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組織の調査2
黒い噂
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白銀の国に来て数日。
シグレが私の元に手紙を3通持ってきた。
私はソラとボタンと共に部屋にいて、朝食を食べているところだった。
「お食事中失礼します。緊急の案件なのでまずはこれを読んで下さい。」
シグレから渡されたのは黄金の国からの手紙だった。
「内容は、グウル国王が殺人未遂にあったという噂が国内外で流れているというものです。そして、その犯人が闇魔法の人間だと言われているらしいのです。」
シグレの話通り、手紙には噂の内容と謝罪が綴られている。
どこから情報が漏れたかは定かではないが、グウル国王の異変は兵士や騎士たちの間でも会話がなされていた。
それがどこからか漏れて国民やその他のところに広まってしまったのでは、とも書いてある。
「黄金の国が一日にして氷に覆われたことにより、注目の的になったことも噂が広まるきっかけだったのかもしれません。」
そのシグレの言葉で、ソラが落ち込んだ顔を見せるのでシグレは首を横に振る。
「ソラさんが悪いのではなく、これはおそらく誘導です。」
シグレは残りの2通の手紙をテーブルに置く。
「こちらは太陽の国からの手紙です。そして、こっちが馬鹿からの手紙です。」
「フブキさんですか!?」
「はい。この2通はリビさん宛てですが、嫌な予感がしたので中を先に検閲させて頂きました。ご了承くださいね。」
シグレの嫌な予感がどういうものなのか、私にも見当がつきそうだった。
太陽の国の手紙には、加護の儀式の件で至急戻ってくるようにとの通告だった。
そして、フブキからの手紙は要塞の鉱石浄化と、今回の噂のことが書いてある。
心配と、何が起こっているのかという疑問がフブキの手紙からは伝わってくる。
「あの馬鹿が今働いている国は、黄金の国よりやや北にあります。その国まで既に、グウル国王の殺人未遂の噂が広まっている。そして、このタイミングでの太陽の国からの招集。どう考えても、噂の件が絡んでいるに違いありません。」
ソラが読みたいというのでフブキの手紙を渡して、私は太陽の国の手紙を手に取る。
「噂が出回るのが早いとは思いませんか?というより、手紙が早すぎる。つまり、噂が意図的に広められている可能性があります。」
グウル国王の殺人未遂。そしてその犯人は闇魔法の人間。
こんなにはっきりと犯人の噂が出回るのは違和感だ。
今私たちが分かっている情報をかき集めても、闇魔法の人間だと確信を持って答えることはできないはずだ。
操られていたということから、闇魔法と繋げることは理解できる。
しかし、たとえ黄金の国の騎士や兵士から情報が漏れたとしても人間だと断定されているのはおかしい。
誰かの思い込みや先入観が噂に交じっているのではないか?
・・・いや、混ざらないわけがないか。
噂とは尾ひれがついて当然だ。
伝言ゲームのように欠けたり付け足されたり、歪んでねじれて伝わっていく。
それが闇魔法の人間なら、誰もが納得して噂するだろう。
「意図的に流されているということは、何か目的があるということですね。」
「ええ、おそらく貴女です、リビさん。」
この噂の出どころがどこだとしても、標的は動かない。
闇魔法の人間、おもに私になるのだろう。
「便箋とかありますか。夜明けの国にも一応警戒するように言っておきましょう。」
もしも今回の件で闇魔法の人間が疑われるなら、夜明けの国にいるモナも危険だ。
闇の神官として勤めている彼が誰かに狙われる前に知らせなければならない。
「リビさん、こちらをどうぞ。」
「ありがとうございます!」
ボタンに便箋を受け取って、そうして噂のことと危険の可能性を記して封を閉じる。
「シグレさん、私は太陽の国に行きます。」
