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マリヤとカナリヤ

マリヤとカナリヤー③

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国王達と食卓を共にしてから一週間が経過した。今日は皇太子のパーティーだ。

朝から城の中は騒がしい。カナリヤも今日は病院には行かずパーティーの準備をしていた。シャリングはいつもよりは少し清楚な格好をした。

カナリヤは侍女達に連れられどこかへ行ってしまった。部屋で一人ポツンと座っていると誰かが部屋のドアを叩いた。

「はい?」

「あ、私です。マリヤです」

なんでマリヤが?シャリングは疑問に思いつつもドアを開いた。マリヤは浮かない顔をしている。

「あの、今お時間よろしいですか?」

「はい、どうぞ」

シャリングはマリヤにお茶を出した。

「それでどうかしたんですか?」

「それが…今日の朝私のご飯に毒が入り込んでいて…」

「毒?」

「はい、それを口にしてしまったんですけど自分の力で治しました。その毒を盛った犯人が…カナリヤ様かもしれないんです」

震えた声でマリヤは言う。シャリングはマリヤを見た。嘘を言っている。直ぐにそれがわかった。

「なんでカナリヤだと分かるんだ?」

「朝私のご飯を持ってきてくれたのがカナリヤ様なんです」

「そうなんですか…」

「シャリング様も気おつけてください。それをお伝えしようと思いまして…すみません。急にこんな話を…」

マリヤは目をうるっとしていた。

「大丈夫です。教えていただきありがとうございます。私も気おつけます」

シャリングは優しくマリヤに言った。すぐにマリヤは部屋から出ていった。シャリングはマリヤの言っていることが嘘だと分かっているが一応カナリヤに話しておこうと思った。

マリヤと会ってから一時間後カナリヤが部屋に戻ってきた。まだドレスを着ていなかった。

「おかえり、あのささっそく聞くんだけど今日の朝カナリヤマリヤに朝食持っていった?」

「なんで?」

「いや、さっきマリヤが来てさ」

シャリングはマリヤと話したことをカナリヤに話した。カナリヤは表情を変えず無言で話を聞いていた。

話終わるとカナリヤはため息をついた。

「あっそ、勝手に言っときな」

ほぼ無関心のようだ。

「気をつけなよ。今日が一番危険なんだから」

「そんくらい分かってるわよ。そろそろ準備するから。あんたはもう大広間に行っときな。人がたくさん集まってるよ」

そのままカナリヤは出ていった。シャリングもその後続いて部屋を出た。その時何か嫌な予感がした。

部屋を振り返って見渡した。もうここに足を踏み入れることは無いような、そんな感じがした。



大広間に行くとカナリヤの言う通りもうたくさんの人がいた。カナリヤを探したが見当たらず隅っこで待っていることにした。
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