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白銀の国3
要塞の浄化 完遂
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魔力を増幅する魔法薬をアイルも用意してはいたものの、その数には限りがある。
以前、静寂の海の人魚の海熱病の熱を下げるために使用した薬草はとある農家の特別な薬草で、あれから白銀の国とも契約したらしい。
今回はその薬草を使用して、私が職人ひとりひとりに魔法を付与していくことになる。
集まった職人は約200人。
彼らにそれぞれ魔法を付与するとなると、今までで一番多い人数に魔法を付与することにもなる。
自分の魔力を絶やさずに職人に増幅をかけ続ける、それが今日の私の役割だ。
「それじゃあ、始めます!」
まずは人数分の魔力増強と増幅をかけていき、作業開始したのち魔力が減ってきた者からもう一度かけなおす。
第一の工程では全員でこの大きな要塞を水の膜で覆う魔法をかける。
10か所に分けて行うことにはなるが、それでも大人数の魔法の力を合わせるのは至難の業だ。
だが、そこはプロの皆さんの腕の見せ所。
見習いの子たちも必死についていけているあたり、アイルの特訓の恐ろしさが分かる。
第二の工程では要塞に長年刻まれた傷を水の粒子によって修復する作業に入る。
水魔法の性質変化による修復だが、ここは皆なんなくこなせているようだ。
第三の工程で鉱石浄化をすることになるが、アイルの話では見習いの子たちも完璧らしいから大丈夫だろう。
そう思っていたが、どうやら苦戦しているらしい。
そういえばアイルの授業では浄化の工程は難しいからと二つに分けていた。
つまり、それをいっきにやってしまえるプロの人たちに合わせるには自分たちもそうするしかない。
そして、その職人たちの作業の速さが段違いなのだろう。
そんな彼らの作業を追いかけるので精一杯になってしまうということだ。
「焦る必要はないよ!自分たちがやってきた特訓を思い出して、それから自分にできることだけに集中すればいいさね。」
アイルは見習いの子たちにそうやって声をかけている。
彼らもそのことは分かっているだろうが、そうだとしても自分たちが遅れることによって全体のバランスが崩れてしまうと考えていることだろう。
「ソラ、見習いの子たちに付与しに行こう。」
「キュ!」
できるだけサポートできるように、見習いの皆さんに増強を付与する。
少しだけでも作業スピードが上がるように、魔力が乱れないように。
そんな四苦八苦している見習いとは違う位置。その向こう側で魔力の安定しているビルが見えた。
ビルは本当に独学で努力してきたのが分かる瞬間だった。
この工程を10か所すべて行い、その間要塞全体の水の膜を張り続ける。
シグレが魔力を確認しつつ、ボタンが薬草を用意し、私がソラと共に魔法を付与する。
そんなやり取りをすること何十回が過ぎただろう。
もうすぐ全体の鉱石の浄化の終わりが見えてくる。
日が傾いて、夕焼け空が広がりつつあるそんな時刻。
要塞に長年交わり続けていた魔力と、もともと込められていた魔力が一滴も残さず浄化された。
その瞬間が見ていて分かった。
要塞の石の色は変わっていないはずなのに、その中が澄み切ったそんな気がしたのだ。
「ヒサメ様、お願いします!!」
シグレの声で、ヒサメが魔法を発動する。
綺麗にした鉱石に再び魔法を入れる作業というわけだ。
この魔法によって白銀の国は守られてきたのだろう。
その瞬間、水の膜が消えてヒサメの魔法だけが要塞全てを覆っている。
今まで職人全員で覆っていたその要塞を、ヒサメが一人で。
次の瞬間、ヒサメの魔法が要塞の石へと吸収され、鉱石の浄化は終了した。
「皆の素晴らしい仕事に感謝する。ミゾレからペンダントを受け取って、国の中へ入ってくれ。城でのもてなしと、交渉の細かい話をしよう。疲れているだろうが、騎士が案内するのでゆっくり向かおう。」