「太陽の国にもおそらく噂は広まっています。どんなことが起きるか、想像できない訳ではないでしょう。それでも、行く気ですか?」
「加護の儀式と書いてある以上、行かなくはいけません。証明書の更新もしておかないと、このカードが使えなくなるし。」
私に行かないという選択肢はないということだ。
「白銀の国で証明書が発行できれば、リビさんは戻らなくて済むのに。」
ボタンがそう呟くと、シグレが嗜める。
「二重発行は原則禁止ですよ。」
「分かってます。でも、危険を冒して戻るくらいなら、原則を破る理由になるのではないですか。」
「まぁ、何事にも例外はありますね。規則の穴を突けば出来なくもないです。」
二人がそんなことを言い出すので、ちょっと待ったと止めた。
「光の加護の儀式の件は太陽の国王との約束です。それを守るために行かなくてはいけません。たとえ危なくても、太陽の国に助けてもらったのは事実です。行かない理由にはならない。」
「でもリビさんは何一つ傷が治ってないんですよ!そんな状態で、もし、襲われたらどうするんですか!?」
ボタンの心配する声は優しくて、でも、だからこそここにいるわけにはいかない。
白銀の国に私がいることが公になれば、この国も狙われることになる。
この国の人たちは私のことをきっとかばってくれる。
守ろうとしてくれる。
だから、ここにいては駄目だ。
「白銀の闇の加護で少しは回復しましたよ。それに、柔な鍛え方してないんで。ですよね、シグレさん。」
シグレは少しだけ不服そうな顔をして、それから答える。
「当然ですが、こんな時にその言葉を使うのは狡猾ですね。そう言えば、私が何も言えないと思ってるんでしょう。」
「ええ、思ってます。太陽の国に行ってきます。」
私がソラと城を出ようとすると、シグレが声をかける。
「ヒサメ様に何も言わず行くのですか。」
ヒサメは今、静寂の海に行っている。
いつ戻るかも分からないし、むしろこの場にヒサメがいなくて良かったかもしれない。
「シグレさんからよろしくお伝え下さい。」
「訓練の師に何もかも押し付けるのはどうかと思います。」
私は笑顔だけ向けて、歩き出す。
そんな私の腕をボタンが掴む。
「リビさん待って!!私に護衛をさせて下さい!」
力強く掴んだ手は、震えていた。
ボタンがどれほど私のことを心配してくれているかなんて分かっている。
「ボタンさん、駄目ですよ。今、私が標的にされているなら狼獣人と共にいることで余計な噂が増えるだけです。それによって、ヒサメ様の、白銀の国の不利益になったら困ります。」
「私は、白銀の国の騎士です。でも、リビさんを友人として守りたいんです!」
その真剣な瞳は、今にも涙が零れそうだった。
それを見て、私は涙よりも思わず笑顔が零れていた。
「ボタンさん、ありがとう。」
ボタンの背中に手を回すと、ボタンも同じ力でぎゅっと抱きしめてくれた。
私の表情できっと察したのだ。
何を言っても、一緒には行けないことを。
「リビさん・・・無茶しちゃダメですよ。また怪我したら、私が怒りますよ。」
「気を付けます。行ってきますね。」
抱きしめるボタンの背中にソラがぎゅっと寄り添って、それをシグレが穏やかに見つめていた。
「ソラ、太陽の国に行こう。」
「キュ!」
空高く舞い上がると、それを見上げるシグレとボタンが見える。
私は彼らに手を振って、白銀の国を見下ろした。
随分と関りが深い国になってしまったな。
そんなに長い時間を過ごしたわけでもないのにそう思ってしまうのは、様々な出来事を共に解決してきたからかもしれない。
次はいつ会えるだろうか。
そんなことを考える程度にはこれから起こることが予測できる。
「ソラ、これからきっと大変なことになる。悲しいこともある。それでも一緒にいてくれる?」
こんな聞き方はずるいと分かっていながら、それでも私はこんな聞き方をした。
「キュッキュ!」
だって、ソラが頷いてくれると知っている。
だからこそ、ずるいのは私だけでいい。
「ずっと、いてくれるの?ソラは優しいね。」
