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神々の頂
悪魔の寿命
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「なんだと?」
ドウシュはあり得ないものを見るような目で私を見る。
「上界にいたあなたなら悪魔の名前が分かりますよね?悪魔の儀式に使う魔法陣は名前さえ分かればいいはず。できるだけ長い間上界に存在している悪魔と交渉をしてみませんか?」
そんな提案をした私にドウシュは顔を顰める。
「先ほどきみは、ドラゴンと血の契約の話をしていたな。そして今度は悪魔の儀式か。自分の命を雑に扱いすぎなんじゃないのか?」
「まさか。そんなことをすれば私の主に怒られます。」
「主?きみは、もしかして。」
ドウシュはそういえば、というように私の制服を見た。
「はい、白銀の国王ヒサメ様の騎士です。王の命により、できるだけ生き永らえなくてはいけません。そのためには、どんな些細な情報もかき集めたい。たとえそれが悪魔だとしても、封印や生存率を上げるために躊躇している場合ではない。血の契約も私に不利に見えたかもしれませんが、ドラゴンが死んで困るのは均衡が崩れるこの世界。どちらで死ぬのが早いかというだけの話ですよ。」
あっけらかんと言ってみせれば、ドウシュは木の枝を手に取った。
「僕がこの山にいる間に、随分と白銀の国は変わったようだな。人間であるきみを騎士に選ぶ王は、きっとこれまでの王族とは違うのだろう。」
ドウシュはふらふらな足取りで木の枝を使って大きな魔法陣を描いていく。
「長の治療のためにずっとこの山にいたんですよね。一度も下りなかったんですか?」
「この場所は精霊の住処で見つかりづらいが、それでも絶対に来られない訳ではない。堕ちた悪魔の奴らがいつ現れるとも限らない。それに伴い、出入りは少ない方がいいと考えていたから下りることはしなかった。」
そうしてドウシュは、魔法陣の形を描き終える。
「さて、名前はどうするか。上界にいたとはいえ、知っている名前は多くない。長い間上界に存在している悪魔なら一人心当たりがあるが、変わり者だ。というより、長い間上界で悪魔として存在し続けられる奴が普通な訳がないんだが。」
「それは、どういう意味でしょうか。悪魔って寿命がないんですよね?誓約を破って堕ちなければ、ずっと悪魔として存在し続けられるってことなんじゃないんですか?」
「寿命がないっていうのは、上手くやれれば何百年、何千年存在し続けられるってことだ。だけどな、自死することは可能なんだ。悪魔同士の殺し合いができることは誓約に問題があっても、自死することは誓約上なんの問題もない。飢えに苦しみ続けるか、自死によって解放されるか。それを悪魔自ら選ぶことが出来る。つまり、それだけ苦しい飢餓の中で存在している悪魔というのは、よほど人間との交渉が上手く、負の魔力を得られている狡猾な悪魔だということ。もしくは、どれだけの苦しみも耐え抜いている悪魔だということ。これだけ聞いても異常な奴だということは分かるだろう?」
悪魔は自死することができる。
だが、堕ちた悪魔は寿命でしか死ねない。
死ぬことを許されていないという話だったが、それは自死によって解放される悪魔よりも堕ちた悪魔の方が罪が重いということを示しているのだろうか。
神の誓約の罪の重さはどのようにして決まるのだろうか。
「あの、悪魔の名前についてなんですが。ドウシュさんは何故シュマたちの名前を知っていたんでしょう。さきほど、知ってる名前は多くないと言ってましたよね?」
「奴らから近づいてきた。僕は人間だったころの記憶があるせいか、周りからかなり浮いていた。魔法陣を使っての人間との交渉にも興味を示さず、欲も見せない僕に興味を抱いたのかもしれない。だからこそ、殺すところも見られてしまったというわけだ。悪魔が手を組んで人間を誑かす光景は珍しくなかった。奴ら4人も悪魔の頃から手を組んでいたんだ。」
下界とさえ魔法陣で繋がってしまえば、あとは交渉次第で何人もの悪魔とも交渉出来てしまうということか。
魔力の取り分が減ってしまうから、手を組む悪魔は選ばなければならないだろうが。
いずれにしても、一度魔法陣を繋いでしまえば悪魔の名前が下界に流れてしまうだろうな。
