76 / 111
王への復讐
王への復讐 ⑤
しおりを挟む
「それで…何が知りたいんだ…?」
弱々しく今にも砕けそうな声で聞く。
「あの建物のことをを教えて。知っていること全部よ。隠したりしたら…どうなるかわかっているわね?」
王に圧をかける。王はもう逃げられないあきらめた様子で話し始めた。
「あの建物はヘルと言う。私も詳しいことがわからないんだ。ある日この国にサンザリカ・アルファというものがやってきた。その隣にはもう一人女がいたんだ。女のほうはフードをかぶっていて顔はよく見えなかった。それからあとのことは覚えていないんだ。気づいたら二人はいなかった。周りからは私が中に入れていいと許可をおろしたからいれたと。だが、私にはそんな記憶はないんだ」
王の体は震えている。カナリヤは真剣に話を聞いた。
「それからまたそいつらが来て前に約束したものを受け取りに来たといわれた。その約束が生贄を渡せとのことだった。そんな約束した覚えがないといったが紙を出されたんだ。そこには確かに私のサインが書いてあった。それからはあいつらの言いなりさ。ヘルのことも詳しくはわからないんだ」
王の言っていることは真実だろう。嘘を言っているようには見えない。こいつらもいいように利用されていたわけか。
「サンザリカについてわかることはないのか?あと、アンリーについても」
「アンリー王国の王とは三年前までは仲が良かった。だが、突然連絡が途絶えたんだ…サンザリカと女が来た時からな。サンザリカについてもよくわからない。確か女の名前がアイだったはずだ」
という事はサンザリカとその謎の女アイが何かしたってことか。また一人意味わかんないやつが増えちまった。しかも王は記憶がない。何が起きたのかもわからない。
しかも生贄とは一体なんだ。なんで必要なんだ。
「ったくダメな王だな」
カナリヤがため息をする。すると、騎士がカナリヤの首に剣を当てた。シャリングは驚き止めに入ろうとするも我慢した。
「お前これ以上国王陛下を侮辱するな」
相当切れているようだ。今にも私の首を切りたそうな目をしている。黙ってみてればいいものを。
カナリヤは手で剣を掴んだ。カナリヤの手からは血がこぼれだしている。
「ねえ知ってる?」
笑顔で騎士に向かって言う。剣を握る力がどんどん強くなっていく。
「人間の身体も薬になるんだって。今すぐにでもあなたの体を八つ切りにして薬として使ってもいいんだよ?」
騎士の持っていた剣を引っ張った。剣の落ちる音がする。そして、自分の剣を出した。騎士は剣を落とされあっけにとられている。その瞬間カナリヤは騎士の首に剣を突きつけた。
「あんたさ、自分の立場わかってる?私はいつでも皇太子を殺せる。あんたが私に歯向かってもいいけど皇太子の命もかかってるって心に白絞めときな。それじゃあ私はこれで」
「待て。皇太子を治すと約束したじゃないか!」
王が必死に言う。カナリヤは振り返って微笑んだ。
「確かに治すと約束しましたけど、今治すと約束した覚えはありませんよ?痛みを止める薬を置いていくので毎日一回飲んでください」
「お前…」
「だってあなたたちが裏切るかもしれませんからね。裏切ったら皇太子の命はないですよ。薬をずっと飲んでいても、なんにも治療しなければ死にますから。まあ私は人が苦しんでるのを見るのが楽しくて堪らないので治さなくてもいいんですけどね」
笑顔で言うので普通に言っているよりも倍怖い。王と騎士はなにも言ってこない。
「ああ、あと侯爵家とかの人たちにも、うまく伝えてくださいね。それじゃあまた。私が用があるときにきますね」
笑顔で手を振り部屋を出た。
弱々しく今にも砕けそうな声で聞く。
「あの建物のことをを教えて。知っていること全部よ。隠したりしたら…どうなるかわかっているわね?」
王に圧をかける。王はもう逃げられないあきらめた様子で話し始めた。
「あの建物はヘルと言う。私も詳しいことがわからないんだ。ある日この国にサンザリカ・アルファというものがやってきた。その隣にはもう一人女がいたんだ。女のほうはフードをかぶっていて顔はよく見えなかった。それからあとのことは覚えていないんだ。気づいたら二人はいなかった。周りからは私が中に入れていいと許可をおろしたからいれたと。だが、私にはそんな記憶はないんだ」
王の体は震えている。カナリヤは真剣に話を聞いた。
「それからまたそいつらが来て前に約束したものを受け取りに来たといわれた。その約束が生贄を渡せとのことだった。そんな約束した覚えがないといったが紙を出されたんだ。そこには確かに私のサインが書いてあった。それからはあいつらの言いなりさ。ヘルのことも詳しくはわからないんだ」
