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白銀の国3
猫
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それはどこからどう見ても猫だった。
「え、猫じゃん!!」
「うお、びっくりした。そうだよ、猫又?とかいう魔獣だってさ。気配を消せるから人を運ぶのに最適なんだと。リビ、どうした?」
三角の耳、まるまるの瞳、まるっとした後頭部、ピンクの肉球に二つのしっぽ!!
路上に猫がいなかったからてっきりこの世界に猫はいないのかと思っていた。
「かわいい・・・!!」
「リビ猫好きなのか?」
トゥアが不思議そうに聞くので、私は力を込めて全力で答える。
「全ての生き物の中で猫が一番好、痛!!」
ソラの尻尾が勢いよく背中に当たった。
「ソラ、そろそろ自分の大きさを把握して・・・。」
「キュ。」
ソラは拗ねたように頭でぐいぐいと私の頭を押してくる。
「ごめんってば。住んでたところにはドラゴンなんていなかったからしょうがないでしょ。」
ソラを慰めているとすぐ後ろから声がした。
「猫が一番好き、か。」
振り向くとそこにはヒサメが立っていて、耳がぴんと立っている。
「ヒサメ様、あんな魔獣がいるならどうして教えてくれなかったんですか。」
「別に隠していた訳ではない。それにリビ殿が、猫が一番好き、だなんて知らなかった。」
「言う機会ないので。」
私とヒサメのやり取りに何故かトゥアとザッフィロが複雑な表情をしている。
「それで?猫が一番なら、狼は何番目だ?」
ヒサメが何故か笑顔なので怖いが、そんなことは気にせず動物を思い浮かべる。
「狼ですか?あんまり考えたことないですね、虎とかライオンとかネコ科の動物が結構好きで。」
「リビちょっとこっち来い!!」
トゥアに引っ張られ、小声で怒られる。
「あんたさ、もう少し考えろよ。ヒサメ様の機嫌損ねたらまずいだろ。ここの国王だぞ!?」
「いや、ヒサメ様は冷静沈着な人だから。こんなことで怒らないですよ。」
それに、狼が好きなことと、狼獣人のヒサメに好感を持っているのは別なのでは?
だいたい、この近距離じゃ小声は何の意味ももたない。
ヒサメ様に丸聞こえなんだよな。
「あんたが答えるべきなのはひとつ、狼も好きです、だろうが!」
もう一度言っておくが、トゥアのその小声はヒサメに丸聞こえだ。
全て聞かれていることを前提に、私はヒサメの前に行く。
「えっと、狼も好きです。」
「言わされてるとしても、もう少し感情を込められないのか?」
「言わされてると分かってるから、意味ないでしょう?それよりヒサメ様、あの猫触りたいです。」
トゥアとザッフィロがはらはらと見守る中、ヒサメは口の端をあげる。
「もうすぐ作業を開始するから、少しだけな。」
「はい!ありがとうございます。ソラも行こう、大きい猫だよ!」
私はそう言ってソラと共に猫又の目の前まできた。
黒と白の模様が混ざっていて、瞳は黄金色だ。
背中には大きな籠を背負っていて、おそらくあれに乗ってみんなは送迎されてきたのだろう。
「あの、触ってもいいですか?」
この世界に来て、人型以外にも話しかけるようになってしまったが、はたして答えてくれるだろうか。
猫又はこちらを見るとゆっくりと瞬きをする。
え、いいのかな。触っていいかな。
「失礼します。」
猫又の首のとこらへんを触ろうと手を伸ばすと手が沈み込んでいく。
ソラも同様に手を伸ばして撫でている。
「ソラって、まさかこんなに大きくはならないよね?」
「キュ?」
ソラ自身もどれほど大きくなるかは知らないらしい。
「なるだろ、一緒に絵本見ただろ?」
後ろからトゥアに声をかけられ、その後ろにヒサメもついてきていた。
「ブルームーンドラゴンなんだから、この猫又くらい大きくなるだろ。まぁ、どのくらいの期間で大きくなるかは知らねぇけどな。」
