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やってきた薬師
やってきた薬師ー③
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「お忙しい中申し訳ございません」
「いやいや、お勤めご苦労だった。それで何か用か?」
「はい。お願いがありまして、私の付き人を同年代の男の子にして貰えないでしょうか?」
「それはまたどうして?」
「私は小さい頃から薬草などで実験をするのが好きでした。それに友達と話すのも好きです。友達とあれこれ話ながら実験し新しい発見をすると友達を喜びあいます。ですが、大人の付き人ですと価値観が違いすぎてお話もあまりしません。ですので、同い年の男の子でしたら一緒に楽しくできるのではないかと思いまして。決して今の付き人が嫌いだと言うわけではありませんので、どうか誤解はしないで頂きたいです」
事前に考えておいてよかった。必ず王は何故かと聞いてくる。そのために城へ行く馬車の中でずっと考えていた。
しかし、皇太子がいることには一瞬驚いた。今まであまり見たことがなかったが綺麗な顔立ちをしていた。薄い青色の髪に真っ黒の瞳。
王にそっくりだった。しかしカナリヤは皇太子に興味がない。すぐ目を逸らし王を見た。
「そうか…確かに同年代の子がいた方が良いな。すまない。私の考えが浅かった。それでは近々付き人を変えよう」
「ありがとうございます」
少し微笑みながら王にお礼を言った。すると皇太子がカナリヤを睨みながら
「付き人が大人なのが嫌だから同年代したいんだろ?だったら今の付き人が嫌ってことではないか」
めんどくさいことを言い出した。カナリヤは怒りを抑えプルプルした手を堪えながら
「そうですね。確かにそう聞こえてしまいます。申し訳ございません」
深く頭を下げた。
(めんどくさいことを言わないでよ。厄介だな)
表に出している言葉と裏で考えている事が真逆。そりゃ、本心を打ち明けたら一瞬で終わる。だからここは我慢我慢。
「まあ良いでは無いか。要件はそれだけか?」
「はい」
「そうか、それでは私は仕事があるのでこれで」
「貴重なお時間ありがとうございました」
二人を送ったあと部屋に戻った。そこには付き人がいなかった。もう交換しているのか。意外と準備が早いな。
一人だと気づいた瞬間カナリヤのさっきまでの笑顔は消えていた。
「ったく、あの皇太子めんどくさいな。これからあいつが一番厄介になってくる。どうしようか…」
ジャスミン茶を飲みながら考えていた。ジャスミン茶は心を安らげる。不眠や目覚めの効果もある。
体にいいお茶だ。
カナリヤはベッドの下から本を取りだした。これはある人から貰ったものである。
そこに書かれているのはみながあまり知らないことばかり。一つ一つの植物の紹介。毒の作り方。不思議な薬草。病原体の作り方。
いわゆる図鑑みたいなものだ。
手に取り本を開いていった。カナリヤが見ていたのは毒。毒と言っても死なない毒もある。
カナリヤは毒が好きだった。何か惹き付けられるのだ。
毒について読んでいるとあるページに目がいった。
(見た目で判断してはいけない。見た目が良いからといって触るとそのほとんどが毒を持っている。人もそうだ。表ではいい子だとしてもその裏は誰も知らない。知った時、みな離れていくからだ。だからこそ、人や動物は本当の姿を隠す)
その通りだ。今カナリヤはその状態である。
「ふん、これ誰が書いたんだ」
机にバンっと置き溜息をついた。天井を見上げて目をつぶった。
「いやいや、お勤めご苦労だった。それで何か用か?」
「はい。お願いがありまして、私の付き人を同年代の男の子にして貰えないでしょうか?」
「それはまたどうして?」
「私は小さい頃から薬草などで実験をするのが好きでした。それに友達と話すのも好きです。友達とあれこれ話ながら実験し新しい発見をすると友達を喜びあいます。ですが、大人の付き人ですと価値観が違いすぎてお話もあまりしません。ですので、同い年の男の子でしたら一緒に楽しくできるのではないかと思いまして。決して今の付き人が嫌いだと言うわけではありませんので、どうか誤解はしないで頂きたいです」
事前に考えておいてよかった。必ず王は何故かと聞いてくる。そのために城へ行く馬車の中でずっと考えていた。
しかし、皇太子がいることには一瞬驚いた。今まであまり見たことがなかったが綺麗な顔立ちをしていた。薄い青色の髪に真っ黒の瞳。
王にそっくりだった。しかしカナリヤは皇太子に興味がない。すぐ目を逸らし王を見た。
「そうか…確かに同年代の子がいた方が良いな。すまない。私の考えが浅かった。それでは近々付き人を変えよう」
「ありがとうございます」
少し微笑みながら王にお礼を言った。すると皇太子がカナリヤを睨みながら
「付き人が大人なのが嫌だから同年代したいんだろ?だったら今の付き人が嫌ってことではないか」
めんどくさいことを言い出した。カナリヤは怒りを抑えプルプルした手を堪えながら
「そうですね。確かにそう聞こえてしまいます。申し訳ございません」
深く頭を下げた。
(めんどくさいことを言わないでよ。厄介だな)
表に出している言葉と裏で考えている事が真逆。そりゃ、本心を打ち明けたら一瞬で終わる。だからここは我慢我慢。
「まあ良いでは無いか。要件はそれだけか?」
「はい」
「そうか、それでは私は仕事があるのでこれで」
「貴重なお時間ありがとうございました」
二人を送ったあと部屋に戻った。そこには付き人がいなかった。もう交換しているのか。意外と準備が早いな。
一人だと気づいた瞬間カナリヤのさっきまでの笑顔は消えていた。
「ったく、あの皇太子めんどくさいな。これからあいつが一番厄介になってくる。どうしようか…」
ジャスミン茶を飲みながら考えていた。ジャスミン茶は心を安らげる。不眠や目覚めの効果もある。
体にいいお茶だ。
カナリヤはベッドの下から本を取りだした。これはある人から貰ったものである。
そこに書かれているのはみながあまり知らないことばかり。一つ一つの植物の紹介。毒の作り方。不思議な薬草。病原体の作り方。
いわゆる図鑑みたいなものだ。
手に取り本を開いていった。カナリヤが見ていたのは毒。毒と言っても死なない毒もある。
カナリヤは毒が好きだった。何か惹き付けられるのだ。
毒について読んでいるとあるページに目がいった。
(見た目で判断してはいけない。見た目が良いからといって触るとそのほとんどが毒を持っている。人もそうだ。表ではいい子だとしてもその裏は誰も知らない。知った時、みな離れていくからだ。だからこそ、人や動物は本当の姿を隠す)
その通りだ。今カナリヤはその状態である。
「ふん、これ誰が書いたんだ」
机にバンっと置き溜息をついた。天井を見上げて目をつぶった。
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