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第十七章

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「リリーアネ様着きました」

「ありがとう。ここまででいいわ」

 リリーアネは馬車から降りた。城の門に近づくと兵がリリーアネを足止めした。

「誰ですか、ここは関係者以外立ち入り禁止です」

「私はアマリリスです。何度かこちらへ来ているものです」

「アマリリス様でしたか。これはご無礼を。どうぞ」

 兵は頭を下げ門を開けた。リリーアネは国王がいる場所へ向かった。子供の頃の記憶が戻った為場所も全部思い出した。

「確か王がいる部屋は私の部屋のすぐ隣……」

 途中までに何人もの人に出くわしたが誰一人リリーアネを止めようとはしなかった。不思議に思いつつも今は関係ない、無視したまま向かった。

 そして、王がいる部屋の前まで来た。手をドアノブにかけるが緊張で手が震えていた。けれど、怯えるなんて情けない。

 勇気をだしてドアを開いた。

 しかしそこには誰もいなかった。

 するとリリーアネの背中を誰かが叩いた。しかし、リリーアネが振り向いても誰もいない。気のせいだと思いクローシャの部屋の中を物色しようとするとまた背中を叩かれた。

 だが、リリーアネが何度も後ろを振り向いたが誰もいない。頭を傾げて不思議に思っているとドアの方からこちらへ向かって管のようなものがあった。

 触ってみると冷たい。水だ。きっとこれは魔力で作られたのだろう。さっきから背中を叩いていたのはこれだったのか。

 理解したあとはこれがどこに続いているのか気になり管を辿っていった。着いたのは大広間の扉の前。

 もしかするとクローシャは自分が来ていることに気づいてここに導いたのか。そう考え息を整えリリーアネは扉を開いた。

「やっと来たか」

 そこに居たのはクローシャとその横にはナザリヤがいた。

「遅かったな。何回叩いても反応しないとはどんだけ周りを見ていないんだ」

「そういうのいいから。私が来た理由あなたも分かっているのでしょう?」

 クローシャは黙ってリリーアネを見ていた。
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