上 下
64 / 111
アルファ騎士団

アルファ騎士団 ②

しおりを挟む
「いたたた…カナリヤ少しは威力抑えてよ…」

「甘えるな」

カナリヤは服を整えながら言う。カナリヤは剣を奮いしゃシャリングの木刀を突き飛ばし、足でシャリングのおなかを思いっきり蹴った。シャリングはそれにより突き飛ばされたのだ。

「さっきご飯食べたばっかりなのに…吐きそう…」

「吐いとけ」

冷たい言葉を吐きカナリヤはどこかに行ってしまった。シャリングはその場に寝ころび空を見上げた。カナリヤとの実力差を改めて感じた。どんなにあがいてもカナリヤには勝てない。本当はわかっていたが、カナリヤと戦って改めて感じさせられた。

シャリングはふらつきながらも立ち上がる。それでもカナリヤに勝ちたいと思った。

一度家にもどる。部屋の椅子に座り整理する。

カナリヤと圧倒的に違うのは反射速度。攻撃をしてもすぐに交わされる。どうやったらあそこまで身体能力を高くできるのか。不思議でしょうがなかった。

聞いてみようと思いハーネストのところへ向かう。ハーネストなら何か知っているかもしれない。騎士団の試験までもう時間がない。

コンコン

「はい…ってどうした?」

ハーネストは家にいた。カナリヤが目を覚ましたことを話し、さっきカナリヤと戦った話を話すと

「まあ、カナリヤには勝てないよ。僕でも負けたんだから」

「そうなんだ」

「カナリヤは生まれたころから才能があったんじゃないかな」

いれたてのお茶を口に少しずつ入れながら言う。シャリングはこれはちょうどいいと思い

「あの、俺に剣術と武術教えてくれませんか?」

「へえ、そんなにカナリヤに勝ちたいのか?」

「ああ」

シャリングの真剣な表情に負けたのか

「わかったよ。じゃあさっそく練習しに行くか」

「ありがとう!」

「けど覚悟しとけよ。俺はそんなに甘くない」

「わかってる」

外に出てハーネストについていくと広い草原に着いた。

「まずはお前の強さを見せてもらうよ」

肩に背負っていた剣を取り出した。シャリングも持ってきた剣を構えた。

「俺もちょくちょく攻撃するからな」

「わかった」

ハーネストの合図で攻撃を始めた。




「よし、それで終わり」

「はあ、疲れた」

あれから30分間ぶっとうしでやった。もうへとへとだった。

「シャリングの致命的な部分何となくわかったよ」

「ほ、本当ですか…」

「まず一つは反射神経だね。鈍すぎる。あと、バランスだね。ざっくりというとこの二つかな」

「やっぱり反射神経は鈍いですよね。それはカナリヤと戦った時に物凄く実感しました。けど、どうやって反射神経をよくするかがわかんなくて」

「そんなの簡単だよ」

「え?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】捨てられ正妃は思い出す。

なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」    そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。  人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。  正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。  人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。  再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。  デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。  確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。 ––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––  他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。  前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。  彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。  

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。 ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。 ※短いお話です。 ※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。

そんなに妹が好きなら死んであげます。

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。 『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』 フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。 それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。 そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。 イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。 異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。 何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

【完結】王女と駆け落ちした元旦那が二年後に帰ってきた〜謝罪すると思いきや、聖女になったお前と僕らの赤ん坊を育てたい?こんなに馬鹿だったかしら

冬月光輝
恋愛
侯爵家の令嬢、エリスの夫であるロバートは伯爵家の長男にして、デルバニア王国の第二王女アイリーンの幼馴染だった。 アイリーンは隣国の王子であるアルフォンスと婚約しているが、婚姻の儀式の当日にロバートと共に行方を眩ませてしまう。 国際規模の婚約破棄事件の裏で失意に沈むエリスだったが、同じ境遇のアルフォンスとお互いに励まし合い、元々魔法の素養があったので環境を変えようと修行をして聖女となり、王国でも重宝される存在となった。 ロバートたちが蒸発して二年後のある日、突然エリスの前に元夫が現れる。 エリスは激怒して謝罪を求めたが、彼は「アイリーンと自分の赤子を三人で育てよう」と斜め上のことを言い出した。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

婚約破棄?それならこの国を返して頂きます

Ruhuna
ファンタジー
大陸の西側に位置するアルティマ王国 500年の時を経てその国は元の国へと返り咲くために時が動き出すーーー 根暗公爵の娘と、笑われていたマーガレット・ウィンザーは婚約者であるナラード・アルティマから婚約破棄されたことで反撃を開始した

『購入無双』 復讐を誓う底辺冒険者は、やがてこの世界の邪悪なる王になる

チョーカ-
ファンタジー
 底辺冒険者であるジェル・クロウは、ダンジョンの奥地で仲間たちに置き去りにされた。  暗闇の中、意識も薄れていく最中に声が聞こえた。 『力が欲しいか? 欲しいなら供物を捧げよ』  ジェルは最後の力を振り絞り、懐から財布を投げ込みと 『ご利用ありがとうございます。商品をお選びください』  それは、いにしえの魔道具『自動販売機』  推すめされる商品は、伝説の武器やチート能力だった。  力を得た少年は復讐……そして、さらなる闇へ堕ちていく ※本作は一部 Midjourneyにより制作したイラストを挿絵として使用しています。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

処理中です...