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白銀の国3
職人集結
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あれから数か月が過ぎ、私は今白銀の国の要塞の前にいた。
いや、私だけではない。
泉の谷のエルフ、静寂の海の人魚族、猟虎の獣人族、それぞれの鉱石浄化の職人が勢揃いしていた。
「それなりの人数が揃ったじゃないか。見習いの子たちも浄化においては完璧さね。速さはまだまだだけど、これでもかなり急いで修行したんだよ。」
振り向けばそこにはアイルがいて、そうしてソラが走ってきて私の腹に頭突きした。
「ヴッ!!」
多分また大きくなっているソラの頭突きはそれなりに重い。
「キュキュキュキュキュ!!!」
「いや、ごめんって。私もシグレさんに魔力強化の特訓をしてもらわないといけなかったから、あまり会いにいけなかったんだよ。ちゃんと手紙送ってたでしょ?」
ソラは私と一緒に言語の勉強をしたおかげで文字を読むことが出来る。
だが、どうやら納得がいかないらしい。
頭でどしどしと小突いてくるので、なだめるように頭を撫でまわす。
「アイル先生、ソラのことありがとうございます。泉の谷にソラのことを任せきりにしてしまって。」
「別に構わないさ。ソラには見習いの修行を手伝って貰ってたし、それにあたしよりもトゥアの方がソラの面倒を見てたよ。」
「そうそう。あんた、もう少しソラのとこに戻ってやれよ。なぁ、ソラ。」
トゥアがやってきて、ソラも頷いていてる。
随分と仲良くなったみたいだな。
「お兄ちゃん!リビさん!」
そこへビルが駆け寄ってきて、後ろからシグレが歩いてくるのが見えた。
「ビル、元気そうで良かった。ババアも来てるぞ、会ったか?」
「おばあちゃんでしょ。さっき会ったよ。おばあちゃんまで泉の谷を出てくるとは思わなかったよ。」
泉の谷から出るのは基本交渉人だけだという話だった。
エルフがかかる病のこともあって、泉の谷を出ることに躊躇いがあったせいだ。
けれど、その泉の谷はビルが決意したあの日に何かが変わったようだ。
「今回の鉱石の浄化のために、職人は泉の谷の外に出なきゃだろ。だから、族長含め、表に出る練習したんだよ。」
泉の谷から出るエルフは本当に限られていた。
だからこそ、泉の谷を出て暮らすことを決意したビルがいることによって、きっとこれからの泉の谷は変わっていく。
「もちろん、やっぱり怖くて出られない奴もいるけどさ。今回の職人の人たちはそうもいかないだろ?見習いの連中は、俺が外に出してやったんだから感謝しろよな。」
トゥアはそう言って、私の肩を叩く。
「ありがとうございます、トゥアさん。一体どんな練習を?」
「自分で外に出るか、それとも俺に突き飛ばされて出るか、選ばせてやった。」
トゥアは見た目はこんなにも美少女だが、力は完全に男の子だ。
「お兄ちゃん、結構力強いから。見習いの人たちにケガさせたりしてないよね?」
「してねぇよ。全員自分でちゃんと外に出たからな。でもあいつら、緊張が解けないみたいで、一か所に固まってんだよ。ほら、あそこ。」
トゥアが指さすそこには、見習いの子たちがぎゅうぎゅうに一緒にいる。
すると、べつのところにもぎゅうぎゅうにくっついている人たちがいた。
「あの方たちは、泉の谷の人じゃないですよね?」
その人たちは、小さな耳と黒い尻尾を持っている獣人だ。
ということは、猟虎の一族の方たちかな。
彼らは少し周りとは身長が小さくて、そうして目がくりくりとしていて可愛らしい顔立ちの人が多い印象だ。
「彼らも、あまり自分たちの町から出ることがないそうです。なので、同じく緊張してらっしゃるのではないでしょうか。」
そう言ったのはシグレで、ビルは笑顔になり、トゥアは複雑な顔をした。
「シグレ、ビルとは絶対結婚させねぇからな。」
「お兄ちゃん!?何言ってるの、シグレさんすみません!!」
「いえいえ、トゥアさんも面白いことをおっしゃいますね。」
トゥアのそんな様子にシグレは受け流している。さすがだ。
私はそんな彼らの後ろにいる人魚族の集まりに目がいった。
静寂の海の代表であるコラッロと目が合い、会釈する。
そうしてその隣にいたザッフィロが、こちらに走ってきた。
「あの、海熱病のときは、本当に世話になりました。だからってわけじゃねぇけど、これ受け取ってもらえたらと。」
それは白くて真珠のような輝きを持った渦を巻いた貝殻だ。
「魔力を込めることによって、共鳴水晶と同じように合図が送れる。水晶のように光るんじゃなくて、この空洞から音が聞こえるものだ。短い単語のみ、人魚語が分かるなら多分聞き取れるはずだ。」
私の特殊言語は空間に対応している可能性がある。
つまりこの貝殻を利用した場合、送られた音は理解できても、私から人魚語を送るのは難しいかも。
