46 / 169
泉の谷
ドラゴンの逸話
しおりを挟む
「鉱石浄化の訓練をしている間、そんなことが起こっていたんだね」
アイルが見習いの皆さんに教えている場に久々に寄ってみると、ソラが思いっきり抱き着いてきた。
ソラの勢いに多少よろめいたが、なんとか持ちこたえる。
私はアイルに族長の孫娘のことについて大まかに話をした。
きっと要塞の鉱石浄化の戦力になると伝えたかったのだ。
「それはとても助かるよ。一人でも多ければ多いほど周りを説得しやすいさね。それにね、見習いさんたちも徐々に段階をクリアできているのさ。ソラの協力もあって順調だよ!」
アイルにそう言われたソラは大きな氷の結晶をフッと吹き出す。
「ソラ、もしかして魔力が上がってる?」
「キュ!!」
「毎日のように見習いさんの水魔法の練習に付き合ってるからね。ソラも特訓してるようなもんさね。もともと、ブルームーンドラゴンには世界の全てを凍らせたという逸話が残っているくらいさ。魔力が強いドラゴンとして有名なのさ」
「え、そんな逸話があるんですか?知らなかったです」
私が目を丸くして言えば、アイルもまた驚いた表情をする。
「リビ知らないのかい?ブルームーンドラゴンはこの世界における守り神とされている。それは知ってる?」
「はい、太陽の国の王様がそう言っていたと思います。絶滅危惧種なんですよね」
「そうさ。そもそもブルームーンドラゴンが世界の守り神と言われるようになったのは、100年よりもっと昔。戦争を止めたとされていることが発端さね。」
「戦争を、止めた?」
私はソラの顔を見るが、首を傾げられた。
それはそうだ、この子はまだ生まれてもいないだろう。
「あの、戦争を止めたって・・・」
私が話を続きをしようとしたとき、見習いの子がアイルを呼びに来た。
「アイル先生、ここのとこ、教えて欲しいんですが」
「ああ、もちろん。リビごめんね、続きは今度。もしくは、図書館にその話があるかもしれない。泉の谷の図書館においてるかは分からないけどね」
アイルはそう言いながら教えに行ってしまった。
泉の谷の図書館には行ったことがないが、入れるのだろうか。
「ソラちゃん、練習お願いしてもいいですか?」
「キュキュ!」
見習いの子が今度はソラの元へと来た。
ソラは今や立派に鉱石浄化のお手伝いをしているようだ。
ソラが私に手を振るので、私も手を振ってその場を後にした。
泉の谷の真ん中あたり、レンガ調の大きな建物に図書館と刻まれている。
これは、誰でも入れるのか?
入口でうろうろしていると後ろから背中を思いっきり叩かれた。
「不審者、なにしてんの?」
「トゥアさん!図書館に入っていいのか分からなくて」
「図書館なんて誰でも入れるもんだろ。意味わかんねぇ。ほら、来いって」
トゥアは私の手を引っ張ると図書館の中へと入って行った。
「何知りたいんだ?鉱石のこと?」
「それも確かに気にはなりますが、今日はブルームーンドラゴンの逸話について知りたいんです」
トゥアは振り返ると信じられないものを見るような目で私を見た。
「は?あんたそのドラゴン連れてるくせに逸話も知らねぇの?そんなことある?ってかさ、ブルームーンドラゴンの逸話なんて子供の時に親とか絵本で知るような話じゃん。・・・複雑な事情あるならごめんだけど」
最後にそう付け足したトゥアは本当にいい子だな。
複雑な事情は確かにあるが、何と説明したら良いか分からない。
私が迷っていたからか、トゥアは絵本のコーナーに連れて来てくれた。
「歴史書みたいなのもあるけど、絵本のが分かりやすいと思う。流れが分かってからもっと詳しく知りたかったらそっち読めば?」
トゥアは一冊の本を渡してくれた。
「これ、俺もビルも母さんに読み聞かせされてたやつ。有名なやつだから、情報として知るのには悪くないと思う」
「ありがとうございます」
私が読み始めると、トゥアは隣で本を覗いていた。
懐かしいのだろうか。
