまで当たり前にできていたことができなくなってしまう。 やがてパーティーは分裂し、勇者は徐々に落ちぶれていくことに。 一方のエルハルトはというと、さくっとダンジョンを脱出した後で盾使いの竜姫と出会う。 「マスター。ようやくお逢いすることができました」  800年間自分を待ち続けていたという竜姫と主従契約を結んだエルハルトは、勇者がちゃんと魔王を倒せるようにと最強の神器作りを目指すことになる。 これは、自分を追放した勇者のために善意で行動を続けていくうちに、先々で出会うヒロインたちから好かれまくり、いつの間にか評価と名声を得てしまう最強転生者の物語である。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

女神に同情されて異世界へと飛ばされたアラフォーおっさん、特S級モンスター相手に無双した結果、実力がバレて世界に見つかってしまう

サイダーボウイ
ファンタジー
「ちょっと冬馬君。このプレゼン資料ぜんぜんダメ。一から作り直してくれない?」 万年ヒラ社員の冬馬弦人(39歳)は、今日も上司にこき使われていた。 地方の中堅大学を卒業後、都内の中小家電メーカーに就職。 これまで文句も言わず、コツコツと地道に勤め上げてきた。 彼女なしの独身に平凡な年収。 これといって自慢できるものはなにひとつないが、当の本人はあまり気にしていない。 2匹の猫と穏やかに暮らし、仕事終わりに缶ビールが1本飲めれば、それだけで幸せだったのだが・・・。 「おめでとう♪ たった今、あなたには異世界へ旅立つ権利が生まれたわ」 誕生日を迎えた夜。 突如、目の前に現れた女神によって、弦人の人生は大きく変わることになる。 「40歳まで童貞だったなんて・・・これまで惨めで辛かったでしょ? でももう大丈夫! これからは異世界で楽しく遊んで暮らせるんだから♪」 女神に同情される形で異世界へと旅立つことになった弦人。 しかし、降り立って彼はすぐに気づく。 女神のとんでもないしくじりによって、ハードモードから異世界生活をスタートさせなければならないという現実に。 これは、これまで日の目を見なかったアラフォーおっさんが、異世界で無双しながら成り上がり、その実力がバレて世界に見つかってしまうという人生逆転の物語である。

外れスキル『レベル分配』が覚醒したら無限にレベルが上がるようになったんだが。〜俺を追放してからレベルが上がらなくなったって?知らん〜

純真
ファンタジー
「普通にレベル上げした方が早いじゃない。なんの意味があるのよ」 E級冒険者ヒスイのスキルは、パーティ間でレベルを移動させる『レベル分配』だ。 毎日必死に最弱モンスター【スライム】を倒し続け、自分のレベルをパーティメンバーに分け与えていた。 そんなある日、ヒスイはパーティメンバーに「役立たず」「足でまとい」と罵られ、パーティを追放されてしまう。 しかし、その晩にスキルが覚醒。新たに手に入れたそのスキルは、『元パーティメンバーのレベルが一生上がらなくなる』かわりに『ヒスイは息をするだけでレベルが上がり続ける』というものだった。 そのレベルを新しいパーティメンバーに分け与え、最強のパーティを作ることにしたヒスイ。 『剣聖』や『白夜』と呼ばれるS級冒険者と共に、ヒスイの名は世界中に轟いていく――。 「戯言を。貴様らがいくら成長したところで、私に! ましてや! 魔王様に届くはずがない! 生まれながらの劣等種! それが貴様ら人間だ!」 「――本当にそうか、確かめてやるよ。この俺出来たてホヤホヤの成長をもってな」 これは、『弱き者』が『強き者』になる――ついでに、可愛い女の子と旅をする物語。 ※この作品は『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しております。

追放された美少女を助けた底辺おっさんが、実は元”特級冒険者”だった件について。

いちまる
ファンタジー
【毎週木曜日更新!】 採取クエストしか受けない地味なおっさん冒険者、ダンテ。 ある日彼は、ひょんなことからA級冒険者のパーティーを追放された猫耳族の少女、セレナとリンの面倒を見る羽目になってしまう。 最初は乗り気でなかったダンテだが、ふたりの夢を聞き、彼女達の力になると決意した。 ――そして、『特級冒険者』としての実力を隠すのをやめた。 おっさんの正体は戦闘と殺戮のプロ! しかも猫耳少女達も実は才能の塊だった!? モンスターと悪党を物理でぶちのめす、王道冒険譚が始まる――! ※本作はカクヨム、小説家になろうでも掲載しています。

処理中です...