「私の魔法だと、人魚語を受け取るだけになりそうですが。」
「一方通行でもいいんだ。これを使うときはおそらく緊急時だし、一応持っておいて欲しいと思ってるだけ、です。あんたとは、これからも会うことになる、だろ。」
静寂の海はドクヘビの組織に狙われたかもしれない一族だ。
お互いに調査をしていく上で、これからも静寂の海とは関わりがあるだろう。
「そうですね、ありがたく受け取らせて頂きます。ザッフィロさん。」
「あと、それ、お守りにもなると言われてる貝なんだ。気休めだが、あんたもきっと大変だろうから。」
確かにこれから、ソラと共にいればドクヘビが接触してくることは間違いない。
それに、闇魔法の人間だからということかもしれない。
「ありがとうございます。大切に持っておきますね。」
ザッフィロは頷くと少し笑ってくれた。
「めちゃくちゃいい体してますね、あんた」
トゥアがそう言うと、ザッフィロは少し戸惑ったような顔をする。
私は慌てて二人を紹介することにした。
「彼は静寂の海の人魚でザッフィロさん。そしてこっちは泉の谷のエルフのトゥアさん。」
お互いが会釈して、そうしてトゥアがザッフィロに質問する。
「どうしたら、そうなれるんですか?泳ぐのがいいってことですか?」
「「・・・なりたいんですか?」」
私とザッフィロが同じタイミングで同じ言葉を発した。
トゥアの顔に、あまり筋肉隆々は似合わない。そんな思いが顔に出た。
「うっせぇな。似合わないのは俺が一番分かってんだよ。」
表情を読まれてしまったらしく、トゥアは拗ねてしまった。
「え、男・・・?」
ザッフィロが戸惑っていたのは、どうやらトゥアを女性だと思っていたらしい。
私が頷くと、マジか・・・という顔で固まるザッフィロ。
この場の空気を変えようと悩んだすえ、私はトゥアに質問した。
「そういえば、どうやってこの白銀の国まで来たんですか?馬とか?」
「いや?あれに乗ってきた。」
トゥアが指さした先には大きな丸い固まり。
今まで何故気付かなかったのかというくらい大きなふわふわとした固まり。
「白銀の国の城で飼われてて、祭典とかで来客がある場合に送迎してくれるんだと。まぁ、今までは大人数を運ぶ機会がなかったから久々にこんなに人乗せたんだって。俺は比較的動物好きだからいいけど、他の奴らびびっててさ。」
トゥアは呆れたように笑っていてどうやら機嫌が戻ってきたらしい。
その大きなふわふわの固まりが少し動いたかと思うと、顔をあげて大きくあくびをした。
それはどっからどう見ても猫だった。
いや、私だけではない。
泉の谷のエルフ、静寂の海の人魚族、猟虎の獣人族、それぞれの鉱石浄化の職人が勢揃いしていた。
「それなりの人数が揃ったじゃないか。見習いの子たちも浄化においては完璧さね。速さはまだまだだけど、これでもかなり急いで修行したんだよ。」
振り向けばそこにはアイルがいて、そうしてソラが走ってきて私の腹に頭突きした。
「ヴッ!!」
多分また大きくなっているソラの頭突きはそれなりに重い。
「キュキュキュキュキュ!!!」
「いや、ごめんって。私もシグレさんに魔力強化の特訓をしてもらわないといけなかったから、あまり会いにいけなかったんだよ。ちゃんと手紙送ってたでしょ?」
ソラは私と一緒に言語の勉強をしたおかげで文字を読むことが出来る。
だが、どうやら納得がいかないらしい。
頭でどしどしと小突いてくるので、なだめるように頭を撫でまわす。
「アイル先生、ソラのことありがとうございます。泉の谷にソラのことを任せきりにしてしまって。」
「別に構わないさ。ソラには見習いの修行を手伝って貰ってたし、それにあたしよりもトゥアの方がソラの面倒を見てたよ。」
「そうそう。あんた、もう少しソラのとこに戻ってやれよ。なぁ、ソラ。」
トゥアがやってきて、ソラも頷いていてる。
随分と仲良くなったみたいだな。
「お兄ちゃん!リビさん!」
そこへビルが駆け寄ってきて、後ろからシグレが歩いてくるのが見えた。
「ビル、元気そうで良かった。ババアも来てるぞ、会ったか?」
「おばあちゃんでしょ。さっき会ったよ。おばあちゃんまで泉の谷を出てくるとは思わなかったよ。」
泉の谷から出るのは基本交渉人だけだという話だった。
エルフがかかる病のこともあって、泉の谷を出ることに躊躇いがあったせいだ。
けれど、その泉の谷はビルが決意したあの日に何かが変わったようだ。
「今回の鉱石の浄化のために、職人は泉の谷の外に出なきゃだろ。だから、族長含め、表に出る練習したんだよ。」
泉の谷から出るエルフは本当に限られていた。
だからこそ、泉の谷を出て暮らすことを決意したビルがいることによって、きっとこれからの泉の谷は変わっていく。
