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見習い騎士

見習い騎士 ①

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「あ、カナリヤ。おはよう。隣の方から果物もらったよ」

「なんの果物」

「イチゴ」

「本当か?!」

カナリヤの顔が一気に笑顔になった。シャリングはその顔に驚き目をパチクリしている。

カナリヤはハッとして後ろを向いた。恥ずかしくなったのか。

「あ、あと、シチュー作ったよ。もう外寒いし」

「そこにパンあるからそれと一緒に食べて」

「カナリヤはどこに行くの?」

「え、なんで言わなきゃ行けないの?」

何も言い返せずシャリングは朝ごはんを食べた。


さてと、行きますか…

剣を背負ってバッグを手に持ち外に出る。相変わらず寒い。雪も少し降っている。

これくらいなら積もらないだろうな。息を吐くと白い息が出てくる。

手袋もマフラーもせず外に出るのは慣れているが今年は異様に寒い。買っておこうか。お金はまあ何とかなるし。

「さあ、行くか」

「あ、カナリヤ、どこかに行くの?」

歩き始めようとするとまた誰かが話しかけてきた。面倒くさそうに振り向く。その顔を見た瞬間さっきまでの面倒くさそうな顔は消えた。

「あー、久しぶり。前はありがとう」

「お易い御用だよ」

そこに居たのはニミイス・キリマイヤ。城の料理長。そして、裏ではカナリヤの協力者でもある。

「昨日はありがと。疑われなかったか?」

「大丈夫だ。全然疑われなかったぜ」

「それなら良かった」

「これからどこ行くんだ?」

「会いたい人がいるから城に行く」

「ちょうど良かった!俺も今から城に行くんだよ。それより、変装しなくていいのか?」

今のカナリヤの格好は何も変装をしておらずすぐにカナリヤだとバレてしまう。

「いいんだよ」

「そうか。それなら別にいいけど」

「私は先に行く。もし一緒にいるのバレたら危険だ。じゃあな」

森の中をへと歩いていった。



それから何時間か経ち国に着いた。できるだけ人を避けるため裏道を通っていく。

今日夢の中で神(?)と話して気になることがあった。何となく興味が湧いたのだ。

そのためにはまず城にいるあいつに会わなきゃいけない。簡単に会わせてくれないだろうがまあどうにかしよう。

そんなことを考えていると城の前に着いた。そこには騎士がいる。

それでもなんなく横を通ろうとすると止められた。

「誰だお前…ってカナリヤ・ハルデス?!なんの用だ!ここは通さないぞ。お前は国を追放された身、よくのうのうと帰ってこれたな」

カナリヤのことを知っているようだ。しかもこいつは昨日何があったのか知らなかったのか。

カナリヤはため息をつき怒鳴っている騎士の前に立った。

「お前ギャーギャーうっせぇんだよ。黙れ」

低く細い声で言う。騎士は恐怖で力が抜け手に持っていた剣を落とした。そのまま体も崩れ落ちる。

「いいからさっさとここを開けろ。開けないと」

カナリヤは肩から剣を抜き騎士の首に当てる。

「今ここでお前の首跳ねるぞ?」

カナリヤの目は本気だった。
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