本を開くと青みがかったもふもふの大きなドラゴンが描かれていた。
〈ドラゴンが守り神様になったお話〉
ふわふわの毛、青い瞳、美しい翼を持ったドラゴンがいました。
ドラゴンは争いを嫌い、静かに暮らせる寒い山に住んでいます。
ある日、人間たちが戦争を始めてしまい、人間が山に入りました。
木々が燃やされて、たくさんの鉱石を削られ、山は住めなくなりました。
住処を探して飛んでいると、人間たちが醜く争う様子が見えました。
逃げる子供も、大人も、皆傷だらけでドラゴンは悲しみました。
人間のみならず、動物も魔獣も傷だらけでドラゴンは怒りました。
そうしてドラゴンはこの世界のすべてを凍らせてしまったのです。
凍った氷が溶けていくと、争う心も溶かされて戦争は終わりを迎えました。
しかし、世界を凍らせるほどの魔法を使ったドラゴンは弱り果て、二度と人間の前に姿を現すことはありませんでした。
戦争を止めた英雄としてこのドラゴンを世界の守り神にして大切にしていこうと決めたのでした。
「なんだか、絵本ぽくはないですね」
私の第一印象にトゥアは頷いた。
「絵本とはいえ、戦争が起こったことを子供にも知ってほしいと書かれたもんなんだよ。子供向けに一応柔らかい表現がされていたり、脚色されたりしてるんだ。傷だらけっていうのはおそらく、死体の山だっただろうし。争う心が溶けたっていうのは比喩で、戦争してる場合じゃなくなったってことだと思う」
絵本を棚に戻してくれているトゥアに問い掛ける。
「場合じゃないっていうのはどういうことですか」
「ドラゴンの魔法で凍ったのは事実なんだ。つまり、地面や海や森や山、もしかしたら生物も凍ったとして、食べ物が取れなくなるってことだ。戦争してた奴らは戦いよりも氷を溶かすことに専念しなければならなかったんだ。そうじゃないと、この世界が滅びるから」
トゥアは声のトーンを下げるとリビを手招きした。
「ブルームーンドラゴンは守り神とか英雄とか言われてるけど、ほんとは魔法が強すぎてこの世界を滅ぼすくらいの力があるから、皆が無闇に刺激しないようにするためにそう言ってる節もあると思ってる。まぁ、ブルームーンドラゴン自体が温厚で争いが嫌いだから、戦争が再び起きないようにっていう戒めでもあるんだろうけど」
「なんで声を小さくするんですか」
「表裏一体、守り神って言うことも出来るし破壊神っていうことも出来るって話。この話するとババアに怒られるんだよ。ただの考察だっての」
トゥアの考察には納得できるところもある。
しかし、争いを好まず魔力が強いはずの彼らは何故絶滅危惧種なのだろうか。
「絶滅危惧種って話ですが、ブルームーンドラゴンはそんなに数が少ないんですか」
「姿をほとんど現さないから正確な数は分かってないらしいけど、研究者によると近年は雪山が少なく、そこに住めるドラゴンの量しかいないだろうってことだ。それに15年前、事件があったらしい」
「事件、ですか」
「大量のブルームーンドラゴンの血が見つかって、そうして一頭のドラゴンの遺体を見つけた。その遺体の傷は明らかに意図的に切られたものだって。つまり、ブルームーンドラゴンを殺した奴がいるってことだよ。犯人は捕まってないし殺されたのが一頭だけとは限らない。だから、ドラゴンの数は想定よりも少ないと言われてる。守り神とされてるドラゴンを一体誰が殺すんだろうな」
トゥアは別の本を取り出してページをめくる。
そこにはドラゴン殺害事件についてと書かれている。
「生物学者の人が書いてる本でさ、15年前のこともこれで知ったんだ」
「トゥアさん、ドラゴンに興味があるんですか」
トゥアはバツが悪そうに視線を本に落とす。
「…色々言ったけど、母さんが読んでくれた絵本に出てくるドラゴンに会ってみたかったんだ。だから、小さい時どうやったら会えるかなって図書館で調べてさ。そしたら、殺された話が出てきて、英雄なのになんでって思って。もっと調べていくうちにさっきのような考察に行き着いた。もしかしたら、英雄とは思ってない奴もいるってさ」