ヒサメの言葉で全員が仕事の完了を感じて胸を撫でおろす。
ミゾレから国へ入るペンダントを受け取りながら、皆が門から中へと入って行く。
「魔法の力、上がってるじゃないかリビ!」
後ろから背中を叩かれて振り向けば、元気なアイルがいた。
「アイル先生お疲れ様です。元気そうですね。」
「あははっ、思っていたよりも職人が集まったからね。疲れてはいるけど、こんな機会めったにないだろ?楽しかったというのが勝ったのかもしれないさね!」
笑うアイルの後ろで見習いの子たちがふらふらしているんだけどな。
かく言う私も倒れはしないものの、とてつもなく疲れている。
ソラもずっと飛び続けていたから、眠そうに私に寄りかかっている。
「お疲れ様ソラ、まだ寝ちゃダメだよ。寝るならお城着いてからね。」
「キュウ。」
眠そうなソラの体をゆすっていると、そこにザッフィロがやってきた。
「お疲れさま、ドラゴン眠そうだな。担いで連れて行こうか?」
「ザッフィロさんもお疲れ様です。いえいえ、貴方もお疲れでしょうし。」
「いや、あんたが魔法かけてくれたから、思ってたより疲れてない。それに体力なら自信あるしな。」
ザッフィロが手を広げると、ソラは迷うことなく抱っこされる。
このドラゴン、ほんと人見知りとかしないな。
「ザッフィロさん、さすがですね。私はもうソラを抱っこするのは無理かも。」
「俺もソラを抱えられるけど?」
対抗してきたのはビルをおんぶしているトゥアだ。
「ビルさん、大丈夫ですか?」
「リビさん違うんです、そんなに疲れてないって言ってるのにお兄ちゃんが。」
「もともとビルはそんなに体が強い方じゃねぇんだよ。そんなふらついてるビルにシグレがお姫様抱っこでもしてみろ。許さねぇ。」
トゥアはそんなことを言いながらミゾレにペンダントを受け取りに行った。
「トゥアさんは本当に面白いことを仰いますよね。」
気付いたら隣にシグレがいて、飛び上がりそうなほどびっくりした。
気配消すのやめてほしい。
「貴女もふらついているのなら、私がお姫様抱っことやらをしてさしあげましょうか?」
「遠慮します。」
「ええ、このくらいでばてるような特訓はしてないつもりです。ちゃんと自分で歩けて偉いですね。」
この数か月のシグレの特訓はさらにハードだった。
思い出したくもない。
ザッフィロがソラを抱っこして門の中へと入って行くので追いかけようとすると、シグレが私の肩を掴んだ。
「リビさん、もうすぐ来るのでお待ちください。」
「はい?」
シグレはそう言い残し、他の職人たちと共に国へと入って行く。
要塞の外に残されたまま待っていると、ヒサメがこちらに歩いてきた。
「リビ殿お疲れ様。城へ向かおうか。」
「え、はい。」
私はもともとペンダントを持っていたので門を押さえるミゾレに会釈して中へと入った。
そこには、国民が皆こちらを向いて拍手している光景が広がっていた。
「鉱石を直してくれてありがとう!!」
「これからも安心して暮らしていけるよ!」
「本当にありがとうございます!」
そんな声がたくさん聞こえてきた。
泉の谷のエルフも、静寂の海の人魚も、猟虎の獣人も。
皆が驚いて、そうしてその場にいるみんなが笑顔になっている。
種族が違っても、お互いを尊重し感謝できる。
そんな理想の空間が今、ここにある。
鳴りやまない拍手に圧倒されていると、背中にヒサメの尻尾がもすっと当たった。
「職人はもちろんのこと、リビ殿がこれまで頑張ってくれた結果だ。ありがとう。」
ヒサメの言葉に胸がじんわりと温かくなって、そうして嬉しい感情でいっぱいになる。
「はい・・・!」
震える声でやっと返事した私は、泣かないように堪えながら町の中を城まで歩んでいく。
「忘れたか、胸を張って気高く微笑んでおけと言ったはずだ。」
ヒサメのその優しい声に、私は首を横に振って胸を張る。
