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ハルバリスト騎士団
ハルバリスト騎士団ー①
しおりを挟む「そうかそうか。友達か。よろしく。アナテスト・ハルバリストです。二人とも座って。君お茶を出してくれないか」
アナテストに言われ侍女は部屋を出た。
シャリングとカナリヤは言われた通り席に着いた。
「えっと、君の名前は?」
アナテストはカナリヤを見た。カナリヤは何も言わない。どうしたのかとカナリヤの顔を見るとさっきまでの鋭い目つきは消え冷たい目をしている。
「ああ、私のことですか?」
「はい」
「カナリヤ・ハルデリスです。初めまして……じゃないようですね」
「え?」
アナテストは戸惑ったような顔をしている。シャリングもカナリヤが何を言っているのか分からない。
「どこかでお会いしましたっけ……?忘れてしまってすみません」
「……何言ってんの?忘れてるはずないでしょ。ああ、私がこの格好だからか。分からないよね」
カナリヤはそう言いながらバッグから水が入ったスプレーを取り出し髪の毛にかけた。するとみるみる色が落ち黒色になった。
「カナリヤ!何してるんだ?!」
そんなことをしたら正体がバレてしまう。カナリヤは何をしようとしているんだ?
それでもカナリヤは止めずに目にも水をかけた。
「これで分かったかしら?」
アナテストは目を細くしながらカナリヤを見た。すると一瞬で顔が真っ青になった。何か思い出したようだ。
「何?なんか言いたいことでもある?」
「いや……」
「忘れてるはずないよね?まあ、忘れてたら私がお前の頭ねじ伏せるけどね」
「本当にあの時は……すまなかった……」
アナテストがカナリヤに頭を下げた。シャリングは今何が起こっているのかさっぱり分からず二人を交互に見ている。
「は?ふざけんな。それで私が許すとでも思った?どう足掻いても私はあんたを一生憎む」
「そう……言われて当然だ…」
「お前に聞きたいことあって来た。お前が知っていることを話せ」
「それは…言えない…」
「お前の息子にお前の犯してきた罪をばらしてやろうか?今までお前のことを尊敬してきた子供が知ったらどう思うだろうね」
カナリヤは笑みを浮かべた。不気味だった。
アナテストは何も言わず俯いた。暗い顔をしている。シャリングはアナテストを見つめた。どう声をかけたらいいのだろう。カナリヤが言っていた罪とは何か。気になってしょうがなかった。
「わかった…けど…」
アナテストはシャリングをチラリと見る。カナリヤは察したのかシャリングに
「二人で話させて」
これはわかったと行ったほうがいいのか。けれど自分も二人の話を聞きたい。
「…わかったよ…」
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