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一章

イジメの元凶を×そう!

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 女の子たちの服をいくつか選んだ後に向かったのは高級料理店であった。
 『林檎の蜜亭』と呼ばれる、元冒険者の料理人が営む三ツ星ランクの冒険者料理だ。
 提供する対象はA~S級冒険者以上と、金を持った貴族、豪商など。
 料理長の意向で一般人も料理の金さえ払えば食事をすることはできるが、一食で一般市民一ヶ月分の生活費ぐらいするらしいので、市民の間では主に結婚式など大切なイベントに利用されるらしい。
 今回この店を選んだのは、子供たちにこういった店での作法を勉強させたかったからだ。
 テーブルマナーは地球といくつか相違点があるものの、だいたい日本に伝わるもので問題ない。
 『殺す』スキルを使わずとも対応可能だ。

「はぁ、すっごいです。ごうかな建物と、ごうかな家具ですねご主人様! こんなところにレーネをつれてきてくれてありがとうございます。いっしょうわすれません!」

「かの有名な林檎の蜜亭の予約を取るだなんて、セツカ様すごすぎですよ。いったいどういう手を使ったのやら……三年は予約待ちという話でしたのに。セツカ様の底知れぬ交渉力に驚きです! スレイ感激です!!」

「ほえぇ……ふーちゃんが生きていたころと全然違う料理!! 座っているみなさんおいしそうに食べていますぅ。すっごくたのしみです!! セツカちゃん、これ以上精霊神をとろけさせてなにをさせるつもりなのですぅ~?」

 三人もなかなか楽しみにしてくれているようだな。
 ちなみにスレイが気にしている予約はペニーワイズが取ってくれた。
 さて、コース料理が始まり次々と素晴らしい料理が運ばれてくる。
 拙いながらもしっかりとポイントを抑えたマナーで、彼女たちはその場に相応しく、また周囲に驚愕されるほどの美貌をふりまきながら食事を楽しむ。
 料理長もこちらを一瞥して、三人の食事姿に癒されているみたいだな。わかるぞその気持ち。
 緊張しながらも美味しい料理に顔を綻ばせる美少女たちに周囲の客も見とれているみたいだな。

「すごくおいしいですご主人様! 舌の上でとろけるみたい……」
「まるで季節を皿の上に再現したかのような美しさ。これが一流のお仕事、美味でございます~」
「ふぅ、こんなお料理を食べられる日が来るなんて……セツカちゃん、これがどんなにふーちゃんにとって素晴らしいことか。うう、ごめんなさい涙が」

「さすが美味いな!! 一流の味だ」

「でも、やっぱりご主人様のつくった方が……このお料理もとてもおいしいですが」
「そうですね。スレイもご主人様のつくったお食事の方が勝っているような気が」
「ふーちゃんも、セツカちゃんのお料理がとってもおいしそうでした。いつも森の中においしそうな匂いが漂っていたのでぇ」

「おいおい、お子様だな。さすがにそれは言いすぎだぞ?」

 さすがに俺の料理が勝っているわけがないだろう。
 しかし彼女たちはどうやら本気でそう思っているらしく、折角の一流店なのに俺の家庭料理を褒め始める。
 やれやれ、毎日の料理を彼女たちの好みに寄せすぎたかな? まったく子供舌なんだから。
 今度からは嫌いなものを食べてもらうのも、年長者としての務めかもしれないな。
 そうやって楽しく食事をしていたのだが、唐突にそいつは訪れた。