「そうなんですか。あまりに大きくなると町中を歩くのも大変になりそうですね。」
今のソラの大きさですら目立っているが、この猫又のサイズになると思うとさすがに町は入れない。
「住める山をひとつやろうか?そこに家でもなんでも建てればいい。」
ヒサメがあっけらかんと言うものだから、トゥアが唖然としている。
「なんでいつも山を与えようとするんですか。ほいほいあげていいもんじゃないですからね、それ。」
「オレは部下に褒賞を与えることもある。なんの問題があるんだ?」
当然のように答えるヒサメを見るトゥアは、少し目を輝かせる。
「交渉次第では継続的な仕事もとれるんじゃね?」
「トゥアさんの腕の見せ所ですね。」
「よし、とりあえず鉱石浄化成功させてくれよな、リビ。」
トゥアにそう言われたことで、私も気合を入れなおす。
今まで長期間に及び取り組んできた仕事の大詰め、というか本番だ。
なんとしてでも、成功させなければいけない。
「この度は白銀の国の要塞のためにお集まり頂き、感謝申し上げる。要塞の区域を10か所に分けて、全員で取り組んでもらうことになる。リビ殿以外の移動は猫又で行い、職人以外の方々はそのサポートを頼みたい。何かあればそれぞれの位置に待機している騎士に言ってほしい。それでは各自持ち場についてくれ。」
ヒサメの挨拶が終わり速やかに全員移動していく。
私はボタンと合流し、これからの仕事の確認だ。
「私はリビさんについて行き、魔力増幅の薬草を渡します。」
「お願いします。私は職人の皆さんの魔力増幅、魔力増強を付与していきます。」
今日この日のためにシグレと特訓をしてきた。
私の魔法の強さが上がれば上がるほど、職人に付与できる効果は倍になる。
私が先に力尽きるわけにはいかない。
「ソラ、今日はずっと飛んでもらうことになるからよろしくね。」
「キュ!!」
私とソラは気合を入れて、空へと飛び立った。
「え、猫じゃん!!」
「うお、びっくりした。そうだよ、猫又?とかいう魔獣だってさ。気配を消せるから人を運ぶのに最適なんだと。リビ、どうした?」
三角の耳、まるまるの瞳、まるっとした後頭部、ピンクの肉球に二つのしっぽ!!
路上に猫がいなかったからてっきりこの世界に猫はいないのかと思っていた。
「かわいい・・・!!」
「リビ猫好きなのか?」
トゥアが不思議そうに聞くので、私は力を込めて全力で答える。
「全ての生き物の中で猫が一番好、痛!!」
ソラの尻尾が勢いよく背中に当たった。
「ソラ、そろそろ自分の大きさを把握して・・・。」
「キュ。」
ソラは拗ねたように頭でぐいぐいと私の頭を押してくる。
「ごめんってば。住んでたところにはドラゴンなんていなかったからしょうがないでしょ。」
ソラを慰めているとすぐ後ろから声がした。
「猫が一番好き、か。」
振り向くとそこにはヒサメが立っていて、耳がぴんと立っている。
「ヒサメ様、あんな魔獣がいるならどうして教えてくれなかったんですか。」
「別に隠していた訳ではない。それにリビ殿が、猫が一番好き、だなんて知らなかった。」
「言う機会ないので。」
私とヒサメのやり取りに何故かトゥアとザッフィロが複雑な表情をしている。
「それで?猫が一番なら、狼は何番目だ?」
ヒサメが何故か笑顔なので怖いが、そんなことは気にせず動物を思い浮かべる。
「狼ですか?あんまり考えたことないですね、虎とかライオンとかネコ科の動物が結構好きで。」
「リビちょっとこっち来い!!」
トゥアに引っ張られ、小声で怒られる。
「あんたさ、もう少し考えろよ。ヒサメ様の機嫌損ねたらまずいだろ。ここの国王だぞ!?」
「いや、ヒサメ様は冷静沈着な人だから。こんなことで怒らないですよ。」
それに、狼が好きなことと、狼獣人のヒサメに好感を持っているのは別なのでは?