「それは、いるでしょうね」
私が頷けばトゥアはきょとんとした顔をした。
「意外でしたか?」
「だって、リビはそのドラゴン連れてるじゃん」
「それとこれとは話が別です。戦争を無理やり止めた結果不利益を被った者は必ずいます。だって何かしらのために戦争を起こしたはずです。それが未達成のままドラゴンに邪魔されたと考える者もいるでしょう。その腹いせにブルームーンドラゴンを殺す、あり得なくはないですね」
私が淡々とそう告げるのでトゥアは呆れたように本を閉じた。
「ブルームーンドラゴンと一番身近にいるあんたがそう考えられるなら、俺が悩む必要なかったな」
「何を悩むんですか」
「会いづらかったんだ。今この谷に会いたかったドラゴンがいるのに、俺は考察のせいで純粋に会えない気がして。でも、そこは切り離して考えるべきだったって思った」
トゥアはブルームーンドラゴンに間接的な罪悪感でも抱いていたのだろうか。
そんなことを気にする必要はないというのに、どこか繊細な子だな。
「うちのドラゴン、ソラって言うんですけど会いに行きましょうか」
「え、急に!?」
私はトゥアの手を引いてソラのいる鉱石浄化特訓部屋に訪れた。
トゥアはソラとぎこちない握手をしていて面白かった。
「絵本の通り…ふわふわなんだな」
トゥアがそう目を輝かせるので、子供らしいところがちゃんとあるなぁと庇護欲にかられるのだった。
アイルが見習いの皆さんに教えている場に久々に寄ってみると、ソラが思いっきり抱き着いてきた。
ソラの勢いに多少よろめいたが、なんとか持ちこたえる。
私はアイルに族長の孫娘のことについて大まかに話をした。
きっと要塞の鉱石浄化の戦力になると伝えたかったのだ。
「それはとても助かるよ。一人でも多ければ多いほど周りを説得しやすいさね。それにね、見習いさんたちも徐々に段階をクリアできているのさ。ソラの協力もあって順調だよ!」
アイルにそう言われたソラは大きな氷の結晶をフッと吹き出す。
「ソラ、もしかして魔力が上がってる?」
「キュ!!」
「毎日のように見習いさんの水魔法の練習に付き合ってるからね。ソラも特訓してるようなもんさね。もともと、ブルームーンドラゴンには世界の全てを凍らせたという逸話が残っているくらいさ。魔力が強いドラゴンとして有名なのさ」
「え、そんな逸話があるんですか?知らなかったです」
私が目を丸くして言えば、アイルもまた驚いた表情をする。
「リビ知らないのかい?ブルームーンドラゴンはこの世界における守り神とされている。それは知ってる?」
「はい、太陽の国の王様がそう言っていたと思います。絶滅危惧種なんですよね」
「そうさ。そもそもブルームーンドラゴンが世界の守り神と言われるようになったのは、100年よりもっと昔。戦争を止めたとされていることが発端さね。」
「戦争を、止めた?」
私はソラの顔を見るが、首を傾げられた。
それはそうだ、この子はまだ生まれてもいないだろう。
「あの、戦争を止めたって・・・」
私が話を続きをしようとしたとき、見習いの子がアイルを呼びに来た。
「アイル先生、ここのとこ、教えて欲しいんですが」
「ああ、もちろん。リビごめんね、続きは今度。もしくは、図書館にその話があるかもしれない。泉の谷の図書館においてるかは分からないけどね」
アイルはそう言いながら教えに行ってしまった。
泉の谷の図書館には行ったことがないが、入れるのだろうか。
「ソラちゃん、練習お願いしてもいいですか?」
「キュキュ!」
見習いの子が今度はソラの元へと来た。
ソラは今や立派に鉱石浄化のお手伝いをしているようだ。
ソラが私に手を振るので、私も手を振ってその場を後にした。
泉の谷の真ん中あたり、レンガ調の大きな建物に図書館と刻まれている。
これは、誰でも入れるのか?