「忘れてません。でも気高くは無理ですよ、この笑顔じゃいけませんか?」
周りのみんなの笑顔のおかげか、私も素直に笑顔になれる。
ヒサメは私の顔を見たあと、国民の顔を眺めた。
「その笑顔も悪くないな。」
以前、静寂の海の人魚の海熱病の熱を下げるために使用した薬草はとある農家の特別な薬草で、あれから白銀の国とも契約したらしい。
今回はその薬草を使用して、私が職人ひとりひとりに魔法を付与していくことになる。
集まった職人は約200人。
彼らにそれぞれ魔法を付与するとなると、今までで一番多い人数に魔法を付与することにもなる。
自分の魔力を絶やさずに職人に増幅をかけ続ける、それが今日の私の役割だ。
「それじゃあ、始めます!」
まずは人数分の魔力増強と増幅をかけていき、作業開始したのち魔力が減ってきた者からもう一度かけなおす。
第一の工程では全員でこの大きな要塞を水の膜で覆う魔法をかける。
10か所に分けて行うことにはなるが、それでも大人数の魔法の力を合わせるのは至難の業だ。
だが、そこはプロの皆さんの腕の見せ所。
見習いの子たちも必死についていけているあたり、アイルの特訓の恐ろしさが分かる。
第二の工程では要塞に長年刻まれた傷を水の粒子によって修復する作業に入る。
水魔法の性質変化による修復だが、ここは皆なんなくこなせているようだ。
第三の工程で鉱石浄化をすることになるが、アイルの話では見習いの子たちも完璧らしいから大丈夫だろう。
そう思っていたが、どうやら苦戦しているらしい。
そういえばアイルの授業では浄化の工程は難しいからと二つに分けていた。
つまり、それをいっきにやってしまえるプロの人たちに合わせるには自分たちもそうするしかない。
そして、その職人たちの作業の速さが段違いなのだろう。
そんな彼らの作業を追いかけるので精一杯になってしまうということだ。
「焦る必要はないよ!自分たちがやってきた特訓を思い出して、それから自分にできることだけに集中すればいいさね。」
アイルは見習いの子たちにそうやって声をかけている。
彼らもそのことは分かっているだろうが、そうだとしても自分たちが遅れることによって全体のバランスが崩れてしまうと考えていることだろう。
「ソラ、見習いの子たちに付与しに行こう。」
「キュ!」
できるだけサポートできるように、見習いの皆さんに増強を付与する。
少しだけでも作業スピードが上がるように、魔力が乱れないように。
そんな四苦八苦している見習いとは違う位置。その向こう側で魔力の安定しているビルが見えた。
ビルは本当に独学で努力してきたのが分かる瞬間だった。
この工程を10か所すべて行い、その間要塞全体の水の膜を張り続ける。
シグレが魔力を確認しつつ、ボタンが薬草を用意し、私がソラと共に魔法を付与する。
そんなやり取りをすること何十回が過ぎただろう。
もうすぐ全体の鉱石の浄化の終わりが見えてくる。
日が傾いて、夕焼け空が広がりつつあるそんな時刻。
要塞に長年交わり続けていた魔力と、もともと込められていた魔力が一滴も残さず浄化された。
その瞬間が見ていて分かった。
要塞の石の色は変わっていないはずなのに、その中が澄み切ったそんな気がしたのだ。
「ヒサメ様、お願いします!!」
シグレの声で、ヒサメが魔法を発動する。
綺麗にした鉱石に再び魔法を入れる作業というわけだ。
この魔法によって白銀の国は守られてきたのだろう。
その瞬間、水の膜が消えてヒサメの魔法だけが要塞全てを覆っている。
今まで職人全員で覆っていたその要塞を、ヒサメが一人で。
次の瞬間、ヒサメの魔法が要塞の石へと吸収され、鉱石の浄化は終了した。
「皆の素晴らしい仕事に感謝する。ミゾレからペンダントを受け取って、国の中へ入ってくれ。城でのもてなしと、交渉の細かい話をしよう。疲れているだろうが、騎士が案内するのでゆっくり向かおう。」
ヒサメの言葉で全員が仕事の完了を感じて胸を撫でおろす。