私とソラは太陽の国を目指して飛び始める。
これから何が起ころうとも、私はソラと共にいる。
シグレが私の元に手紙を3通持ってきた。
私はソラとボタンと共に部屋にいて、朝食を食べているところだった。
「お食事中失礼します。緊急の案件なのでまずはこれを読んで下さい。」
シグレから渡されたのは黄金の国からの手紙だった。
「内容は、グウル国王が殺人未遂にあったという噂が国内外で流れているというものです。そして、その犯人が闇魔法の人間だと言われているらしいのです。」
シグレの話通り、手紙には噂の内容と謝罪が綴られている。
どこから情報が漏れたかは定かではないが、グウル国王の異変は兵士や騎士たちの間でも会話がなされていた。
それがどこからか漏れて国民やその他のところに広まってしまったのでは、とも書いてある。
「黄金の国が一日にして氷に覆われたことにより、注目の的になったことも噂が広まるきっかけだったのかもしれません。」
そのシグレの言葉で、ソラが落ち込んだ顔を見せるのでシグレは首を横に振る。
「ソラさんが悪いのではなく、これはおそらく誘導です。」
シグレは残りの2通の手紙をテーブルに置く。
「こちらは太陽の国からの手紙です。そして、こっちが馬鹿からの手紙です。」
「フブキさんですか!?」
「はい。この2通はリビさん宛てですが、嫌な予感がしたので中を先に検閲させて頂きました。ご了承くださいね。」
シグレの嫌な予感がどういうものなのか、私にも見当がつきそうだった。
太陽の国の手紙には、加護の儀式の件で至急戻ってくるようにとの通告だった。
そして、フブキからの手紙は要塞の鉱石浄化と、今回の噂のことが書いてある。
心配と、何が起こっているのかという疑問がフブキの手紙からは伝わってくる。
「あの馬鹿が今働いている国は、黄金の国よりやや北にあります。その国まで既に、グウル国王の殺人未遂の噂が広まっている。そして、このタイミングでの太陽の国からの招集。どう考えても、噂の件が絡んでいるに違いありません。」
ソラが読みたいというのでフブキの手紙を渡して、私は太陽の国の手紙を手に取る。
「噂が出回るのが早いとは思いませんか?というより、手紙が早すぎる。つまり、噂が意図的に広められている可能性があります。」
グウル国王の殺人未遂。そしてその犯人は闇魔法の人間。
こんなにはっきりと犯人の噂が出回るのは違和感だ。
今私たちが分かっている情報をかき集めても、闇魔法の人間だと確信を持って答えることはできないはずだ。
操られていたということから、闇魔法と繋げることは理解できる。
しかし、たとえ黄金の国の騎士や兵士から情報が漏れたとしても人間だと断定されているのはおかしい。
誰かの思い込みや先入観が噂に交じっているのではないか?
・・・いや、混ざらないわけがないか。
噂とは尾ひれがついて当然だ。
伝言ゲームのように欠けたり付け足されたり、歪んでねじれて伝わっていく。
それが闇魔法の人間なら、誰もが納得して噂するだろう。
「意図的に流されているということは、何か目的があるということですね。」
「ええ、おそらく貴女です、リビさん。」
この噂の出どころがどこだとしても、標的は動かない。
闇魔法の人間、おもに私になるのだろう。
「便箋とかありますか。夜明けの国にも一応警戒するように言っておきましょう。」
もしも今回の件で闇魔法の人間が疑われるなら、夜明けの国にいるモナも危険だ。
闇の神官として勤めている彼が誰かに狙われる前に知らせなければならない。
「リビさん、こちらをどうぞ。」
「ありがとうございます!」
ボタンに便箋を受け取って、そうして噂のことと危険の可能性を記して封を閉じる。
「シグレさん、私は太陽の国に行きます。」
「太陽の国にもおそらく噂は広まっています。どんなことが起きるか、想像できない訳ではないでしょう。それでも、行く気ですか?」
「加護の儀式と書いてある以上、行かなくはいけません。証明書の更新もしておかないと、このカードが使えなくなるし。」