入口でうろうろしていると後ろから背中を思いっきり叩かれた。
「不審者、なにしてんの?」
「トゥアさん!図書館に入っていいのか分からなくて」
「図書館なんて誰でも入れるもんだろ。意味わかんねぇ。ほら、来いって」
トゥアは私の手を引っ張ると図書館の中へと入って行った。
「何知りたいんだ?鉱石のこと?」
「それも確かに気にはなりますが、今日はブルームーンドラゴンの逸話について知りたいんです」
トゥアは振り返ると信じられないものを見るような目で私を見た。
「は?あんたそのドラゴン連れてるくせに逸話も知らねぇの?そんなことある?ってかさ、ブルームーンドラゴンの逸話なんて子供の時に親とか絵本で知るような話じゃん。・・・複雑な事情あるならごめんだけど」
最後にそう付け足したトゥアは本当にいい子だな。
複雑な事情は確かにあるが、何と説明したら良いか分からない。
私が迷っていたからか、トゥアは絵本のコーナーに連れて来てくれた。
「歴史書みたいなのもあるけど、絵本のが分かりやすいと思う。流れが分かってからもっと詳しく知りたかったらそっち読めば?」
トゥアは一冊の本を渡してくれた。
「これ、俺もビルも母さんに読み聞かせされてたやつ。有名なやつだから、情報として知るのには悪くないと思う」
「ありがとうございます」
私が読み始めると、トゥアは隣で本を覗いていた。
懐かしいのだろうか。
本を開くと青みがかったもふもふの大きなドラゴンが描かれていた。
〈ドラゴンが守り神様になったお話〉
ふわふわの毛、青い瞳、美しい翼を持ったドラゴンがいました。
ドラゴンは争いを嫌い、静かに暮らせる寒い山に住んでいます。
ある日、人間たちが戦争を始めてしまい、人間が山に入りました。
木々が燃やされて、たくさんの鉱石を削られ、山は住めなくなりました。
住処を探して飛んでいると、人間たちが醜く争う様子が見えました。
逃げる子供も、大人も、皆傷だらけでドラゴンは悲しみました。
人間のみならず、動物も魔獣も傷だらけでドラゴンは怒りました。
そうしてドラゴンはこの世界のすべてを凍らせてしまったのです。
凍った氷が溶けていくと、争う心も溶かされて戦争は終わりを迎えました。
しかし、世界を凍らせるほどの魔法を使ったドラゴンは弱り果て、二度と人間の前に姿を現すことはありませんでした。
戦争を止めた英雄としてこのドラゴンを世界の守り神にして大切にしていこうと決めたのでした。
「なんだか、絵本ぽくはないですね」
私の第一印象にトゥアは頷いた。
「絵本とはいえ、戦争が起こったことを子供にも知ってほしいと書かれたもんなんだよ。子供向けに一応柔らかい表現がされていたり、脚色されたりしてるんだ。傷だらけっていうのはおそらく、死体の山だっただろうし。争う心が溶けたっていうのは比喩で、戦争してる場合じゃなくなったってことだと思う」
絵本を棚に戻してくれているトゥアに問い掛ける。
「場合じゃないっていうのはどういうことですか」
「ドラゴンの魔法で凍ったのは事実なんだ。つまり、地面や海や森や山、もしかしたら生物も凍ったとして、食べ物が取れなくなるってことだ。戦争してた奴らは戦いよりも氷を溶かすことに専念しなければならなかったんだ。そうじゃないと、この世界が滅びるから」
トゥアは声のトーンを下げるとリビを手招きした。
「ブルームーンドラゴンは守り神とか英雄とか言われてるけど、ほんとは魔法が強すぎてこの世界を滅ぼすくらいの力があるから、皆が無闇に刺激しないようにするためにそう言ってる節もあると思ってる。まぁ、ブルームーンドラゴン自体が温厚で争いが嫌いだから、戦争が再び起きないようにっていう戒めでもあるんだろうけど」
「なんで声を小さくするんですか」
「表裏一体、守り神って言うことも出来るし破壊神っていうことも出来るって話。この話するとババアに怒られるんだよ。ただの考察だっての」
トゥアの考察には納得できるところもある。
しかし、争いを好まず魔力が強いはずの彼らは何故絶滅危惧種なのだろうか。
「絶滅危惧種って話ですが、ブルームーンドラゴンはそんなに数が少ないんですか」
「姿をほとんど現さないから正確な数は分かってないらしいけど、研究者によると近年は雪山が少なく、そこに住めるドラゴンの量しかいないだろうってことだ。それに15年前、事件があったらしい」
「事件、ですか」
「大量のブルームーンドラゴンの血が見つかって、そうして一頭のドラゴンの遺体を見つけた。その遺体の傷は明らかに意図的に切られたものだって。つまり、ブルームーンドラゴンを殺した奴がいるってことだよ。犯人は捕まってないし殺されたのが一頭だけとは限らない。だから、ドラゴンの数は想定よりも少ないと言われてる。守り神とされてるドラゴンを一体誰が殺すんだろうな」