王の言っていることは真実だろう。嘘を言っているようには見えない。こいつらもいいように利用されていたわけか。
「サンザリカについてわかることはないのか?あと、アンリーについても」
「アンリー王国の王とは三年前までは仲が良かった。だが、突然連絡が途絶えたんだ…サンザリカと女が来た時からな。サンザリカについてもよくわからない。確か女の名前がアイだったはずだ」
という事はサンザリカとその謎の女アイが何かしたってことか。また一人意味わかんないやつが増えちまった。しかも王は記憶がない。何が起きたのかもわからない。
しかも生贄とは一体なんだ。なんで必要なんだ。
「ったくダメな王だな」
カナリヤがため息をする。すると、騎士がカナリヤの首に剣を当てた。シャリングは驚き止めに入ろうとするも我慢した。
「お前これ以上国王陛下を侮辱するな」
相当切れているようだ。今にも私の首を切りたそうな目をしている。黙ってみてればいいものを。
カナリヤは手で剣を掴んだ。カナリヤの手からは血がこぼれだしている。
「ねえ知ってる?」
笑顔で騎士に向かって言う。剣を握る力がどんどん強くなっていく。
「人間の身体も薬になるんだって。今すぐにでもあなたの体を八つ切りにして薬として使ってもいいんだよ?」
騎士の持っていた剣を引っ張った。剣の落ちる音がする。そして、自分の剣を出した。騎士は剣を落とされあっけにとられている。その瞬間カナリヤは騎士の首に剣を突きつけた。
「あんたさ、自分の立場わかってる?私はいつでも皇太子を殺せる。あんたが私に歯向かってもいいけど皇太子の命もかかってるって心に白絞めときな。それじゃあ私はこれで」
「待て。皇太子を治すと約束したじゃないか!」
王が必死に言う。カナリヤは振り返って微笑んだ。
「確かに治すと約束しましたけど、今治すと約束した覚えはありませんよ?痛みを止める薬を置いていくので毎日一回飲んでください」
「お前…」
「だってあなたたちが裏切るかもしれませんからね。裏切ったら皇太子の命はないですよ。薬をずっと飲んでいても、なんにも治療しなければ死にますから。まあ私は人が苦しんでるのを見るのが楽しくて堪らないので治さなくてもいいんですけどね」
笑顔で言うので普通に言っているよりも倍怖い。王と騎士はなにも言ってこない。
「ああ、あと侯爵家とかの人たちにも、うまく伝えてくださいね。それじゃあまた。私が用があるときにきますね」
笑顔で手を振り部屋を出た。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
文太と真堂丸
だかずお
歴史・時代
これは、とある時代を生きた、信念を貫いた人間達の物語である。
その時代、国、人々は冷酷無比、恐ろしい怪物達を率いる大帝国と言う軍勢に支配されつつあった。
逆らう者など皆無、人々の心は絶望と言う名の闇に侵食されつつあった。
そんな時代に奇妙な縁の中、出会い、繋がっていく者達
お互いを大切な生命と認識する彼らは、絶望と言う名の巨大な闇に立ち向かう。
そこで待ち受けるのは、想像を絶するほどの恐怖、裏切り、愛する仲間の死、人間と言う心の闇
彼らは魂から抉り出される闇と立ち向かっていく。
これは人間と言う、己の心、精神、信念に向き合い、自らの魂である刀と共に、友情と愛に生きた人間達の、心震わす魂の物語である。
(現在こちらの作品の続きはAmazonでの販売、もしくは、Amazonの読み放題で読めるようになっています、Kindleアンリミテッド登録中の方は無料で読めるようになっているので是非見て下さい。Amazonのサイトにて、こちらのタイトルを検索して頂けると読める様になっています)
婚約を正式に決める日に、大好きなあなたは姿を現しませんでした──。
Nao*
恋愛
私にはただ一人、昔からずっと好きな人が居た。
そして親同士の約束とは言え、そんな彼との間に婚約と言う話が出て私はとても嬉しかった。
だが彼は王都への留学を望み、正式に婚約するのは彼が戻ってからと言う事に…。
ところが私達の婚約を正式に決める日、彼は何故か一向に姿を現さず─?
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります)
婚約破棄されたので、被害者ぶってみたら国が滅びた
ひよこ1号
恋愛
とある学園の卒業パーティーで行われる断罪劇。
その動きを事前に察知した公爵令嬢クローディアは、ギャクハーエンドなるものを目指していた男爵令嬢マリアンヌの様に、被害者ぶって反撃を開始する。
学内の大掃除のつもりが、どんどん事態は大きくなって……?