私に行かないという選択肢はないということだ。
「白銀の国で証明書が発行できれば、リビさんは戻らなくて済むのに。」
ボタンがそう呟くと、シグレが嗜める。
「二重発行は原則禁止ですよ。」
「分かってます。でも、危険を冒して戻るくらいなら、原則を破る理由になるのではないですか。」
「まぁ、何事にも例外はありますね。規則の穴を突けば出来なくもないです。」
二人がそんなことを言い出すので、ちょっと待ったと止めた。
「光の加護の儀式の件は太陽の国王との約束です。それを守るために行かなくてはいけません。たとえ危なくても、太陽の国に助けてもらったのは事実です。行かない理由にはならない。」
「でもリビさんは何一つ傷が治ってないんですよ!そんな状態で、もし、襲われたらどうするんですか!?」
ボタンの心配する声は優しくて、でも、だからこそここにいるわけにはいかない。
白銀の国に私がいることが公になれば、この国も狙われることになる。
この国の人たちは私のことをきっとかばってくれる。
守ろうとしてくれる。
だから、ここにいては駄目だ。
「白銀の闇の加護で少しは回復しましたよ。それに、柔な鍛え方してないんで。ですよね、シグレさん。」
シグレは少しだけ不服そうな顔をして、それから答える。
「当然ですが、こんな時にその言葉を使うのは狡猾ですね。そう言えば、私が何も言えないと思ってるんでしょう。」
「ええ、思ってます。太陽の国に行ってきます。」
私がソラと城を出ようとすると、シグレが声をかける。
「ヒサメ様に何も言わず行くのですか。」
ヒサメは今、静寂の海に行っている。
いつ戻るかも分からないし、むしろこの場にヒサメがいなくて良かったかもしれない。
「シグレさんからよろしくお伝え下さい。」
「訓練の師に何もかも押し付けるのはどうかと思います。」
私は笑顔だけ向けて、歩き出す。
そんな私の腕をボタンが掴む。
「リビさん待って!!私に護衛をさせて下さい!」
力強く掴んだ手は、震えていた。
ボタンがどれほど私のことを心配してくれているかなんて分かっている。
「ボタンさん、駄目ですよ。今、私が標的にされているなら狼獣人と共にいることで余計な噂が増えるだけです。それによって、ヒサメ様の、白銀の国の不利益になったら困ります。」
「私は、白銀の国の騎士です。でも、リビさんを友人として守りたいんです!」
その真剣な瞳は、今にも涙が零れそうだった。
それを見て、私は涙よりも思わず笑顔が零れていた。
「ボタンさん、ありがとう。」
ボタンの背中に手を回すと、ボタンも同じ力でぎゅっと抱きしめてくれた。
私の表情できっと察したのだ。
何を言っても、一緒には行けないことを。
「リビさん・・・無茶しちゃダメですよ。また怪我したら、私が怒りますよ。」
「気を付けます。行ってきますね。」
抱きしめるボタンの背中にソラがぎゅっと寄り添って、それをシグレが穏やかに見つめていた。
「ソラ、太陽の国に行こう。」
「キュ!」
空高く舞い上がると、それを見上げるシグレとボタンが見える。
私は彼らに手を振って、白銀の国を見下ろした。
随分と関りが深い国になってしまったな。
そんなに長い時間を過ごしたわけでもないのにそう思ってしまうのは、様々な出来事を共に解決してきたからかもしれない。
次はいつ会えるだろうか。
そんなことを考える程度にはこれから起こることが予測できる。
「ソラ、これからきっと大変なことになる。悲しいこともある。それでも一緒にいてくれる?」
こんな聞き方はずるいと分かっていながら、それでも私はこんな聞き方をした。
「キュッキュ!」
だって、ソラが頷いてくれると知っている。
だからこそ、ずるいのは私だけでいい。
「ずっと、いてくれるの?ソラは優しいね。」
私とソラは太陽の国を目指して飛び始める。
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