「いたいた。あっれー? セツカじゃーん。久しぶりだなーお前やっぱ生きてたんか、あーい?」

 最悪のタイミングで現れる奴。イシイだ。
 店の入り口から俺のいるテーブルに向かって手を振っている奴は、獲物を見つけ生き生きとした表情をしているように思えた。
 クラスを別の意味で束ねる最悪最低のゴミクズ男で、ガネウチとミカミは奴の手下みたいなものだ。
 イシイがいいのは外面だけだ。すこし顔がいいことと議員である親のコネにしがみつき、どうしようもない問題が起きた場合は金でもみ消す。
 奴がクラスに来てまずやったことは、女の征服だ。思い出すだけで虫唾が走るが、手下を使い呼び出した女性徒をひとりずつ乱暴しカメラにその様子を収め、それを利用し次々と数珠繋ぎのようにクラスの可愛い女子に手を出していったとの話だ。抵抗できない女生徒は虚ろな顔でイシイに従うままになった。
 そして男たちもイシイに従わないものには壮絶なイジメを行った。
 裸にしてタバコの火を押し付けたり、その写真をとってネットにばら撒いたり、その様を特定されないように親に送りつけたりするなど悪質で、警察ざたになりかけたことが何度もあった。
 実際に標的にされた俺から言わせれば警察も共犯のようなものだ。金や権力で解決することの方が多かったからな。救いなんてない。自分を救うのは自分しかいないのだ。
 実行部隊がガネウチやミカミたちなのでイシイは手を染めない。女を乱暴する時だけは鼻の下を伸ばす地獄から湧き出た糞虫以下野郎だ。
 あいつが息をしているだけで世界が灰色に染まるゴミ野郎にしか思えない。
 出来ることなら一切関わらずに過ごしたかった。だから教会をフローラの能力で隠せたとき、もうこいつらとは関わらないで済むと安堵したのに。

 何を考えているのか、へらへら笑いながらこちらに近づいてくる。

「おい、何シカトぶっこいてんだよおい。セツカさあ、ガネウチボコったってホントウ? 俺、聞き間違いかと思ってさぁ。ミカミも森ん中で誰かにやられるし、王城は今災害でめちゃめちゃでメンドウなんだよね。ギルドの依頼見たけどなあ、あの森の中のどこで暮らしてんだ、教えろタコ。なんであんなヤベエ森で生き残れたんだ、お? つーか上納金として俺に毎月金貨1000枚支払えよ? ……んん? なにその子、めっちゃ可愛いじゃん。ガネウチのやつ言わなかったな、あとでボコろ。ねえお嬢ちゃん、俺と一緒に王城に行かない? 毎日この店みたいな飯食わしてやるぜ? な、一緒にいこうぜこんな無愛想とじゃなくてよ」

 くそ野郎が。
 レーネ達を見た瞬間、嬉々として目の色を変えやがった。
 あれは気に入った女を見つけたときの顔だ。鼻の下を伸ばしたサル以下の表情だ。
 イシイはすでに俺を無視してレーネの元へとつかつか歩く。奴は獲物を奪うハイエナの目をしていた。

「なあなあ、俺と一緒に行こうぜ。セツカより俺の方がかっこいいだろ? 金だって持ってるし親は議員なんだぜ? 君たちまじマブいな。ハンパなく可愛いいじゃん。こらへんの女は探したと思ったのにいったいどこにいたの? ボケセツカにはもったいないぞ。セツカはな、このあと俺にボコられるから。ボコボコセツカを泣かしたら、君達は宿屋で俺にパコられるわけ。嬉しいでしょイケメンの俺とパコ祭り? 俺のテクニック最高だってみんなに有名でさあ」

 俺はスキルを発動させようも身構えるも、次の瞬間には林檎の蜜亭は驚きに包まれていた。なるほどな、スキルなど必要ないみたいだ。

「うぅ、ご主人様。おぞましいほど気持ちわるい方が話しかけてきますぅ……」

「れ……え!?」

 怯えきったレーネが出した合図はナイフとフォークを揃えたごちそうさまの合図。
 はあ、食欲を無くしてしまったんだな、ごめんなレーネ。
 イシイはアホ顔で固まっているが、容量不足の脳ではなにを言われたか理解できなかったのだろう。
 突っ立ってるのはお前だけだぞイシイ。やめてくれ。クラスメイトとして恥ずかしいから。マナー守れよ。

「デザートがこれでは、吐き気を通り越して生ゴミを出されたような気分です。生ゴミはセツカ様に話しかけるな。そしてこの場にそぐわぬ生ゴミは喋らずにご退散願いたいものですね。さっさと消えてください」

「な、はぁっ!? こ、このっ! ふざっ、ふざけんなよっ」

 すました顔のスレイもごちそうさまだな。
 優雅な動作は王族由来だ。イシイ、どうしたそんな呆けたような顔をして。
 レストランの客も皆呆れてるぞ? お前だけだって立ってるの。
 いい加減気づけ虫けら。お前は目の前のとんでもなく美しい王族少女に丁重に存在をお断りされたんだぞ?
 スレイのウィットに富む冗談をクスリと笑ってやる余裕もないのか?
 すると隣に座るフローラがドンとテーブルを叩いた。

「黙れゴミ!! セツカちゃんに迷惑かけるなゴミクズ男がぁ!! ふーちゃんはセツカちゃんに助けてもらったんだ。忘れませんからねぇ。あなた、ふーちゃんに乱暴しようとした最低の人間ですぅ。死んでしまってホントウに辛かったのに……どうしてそうやってへらへらしてるですかぁ。このダニゴキブリぃ!!」

「なななっ、て、てめえ!! 生きてたのかよ森の女ぁ! くそぉおぉ!!!俺はダニゴキブリじゃねぇぇぇ!!」

 ごちそうさまは……しているな。さすがだ。
 あんなに柔らかい物腰だったフローラが鋭くイシイを睨み付ける。なにを慌てふためいているイシイ。自業自得だろゴミが。彼女に対して乱暴を働こうとして契約を迫ったんだ、異世界でも性犯罪者だな。キレられて当然だろう。
 あまりにも美しい少女三人に思ってもみない言葉を浴びせられ、イシイはパクパクと口を動かして言葉を失っている。周りを見ろよ、みんなお前を笑っているぞ?

 驚くべきアホリアクションだな。どうしてまともに取り合ってもらえると思ったんだ?
 
「てててめえセツカ! 女どもを仕込みやがったなチクショウ。許せねえええ! 俺をコケにするつもりかぁぁぁ!?」

「はぁ」

 相変わらず頭が駄目だな。
 この期に及んで人のせいか。言葉の発音すら危うくしながら叫ぶイシイの姿に、ざわざわとレストランの中は不快な雰囲気に包まれる。
 やめてくれないか? ここはお前が来るところじゃないんだよ。人間が来るところなの。そんなに醜態晒したいなら馬糞の肥溜めにでも行ってこい。糞という同類が沢山住んでいるぞ?
 最低限のマナーと品格を身に着けてからお店にやってきてね?
 イシイはそんな周囲の空気そっちのけで俺につっかかってきて。やれやれである。
 
「お願いだから俺に話しかけるのやめてくれないか? お前と知り合いだと勘違いされるだけで、俺の人間のランクが低く評価されそうなんだよダニゴキブリ。周りをよくみましょうって小学校で習うだろ。場違いだぞ? 頼むから帰ってくれよ。この通り頭を下げてやるから。ゴミはゴミ箱に入れるように、イシイは肥溜めにご帰宅お願いしたいんだよ」

 できるだけ懇切丁寧に、考えられるだけの丁重な対応をしてやる。すこし腰が低すぎたかもしれないが、まあいい。どちらかが大人にならねば無駄な争いが生まれるかもしれないからな。

「いつから俺にそんなクチきくようになったセツカああああっぁぁぁあああ!!! 雑魚の分際で調子乗りやがって糞があああああああぁ!! 殺す。ぶっころすぞコラぁあああ!!」

