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結社編 一章:ルクソード皇国
制約と誓約
しおりを挟む二十日間の船旅は終わり、一行は次の大陸に到着した。
そして案の定、船酔いの疲弊でアリアが音を上げ、到着した港都市で宿を借りる事になる。
二人部屋に放り込まれたアリアに、付き添うケイルは呆れながらぼやいた。
「お前、船酔いしない魔法か何か使えよ。船に乗る度にぶっ倒れそうになってないか?」
「そんな便利な魔法、あるわけないでしょ……」
「マシラに行く時も発つ時も、荷馬車は酔わなかっただろ? なんで船に乗るとそうなるんだよ?」
「……制約って言うと、分かる?」
「制約?」
「分からないなら、いい。答えない……」
「一応、言っとけ。お前にそういう弱点があるなら、今後の為にも対策は必要だろ?」
「……分かった。言ったら休むから……」
ベットに顔を埋もれさせたアリアが身体を起こし、青褪めた表情のままケイルに話した。
その話は、アリアの強さに繋がる根幹だった。
「ケイルは、魔法師についてどういう認識をしている?」
「魔法を扱う連中のことだろ。それ以外の何がある?」
「厳密に言えば、魔法を扱ってるんじゃないの。魔力という物質を扱う事に長けた人々を、魔法師と呼ぶのよ」
「魔力を扱う? 魔法じゃなくて?」
「魔法師は構築式を用いて魔力を操作して、現象としての魔法を発現させる。それが八つの属性となって表れるの。適応した属性を持つ人間は適合した構築式を用いて、空気中にある魔力を取り込み、構築式を循環する魔力が魔法に変わる。……ここまでは、理解出来る?」
「ああ、何となくは分かる」
「そして魔法を成す為に必要な構築式を刻む場所。魔法師でそれぞれだけど、杖や身に着ける服、そして魔石に構築式を描く魔法師がほとんどなの。そしてその構築式が魔力に反応して魔法を成す。それが現代魔法を扱う魔法師達のスタイルね」
「……それ、おかしくねぇか?」
「何処がおかしいの?」
「アタシが知る限り、魔法師は呼吸に合わせて魔力を体内に取り込むんだよな? お前の話だと、わざわざ体内に魔力を取り込まなくても、空気にある魔力を構築式に通せば、魔法が使えるんじゃないか?」
「そう。本当は空気中の魔力を使って魔法を使う方法がある。でも、そうした方法を広めなかった人達がいるの。だから一般の魔法師は、その教えに従って疑問にさえ気付けない人達が多い」
「広めなかった……?」
「それが四大国家。そして四大国家の一つに所属する【七大聖人《セブンスワン》】の一人。『青』の称号を持つ大魔導師ガンダルフが、その魔法の仕組みを意図的に広めてるのよ」
「……情報統制ってやつか?」
「そうよ。テクラノスがそれに関してこう言ってたわね。歪で醜悪な魔法だって。私も同意見よ」
強力な魔法の使い手を世に広めず、人間大陸の統治体制を維持する為に人々に歪んだ魔法を教え込む。
それによって安寧を得ることを理解しながらも、その仕組みを知る魔法師達の中には四大国家に凄まじい敵意を向ける者達も存在する。
テクラノスはそうした者達の極一部に過ぎない事を、アリアは知っていた。
「それで? それがお前の船酔いと、どう関係あるんだよ?」
「……さっき言った疑問の答えを先に言うわね。体外の魔力を構築式に循環させるには、構築式自体の式を変更すれば済む。ただ特定の条件下でなければ、何処でも使える構築式には成り得ない。それだけ空気中の魔力を扱うのは、高度で難しい技術なの。普通の人間では逆立ちしたって扱えない代物よ」
「ふぅん。じゃあ、四大国家が広めた現代魔法の方が使い易いってことか?」
「現代魔法の利点は、魔法がとても扱い易いこと。構築式となる武器や魔道具と、魔力を循環させる術者や魔石さえあれば、誰でも魔法を道具のように使えるわ」
「へぇ、便利じゃんかよ。それの何処が歪で醜悪なんだ?」
「逆に不利点もあるから。魔法の威力そのものが低くなり、体内に通わせた魔力の影響で肉体と精神に大きな疲弊を起こすのよ。魔力は人間の肉体にとっては毒みたいものだからね。だから普通の魔法師は、魔法を連発できずに精度と威力が弱々しい。……ここまでは分かる?」