***
全五話
残念ですが、殿下。浮気ばかりするあなたには愛想が尽き果てました。これにて絶縁させて頂きます!~婚約破棄&国外追放?お好きにどうぞ~
和泉鷹央
恋愛
ライデセン侯爵令嬢アンナローズは、ルケイド王国の王太子クレイグの親同士が決めた許嫁だった。
クレイグの実家であるルケイド王家は、代々、宰相の要職を継いできた侯爵家から嫁をめとるしきたりがある。
アンナローズは王太子妃教育の為に王宮に住んでいたが、クレイグの女好きにそろそろ、愛想も尽きようとしていた。
そんなある日、彼は貴族や平民を交えた、多くの婚約者候補の中から『真実の愛を持つ妻』を選びたいと言い出した。
婚約者の浮気発言に、アンナローズは我慢の限界を迎えてしまった。
「クレイグ、もう、限界よ!! ‥‥‥残念ですが王太子殿下! あなたには愛想が尽き果てましたので、これにて絶縁させて頂きます! 失礼っ!!」
怒り心頭のアンナローズだが、殿下に無礼を働いたことはそのまま王家に反逆したことと同じになると思い、叔父夫婦が住む隣国のエルムド帝国の城塞都市ラズへと引っ越しするのだが――
他の投稿サイトでも掲載しています。
【完結】夜会で借り物競争をしたら、イケメン王子に借りられました。
櫻野くるみ
恋愛
公爵令嬢のセラフィーナには生まれつき前世の記憶があったが、覚えているのはくだらないことばかり。
そのどうでもいい知識が一番重宝されるのが、余興好きの国王が主催する夜会だった。
毎年余興の企画を頼まれるセラフィーナが今回提案したのは、なんと「借り物競争」。
もちろん生まれて初めての借り物競争に参加をする貴族たちだったが、夜会は大いに盛り上がり……。
気付けばセラフィーナはイケメン王太子、アレクシスに借りられて、共にゴールにたどり着いていた。
果たしてアレクシスの引いたカードに書かれていた内容とは?
意味もなく異世界転生したセラフィーナが、特に使命や運命に翻弄されることもなく、王太子と結ばれるお話。
とにかくツッコミどころ満載のゆるい、ハッピーエンドの短編なので、気軽に読んでいただければ嬉しいです。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
小説家になろう様への投稿時から、タイトルを『借り物(人)競争』からただの『借り物競争』へ変更いたしました。
異世界もふもふのお医者さんっ!! 〜獣人村でみんなから愛されるお医者さん目指します〜
花月夜れん
ファンタジー
いつも笑顔で私を診てくれる先生。彼が大好きでいつか先生みたいなお医者さんになりたい私、藤村遥はある日、異世界に飛ばされた。
お医者さんになれなかった心残りから、異世界に生まれ変わったのかな?
スキル【もふもふのお医者さん】を手にした私は怪我をして動けない獣の耳と尻尾を持つ男の子カナタと出会い、仲良くなった。
帰る場所がわからないと言うとカナタは自分の暮らす村にいればいいと言ってくれた。
回復魔法や回復薬が貴重なこの世界。転生して元気になった私は病気や怪我で苦しむ人達を助けたい。
獣人と呼ばれる人々が暮らす異世界で可愛い仲間たちと一緒に皆を笑顔にするお医者さんを目指しますっ!!
視点変更時サブタイトル(○○視点)としてあります。
企画でカナタのイラストをいただきました。第一話挿絵に使用させてもらっています。
イラスト作者様「箱庭のアルボ」くろ丸様
【完結】聖女ディアの処刑
大盛★無料
ファンタジー
平民のディアは、聖女の力を持っていた。
枯れた草木を蘇らせ、結界を張って魔獣を防ぎ、人々の病や傷を癒し、教会で朝から晩まで働いていた。
「怪我をしても、鍛錬しなくても、きちんと作物を育てなくても大丈夫。あの平民の聖女がなんとかしてくれる」
聖女に助けてもらうのが当たり前になり、みんな感謝を忘れていく。「ありがとう」の一言さえもらえないのに、無垢で心優しいディアは奇跡を起こし続ける。
そんななか、イルミテラという公爵令嬢に、聖女の印が現れた。
ディアは偽物と糾弾され、国民の前で処刑されることになるのだが――
※ざまあちょっぴり!←ちょっぴりじゃなくなってきました(;´・ω・)
※サクッとかる~くお楽しみくださいませ!(*´ω`*)←ちょっと重くなってきました(;´・ω・)
★追記
※残酷なシーンがちょっぴりありますが、週刊少年ジャンプレベルなので特に年齢制限は設けておりません。
※乳児が地面に落っこちる、運河の氾濫など災害の描写が数行あります。ご留意くださいませ。
※ちょこちょこ書き直しています。セリフをカッコ良くしたり、状況を補足したりする程度なので、本筋には大きく影響なくお楽しみ頂けると思います。
虐げられてる私のざまあ記録、ご覧になりますか?
リオール
恋愛
両親に虐げられ
姉に虐げられ
妹に虐げられ
そして婚約者にも虐げられ
公爵家が次女、ミレナは何をされてもいつも微笑んでいた。
虐げられてるのに、ひたすら耐えて笑みを絶やさない。
それをいいことに、彼女に近しい者は彼女を虐げ続けていた。
けれど彼らは知らない、誰も知らない。
彼女の笑顔の裏に隠された、彼女が抱える闇を──
そして今日も、彼女はひっそりと。
ざまあするのです。
そんな彼女の虐げざまあ記録……お読みになりますか?
=====
シリアスダークかと思わせて、そうではありません。虐げシーンはダークですが、ざまあシーンは……まあハチャメチャです。軽いのから重いのまで、スッキリ(?)ざまあ。
細かいことはあまり気にせずお読み下さい。
多分ハッピーエンド。
多分主人公だけはハッピーエンド。
あとは……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる