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第1章──Captive World──
第2話 3つの難題(クエスト)
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「彗樹、左手をパーの形にして正面を押すような身振りをしてみてよ」
頭の中でいくつもの「?」が浮かんだが、とりあえずナツメの言った通りにしてみる。するとマリンバを叩く様なポロンという音を鳴らし、謎の半透明な板が目の前に現れた。
「うわっ、何だこれ!?」
「聞いて驚くな!これは自分のステータスから目標までのルート、全てを教えてくれる『不思議な板』なのだよ!ファンタジーではお馴染みだよね~」
「え、これ『不思議な板』って名前なのか…?もっとマシな名称無かったのかよ…」
ボソッと呟くと、腕を組み鼻を鳴らしうんうん頷いていたナツメは途端に動きを止め眼前に迫ってくる。
「うるさーい!じゃあ何かいい名前あるの?」
「うっ…そうだな……マジカルボードとか…?」
「安直過ぎない?彗樹だってセンスないじゃん!!」
「う、うっさい!んじゃもうステータスボード、略してステボでいいだろ!」
「ステボ…?あまりしっくり来ないけどそれでいいんじゃない」
あまりにも適当な返しに少しイラッとしたが、とりあえず目の前の板の名前が決まったから良しとしよう。
「彗樹、ステボ見てみてよ!何かあるかもしれないよ?」
そう促され見ると、ステボに黒字で『Welcome』と書かれていた。スマホの要領でタップしていくと、自分のステータス画面が現れたがどれも『???』と書かれており何も分からない。名前ですらハテナマークが付いていたため気味が悪かった。
「お、おい…ナツメ…なんで僕の名前が表示されて無いんだよ…??」
「あー、多分また入力し直せって事じゃないかな?タップしたら設定出来ると思うよ」
言われるがままタップすると空白のテキストボックスとバーが現れ、複雑な心持ちで名前を入力し終えようとした時、ふとある事を思い付いた。
「これって別に本名入力しなくてもいいんだよな…?」
昔やったRPGではPNを本名にしたものだが、一緒にしていた友達のかっこいいPNを見て後悔した過去があったのを思い出し、入力していた文字を消す。そして、僕はある名前を入力する。
「おっ、名前変えたんだね?良いと思うよ『テバット』」
そう、僕は彗樹という名前にちなんだ、大彗星テバットから取ったのだ。若干言いづらい気もするがどうせ別の名前を決めるならこれぐらいの方が良い。決定を押し、ステボをいじっていると赤いビックリマークの項目を見つけ、タップすると目を疑う文が現れた。
『貴方の精神を取り戻すにはこれから課される3つの難題を攻略する必要があります』
「は…?ナ、ナツメ……なんだよこれ…」
突然現実に引き戻された僕は取り乱して尻餅をついた。助けを乞う様にナツメの方を向くと彼女は俯いていた。
「………」
「ナツメ!!
「…君の死を回避するには難題を攻略しないといけないみたいだよ」
さっきとは打って変わって冷淡な声で言い放ったナツメに僕は生唾を呑んだ。
「君の選択は2つある。死ぬか、難題に挑むか」
妙に威圧感のあるその言葉に死ぬと言う選択肢は無いものだと悟った。
「挑戦するよ…そして俺をこんな所に追いやった奴をぶん殴る」
頭の中でいくつもの「?」が浮かんだが、とりあえずナツメの言った通りにしてみる。するとマリンバを叩く様なポロンという音を鳴らし、謎の半透明な板が目の前に現れた。
「うわっ、何だこれ!?」
「聞いて驚くな!これは自分のステータスから目標までのルート、全てを教えてくれる『不思議な板』なのだよ!ファンタジーではお馴染みだよね~」
「え、これ『不思議な板』って名前なのか…?もっとマシな名称無かったのかよ…」
ボソッと呟くと、腕を組み鼻を鳴らしうんうん頷いていたナツメは途端に動きを止め眼前に迫ってくる。
「うるさーい!じゃあ何かいい名前あるの?」
「うっ…そうだな……マジカルボードとか…?」
「安直過ぎない?彗樹だってセンスないじゃん!!」
「う、うっさい!んじゃもうステータスボード、略してステボでいいだろ!」
「ステボ…?あまりしっくり来ないけどそれでいいんじゃない」
あまりにも適当な返しに少しイラッとしたが、とりあえず目の前の板の名前が決まったから良しとしよう。
「彗樹、ステボ見てみてよ!何かあるかもしれないよ?」
そう促され見ると、ステボに黒字で『Welcome』と書かれていた。スマホの要領でタップしていくと、自分のステータス画面が現れたがどれも『???』と書かれており何も分からない。名前ですらハテナマークが付いていたため気味が悪かった。
「お、おい…ナツメ…なんで僕の名前が表示されて無いんだよ…??」
「あー、多分また入力し直せって事じゃないかな?タップしたら設定出来ると思うよ」
言われるがままタップすると空白のテキストボックスとバーが現れ、複雑な心持ちで名前を入力し終えようとした時、ふとある事を思い付いた。
「これって別に本名入力しなくてもいいんだよな…?」
昔やったRPGではPNを本名にしたものだが、一緒にしていた友達のかっこいいPNを見て後悔した過去があったのを思い出し、入力していた文字を消す。そして、僕はある名前を入力する。
「おっ、名前変えたんだね?良いと思うよ『テバット』」
そう、僕は彗樹という名前にちなんだ、大彗星テバットから取ったのだ。若干言いづらい気もするがどうせ別の名前を決めるならこれぐらいの方が良い。決定を押し、ステボをいじっていると赤いビックリマークの項目を見つけ、タップすると目を疑う文が現れた。
『貴方の精神を取り戻すにはこれから課される3つの難題を攻略する必要があります』
「は…?ナ、ナツメ……なんだよこれ…」
突然現実に引き戻された僕は取り乱して尻餅をついた。助けを乞う様にナツメの方を向くと彼女は俯いていた。
「………」
「ナツメ!!
「…君の死を回避するには難題を攻略しないといけないみたいだよ」
さっきとは打って変わって冷淡な声で言い放ったナツメに僕は生唾を呑んだ。
「君の選択は2つある。死ぬか、難題に挑むか」
妙に威圧感のあるその言葉に死ぬと言う選択肢は無いものだと悟った。
「挑戦するよ…そして俺をこんな所に追いやった奴をぶん殴る」
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