「ああ」
「じゃあ、その利点を残したまま不利点を解消するにはどうすればいいか。……それが『制約』と『誓約』。私に重度の船酔いが起きる原因なの」
「せいやくと、せいやく?」
「制する制約と、誓う誓約。自分の行動を制限する事を魂に誓って刻めば、本来の人間では使えない能力を身に付ける事が出来る。そういう秘術があるのよ」
「……よく分からんが、その誓約をしてるからお前の魔法は誰よりも強い威力で連発出来て、空気中の魔力を扱えるってことか?」
「そう。それを扱える代償として、私は海の中を泳げないし、海の上に浮かぶ船に乗ると酷い船酔いを起こす。基本的に私が海を移動しようとすると、魂にかけられた誓約が肉体に影響を及ぼして、体調を悪化させちゃうのよ」
「……そんな事で魔法の威力が上がって連発出来るのかよ? 随分と安い代償だな」
「ケイル。この世界の大陸と海の比率はどうなってるか、知ってる?」
「……いや」
「大陸の規模に対して、海はこの世界の大半を占めた存在よ。世界の三割が大陸だとしたら、残りの七割は海。私はこの世界に対して、七割以上の規模を不自由な状態で移動しなきゃいけない。これは立派な代償だと思わない?」
「……なるほどな。そういう意味合いなら、確かにデカい代償だな」
「肉体に課す代償が大きければ大きいほど、『制約』と『誓約』で得られた力は大きく働くわ。……私の場合は甘い制約のおかげで体調が悪化するだけで済んでるけど、もっと単純で厳しい制約をしてしまうと、強力な力とは別に危険なリスクが生まれる」
「リスク?」
「例えば、ケイルが『人を殺さない』という制約を課したとしましょうか。貴方がそれを破った場合、どうなると思う?」
「……どうなるんだ?」
「その制約を破った貴方は、死ぬわ」
「!」
「それだけじゃない。『人を殺さない』というのは千差万別の意味がある。直接的な殺人は勿論、間接的な関わりで人を殺めたり死んでしまった場合でも、制約は誓約に準じて発動する。貴方が人と接触すると、関わった人が貴方に影響されて行動した後に死んだ場合、誓約に引っ掛かり死亡してしまう可能性があるのよ」
『制約』と『誓約』を魂に課す秘術。
その存在と厳しい内容に、ケイルは怪訝な表情を見せて困惑した。
「……なんだよ。その滅茶苦茶なモンは……? まさか、お前の誓約ってのは……」
「私は『海で泳げない』という制約を課した。その影響の範囲として、海を渡る船上では身体が弱まってしまうし、海の中は入れば体が動かず魔法が使えず溺れ死ぬ。色々試したけど、水風呂に塩を入れて塩水にして入った事もある。でもそれでは制約に引っ掛からなかったから、単純に『海』と定義出来る物に魂と身体が反応してしまうんでしょうね」
「……聞いといて正解だった。つまりお前は、船の上や海の中では無能で役立たずになるってことだな?」
「ぅ……。その言い方、酷くない?」
「事実だろうが。こりゃあ、船の上で絶対に厄介事は起こせないな。事故って難破でもしたら、お前は何も出来ず溺れ死ぬって事だろ?」
「……そうね」
「この話、エリクにはしたのか?」
「ううん」
「なら、アタシから伝えとく。難しい事を聞いてもアイツは分からないだろうから、簡単にな。……理由は分かった。とりあえずは、休んどけよ」
「ええ、おやすみ……」
話し終えたアリアは疲れてベットに体を預け、数秒後には寝静まった。
見た目以上に相当な疲弊だと察したケイルは、フォウル国に行くまでの経路を考えて渋い表情を見せる。
現在の大陸と次の大陸を跨ぐ為には、何回か海に面した場所を移動する為に船に乗る必要がある。
それは致命的な隙をアリアに生み、何かの騒動に巻き込まれれば対応できない事を意味している。
ケイルはそういう事態を懸念し、出来るだけ陸路で進めるルートを選ぶ為に情報を仕入れに向かった。
一方、その頃。
再び相部屋となったマギルスとエリクは、魔人の力を扱う為の修行を継続していた。
「……」
「どう、おじさん?」
「……なんとなく、分かるようになってきた」
「魔力はね、制御して感知出来れば自分で調整できるって、ゴズヴァールおじさんが言ってた。おじさんはまず、制御からだね」
「……」
「自分の中で、魔力をどんどん生み出すんだよ。それを自分の身体に纏わせて、集中して留める。楽な姿勢から初めて、歩きながらでも魔力を制御して、そして戦いながら制御して力を扱えば、瞬間的に凄い力を発揮出来るんだよ」
「……そうか」
「おじさんが魔力制御も出来てないなんて知らなかったからさ。先に魔力操作の仕方を教えちゃってたよ。出来ないなら出来ないって、教えてくれればいいのに」
「……」
「船の上だと、魔力放出は流石に無理だったからね。魔力感知は僕と遊ぶ時に嫌でも出来ると思うよ。ゴズヴァールおじさんと戦った時に、凄く嫌な感じがしたでしょ?」
「……ああ」
「だったら、強い魔力を当てられればおじさんでも感知出来るってことだね。それを目安にしながら覚えればいいんじゃないかな?」
「……お前は、そうやって教える事も出来るんだな」
「これ? これは全部、ゴズヴァールおじさんに教わった事だもん。僕の場合、捨てられた後はずっと一人で戦う為に、我流で力を使ってたし」
「……捨てられた?」
気になる話がマギルスの口から出ると、エリクは目を開けて聞いた。
「うん。僕ね、小さな頃に魔獣がいっぱい居る森に捨てられちゃった。そこで育って暮らしてたら、ゴズヴァールおじさんが来たんだよね。僕はいつも通りに戦ったら、あっさり負けちゃって。そのままゴズヴァールおじさんに連れて行かれて、色んな事を習ったんだ。そして闘士になったんだよ」
「……」
「ゴズヴァールおじさんが言ってた。魔人や魔族は、戦う事で進化する生き物だって。だから僕、いっぱい戦って遊んで、強くなりたいんだ!」
「……そうか」
「僕、早くおじさんと戦ってみたいなぁ。今は無理だろうけど、魔人化したおじさんともいつか遊んでみたい!」
「魔人化?」
「魔人は普通の状態だと人間と同じ姿なんだけど、魔人化すると魔族の姿に変わるんだよ。おじさんは大鬼族だって、ゴズヴァールおじさんが言ってた」
「……オーガ、か」
「大鬼族ってね、魔族の中では一番強い種族なんだって。いいなぁ。僕も大鬼族だったら良かったのに」
「……何故だ?」
「僕が魔人化すると、格好悪くなっちゃうんだよ。どうせ変身するなら、格好良い方が良いでしょ?」
「そうか?」
「そうだよ。おじさん達みたいに身体が大きくなって角が生えたりして、格好良く変身したかったなぁ」
マギルスから羨望の眼差しを受けるエリクは、言われている事を理解できずにそのまま修行を続ける。
そしてアリアの体調が完全に戻った数日後。
新しく荷車を購入したアリア達は旅の支度を整え、マギルスに馬を任せて港都市から出立した。
荷車を壊さない程度に走らせるも、普通の馬脚とは異なる速さで進む道中は順調そのものだった。
その途中、アリア達は人気の無い平原で立ち止まる。
馬を止めたマギルスが振り返り、笑いながらアリア達に向けて言った。
「それじゃあ、ここで遊ぼうか。おじさん」
「ああ」
そう話すマギルスにエリクは同意し、互いに荷車から下車する。
アリアとケイルは二人に合わせて荷馬車を降りると、膝ほどある芝生で立つ二人を見た。
マギルスは微笑みながら背負う大鎌を器用に回転させて掴み、エリクは厳つい表情で大剣を引き抜いて構える。
相反する互いの表情と視線が交差する中で、アリアが改めて取り決めを言い放った。
「……エリク! マギルス! 開始は私が合図するわ。そして私が止めたら、戦いも止めなさい! いいわね?」
「いいよー!」
「ああ」
「――……それじゃあ、始め!」
アリアが右腕を下に振り、開始を宣言する。
その合図に則る形で、マギルスとエリクの遊びは開始された。
魔人同士の戦いは、遊びと呼ぶにはあまりにも激しい戦いだった。
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