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マリヤの思想
マリヤの思想ー③
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カナリヤと話し終え、国王に皇太子を救った代わりにここに住まわせてもらうことになった。
侍女達に案内され着いたのは広い部屋。元々の自分の部屋よりも何倍も広かった。ここの暮らしも意外と悪くない。
その時マリヤの頭の中にいいことが浮かんだ。
どうせなら国王にもっと気に入られて国民からも聖女と扱われるようになって楽しもうと。
だが、そう簡単にはいかなかった。この国にはもう一人一大事を救った人がいた。カナリヤだった。
カナリヤは国王からの信頼も強いと周りから言われていた。マリヤはそんなカナリヤを邪魔者と判断した。
さっそく、小さい頃からよく知っていた毒を使ってカナリヤに毒を盛ったがそれは失敗した。
何故かカナリヤは倒れなかった。マリヤは悔しくなりもっとカナリヤに近づこうと考えた。そして不意をついたところで追い出そうと。
殺そうとは思わないが、カナリヤを毒で倒れさせ、それを自分が治す。そうすれば国王や皇太子の信頼も得られる。
そう考えていたのだ。
「まずはあのシャリングって子からいこうかな」
一人部屋の中で呟いていた。
しかし、あのシャリングという子ずっとカナリヤにくっついている。どうやって引き離すかが問題だ。
しかもシャリングという奴は相当カナリヤを信頼している。どうやってその間に亀裂をいれるか。
しかし、信頼が強いからこそ裏切られた時の衝撃が凄い。そこを上手く使おう。そう考えた。
コンコン
カナリヤの部屋のドアをノックする音がした。
「いらっしゃい。待っていたわ」
「はい、急に押しかけて申し訳ございません。本当にありがとうございます」
「大丈夫よ」
カナリヤは笑いかけマリヤを安心させた。そして、さっそく調合室へと案内した。
マリヤは調合室を見渡し目を輝かせていた。
「す、凄いですね。これ全部カナリヤ様が集めたものですか?」
「ええ、まあね」
カナリヤは近くにあった棚から瓶を五つほど出した。そして、調理台に並べ皿などを出した。
引き出しからは本を取りだしマリヤに見せた。
「どういう毒を作りたい?」
「うーん、痺れとか頭痛、吐き気とか起こすのがいいな。失神まではいかないけどその直前までいく薬?かな」
「あー、何となくわかったわ。じゃあそれに似たものを作りましょ」
カナリヤはペラペラとページをめくった。マリヤが望んでいる毒に似ているページを開いた。
「じゃあこれにしましょ」
「これですか?へぇ、知初めて聞いた植物ばかりです」
「そう、まあ違う世界から来たのだからね。初めての植物ばかりでしょう。まあ、少しだけ一緒の植物とかもあるでしょうね」
「いや、あまりないと思いますよ」
マリヤが小さく笑いながら言う。
「いやいや、あるでしょう。だから、あなたは毒を作れたのですから」
マリヤはビクッとなりカナリヤを振り返った。カナリヤは動揺することも無く準備をしている。
シャリングもカナリヤの言葉に反応した。今カナリヤは、マリヤがカナリヤに毒を盛ったのだろと言っているようなものだろう。
「な、私がいつ毒を作ったというんですか?」
「え?あ、ごめんなさい。つい…気にしないで」
カナリヤは笑って誤魔化した。
(いや、絶対にわざとだ)
シャリングは細い目でカナリヤを見た。マリヤは焦っていたが、すぐ冷静になっている。
「そうですか」
「さあさあ、始めましょ」
侍女達に案内され着いたのは広い部屋。元々の自分の部屋よりも何倍も広かった。ここの暮らしも意外と悪くない。
その時マリヤの頭の中にいいことが浮かんだ。
どうせなら国王にもっと気に入られて国民からも聖女と扱われるようになって楽しもうと。
だが、そう簡単にはいかなかった。この国にはもう一人一大事を救った人がいた。カナリヤだった。
カナリヤは国王からの信頼も強いと周りから言われていた。マリヤはそんなカナリヤを邪魔者と判断した。
さっそく、小さい頃からよく知っていた毒を使ってカナリヤに毒を盛ったがそれは失敗した。
何故かカナリヤは倒れなかった。マリヤは悔しくなりもっとカナリヤに近づこうと考えた。そして不意をついたところで追い出そうと。
殺そうとは思わないが、カナリヤを毒で倒れさせ、それを自分が治す。そうすれば国王や皇太子の信頼も得られる。
そう考えていたのだ。
「まずはあのシャリングって子からいこうかな」
一人部屋の中で呟いていた。
しかし、あのシャリングという子ずっとカナリヤにくっついている。どうやって引き離すかが問題だ。
しかもシャリングという奴は相当カナリヤを信頼している。どうやってその間に亀裂をいれるか。
しかし、信頼が強いからこそ裏切られた時の衝撃が凄い。そこを上手く使おう。そう考えた。
コンコン
カナリヤの部屋のドアをノックする音がした。
「いらっしゃい。待っていたわ」
「はい、急に押しかけて申し訳ございません。本当にありがとうございます」
「大丈夫よ」
カナリヤは笑いかけマリヤを安心させた。そして、さっそく調合室へと案内した。
マリヤは調合室を見渡し目を輝かせていた。
「す、凄いですね。これ全部カナリヤ様が集めたものですか?」
「ええ、まあね」
カナリヤは近くにあった棚から瓶を五つほど出した。そして、調理台に並べ皿などを出した。
引き出しからは本を取りだしマリヤに見せた。
「どういう毒を作りたい?」
「うーん、痺れとか頭痛、吐き気とか起こすのがいいな。失神まではいかないけどその直前までいく薬?かな」
「あー、何となくわかったわ。じゃあそれに似たものを作りましょ」
カナリヤはペラペラとページをめくった。マリヤが望んでいる毒に似ているページを開いた。
「じゃあこれにしましょ」
「これですか?へぇ、知初めて聞いた植物ばかりです」
「そう、まあ違う世界から来たのだからね。初めての植物ばかりでしょう。まあ、少しだけ一緒の植物とかもあるでしょうね」
「いや、あまりないと思いますよ」
マリヤが小さく笑いながら言う。
「いやいや、あるでしょう。だから、あなたは毒を作れたのですから」
マリヤはビクッとなりカナリヤを振り返った。カナリヤは動揺することも無く準備をしている。
シャリングもカナリヤの言葉に反応した。今カナリヤは、マリヤがカナリヤに毒を盛ったのだろと言っているようなものだろう。
「な、私がいつ毒を作ったというんですか?」
「え?あ、ごめんなさい。つい…気にしないで」
カナリヤは笑って誤魔化した。
(いや、絶対にわざとだ)
シャリングは細い目でカナリヤを見た。マリヤは焦っていたが、すぐ冷静になっている。
「そうですか」
「さあさあ、始めましょ」
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