だいたい、この近距離じゃ小声は何の意味ももたない。
ヒサメ様に丸聞こえなんだよな。
「あんたが答えるべきなのはひとつ、狼も好きです、だろうが!」
もう一度言っておくが、トゥアのその小声はヒサメに丸聞こえだ。
全て聞かれていることを前提に、私はヒサメの前に行く。
「えっと、狼も好きです。」
「言わされてるとしても、もう少し感情を込められないのか?」
「言わされてると分かってるから、意味ないでしょう?それよりヒサメ様、あの猫触りたいです。」
トゥアとザッフィロがはらはらと見守る中、ヒサメは口の端をあげる。
「もうすぐ作業を開始するから、少しだけな。」
「はい!ありがとうございます。ソラも行こう、大きい猫だよ!」
私はそう言ってソラと共に猫又の目の前まできた。
黒と白の模様が混ざっていて、瞳は黄金色だ。
背中には大きな籠を背負っていて、おそらくあれに乗ってみんなは送迎されてきたのだろう。
「あの、触ってもいいですか?」
この世界に来て、人型以外にも話しかけるようになってしまったが、はたして答えてくれるだろうか。
猫又はこちらを見るとゆっくりと瞬きをする。
え、いいのかな。触っていいかな。
「失礼します。」
猫又の首のとこらへんを触ろうと手を伸ばすと手が沈み込んでいく。
ソラも同様に手を伸ばして撫でている。
「ソラって、まさかこんなに大きくはならないよね?」
「キュ?」
ソラ自身もどれほど大きくなるかは知らないらしい。
「なるだろ、一緒に絵本見ただろ?」
後ろからトゥアに声をかけられ、その後ろにヒサメもついてきていた。
「ブルームーンドラゴンなんだから、この猫又くらい大きくなるだろ。まぁ、どのくらいの期間で大きくなるかは知らねぇけどな。」
「そうなんですか。あまりに大きくなると町中を歩くのも大変になりそうですね。」
今のソラの大きさですら目立っているが、この猫又のサイズになると思うとさすがに町は入れない。
「住める山をひとつやろうか?そこに家でもなんでも建てればいい。」
ヒサメがあっけらかんと言うものだから、トゥアが唖然としている。
「なんでいつも山を与えようとするんですか。ほいほいあげていいもんじゃないですからね、それ。」
「オレは部下に褒賞を与えることもある。なんの問題があるんだ?」
当然のように答えるヒサメを見るトゥアは、少し目を輝かせる。
「交渉次第では継続的な仕事もとれるんじゃね?」
「トゥアさんの腕の見せ所ですね。」
「よし、とりあえず鉱石浄化成功させてくれよな、リビ。」
トゥアにそう言われたことで、私も気合を入れなおす。
今まで長期間に及び取り組んできた仕事の大詰め、というか本番だ。
なんとしてでも、成功させなければいけない。
「この度は白銀の国の要塞のためにお集まり頂き、感謝申し上げる。要塞の区域を10か所に分けて、全員で取り組んでもらうことになる。リビ殿以外の移動は猫又で行い、職人以外の方々はそのサポートを頼みたい。何かあればそれぞれの位置に待機している騎士に言ってほしい。それでは各自持ち場についてくれ。」
ヒサメの挨拶が終わり速やかに全員移動していく。
私はボタンと合流し、これからの仕事の確認だ。
「私はリビさんについて行き、魔力増幅の薬草を渡します。」
「お願いします。私は職人の皆さんの魔力増幅、魔力増強を付与していきます。」
今日この日のためにシグレと特訓をしてきた。
私の魔法の強さが上がれば上がるほど、職人に付与できる効果は倍になる。
私が先に力尽きるわけにはいかない。
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