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第二十章
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「何も知らずに勝手に怒ったりしてしまってすみません。国王の気持ちも知らずに」
「どういうことだ?リリーアネ」
「この人は私のためにこんな危険なことをしてくれたんです」
「……ナザリヤに聞いたのか」
「はい、全部聞きました。私が魔力を持っていなく周りから命を狙われる危険があったからクライス家に引き渡したんですよね?」
フィークは驚きクローシャを見た。クローシャは細い目でリリーアネを見ていた。
「クライス家に頼んでナーゼェイス帝国を襲わせたのも私のためなんでしょ?私が魔力を発生させられるように。あんな危険なことを」
「だが、あそこまで規模が広がるとは思いもしなかった。大勢の人々が大変な思いをさせてしまった。本当にすまない」
クローシャはフィークに謝った。フィークは慌り返答に困った。
「その代わりこちらの兵や支援金をそちらに送る。足りなかったらもっと渡そう」
「い、いえ、そんな」
「これくらいはさせてくれ」
「それじゃあ…」
ナーゼェイス帝国の兵が不足しているのが現状だったため兵を送ってくれるのはありがたい。支援金も国民に使おう。
「話は終わったかしら?」
ナザリヤがドアの前に立っていた。
「クローシャは恥ずかしがり屋だったから今まで冷たく接してたのよ。私も最初は苦手だったわ。だけど、話を聞いてリリーアネをちゃんと思っているんだって分かったわ。最初っから言ってくれればいいのにね」
ナザリヤはフフっと笑った。イザベラはどれだけ自分が恵まれているのか改めて知った。
「リリーアネ……じゃなくてイザベラ。良かったな。仲直り出来て」
「はい、フィーク様もありがとうございます。一回しか会ったことなかったのにここまでしてくれて」
「ああ、小さい頃の記憶戻ったんだったな。俺の事も思い出してたのか」
「はい」
「それじゃあ私はこれでそろそろ戻らなければいけないなので」
フィークはクローシャに頭を下げドアの方へ行った。そして、ナザリヤに頭を下げ部屋を出ようとするとイザベラも着いてきた。
「イザベラはここに残りなよ。せっかく分かり合えたんだから」
「……そうだね……フィーク、またいらしてね」
「ああ、それじゃあ」
フィークは馬車に乗りながらさっきのことを思い出した。イザベラが初めて呼び捨てで呼んでくれた。何故かそれが嬉しかった。
あれから、一週間がたちタルロス帝国の支援もあり徐々にナーゼェイス帝国の街も回復していった。
フィークがいつも通り仕事をこなしていると一通の手紙が届いた。送り主はイザベラだった。中に入っていたのはパーティーへの招待状と手紙だった。
「フィーク様へ
あれから一週間が経ち私たち一家も随分仲良くなりました。本当にありがとうございます。最近は三人で一緒に食事したり出かけたりしています。
そちらは今どうですか?仕事で忙しいかもしれないのですが私たち三人集まったということなのでパーティーを開こうと思います。お時間があればぜひいらしてください。
イザベラより」
「良かったな、上手くいって……ってこれ今日じゃないか!急いで支度しなければ」
招待状に書かれていた日にちは今日だった。急いで着替え向かった。
城に着くと出迎えてくれたのはイザベラだった。前よりも元気で笑っていた。
「ようこそ、来てくれました。どうぞこちらへ!」
「前より元気になったな」
「毎日が楽しいので」
イザベラが来ていた白と水色のドレスが輝いているように見えた。大広間に着き、フィークに気づいたクローシャとナザリヤがこちらへ来た。
「よく来てくれました。今日は楽しんでください」
「こちらこそお呼びしていただき嬉しいです」
「お父様!ダンス踊りましょ」
イザベラから誘っていた。だいぶ仲が良くなったのだろう。フィークはナザリヤと話していた。ナザリヤは嬉しそうに二人を見ていた。
「ナザリヤ様はあのパーティーの日にリリーアネが自分の娘だって気づいていらっしゃってたんですよね?」
ポカーンとした顔でフィークを見てニコッと笑った。
「よく分かったわね。そうよ、あの日あなたの隣に立ってたイザベラを見てすぐ私の子だって気づいたわ。嬉しかったわ。無事でいてくれて。だけどあの子が記憶を失っていたのは衝撃的だったわ。クライスケ家はわざとやった事じゃないと思うの。クライス家がイザベラに冷たかったのは王家の血を引き継いでいるものだからどう接すればいいのかわからなくてその結果冷たく接してしまったんじゃないかしら。まあそこはあまり考えないようにするわ。ありがとね。あの子のそばにいてくれて」
「いえいえ」
「これからもあの子の事よろしく。あなただったらあの子を大切にしてくれると信じてるわ」
ナザリヤはウインクをしてどこかへ行った。フィークは顔を赤くした。そしてイザベラの元へいき