 待ってくれ、どうしてそうなる?
 そんな大声で叫んで気でも狂ったのか? 俺の話をひとつも理解できなかったようだし。
 あ、そうか。忘れてたよ。

「うきー、うきうき。うきーうきうき。うきうきうきー」

「は!? 何言ってるんだよセツカ!? おいてめえ!!」

「馬鹿猿語で通訳してやったぞ。内容はこうだ。『知能が足りないのに頑張って生きててえらいね。でも、ここはお前の来る場所じゃないんだぞ。いいかい、巣に帰りたまえ。もしかして巣の場所を忘れたのかい? 仕方ないな、お前の頭脳の中は殺すとか同じ言葉の羅列しか生み出せない貧困世界だもの。お願いだ、同じ空気を吸うのが嫌なんだ。よそにいってくれたまえ』という感じだな」

「がぁぁあああああ!! くそがころす、ころすころすぅううう!!」

 殺すばっかり使うと指摘したばかりなのに興奮するとすぐ出るんだな。
 もう最悪だよ。美味しかった料理の思い出が最低なものに変化する前にこいつをどうにかしないと。
 俺は落ち着いた様子で手をあげる。

「ウェイター。ゴミが落ちているようだが? すいませーん。大きなゴミが皆さんの食事の邪魔をしています」

「ゴミ……てめえ俺のことを言ったのかセツカぁあああああああああ!! お前、ぜってえ殺す、ぜってえ許さねえええええええ!!!」

 おいおい。自分が騒いでるゴミだとを気付いていないとか本格的に神経を疑うな。
 こいつと同じ世界から来ていると考えると嫌すぎて落ち込んでしまいそうだ。
 しかしこれだけ騒ぐならそれなりの主張があるんだろうな?

「はぁ、いったいどう許さないというんだイシイ? どうやって俺を殺す? いいか、尊敬できる先人が言ったこういう言葉があるのを知っているか? 強い言葉を・・・・・使うと弱く見える・・・・・・・・。まさに今のお前だぞ? もしかして感情だけで言葉を発しているのか? それは言葉じゃない。鳴き声・・・の間違いだぞ?」

 こうやって教えてやっても、奴の頭じゃ理解できないんだろうな。
 虚しい会話の応酬だ。こちらが言葉を投げかけても、鳴き声で返されてはどうしようもない。
 すると、イシイはへらへらと嗤いはじめたではないか。

「は、ははっ!! 俺を馬鹿にしすぎたなセツカ。てめえのスキルはなんだ? あ? 不発の『殺す』だろうがよ。はっ、使えねーな。小さな虫すら殺せないヘボスキルじゃ聖女様に捨てられるのも当たり前だよボケ! みんな納得してるぞ? てめえみたいなポンコツスキル野郎は可哀想だとな。あーあ。殺すつもりはなかったがもう殺す。泣いてもゆるさねえええ。はぁーっはははっ!!」

 ほらな。ひとりで笑い始めた。
 殺すという意味すら理解しないでぽんぽん発言する奴の姿は、哀れを通り越して虚無だ。なんにも中身のない奴だな。
 女の子たちの顔を見てみろ。あきれを通り越してむき出しの敵意まで抱いているぞ?「なんですかーこの喋るごみはー意味がわからなすぎて気持ち悪いですー」という感じで可哀想だ。いい気分の食事をぶち壊されたんだぞ?

 この異世界で唯一、本当の意味で『殺す』権利があるのは俺だけだぞ?
 それを理解し実行できる器である俺と、そんな俺を支えようと努力と研鑽を重ねる少女たち。
 格どころか次元すら違うおそれがある。
 スキルを超えた能力である『殺す』スキルを持つ俺に、殺すだと?

 おまえ、頭は大丈夫なのかイシイ?
 