もちろん、それでも悪魔の儀式自体が多くに知られていないのは、そもそも悪魔の儀式が禁止されてること。強力な悪魔の魔法を国の力にされないようにとか、個人が権力を持たないようにとかさまざまな要因があるのだろうけど。
「悪魔だった僕はもっと慎重に行動すべきだったんだ。当時シュマたちに話しかけられても一人になりたくて避けていた。だが、無気力だからこそさらに僕に興味を持たせてしまったんだ。悪魔は欲のかたまりみたいなものだから、異質に見えたんだろう。そして、おそらくその異質さに何かを見出していた。それが結果として堕ちるという手段を与えてしまった。」
人間だった時の記憶を維持できたイレギュラーなドウシュは悪魔を殺せることに気づき、それを見ていたシュマたちも同様に悪魔を殺せることに気づいた。
そうして殺すという行動に移した彼らは全員、下界に堕ちる。
「シュマたちは悪魔の儀式をしていたらしいんですが、上界の悪魔に連絡を取るためだったのでしょうか?悪魔に協力をお願いして、もっと優位にことが運ぶようにできるでしょうか。元闇の神の話では、奴らの目的は再び戦争を起こすことという話でした。これまで堕ちた悪魔も戦争を悪化させる引き金になったらしいですし。」
「確かに戦争が起きれば負の魔力が増える。上界の悪魔にとってメリットがある。だが、シュマたちのメリットが分からない。」
「シュマたちは他の悪魔に使われている、とかだったらどうですか。心酔する悪魔がいて、その悪魔のために戦争を起こすとか。」
「悪魔の行動原理は己の欲だ。万が一他の悪魔に使われていても、メリットがなければ動かないだろうな。戦争が起きれば、奴らにとっても都合がいいということだ。」
シュマたちにとって都合の良いことは、今考えても答えは出そうにない。
私は、そういえば、と魔法陣について聞いてみることにした。
「シュマたちの悪魔の儀式には英語でサタン、という名前が入っていたんです。上界の悪魔にサタンっていますか?」
「サタンという名前の悪魔が存在するかは分からないが、英語で書いてあったのならその魔法陣は使えないぞ。」
「え、使えない?」
「魔法陣はこの下界でしか使えない。つまり、この下界が認識する言葉でしか使用することが出来ないはずだ。」
「つまり、サタンと書かれた魔法陣では悪魔の儀式はできない?」
「そうなる。」
ミーカさんやアイル先生が巻き込まれそうになった悪魔の儀式で使われた魔法陣は偽物だった?
魔法陣は下界が認識する言葉でないと使用できない、というのをレビン先生が知らないのは、そもそも別の言語自体を知らないからか。
私とドウシュは現代の言語文化を覚えているからややこしくなっているだけということになる。
「その偽の魔法陣が描かれていたところでは、人間やエルフなどを集めて魔力を捧げさせていたんです。共通点は大切な人を失った、負の感情が高まった人たち。私はその魔力を集めて悪魔と交渉するために使われるんだと思っていたんですが・・・。」
「その可能性もまだゼロではないが、もうひとつある。シュマの魔法は負の魔力の付与。その魔法を使うためには与えるための負の魔力が大量に必要になる。今回の魔獣の暴走からして、凄まじい量の負の魔力をシュマは持っていたことになる。その出どころが、偽の魔法陣で集めた負の魔力なんじゃないか?」
「となると、偽の魔法陣が長期的計画の準備段階で、魔獣の暴走が実行ということになりますね。奴らの思い通りに事が進んでいるということは、戦争も起こりかねないということになるんでしょうか。」
長のドラゴンが止めた戦争が、再び起こるなんて考えたくもない。
私は自分の周りの人が戦争に巻き込まれるのは見たくない。
今まで見てきた国の人々が武器を取り、苦しむ姿を見たくない。
大切な人を失って悲しむ、そんな悪魔にとって都合のいい世界なんてごめんだ。
「思い通り、ではないな。殺したはずの長のドラゴンはまだ生きている。その魔力を受け継ぐ子供がいる。そして、きみときみの周りの者たちが誓約に抗っている。これからブルームーンドラゴンと悪魔の手も借りようとしてるきみは、奴らにとって何よりも思い通りにならない存在だろうな。」
そう言ってドウシュは魔法陣に名前を書き込んだ。
「堕ちた悪魔である僕もきみに手を貸そう。本来ならば奴らが堕ちた原因である僕がなんとかすべきだが、一人ではどうしようもなかったのが事実だ。僕が持つすべてを上手く使うといい。手始めに悪魔を呼んで情報を聞き出そうか。」