「もちろん、やっぱり怖くて出られない奴もいるけどさ。今回の職人の人たちはそうもいかないだろ?見習いの連中は、俺が外に出してやったんだから感謝しろよな。」
トゥアはそう言って、私の肩を叩く。
「ありがとうございます、トゥアさん。一体どんな練習を?」
「自分で外に出るか、それとも俺に突き飛ばされて出るか、選ばせてやった。」
トゥアは見た目はこんなにも美少女だが、力は完全に男の子だ。
「お兄ちゃん、結構力強いから。見習いの人たちにケガさせたりしてないよね?」
「してねぇよ。全員自分でちゃんと外に出たからな。でもあいつら、緊張が解けないみたいで、一か所に固まってんだよ。ほら、あそこ。」
トゥアが指さすそこには、見習いの子たちがぎゅうぎゅうに一緒にいる。
すると、べつのところにもぎゅうぎゅうにくっついている人たちがいた。
「あの方たちは、泉の谷の人じゃないですよね?」
その人たちは、小さな耳と黒い尻尾を持っている獣人だ。
ということは、猟虎の一族の方たちかな。
彼らは少し周りとは身長が小さくて、そうして目がくりくりとしていて可愛らしい顔立ちの人が多い印象だ。
「彼らも、あまり自分たちの町から出ることがないそうです。なので、同じく緊張してらっしゃるのではないでしょうか。」
そう言ったのはシグレで、ビルは笑顔になり、トゥアは複雑な顔をした。
「シグレ、ビルとは絶対結婚させねぇからな。」
「お兄ちゃん!?何言ってるの、シグレさんすみません!!」
「いえいえ、トゥアさんも面白いことをおっしゃいますね。」
トゥアのそんな様子にシグレは受け流している。さすがだ。
私はそんな彼らの後ろにいる人魚族の集まりに目がいった。
静寂の海の代表であるコラッロと目が合い、会釈する。
そうしてその隣にいたザッフィロが、こちらに走ってきた。
「あの、海熱病のときは、本当に世話になりました。だからってわけじゃねぇけど、これ受け取ってもらえたらと。」
それは白くて真珠のような輝きを持った渦を巻いた貝殻だ。
「魔力を込めることによって、共鳴水晶と同じように合図が送れる。水晶のように光るんじゃなくて、この空洞から音が聞こえるものだ。短い単語のみ、人魚語が分かるなら多分聞き取れるはずだ。」
私の特殊言語は空間に対応している可能性がある。
つまりこの貝殻を利用した場合、送られた音は理解できても、私から人魚語を送るのは難しいかも。
「私の魔法だと、人魚語を受け取るだけになりそうですが。」
「一方通行でもいいんだ。これを使うときはおそらく緊急時だし、一応持っておいて欲しいと思ってるだけ、です。あんたとは、これからも会うことになる、だろ。」
静寂の海はドクヘビの組織に狙われたかもしれない一族だ。
お互いに調査をしていく上で、これからも静寂の海とは関わりがあるだろう。
「そうですね、ありがたく受け取らせて頂きます。ザッフィロさん。」
「あと、それ、お守りにもなると言われてる貝なんだ。気休めだが、あんたもきっと大変だろうから。」
確かにこれから、ソラと共にいればドクヘビが接触してくることは間違いない。
それに、闇魔法の人間だからということかもしれない。
「ありがとうございます。大切に持っておきますね。」
ザッフィロは頷くと少し笑ってくれた。
「めちゃくちゃいい体してますね、あんた」
トゥアがそう言うと、ザッフィロは少し戸惑ったような顔をする。
私は慌てて二人を紹介することにした。
「彼は静寂の海の人魚でザッフィロさん。そしてこっちは泉の谷のエルフのトゥアさん。」
お互いが会釈して、そうしてトゥアがザッフィロに質問する。
「どうしたら、そうなれるんですか?泳ぐのがいいってことですか?」
「「・・・なりたいんですか?」」
私とザッフィロが同じタイミングで同じ言葉を発した。
トゥアの顔に、あまり筋肉隆々は似合わない。そんな思いが顔に出た。
「うっせぇな。似合わないのは俺が一番分かってんだよ。」
表情を読まれてしまったらしく、トゥアは拗ねてしまった。
「え、男・・・?」
ザッフィロが戸惑っていたのは、どうやらトゥアを女性だと思っていたらしい。
私が頷くと、マジか・・・という顔で固まるザッフィロ。
この場の空気を変えようと悩んだすえ、私はトゥアに質問した。
「そういえば、どうやってこの白銀の国まで来たんですか?馬とか?」
「いや?あれに乗ってきた。」
トゥアが指さした先には大きな丸い固まり。
今まで何故気付かなかったのかというくらい大きなふわふわとした固まり。
「白銀の国の城で飼われてて、祭典とかで来客がある場合に送迎してくれるんだと。まぁ、今までは大人数を運ぶ機会がなかったから久々にこんなに人乗せたんだって。俺は比較的動物好きだからいいけど、他の奴らびびっててさ。」
トゥアは呆れたように笑っていてどうやら機嫌が戻ってきたらしい。
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