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やってきた薬師

やってきた薬師ー④

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するとドアを叩く音がした。思い切り目を開け、ヤバイと思いすぐ笑顔を作った。


「どうぞ」


「失礼します」


入ってきたのはカナリヤと同年代くらいの男の子だった。すぐにこの子が付き人だと言うことがわかった。カナリヤは席を立ち


「あなたが私の付き人になる人?」


「はい。シャリング・ハルバリストです。よろしくお願いします」


「そんな畏まらなくていいわよ。あなた何歳?」


優しい声で言った。それで安心感を持たせるのだ。


「十五です」


カナリヤと同い年。よくすぐに見つけられたなと一瞬疑った。王はカナリヤが同い年を頼むと予想して元から用意していたのか。

 そうだとしたら結構頭の切れる人だ。簡単に油断させられると思ったが意外と難しい。カナリヤが何か考えている顔をしているのを見たシャリングは

「どうかしましたか?やはり私ではなく違うかたの方がよろしかったですか?」

「いえいえ、あなたが来てくださりとても嬉しいです。やっと話し相手ができました」

笑いかけるとシャリングはホットしたようで胸を手で抑えて力を抜いていた。

「ごめんね、急に来てもらって」

「いえいえ、大丈夫です」

「それじゃあ何かお話しましょうよ。こちらへどうぞ」

カナリヤに導かれシャリングはソファに座った。カナリヤは棚から茶葉を取りだしお湯を入れ注いだ。

「どうぞ。これ体にいいので」

「あ、ありがとうございます」

「礼儀がいいですね。それじゃあ早速質問なんですけど植物とかに興味はありますか?」

まずはシャリングがどういう人物なのか調べようと思った。

「正直あまり……今までそんなに植物と触れ合わなかったので。ずっと家にひきこもっていたので」

「それはまたどうして?」

「小さい頃からあまり人が好きではなくて。怖いんです。人間は外見はいい人でも中身はとんでもない人が多いですし」

シャリングは俯きながら話した。

(へぇ、そうか。じゃあこいつは私はこうやっていい人そうに振舞っているが私の裏を知った時どう反応するだろうか)

考えるとなにか面白くなってきた。人の不幸を考えて笑うなんて失礼だがどうしても笑いが抑えきれなくなり

「フフ」

笑ってしまった。シャリングほ驚いたような顔でカナリヤを見た。カナリヤは笑いをとめシャリングを見た。

「じゃあ質問ね。もし私の裏がとんでもない人だったらどうする?それを受け入れられる?」

「え?」

戸惑っている様子だった。そりゃあそうだろう。急にそんな質問されて戸惑わない方がおかしい。

シャリングは一度考えた。そして顔を上げ真優しい目ででカナリヤを見た。

「まず、僕はあなたがとんでもない人だとは思いませんね」

意外な回答にカナリヤは驚いた。今までそう答えた人はいない。

(この子面白いわ)

「あら、分からないわよ?それでこそ人間なのだから。そう思ってて結局あとから後悔するのは自分なのよ?それでも私を信じる?」

これは試験のようなもの。シャリングがカナリヤに仕えるための心構え。そうカナリヤは思っている。

「はい、信じます」

「どうしてそこまで私を信じようと思うの?」

「最初にあなたを見た時なにか悲しそうだったんです。いつも笑っているけど、僕には本当に笑っているようには見えませんでした。いわゆる、あなたは作り笑いをしてるんですよね?そんなあなたを見て僕、守りたいと思ったんです。何故だか分かりませんが。あなたなら信じれると思ったんです」

真剣な表情で真面目な話をされた。カナリヤは目をパチクリさせてシャリングを見た。

嘘を言っているようには見えなかった。
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