「私と踊ってくれませんか?」
イザベラは少し驚いていたがすぐに微笑み
「喜んで!」
と答えた。
「どういうことだ?リリーアネ」
「この人は私のためにこんな危険なことをしてくれたんです」
「……ナザリヤに聞いたのか」
「はい、全部聞きました。私が魔力を持っていなく周りから命を狙われる危険があったからクライス家に引き渡したんですよね?」
フィークは驚きクローシャを見た。クローシャは細い目でリリーアネを見ていた。
「クライス家に頼んでナーゼェイス帝国を襲わせたのも私のためなんでしょ?私が魔力を発生させられるように。あんな危険なことを」
「だが、あそこまで規模が広がるとは思いもしなかった。大勢の人々が大変な思いをさせてしまった。本当にすまない」
クローシャはフィークに謝った。フィークは慌り返答に困った。
「その代わりこちらの兵や支援金をそちらに送る。足りなかったらもっと渡そう」
「い、いえ、そんな」
「これくらいはさせてくれ」
「それじゃあ…」
ナーゼェイス帝国の兵が不足しているのが現状だったため兵を送ってくれるのはありがたい。支援金も国民に使おう。
「話は終わったかしら?」
ナザリヤがドアの前に立っていた。
「クローシャは恥ずかしがり屋だったから今まで冷たく接してたのよ。私も最初は苦手だったわ。だけど、話を聞いてリリーアネをちゃんと思っているんだって分かったわ。最初っから言ってくれればいいのにね」
ナザリヤはフフっと笑った。イザベラはどれだけ自分が恵まれているのか改めて知った。
「リリーアネ……じゃなくてイザベラ。良かったな。仲直り出来て」
「はい、フィーク様もありがとうございます。一回しか会ったことなかったのにここまでしてくれて」
「ああ、小さい頃の記憶戻ったんだったな。俺の事も思い出してたのか」
「はい」
「それじゃあ私はこれでそろそろ戻らなければいけないなので」
フィークはクローシャに頭を下げドアの方へ行った。そして、ナザリヤに頭を下げ部屋を出ようとするとイザベラも着いてきた。
「イザベラはここに残りなよ。せっかく分かり合えたんだから」
「……そうだね……フィーク、またいらしてね」
「ああ、それじゃあ」
フィークは馬車に乗りながらさっきのことを思い出した。イザベラが初めて呼び捨てで呼んでくれた。何故かそれが嬉しかった。
あれから、一週間がたちタルロス帝国の支援もあり徐々にナーゼェイス帝国の街も回復していった。
フィークがいつも通り仕事をこなしていると一通の手紙が届いた。送り主はイザベラだった。中に入っていたのはパーティーへの招待状と手紙だった。
「フィーク様へ
あれから一週間が経ち私たち一家も随分仲良くなりました。本当にありがとうございます。最近は三人で一緒に食事したり出かけたりしています。
そちらは今どうですか?仕事で忙しいかもしれないのですが私たち三人集まったということなのでパーティーを開こうと思います。お時間があればぜひいらしてください。
イザベラより」
「良かったな、上手くいって……ってこれ今日じゃないか!急いで支度しなければ」
招待状に書かれていた日にちは今日だった。急いで着替え向かった。
城に着くと出迎えてくれたのはイザベラだった。前よりも元気で笑っていた。
「ようこそ、来てくれました。どうぞこちらへ!」
「前より元気になったな」
「毎日が楽しいので」
イザベラが来ていた白と水色のドレスが輝いているように見えた。大広間に着き、フィークに気づいたクローシャとナザリヤがこちらへ来た。
「よく来てくれました。今日は楽しんでください」
「こちらこそお呼びしていただき嬉しいです」
「お父様!ダンス踊りましょ」
イザベラから誘っていた。だいぶ仲が良くなったのだろう。フィークはナザリヤと話していた。ナザリヤは嬉しそうに二人を見ていた。
「ナザリヤ様はあのパーティーの日にリリーアネが自分の娘だって気づいていらっしゃってたんですよね?」
ポカーンとした顔でフィークを見てニコッと笑った。
「よく分かったわね。そうよ、あの日あなたの隣に立ってたイザベラを見てすぐ私の子だって気づいたわ。嬉しかったわ。無事でいてくれて。だけどあの子が記憶を失っていたのは衝撃的だったわ。クライスケ家はわざとやった事じゃないと思うの。クライス家がイザベラに冷たかったのは王家の血を引き継いでいるものだからどう接すればいいのかわからなくてその結果冷たく接してしまったんじゃないかしら。まあそこはあまり考えないようにするわ。ありがとね。あの子のそばにいてくれて」
「いえいえ」
「これからもあの子の事よろしく。あなただったらあの子を大切にしてくれると信じてるわ」
ナザリヤはウインクをしてどこかへ行った。フィークは顔を赤くした。そしてイザベラの元へいき
「私と踊ってくれませんか?」
イザベラは少し驚いていたがすぐに微笑み
「喜んで!」
と答えた。
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