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王への復讐

王への復讐 ③

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「久しぶりだな。カナリヤ」

なにが久しぶりだよ。私を追放しておいて。ウザ。

「王が何の用ですか?」

「皇太子が倒れた。誰も治せないんだ。君にしかできない。お願いだ。治してくれ」

「嫌です」

即答だった。きっぱり断る。

「私は国外追放された身。国には戻れません」

「私が許す」

それを聞きカナリヤは鼻で笑った。

「王だろうと関係なく言わせてもらいます。人の話も聞かず勝手に犯人扱いして、国外追放しておいて、あげく皇太子が危ないから国戻って治せ?はっ。ふざけんのもたいがいにしろ。王だからってなんでも許されると思ってんじゃねえよ」

王の前でもひるまずばんばん言っていく。普通はここで殺されるだろう。

「あの時は…本当にすまない。しっかりと話を聞くべきだった」

「そんな形もない、心のこもっていない言葉を言われても私の心の傷は治りません。お帰りください」

頭を下げ家に戻ろうとする。

「待て」

そんなカナリヤを王が止めた。

「皇太子を直してくれるのならば君の言うことを何でも聞こう。お金が欲しいならいくらでもやる。家が欲しいのならやる。だからお願いだ」

その言葉を待っていた。王は皇太子を大切にしている。そこをついた。思惑通りだ。この国王は使える。

「そこまで言われたら無理とは言えませんね」

微笑み笑顔で言う。

「準備をするので少々お待ちください」

家に戻り支度をする。今の話を聞いていたシャリングは

「俺もついていくよ。まさか、こうなることを予想していたんだな。だからあんなに嬉しそうにしていたのか」

「さあね。どうかな」

バッグに荷物を詰める。そして、シャリングに

「いいか?決して私の邪魔をするなよ」

「わかってるよ」

外では騎士が待っていた。どうにも不機嫌そうだ。平民が王に向かってあんな態度をしたら不機嫌なるだろう。

今すぐにでも殺したいだろうな。カナリヤは声に出さず笑っていた。馬車に乗りソファーに座る。居心地の良い馬車だ。

「楽しみだよ。あいつらの苦しい顔が早く見たい」

シャリングはカナリヤのうれしそうな顔を見て何にも言えなかった。
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