ドウシュはあり得ないものを見るような目で私を見る。
「上界にいたあなたなら悪魔の名前が分かりますよね?悪魔の儀式に使う魔法陣は名前さえ分かればいいはず。できるだけ長い間上界に存在している悪魔と交渉をしてみませんか?」
そんな提案をした私にドウシュは顔を顰める。
「先ほどきみは、ドラゴンと血の契約の話をしていたな。そして今度は悪魔の儀式か。自分の命を雑に扱いすぎなんじゃないのか?」
「まさか。そんなことをすれば私の主に怒られます。」
「主?きみは、もしかして。」
ドウシュはそういえば、というように私の制服を見た。
「はい、白銀の国王ヒサメ様の騎士です。王の命により、できるだけ生き永らえなくてはいけません。そのためには、どんな些細な情報もかき集めたい。たとえそれが悪魔だとしても、封印や生存率を上げるために躊躇している場合ではない。血の契約も私に不利に見えたかもしれませんが、ドラゴンが死んで困るのは均衡が崩れるこの世界。どちらで死ぬのが早いかというだけの話ですよ。」
あっけらかんと言ってみせれば、ドウシュは木の枝を手に取った。
「僕がこの山にいる間に、随分と白銀の国は変わったようだな。人間であるきみを騎士に選ぶ王は、きっとこれまでの王族とは違うのだろう。」
ドウシュはふらふらな足取りで木の枝を使って大きな魔法陣を描いていく。
「長の治療のためにずっとこの山にいたんですよね。一度も下りなかったんですか?」
「この場所は精霊の住処で見つかりづらいが、それでも絶対に来られない訳ではない。堕ちた悪魔の奴らがいつ現れるとも限らない。それに伴い、出入りは少ない方がいいと考えていたから下りることはしなかった。」
そうしてドウシュは、魔法陣の形を描き終える。
「さて、名前はどうするか。上界にいたとはいえ、知っている名前は多くない。長い間上界に存在している悪魔なら一人心当たりがあるが、変わり者だ。というより、長い間上界で悪魔として存在し続けられる奴が普通な訳がないんだが。」
「それは、どういう意味でしょうか。悪魔って寿命がないんですよね?誓約を破って堕ちなければ、ずっと悪魔として存在し続けられるってことなんじゃないんですか?」
「寿命がないっていうのは、上手くやれれば何百年、何千年存在し続けられるってことだ。だけどな、自死することは可能なんだ。悪魔同士の殺し合いができることは誓約に問題があっても、自死することは誓約上なんの問題もない。飢えに苦しみ続けるか、自死によって解放されるか。それを悪魔自ら選ぶことが出来る。つまり、それだけ苦しい飢餓の中で存在している悪魔というのは、よほど人間との交渉が上手く、負の魔力を得られている狡猾な悪魔だということ。もしくは、どれだけの苦しみも耐え抜いている悪魔だということ。これだけ聞いても異常な奴だということは分かるだろう?」
悪魔は自死することができる。
だが、堕ちた悪魔は寿命でしか死ねない。
死ぬことを許されていないという話だったが、それは自死によって解放される悪魔よりも堕ちた悪魔の方が罪が重いということを示しているのだろうか。
神の誓約の罪の重さはどのようにして決まるのだろうか。
「あの、悪魔の名前についてなんですが。ドウシュさんは何故シュマたちの名前を知っていたんでしょう。さきほど、知ってる名前は多くないと言ってましたよね?」
「奴らから近づいてきた。僕は人間だったころの記憶があるせいか、周りからかなり浮いていた。魔法陣を使っての人間との交渉にも興味を示さず、欲も見せない僕に興味を抱いたのかもしれない。だからこそ、殺すところも見られてしまったというわけだ。悪魔が手を組んで人間を誑かす光景は珍しくなかった。奴ら4人も悪魔の頃から手を組んでいたんだ。」
下界とさえ魔法陣で繋がってしまえば、あとは交渉次第で何人もの悪魔とも交渉出来てしまうということか。
魔力の取り分が減ってしまうから、手を組む悪魔は選ばなければならないだろうが。
いずれにしても、一度魔法陣を繋いでしまえば悪魔の名前が下界に流れてしまうだろうな。
もちろん、それでも悪魔の儀式自体が多くに知られていないのは、そもそも悪魔の儀式が禁止されてること。強力な悪魔の魔法を国の力にされないようにとか、個人が権力を持たないようにとかさまざまな要因があるのだろうけど。
