920 / 1,360
革命編 四章:意思を継ぐ者
世界の破壊者
しおりを挟むアルトリアとリエスティアを内包する影を追っていたエリクとパールは、その場に現れたウォーリスによって阻まれる。
そしてフォウル国に居るドワーフ族の技術を得た新たな大剣と防具を得たエリクは、到達者《エンドレス》であるウォーリスに対して互角以上の攻防を繰り広げていた。
「――……ッ!!」
「フッ!!」
エリクは背負う鞘の付与術の助力を得て、『神兵』ランヴァルディアが用いていた生命力での飛行を行う。
その速さは尋常な速度ではなく、瞬く間に距離を詰めながら上段からウォーリスへ斬り掛かった。
しかしウォーリスは振り下ろされる黒い大剣の刃を右側へ回避し、身体を捻りながらエリクに左足の蹴りを放つ。
左腹部を狙ったウォーリスの蹴りに対して、すぐにエリクは柄を握る左手を離しながら拳を握る。
そして相手《ウォーリス》の蹴りを左拳を放つ事で迎撃し、その場に凄まじい衝撃が響き渡った。
「……なにっ!?」
「ウォオッ!!」
互いの放った攻撃の結果、ウォーリスの表情が歪みながら左足から膝が不自然に曲がりながら血を溢れさせる。
逆にエリクは唸り声を放ちながら左拳を突き出し、ウォーリスの身体を弾き飛ばすと同時に、右手に持つ大剣に生命力を流し込んだ。
そして突き飛ばしたウォーリスに対して、エリクは容赦無く巨大な気力斬撃を放つ。
先程とは違い僅か二メートルの至近で放たれるエリクの気力斬撃は、ウォーリスを迫る白い極光で飲み込まれた。
「馬鹿な――……うぉああっ!!」
ウォーリスは信じ難い様相を見せながら叫び、飲み込んだ気力斬撃に抗うように自身を覆う生命力を纏わせ放つ。
そして互いの生命力が衝突し合いながら、夜空で白く染まった極光と衝撃波が広まった。
その極光が晴れた後、再び暗闇に沈んだ夜空に戻る。
黒い外套で身体を包みながら身を守るエリクは、左手で覆う外套の裾を払いながら前方を見る。
その視線の先には、身に纏う服が多く破れているウォーリスが浮かんでいた。
「……!」
そのウォーリスの姿を見て、エリクは目を見開く。
ウォーリスの地肌には夥しい程の傷が浮き彫りになっており、その大小様々な傷が全身に及んでいる。
自分の身体にも在る傷を超える数は、ウォーリスの生い立ちが自分以上に過酷な光景である事を想起させた。
一方でウォーリス側も両腕を降ろし、顔を見せながらエリクを睨む。
その表情は憤怒に染まり、傷を負った左足を修復しながら憎々しい声を漏らしていた。
「……何故だ。例えドワーフの武具を持っているとはいえ、この短期間でこれ程の実力を……。……王国に居た時には、たかが魔人モドキだったにも関わらず……ッ」
ウォーリスはそうした言葉を漏らし、格下に見ていたエリクが異常な成長を遂げている事に憤怒する。
そしてエリク側でも、以前に見たウォーリスと現在の様子に違和感を覚えていた。
「……奴から、前のような悪寒を感じない。……俺が強くなったのか? それとも……」
エリクは王国時代に見たウォーリスと、今現在のウォーリスから感じる威圧感が異なる事を察する。
その違和感に疑問に思いながらも、再び大剣を構えながらウォーリスと対峙した。
すると、睨んでいたウォーリスに僅かな変化が見られる。
それは表情だけながらも、エリクに影響を受けた変化ではなかった。
「なんだ? ――……奴は危険だ、私がここで殺す。……私の命令に逆らう気か? ウォーリス!」
「……?」
ウォーリスは怒鳴るような声を発しながらも、それは対峙する相手に向けた言葉ではない。
視線を下に下げながら自分自身に対して怒鳴り向けるウォーリスの様子に、エリクは疑問の表情を深めた。
そうして怒鳴っていたウォーリスだったが、表情を強張らせた後に渋い表情を晒す。
すると怒鳴り声を止め、渋々な様子で溜息を漏らしながら呟いた。
「……分かった。だがそうなったら、奴を確実に殺せ。いいな? ――……ならば、変わるぞ」
「……!?」
そう呟いた後、ウォーリスは顔が影に隠れながら項垂れる。
そして一秒にも満たぬ間に、エリクはウォーリスに及んだ異変に気付いた。
それは、先程までのウォーリスとは比べ物にならない程の殺気と悪寒の気配。
それを感じ取ったエリクは、以前に同様にウォーリスに最大の警戒心を抱きながら向かき合った。
すると次の瞬間、頭を伏せていたウォーリスが顔を上げる。
