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王への復讐

王への復讐 ②

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「誰か治せるものはいないのか…」

王はソファーに座り落ち込んでいる。

「すみません…私が大事な時に力が使えなくなってしまうなんて」

「いや、君のせいではない。その力もわからないことだらけだ。こうなることも考えておくべきだった」

「国王陛下。皇太子様の容態があっかしております」

皇太子の側近だったものが言う。

「分かっている!だが、なおせるものがいないというのにどうしろと…」

「…一人だけいますよ…」

小さな声で言う。王はがばっと顔をあげ見る。

「誰だ?」

「カナリヤ・ハルデリス」

その言葉を聞きマリヤも側近の顔を見る。

「本気で言っているのか?あいつは皇太子とマリヤに毒をもったんだぞ?」

「しかし、皇太子様を治せるのはあの人しかいません」

「だが…あいつがどこにいるかわからない」

「大丈夫です。我々がすぐに見つけます」

「わかった。よろしく」

側近は頭を下げ部屋を出る。王は俯き大きなため息をはく。

「本当に大丈夫ですかね」

「あいつに治させるだけ治させ、いらなくなったら捨てる。もし治せなかったら」

王が首に手をやる。そのしぐさですぐにわかった。

マリヤは部屋を出た。なにか嫌な予感がする。カナリヤがここを出るとき最後に言われた言葉

「ありがとう」

それがどうしても引っかかる。カナリヤはなにがしたかったのか疑問でしかない。今回の皇太子が倒れたのもカナリヤが仕組んだようにも思える。

しかし、国外追放されたものがそんなことはできないだろう。

「考えすぎか」

それから何時間たち城内が騒がしくなった。

「どうしたんですか?」

「見つけたんです。カナリヤ・ハルデリスを!」

「まさかと思い国王のいる部屋へ向かう。

「行くのですか?」

「ああ、急がなければ皇太子の命が持たない」

国王までもが行くなんてすごいと思った。これで、皇太子は無事に回復できればいいのだが。心のどこかでモヤモヤした気持ちが残ったままだった。

「おきおつけて」

侍女たちと一緒に見送った。




家に帰ってもカナリヤは機嫌がよさそうだった。

私の考え通りに進めばそろそろだ。どう追い返すかはあらかじめかんがえている。王がどうでるか楽しみだ。

ドンドン

「誰だろう」

「私が出る。お前は来なくていい」

そう言い玄関に向かう。どくどくと鳴る心臓を落ち着かせドアを開ける。前に立っている人を見て確信する。王は私のよみ通りにしてくれた。

「誰ですか?」

「シャルバリー王国のものです」

「で?私に何か用」

「お話があります。一度外に出てきてください」

カナリヤは言われた通りに外に出る。剣を肩に背負って。
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