 そういえばどう許さないんだろうな? さっきから許さないと殺すの繰り返ししか聞いていない。
 奴の頭はそれしか語彙がないのかもしれない。仕方ないか、こっちがあきらめるしかない。
 馬鹿すぎて言葉が貧困層なのだ。わかる人が高貴な立場として救済ノブレスオブリージュしてあげるしかないか。

「お前に慈悲を与えよう。はやくどう許さないか、どう俺を『殺す』のか説明してみせろ。正直言ってお前に時間を使うのは愚策だ。無駄以下だ。だがな、あえて聞いてやるから言ってみろ。ほらがんばれがんばれ。馬鹿猿語でもなんでもいい。鳴き声以外でゆっくりわかるよう説明してみせろ」

「ぎいいいいっ、てめえぇぇえええ馬鹿にすんじゃねええええ!! くそぉおおおおおお!!!」

「頼むから落ち着け。はぁ……俺は一体なにをやっているんだ。家畜以下の存在にいくら語りかけても無駄か」

 もはや溜息すらでなくなってきたな。
 そうやって席から立ち上がろうとすると、イシイはおもむろに右手を高く掲げた。
 いきなりどうした? おしっこですか?

「『契約《テスタメント》』!!! オニズカ!! サカモト!! 来いっ!! はははっ、完全にキレちまったぞセツカ。俺の力は強すぎてあまり表に出さないようにしようと心がけていたし、聖女様にもそう言われた。だがな、てめえはダメだ。やっちまったよ。俺を馬鹿にするとはもう忘れちまったらしいな。欲しいものを何をしてでも手に入れる。それは前の世界でもこの世界でも同じことだぜ? だが前の世界とは全然違う点がある。それは俺の力だぜ!! この世界じゃケーサツいねえし、楽だなあ。あ、いい忘れたけど俺のスキルは最強最高スキル、『契約《テスタメント》』な。契約した相手ならなんでも自由自在に使いこなせるんだわ。1000年に一度の超絶レアスキルだってよ!!!!! これで『聖剣適性』のオニズカと『初期魔法全制覇』のサカモトを契約で縛ったんだよ。そして呼び出しっ!! 俺の言うことを完全に聞く二人は無敵のガーディアンになったんだよ!!!!!」

 二つの光柱が地面から生み出され、その中から力を持つ存在の気配がやってくる。
 クラスメイトのオニズカとサカモトを召喚して使役するのか?
 二人はうなだれた様子で、なにもない場所から現れた。
 どうやらいきなり呼び出されて困惑しているみたいだな。

 はぁ、いったい前の世界と何が違う?
 他人を利用して自分は手を汚さない。まるで進歩していないじゃないか。
 あきれてものを言えない俺の姿を、怯えていると勘違いしたのだろうか。

 得意げになったイシイはべらべら説明を続ける。
 鼻息を荒くし、ふんぞり返った様子で勝ち誇っている。オニズカとサカモトは相当強いらしいな。

「このスキルの素晴らしいところは契約で縛ればどんな力も俺のものになるという所だ。聖剣という適性がなければ扱えないような戦力も、この通り契約してしまえば好きなときに召喚して使役しちゃえるんだよなぁなあオニズカ。魔法が使いたきゃ魔法を使える奴を契約で縛っておけばいい。そうだろサカモト。なんて簡単で単純、素晴らしいスキルだろうか。いいかセツカ。これが俺とお前の差だよ。埋まる事の無い永遠の差さ。お前がひいこらやっている間に、俺はクラスメイトたちを契約でがんじがらめにしたのさ。あとはこの世界の強いやつや可愛い女を契約縛りすれば完璧だな。魔王? 勇者? 神? 馬鹿じゃねえの? 俺が最強だぞ? この1000年間誰にも使いこなせなかった特別中の特別スキルが俺には使いこなせるんだぞ、この意味わかるか? 俺がルールで俺に尽くすほうが得ってことだぞ? 俺は天才だ!! これから勇者にもなれるし、神様として褒めたたえられるのもそう遠くない。だってこのスキルは俺以外に解除できないし、俺にしか操作できないんだからな!! 俺だけに許された完全契約だぞ!!」

「オニズカ、サカモト。うざい奴に絡まれて心中お察しするぞ。じゃ」

 ■――二名分の契約《テスタメント》を『殺し』ました。オニズカ、サカモト両名を元の位置に転送します。

 シュールな光景だ。
 オニズカ、サカモトは光に包まれてそのまま消えていった……。
 
 
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