トゥアは別の本を取り出してページをめくる。
そこにはドラゴン殺害事件についてと書かれている。
「生物学者の人が書いてる本でさ、15年前のこともこれで知ったんだ」
「トゥアさん、ドラゴンに興味があるんですか」
トゥアはバツが悪そうに視線を本に落とす。
「…色々言ったけど、母さんが読んでくれた絵本に出てくるドラゴンに会ってみたかったんだ。だから、小さい時どうやったら会えるかなって図書館で調べてさ。そしたら、殺された話が出てきて、英雄なのになんでって思って。もっと調べていくうちにさっきのような考察に行き着いた。もしかしたら、英雄とは思ってない奴もいるってさ」
「それは、いるでしょうね」
私が頷けばトゥアはきょとんとした顔をした。
「意外でしたか?」
「だって、リビはそのドラゴン連れてるじゃん」
「それとこれとは話が別です。戦争を無理やり止めた結果不利益を被った者は必ずいます。だって何かしらのために戦争を起こしたはずです。それが未達成のままドラゴンに邪魔されたと考える者もいるでしょう。その腹いせにブルームーンドラゴンを殺す、あり得なくはないですね」
私が淡々とそう告げるのでトゥアは呆れたように本を閉じた。
「ブルームーンドラゴンと一番身近にいるあんたがそう考えられるなら、俺が悩む必要なかったな」
「何を悩むんですか」
「会いづらかったんだ。今この谷に会いたかったドラゴンがいるのに、俺は考察のせいで純粋に会えない気がして。でも、そこは切り離して考えるべきだったって思った」
トゥアはブルームーンドラゴンに間接的な罪悪感でも抱いていたのだろうか。
そんなことを気にする必要はないというのに、どこか繊細な子だな。
「うちのドラゴン、ソラって言うんですけど会いに行きましょうか」
「え、急に!?」
私はトゥアの手を引いてソラのいる鉱石浄化特訓部屋に訪れた。
トゥアはソラとぎこちない握手をしていて面白かった。
「絵本の通り…ふわふわなんだな」
トゥアがそう目を輝かせるので、子供らしいところがちゃんとあるなぁと庇護欲にかられるのだった。
11
お気に入りに追加
90
あなたにおすすめの小説
【完結】魔女を求めて今日も彼らはやって来る。
まるねこ
ファンタジー
私の名前はエイシャ。私の腰から下は滑らかな青緑の鱗に覆われた蛇のような形をしており、人間たちの目には化け物のように映るようだ。神話に出てくるエキドナは私の祖母だ。
私が住むのは魔女エキドナが住む森と呼ばれている森の中。
昼間でも薄暗い森には多くの魔物が闊歩している。細い一本道を辿って歩いていくと、森の中心は小高い丘になっており、小さな木の家を見つけることが出来る。
魔女に会いたいと思わない限り森に入ることが出来ないし、無理にでも入ってしまえば、道は消え、迷いの森と化してしまう素敵な仕様になっている。
そんな危険を犯してまで森にやって来る人たちは魔女に頼り、願いを抱いてやってくる。
見目麗しい化け物に逢いに来るほどの願いを持つ人間たち。
さて、今回はどんな人間がくるのかしら?
※グロ表現も含まれています。読む方はご注意ください。
ダークファンタジーかも知れません…。
10/30ファンタジーにカテゴリ移動しました。
今流行りAIアプリで絵を作ってみました。
なろう小説、カクヨムにも投稿しています。
Copyright©︎2021-まるねこ
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話7話。
白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます
時岡継美
ファンタジー
初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。
侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。
しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?
他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。
誤字脱字報告ありがとうございます!
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる