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異世界少女
異世界少女ー⑤
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「失礼します」
そこにはベッドに座る皇太子とその横の椅子に座っている少女がいた。
「お目覚めのようですね」
「ああ、この子のおかげでな」
「は、初めまして…篠江マリヤです」
「どうも」
ペコッと頭を下げた。どうやら魔法を使えるのは本当のようだ。
「マリヤはな、魔法が使えるようなんだ。俺の病気もすぐに治ったんだ」
「それは良かったです」
「マリヤは異世界から来たようなんだ。だから色々と教えてあげてくれ」
「はい、分からないことがあればなんでも聞いてください」
にこやかに言った。
(ったくなんで私が、って思ってるだろうな)
シャリングはチラとカナリヤを見た。手がピクピクしている。
(相当キレてるな)
見た目は喜んでいるが確かにキレている様子だ。
「それでは私はやることがあるので」
「ああ」
廊下を歩いている時は何もカナリヤは発さなかった。
そして部屋に入った途端目の色が変わった。
「ったくなんで私が。めんどくせぇな。これ始めたのは私だけどよ」
愚痴を言い出した。これ言っているのバレたら相当ヤバいな。シャリングはもうカナリヤの愚痴を聞くのに慣れた。
カナリヤの本性を知ってから毎日のようにカナリヤは愚痴を吐くもんで聞き飽きたくらいだ。それほど不満が溜まっているのだろう。
「あのマリヤって子魔法使えるんだな」
「そうよ、今だけね」
「え?今だけ?どういう意味だ?」
「そのまんまの意味よ」
カナリヤは調合室へ向かった。今日余った毒を棚に閉まっておいた。他にも作って余ったものが置いてあるがほとんど使っていない。
使い道がない。だからこれからこの毒たちを混ぜたらどうなるのか実験をしようと考えていた。
実験体は動物などがいいがあまりにも可哀想なのでいつも自分で試している。たまに危険なものを食べたり飲んだりして倒れることもある。
しかしもうそれに慣れた。別に自分の体はどうなってもいい。だからそこまで気にしない。
引き出しから皿を取りだし本を開いて一つずつの毒の作用について一通り目を通しておいた。
「さあ、やるか」
カナリヤが調合室でなにかしているのを見てシャリングはお茶を入れた。
「ほら飲めよ」
「何?毒を飲めと?」
「毒じゃないよ。俺が飲んでやろうか?」
「結構よ」
カナリヤはグビっと一気飲みした。
「あんたは休んでていいよ。私はやる事あるから」
「いや、俺はお前の付き人だ。君が寝るまで俺はそばに居るんだよ」
「気持ち悪」
ボソッと吐いた。シャリングの心臓にその言葉が刺さった。
「それとも何?あなたを実験体として使っていいの?」
不気味に笑いながらカナリヤが毒の入った瓶をシャリングの目の前で揺らした。
「危険じゃなきゃやってあげてもいいぞ」
「危険に決まってるでしょ」
「じゃあやだね」
「じゃあさようなら」
カナリヤとシャリングの会話はそれで尽きた。カナリヤは目を鋭くしながら毒を見つめ混ぜている。
毒って混ぜていいのか?混ぜたらどうなるんだ?疑問が浮き上がり遠くからカナリヤを見ていた。
するとカナリヤがいじっていた鍋から煙が立ちボンッとカナリヤの目の前で破裂した。
「ゴホッゴホッ」
「だ、大丈夫か?」
「大丈夫よ。気にしないで」
心配するシャリングを突き放しまた実験を始めた。
シャリングは溜息をつき見守ることにした。するとカナリヤが鍋で作った毒を飲もうとしている。
「ちょ、ちょっと何してんだよ」
「何って見た通りよ」
「それ毒なんだろ?危ないじゃないか」
「別に大丈夫でしょ」
「死ぬかもしれないんだぞ?」
「そんなのやって見なきゃ分からないじゃない。分からないからこそ飲むのよ」
カナリヤはシャリングの手を振りほどき毒を飲んだ。シャリングは口を開けたままその場で立ち尽くしている。
カナリヤはのみ終わったあとフーと息を吐いた。それから何も発さないで無言でその毒を瓶に詰めしまった。