「悪魔だった僕はもっと慎重に行動すべきだったんだ。当時シュマたちに話しかけられても一人になりたくて避けていた。だが、無気力だからこそさらに僕に興味を持たせてしまったんだ。悪魔は欲のかたまりみたいなものだから、異質に見えたんだろう。そして、おそらくその異質さに何かを見出していた。それが結果として堕ちるという手段を与えてしまった。」
人間だった時の記憶を維持できたイレギュラーなドウシュは悪魔を殺せることに気づき、それを見ていたシュマたちも同様に悪魔を殺せることに気づいた。
そうして殺すという行動に移した彼らは全員、下界に堕ちる。
「シュマたちは悪魔の儀式をしていたらしいんですが、上界の悪魔に連絡を取るためだったのでしょうか?悪魔に協力をお願いして、もっと優位にことが運ぶようにできるでしょうか。元闇の神の話では、奴らの目的は再び戦争を起こすことという話でした。これまで堕ちた悪魔も戦争を悪化させる引き金になったらしいですし。」
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「シュマたちは他の悪魔に使われている、とかだったらどうですか。心酔する悪魔がいて、その悪魔のために戦争を起こすとか。」
「悪魔の行動原理は己の欲だ。万が一他の悪魔に使われていても、メリットがなければ動かないだろうな。戦争が起きれば、奴らにとっても都合がいいということだ。」
シュマたちにとって都合の良いことは、今考えても答えは出そうにない。
私は、そういえば、と魔法陣について聞いてみることにした。
「シュマたちの悪魔の儀式には英語でサタン、という名前が入っていたんです。上界の悪魔にサタンっていますか?」
「サタンという名前の悪魔が存在するかは分からないが、英語で書いてあったのならその魔法陣は使えないぞ。」
「え、使えない?」
「魔法陣はこの下界でしか使えない。つまり、この下界が認識する言葉でしか使用することが出来ないはずだ。」
「つまり、サタンと書かれた魔法陣では悪魔の儀式はできない?」
「そうなる。」
ミーカさんやアイル先生が巻き込まれそうになった悪魔の儀式で使われた魔法陣は偽物だった?
魔法陣は下界が認識する言葉でないと使用できない、というのをレビン先生が知らないのは、そもそも別の言語自体を知らないからか。
私とドウシュは現代の言語文化を覚えているからややこしくなっているだけということになる。
「その偽の魔法陣が描かれていたところでは、人間やエルフなどを集めて魔力を捧げさせていたんです。共通点は大切な人を失った、負の感情が高まった人たち。私はその魔力を集めて悪魔と交渉するために使われるんだと思っていたんですが・・・。」
「その可能性もまだゼロではないが、もうひとつある。シュマの魔法は負の魔力の付与。その魔法を使うためには与えるための負の魔力が大量に必要になる。今回の魔獣の暴走からして、凄まじい量の負の魔力をシュマは持っていたことになる。その出どころが、偽の魔法陣で集めた負の魔力なんじゃないか?」
「となると、偽の魔法陣が長期的計画の準備段階で、魔獣の暴走が実行ということになりますね。奴らの思い通りに事が進んでいるということは、戦争も起こりかねないということになるんでしょうか。」
長のドラゴンが止めた戦争が、再び起こるなんて考えたくもない。
私は自分の周りの人が戦争に巻き込まれるのは見たくない。
今まで見てきた国の人々が武器を取り、苦しむ姿を見たくない。
大切な人を失って悲しむ、そんな悪魔にとって都合のいい世界なんてごめんだ。
「思い通り、ではないな。殺したはずの長のドラゴンはまだ生きている。その魔力を受け継ぐ子供がいる。そして、きみときみの周りの者たちが誓約に抗っている。これからブルームーンドラゴンと悪魔の手も借りようとしてるきみは、奴らにとって何よりも思い通りにならない存在だろうな。」
そう言ってドウシュは魔法陣に名前を書き込んだ。
「堕ちた悪魔である僕もきみに手を貸そう。本来ならば奴らが堕ちた原因である僕がなんとかすべきだが、一人ではどうしようもなかったのが事実だ。僕が持つすべてを上手く使うといい。手始めに悪魔を呼んで情報を聞き出そうか。」
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