ミゾレから国へ入るペンダントを受け取りながら、皆が門から中へと入って行く。
「魔法の力、上がってるじゃないかリビ!」
後ろから背中を叩かれて振り向けば、元気なアイルがいた。
「アイル先生お疲れ様です。元気そうですね。」
「あははっ、思っていたよりも職人が集まったからね。疲れてはいるけど、こんな機会めったにないだろ?楽しかったというのが勝ったのかもしれないさね!」
笑うアイルの後ろで見習いの子たちがふらふらしているんだけどな。
かく言う私も倒れはしないものの、とてつもなく疲れている。
ソラもずっと飛び続けていたから、眠そうに私に寄りかかっている。
「お疲れ様ソラ、まだ寝ちゃダメだよ。寝るならお城着いてからね。」
「キュウ。」
眠そうなソラの体をゆすっていると、そこにザッフィロがやってきた。
「お疲れさま、ドラゴン眠そうだな。担いで連れて行こうか?」
「ザッフィロさんもお疲れ様です。いえいえ、貴方もお疲れでしょうし。」
「いや、あんたが魔法かけてくれたから、思ってたより疲れてない。それに体力なら自信あるしな。」
ザッフィロが手を広げると、ソラは迷うことなく抱っこされる。
このドラゴン、ほんと人見知りとかしないな。
「ザッフィロさん、さすがですね。私はもうソラを抱っこするのは無理かも。」
「俺もソラを抱えられるけど?」
対抗してきたのはビルをおんぶしているトゥアだ。
「ビルさん、大丈夫ですか?」
「リビさん違うんです、そんなに疲れてないって言ってるのにお兄ちゃんが。」
「もともとビルはそんなに体が強い方じゃねぇんだよ。そんなふらついてるビルにシグレがお姫様抱っこでもしてみろ。許さねぇ。」
トゥアはそんなことを言いながらミゾレにペンダントを受け取りに行った。
「トゥアさんは本当に面白いことを仰いますよね。」
気付いたら隣にシグレがいて、飛び上がりそうなほどびっくりした。
気配消すのやめてほしい。
「貴女もふらついているのなら、私がお姫様抱っことやらをしてさしあげましょうか?」
「遠慮します。」
「ええ、このくらいでばてるような特訓はしてないつもりです。ちゃんと自分で歩けて偉いですね。」
この数か月のシグレの特訓はさらにハードだった。
思い出したくもない。
ザッフィロがソラを抱っこして門の中へと入って行くので追いかけようとすると、シグレが私の肩を掴んだ。
「リビさん、もうすぐ来るのでお待ちください。」
「はい?」
シグレはそう言い残し、他の職人たちと共に国へと入って行く。
要塞の外に残されたまま待っていると、ヒサメがこちらに歩いてきた。
「リビ殿お疲れ様。城へ向かおうか。」
「え、はい。」
私はもともとペンダントを持っていたので門を押さえるミゾレに会釈して中へと入った。
そこには、国民が皆こちらを向いて拍手している光景が広がっていた。
「鉱石を直してくれてありがとう!!」
「これからも安心して暮らしていけるよ!」
「本当にありがとうございます!」
そんな声がたくさん聞こえてきた。
泉の谷のエルフも、静寂の海の人魚も、猟虎の獣人も。
皆が驚いて、そうしてその場にいるみんなが笑顔になっている。
種族が違っても、お互いを尊重し感謝できる。
そんな理想の空間が今、ここにある。
鳴りやまない拍手に圧倒されていると、背中にヒサメの尻尾がもすっと当たった。
「職人はもちろんのこと、リビ殿がこれまで頑張ってくれた結果だ。ありがとう。」
ヒサメの言葉に胸がじんわりと温かくなって、そうして嬉しい感情でいっぱいになる。
「はい・・・!」
震える声でやっと返事した私は、泣かないように堪えながら町の中を城まで歩んでいく。
「忘れたか、胸を張って気高く微笑んでおけと言ったはずだ。」
ヒサメのその優しい声に、私は首を横に振って胸を張る。
「忘れてません。でも気高くは無理ですよ、この笑顔じゃいけませんか?」
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