ほかの毒たちも使い切って空の瓶はそのまま置きまだ残っているものは棚にしまった。
「おい、大丈夫なのか?」
そこにはベッドに座る皇太子とその横の椅子に座っている少女がいた。
「お目覚めのようですね」
「ああ、この子のおかげでな」
「は、初めまして…篠江マリヤです」
「どうも」
ペコッと頭を下げた。どうやら魔法を使えるのは本当のようだ。
「マリヤはな、魔法が使えるようなんだ。俺の病気もすぐに治ったんだ」
「それは良かったです」
「マリヤは異世界から来たようなんだ。だから色々と教えてあげてくれ」
「はい、分からないことがあればなんでも聞いてください」
にこやかに言った。
(ったくなんで私が、って思ってるだろうな)
シャリングはチラとカナリヤを見た。手がピクピクしている。
(相当キレてるな)
見た目は喜んでいるが確かにキレている様子だ。
「それでは私はやることがあるので」
「ああ」
廊下を歩いている時は何もカナリヤは発さなかった。
そして部屋に入った途端目の色が変わった。
「ったくなんで私が。めんどくせぇな。これ始めたのは私だけどよ」
愚痴を言い出した。これ言っているのバレたら相当ヤバいな。シャリングはもうカナリヤの愚痴を聞くのに慣れた。
カナリヤの本性を知ってから毎日のようにカナリヤは愚痴を吐くもんで聞き飽きたくらいだ。それほど不満が溜まっているのだろう。
「あのマリヤって子魔法使えるんだな」
「そうよ、今だけね」
「え?今だけ?どういう意味だ?」
「そのまんまの意味よ」
カナリヤは調合室へ向かった。今日余った毒を棚に閉まっておいた。他にも作って余ったものが置いてあるがほとんど使っていない。
使い道がない。だからこれからこの毒たちを混ぜたらどうなるのか実験をしようと考えていた。
実験体は動物などがいいがあまりにも可哀想なのでいつも自分で試している。たまに危険なものを食べたり飲んだりして倒れることもある。
しかしもうそれに慣れた。別に自分の体はどうなってもいい。だからそこまで気にしない。
引き出しから皿を取りだし本を開いて一つずつの毒の作用について一通り目を通しておいた。
「さあ、やるか」
カナリヤが調合室でなにかしているのを見てシャリングはお茶を入れた。
「ほら飲めよ」
「何?毒を飲めと?」
「毒じゃないよ。俺が飲んでやろうか?」
「結構よ」
カナリヤはグビっと一気飲みした。
「あんたは休んでていいよ。私はやる事あるから」
「いや、俺はお前の付き人だ。君が寝るまで俺はそばに居るんだよ」
「気持ち悪」
ボソッと吐いた。シャリングの心臓にその言葉が刺さった。
「それとも何?あなたを実験体として使っていいの?」
不気味に笑いながらカナリヤが毒の入った瓶をシャリングの目の前で揺らした。
「危険じゃなきゃやってあげてもいいぞ」
「危険に決まってるでしょ」
「じゃあやだね」
「じゃあさようなら」
カナリヤとシャリングの会話はそれで尽きた。カナリヤは目を鋭くしながら毒を見つめ混ぜている。
毒って混ぜていいのか?混ぜたらどうなるんだ?疑問が浮き上がり遠くからカナリヤを見ていた。
するとカナリヤがいじっていた鍋から煙が立ちボンッとカナリヤの目の前で破裂した。
「ゴホッゴホッ」
「だ、大丈夫か?」
「大丈夫よ。気にしないで」
心配するシャリングを突き放しまた実験を始めた。
シャリングは溜息をつき見守ることにした。するとカナリヤが鍋で作った毒を飲もうとしている。
「ちょ、ちょっと何してんだよ」
「何って見た通りよ」
「それ毒なんだろ?危ないじゃないか」
「別に大丈夫でしょ」
「死ぬかもしれないんだぞ?」
「そんなのやって見なきゃ分からないじゃない。分からないからこそ飲むのよ」
カナリヤはシャリングの手を振りほどき毒を飲んだ。シャリングは口を開けたままその場で立ち尽くしている。
カナリヤはのみ終わったあとフーと息を吐いた。それから何も発さないで無言でその毒を瓶に詰めしまった。
ほかの毒たちも使い切って空の瓶はそのまま置きまだ残っているものは棚にしまった。
「おい、大丈夫なのか?」
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