その表情は先程のような憤怒や動揺に染まったモノではなく、まるで感情が抜け落ちたような酷く冷たい表情だった。
「……これは……ッ!?」
「――……黒獣傭兵団、団長エリク。久し振りだな」
「!?」
「お前とは一度、二人で話を出来る機会があればと思っていた」
「……お前は、誰だ……!?」
今現在のウォーリスは、感情の無い冷たさを表情に見せながら親しく話し掛けて来る。
しかし相反するような殺気と悪寒を感じさせるウォーリスの変わり様に、思わずエリクは先程の相手と同一人物かを疑った。
その漏れ出た疑問に対して、ウォーリスは冷徹な微笑みを見せながら答える。
「私はウォーリス。……お前が先程まで戦っていたのは、私の父親であり、師であり、先祖でもあるゲルガルドだ」
「……!?」
「私の肉体には、二つの魂が在る。一つは私自身。そしてもう一つがゲルガルド。二つの魂が共存し、私の肉体を共有している。……お前達のようにな。エリク、そして鬼神フォウル」
「!!」
ウォーリスはそう告げ、エリクに驚愕の表情を晒させる。
その言葉で鬼神フォウルの魂を宿す自分自身の状況と、目の前に居るウォーリスの状況が重なる事を察した。
そして一様に驚くエリクを見据えながら、ウォーリスは新たな言葉を告げて行く。
「御互いに到達者の魂を持つとは、難儀な宿命を背負ったものだ。……その点に関して、お前と私は世界の犠牲者と言ってもいい」
「……世界の、犠牲者だと?」
「この世界において、魂を循環させる機構。お前は知っているか?」
「……輪廻。死者の世界のことか?」
「そうだ。輪廻と呼ばれる機構が不完全なばかりに、我々は要らぬ魂を背負う破目になっている。……私の娘リエスティアも、そしてお前と共に行動していたアルトリア嬢も、この不完全なシステムによってこの世界に生み出された犠牲者だ」
「!」
「私の娘は『黒』として生まれ、『創造神』の肉体などという理不尽な存在の肉体を管理する役目を押し付けられた。そしてアルトリア嬢も、『創造神』の転生した魂として様々な可能性と運命を背負わされている。……お前は、そんな彼女達を不幸だとは思わないか?」
「……不幸……?」
「本来ならば、彼女達はそんな運命を背負わずに済んだ。ただ少女らしく過ごし、年相応の遊びを覚えて友人を増やし、いつか親に見守れながら幸せで穏やかな生活を送れる。……彼女達には、そんな未来もあったはずなんだ」
「……」
「だが、この不完全な世界がそれを許さなかった。彼女達に『創造神』などと関わる宿命を背負わせ、数多の人間達がその影響で自由を縛られ続ける世界を作り上げた。――……私はこの不完全で歪な世界が在り続ける事が、我慢ならない」
「!」
そうした言葉を発するウォーリスは、冷酷な表情ながらも両拳を握り締める。
その憤りが殺気に混じりながら伝わるエリクは、ウォーリスの述べる言葉が彼自身が考える真実なのだと理解できた。
しかしウォーリスは、次にエリクが想像もしない行動に出る。
それは彼自身が右手の平を晒しながら、エリクの方へ伸ばし向ける様子と言葉だった。
「エリク、お前もこの世界を見て回ったのだろう? ……ならば、お前にも理解できたはずだ。この歪な世界が、どれだけ醜悪かモノを作り出して来たのかを」
「……」
「国に仕える者達は自己の利益しか追及せず、そんな国に居る民は自分達の事しか考えられぬような生活を強いられる。そして自分以外の他者や他の生物を犯しながら排除し蔑ろにしながら、数多の犠牲ばかりを生み出して来た。……お前も身に宿す鬼神の魂が原因で、様々な苦難に巻き込まれたはずだ」
「……ッ」
「お前と同じように、私もゲルガルドの魂を持つが故に、様々な苦難を強いられた。……自分の娘が『黒』だった為にゲルガルドが欲望を広げ、その影響で母親は利用されながら死ぬ道を辿り、今は無関係な者達すらも巻き込んで多くの犠牲を強いている。……私はそんな事を起こすゲルガルドも、そしてそんな出来事を許容している私自身にも、酷く絶望している」
「……自分自身に、絶望……」
「私は、私という存在すらも許せない。そして歪んだ世界の在り方も許せない。……だからこそ、私はこの『世界』を滅ぼす事を決めた」
「!?」
「この世界を滅ぼし、縛られるばかりの歪な世界を再構成する。その為には、この世界を管理する為の鍵であるアルトリア嬢の『魂』と、リエスティアの『肉体』が必要だった。……過酷な運命を背負った彼女達を利用せざるを得ない自分の無力ささえ、実に腹立たしい事だ」
「……ッ」
「だがこれが終われば、この『世界』は生まれ変わる。歪な縛りを解き放ち、歪な『生』と『死』の循環を取り除き、ただ在りのまま生命が生きながら過ごせる永遠の世界に。……エリク。お前にもその世界を創る事に、協力してほしい」
「!!」
ウォーリスは差し伸べた手を見せながら、エリクに対して自身の目的に協力するよう伝える。
その言葉は真に迫るモノがあり、ウォーリスは同じ境遇にあるエリクを仲間として迎え入れようとした。
それに対して、エリクは構える姿勢を解きながら右手に持つ大剣を降ろす。
ウォーリスはその様子に口元を微笑ませたが、それから放たれるエリクの言葉を聞いた。
「――……お前は、勘違いをしている」
「……なに?」
「俺は、自分の事を不幸だなどと考えた事はない。……そしてアリアもきっと、自分を不幸だと考えてはいない」
「……!」
「お前の言っている事は、少しだけ理解できる。……だがきっと、お前が言うほどにこの世界は歪んでもいないし、不幸な人間ばかりじゃない」
「……どうして、そう言い切れる?」
冷徹な表情に戻るウォーリスは、差し伸べた手を下げながらエリクに問い掛ける。
それに対するエリクの答えは、今までアリアと共に旅をして得た経験を元に話した。
「確かに、この世界には苦しくて辛い事ばかりが溢れている。……それでも、その苦しさの中で、必死に生きようとする者達もいる」
「……」
「永遠など無い者達が、短い生涯の中で苦しくも必死に生きようとしていた。……そして希望を掴んだ者達は、笑いながら幸せな顔をしていた」
「……ッ」
「俺はそういう者達を、羨ましく思う。……そして俺自身も、そうなりたいと思っている」
「……それが歪で、醜悪だと言っている。自分の欲しか考えない者の笑みなど、悍ましいだけだ」
「確かに、そういう笑みもあるのだろう。……だが俺には、そんな世界でも生きて笑って欲しいと思える者がいる」
「……ッ」
「俺は、そう思えるようになった自分が嬉しい。……きっとそれが、俺が苦しみながらも掴んだ、生きる為の希望なんだ」
エリクはそう言いながら、真っ直ぐとした黒い瞳でウォーリスを見返す。
その力強い視線を睨むウォーリスに対して、エリクは改めて伝えた。
「俺はお前のように、今を生きる者達を否定してまで、この世界を壊したいとは思わない」
「……エリク。私と似た境遇のお前となら、良き理解者に……友人になれると思っていた。……だが、やはり『敵』になるしかないのか」
「ああ。俺はお前の、『敵』でいい」
「そうか。――……傭兵エリク。お前は今ここで、『敵』と始末する」
「……ッ!!」
互いに『敵』と認め合った瞬間、二人は身体に纏う生命力の波動を強める。
しかしウォーリスの肉体はエリクと違い、黒い瘴気を纏いながらその姿を変容させていった。
それを見たエリクは変容を待たず、両手で握った大剣を上に掲げながら生命力を流し込む。
更に大剣内部に蓄えた魔力と混ぜ合わせ、生命力と赤い魔力を混合させた斬撃をウォーリスに放った。
十数メートル程の距離に居るウォーリスは、その斬撃に飲まれる。
しかし次の瞬間、放った斬撃が弾けるように周囲へ飛び散った。
そこから姿を見せたのは、異質となったウォーリス。
その様相は額に一本の黒い角を生やし、肌の色はそのままに背には黒い四枚も生やす、悪魔化した姿だった。
「……!」
「――……お前に見せてやろう。希望を摘み取る、『絶望』の光景を」
「!」
ウォーリスはそう述べた後、エリクの前方から一瞬だけ消える。
しかしエリクは大剣を振るいながら前方に叩き付けた瞬間、目の前に迫っていたウォーリスの掲げる左腕に受け止められた。
黒く染まったウォーリスの腕は、エリクの大剣に切断されずに砕かれもしていない。
それどころか微動だにしないウォーリスの放つ気配に、エリクは凄まじい悪寒を感じさせた。
「グ……ッ!!」
左腕で防いだウォーリスは大剣を払い除け、右腕を動かしエリクの胴体部分に右手を付ける。
弾かれた両手と大剣を戻そうとしたエリクだったが、それより早くウォーリスは右手の平から凄まじい瘴気を放った。
「……死ね」
「!!」
そしてエリクの迎撃は間に合わず、圧縮された瘴気がエリクの胴体に放たれる。
その勢いと速度はエリクをそのまま上空から突き落とし、地面へ削りながら彼方へと吹き飛ばした。
ウォーリスはその光景を見据えながら、更に右手で瘴気と魔力を混合させた黒い光球を幾つも放つ。
その速さは地面を削りながら吹き飛ぶエリクに追い付き、凄まじい轟音を鳴らしながら地面を抉るように爆発させた。
追撃を緩めないウォーリスは、それから数十を超える黒い光球をエリクに向けて放ち続ける。
その精度は寸分違わずにエリクが居る場所に直撃を浴びさせ、その一帯を跡形も無く消滅させた。
それから左手を降ろすウォーリスは、黒い眼球と金色に染まった瞳を見せながら着弾地点を見る。
そこにエリクの姿が微塵も無い事を確認すると、小さな溜息を漏らしながら呟いた。
「……エリクは死んだ。それに、アルトリア嬢とリエスティアも確保できた。これで目的は果たせる。……例え奴が生きていたとしても、私の相手にはならない。……それに奴は、私達の拠点を知らない。計画に邪魔が入る事は無いだろう」
ウォーリスは肉体を共有しているゲルガルドにそう言い、それ以上は何も言わずに暗闇に紛れながら姿を消す。
その時の表情は微妙な面持ちを見せ、自分を理解できる存在を失った寂しさを漂わせていた。
こうしてエリクとウォーリスの戦いは、激しくも静かに終える。
悪魔化したウォーリスに対して反撃すら許されなかったエリクは、暗雲とした暗闇の中に消えていた。
0
お気に入りに追加
381
あなたにおすすめの小説
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
【12/29にて公開終了】愛するつもりなぞないんでしょうから
真朱
恋愛
この国の姫は公爵令息と婚約していたが、隣国との和睦のため、一転して隣国の王子の許へ嫁ぐことになった。余計ないざこざを防ぐべく、姫の元婚約者の公爵令息は王命でさくっと婚姻させられることになり、その相手として白羽の矢が立ったのは辺境伯家の二女・ディアナだった。「可憐な姫の後が、脳筋な辺境伯んとこの娘って、公爵令息かわいそうに…。これはあれでしょ?『お前を愛するつもりはない!』ってやつでしょ?」
期待も遠慮も捨ててる新妻ディアナと、好青年の仮面をひっ剥がされていく旦那様ラキルスの、『明日はどっちだ』な夫婦のお話。
※なんちゃって異世界です。なんでもあり、ご都合主義をご容赦ください。
※新婚夫婦のお話ですが色っぽさゼロです。Rは物騒な方です。
※ざまあのお話ではありません。軽い読み物とご理解いただけると幸いです。
※コミカライズにより12/29にて公開を終了させていただきます。
アホ王子が王宮の中心で婚約破棄を叫ぶ! ~もう取り消しできませんよ?断罪させて頂きます!!
アキヨシ
ファンタジー
貴族学院の卒業パーティが開かれた王宮の大広間に、今、第二王子の大声が響いた。
「マリアージェ・レネ=リズボーン! 性悪なおまえとの婚約をこの場で破棄する!」
王子の傍らには小動物系の可愛らしい男爵令嬢が纏わりついていた。……なんてテンプレ。
背後に控える愚か者どもと合わせて『四馬鹿次男ズwithビッチ』が、意気揚々と筆頭公爵家令嬢たるわたしを断罪するという。
受け立ってやろうじゃない。すべては予定調和の茶番劇。断罪返しだ!
そしてこの舞台裏では、王位簒奪を企てた派閥の粛清の嵐が吹き荒れていた!
すべての真相を知ったと思ったら……えっ、お兄様、なんでそんなに近いかな!?
※設定はゆるいです。暖かい目でお読みください。
※主人公の心の声は罵詈雑言、口が悪いです。気分を害した方は申し訳ありませんがブラウザバックで。
※小説家になろう・カクヨム様にも投稿しています。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)
やはり婚約破棄ですか…あら?ヒロインはどこかしら?
桜梅花 空木
ファンタジー
「アリソン嬢、婚約破棄をしていただけませんか?」
やはり避けられなかった。頑張ったのですがね…。
婚姻発表をする予定だった社交会での婚約破棄。所詮私は悪役令嬢。目の前にいるであろう第2王子にせめて笑顔で挨拶しようと顔を上げる。
あら?王子様に騎士様など攻略メンバーは勢揃い…。けどヒロインが見当たらないわ……?
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる