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泉の谷
少女の旅立ち
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ビルは谷を出る準備をするために、泉の谷へと足を踏み入れた。
そんなに広くない谷の中ではすでに何かしらの噂が広まってしまっているようで、ビルを見る人々が口々に何か言っているのが見て取れた。
「・・・裏切者」
そんな声が私にも聞こえて、そちらの方を向こうとするとトゥアが大きな声で言った。
「谷の外へ出れない臆病者は黙ってろよ」
トゥアの迫力に怖気づいたのか、人は次第に道をあけていく。
家に入っていくビルと、家に入らずどこかへと行ってしまうトゥアを目で追う。
「リビさん、お兄ちゃんのことお願いしてもいいですか」
ビルにそう言われてトゥアを追いかけると、そこには精霊の泉の前で縮こまって座るトゥアがいる。
私は少し離れた隣に座って、ただ、泉を見ていた。
「・・・母さんが死んでからビルはずっと泣き虫で臆病で俺が守ってやらないとって思ってた。父さんは母さんのぶんまで頑張るとか言って、難しい交渉の仕事を引き受けて年に1度も帰ってこないなんてざらだったから。父さんの交渉はこの谷の誰よりも上手くて、余計に任されるようになって、俺とビルがどれだけ寂しくても会えなかった。それが、俺たちの当たり前になってた。ビルを守るのは俺しかいないって思ってたんだ」
己の腕を握りしめて、そうして顔をあげたトゥアは泣いてはいなかった。
「俺までこの谷を出ていったら、ビルのせいにされちまう。そうならないように、俺はこの谷の身勝手な奴らを黙らせられるくらい功績をあげてやるんだ。魅了なんて能力が、利用されなくて済むようにしてやるんだ。だから、頼みがある」
トゥアは私の手を掴んだ。その手は力強くて暖かかった。
「リビ、ビルの味方になって。俺と一緒にビルを守ってくれ」
トゥアの手を握りしめて、私は頷いていた。
「はい。私はビルさんとトゥアさんの味方ですよ」
『ボクも味方だよ、泣き虫なビルとトゥアのね』
精霊様が顔を出してそう言った。
トゥアももしかしたらこの泉に来て泣いていたのかもしれない。
妹にさえ弱さを見せられなかったのかもしれない。
「精霊様、なんか言ってる?」
「・・・二人の味方だって言ってますよ」
「・・・そうかよ」
握った手は少しの間離されなかった。
転ばないようにするためには誰かの手が必要だったのかもしれない。
表でシグレが待っているからとビルは泉の谷を出ようとしていた。
誰もが声をかけられず、呆然と見ていた。
そんな中、引き止めたのはもちろんアワン族長だった。
「ビル、どうしても谷を出ないといかんか」
「・・・私、自分と同じように困っている子供を助けたい。でも、この谷にいたらそれはきっと、出来ないの。だから、ごめんなさい」
ビルは振り向くこともせず、谷の外へ歩き出す。
アワン族長は、今まで孫の本当の夢さえも知らなかった。
そのことがきっと悲しくて、情けなくて、そしてそれ以上言葉を紡げない。
一歩一歩外へ向かうビルは、そのことが分かっているから振り向けない。
振り向けば、我慢している涙が落ちてしまうから。
ビルが進むほどに精霊の森の木々が閉じてしまう。
ビルの姿が見えなくなってしまう。
アワン族長の小さな声が届かなくなる。
そのときだった。
「ビルちゃん!!いつでも帰ってきていいの!!」
大きなその声はフジャンだった。
「貴女の故郷なんだから、笑顔だけ持って戻ってくればいいの。何か言ってくる奴は私がぶっ飛ばしてあげるから!!」
ビルの足が止まって、それからゆっくり振り向いた。
アワン族長と目が合って、それから我慢していた涙が落ちてきて。
「そうじゃ、ビル。いつでも待っておる。私の大切な孫なんじゃから」
ビルは走りだしていて、転びそうにもつれる足を前に出して、フジャンとアワン族長に抱き着いた。
「おばあちゃん、おばさま、ごめんなさい。ありがとう」
「リビ、色々話を聞かせてくれんか」
ビルが泉の谷を出た後、アワン族長にそう言われ頷いた。
隣では涙を拭うフジャンがいる。
「フジャンさん、ありがとうございます」
「ううん。ビルちゃんのことに気づけなかったのは、私の落ち度でもある。それに、やっと言えたんです。本当は、出ていくお姉ちゃんに言いたかったことだったから」
フジャンさんは駆け落ちしたアイルの母、アズさんの妹さんだ。
お姉さんを笑顔で送り出したはずのフジャンさんは、本当は戻ってきて欲しかったのかもしれない。
でも、アズさんの水魔法が谷に利用されてほしくなかった。
谷に縛られないようにするには、戻ってきてなんて言えなかったのかもしれない。
前の谷は今よりももっと、泉の谷の外へなんて出られなかったはずだから。
「もっと谷を変えていく必要があるって気づかせてもらったんです。私も、頑張らないと」
そう言って笑うフジャンと共にアワン族長の家へと向かうことになった。
「白銀の国の騎士じゃったのか・・・」
シグレの話を聞いたアワン族長はゆらゆらと揺れる椅子に座りながらため息をつく。
「まさかとは思うが、ビルが人質にされるなんてことないじゃろうな?」
私は慌てて首を横に振る。
「ありませんよ。ビルさんは技術を買われて職人として行ったんです。必要な人材を人質にするはずありません。それに、今回の要塞の浄化の件でビルさんを引き合いに出すような方々ではないですよ」
「そうか、すまんのぉ。孫娘が急に谷を出ていって疲労困憊しておるんじゃ。そんなに思い詰めておったとは知らなかった。」
「ビルちゃんはお母さんのために仕事頑張らなきゃっていつも言ってましたから。私たちは、そんなビルちゃんを応援しなきゃって思ってたんです。本当はやりたいことがあったのに、言い出せなかったんですね」
フジャンは飾ってある写真を眺めている。
そこには家族みんなで食卓を囲んでいるのが写っている。
「頭が追い付いておらんが、ビルはそのシグレと結婚するつもりなのかのぉ」
「え、いや、そこまでは。ビルさんは今、片想いの状態というか」
「ねぇよ」
突然扉が開いて入ってきたのはトゥアだ。
ビルの見送りにも来なかったが、まだ精霊の泉にいたのかもしれない。
「完全にビルの一方通行だ。シグレの年齢は知らねぇがおそらくリビと同じくらいだろ。そうなれば、相手からすればビルは子供だ。リビ、あんたから見て俺は子供だろ?」
私もシグレの年齢は知らないが、おそらく多分同じくらいだろう。
「ええ、そうですね。」
「普通のあんたがそう言うならそれが基準だ。もしビルと結婚するなんてことになったら白銀の国に乗り込んで連れ戻すしかねぇわ」
本気か冗談か分からない言葉だったが、さきほどよりは元気に見える。
「そうですね。まぁ、まだ結婚は早いかと」
相槌を打つとトゥアは納得したような顔をする。
「こんなにもトゥアが受け入れとるのに、私が色々言う訳にはいかんのぉ。リビ、時折ビルの様子を見に行ってくれんか。」
「はい、分かりました。一応シグレさんと話し合って、ビルさんはシグレさんが護衛して下さるとのことなので。シグレさんと私は連絡が取れるので安心かと」
「そうかそうか。リビにはこれからも世話になることになるのぉ」
アワン族長がしみじみとそう言うので、私もそんな気がしてきた。
はじめは鉱石の浄化の仕事をヒサメ様に頼まれて依頼しに来ただけだったというのに。
今では族長も、その孫たちとも関わりを持つことになり、泉の精霊とも知り合っている。
太陽の国のように関われる人たちが増えることはいい傾向かもしれない。
日本にいた最後のころは、あんなにも人に会いたくなかったというのに。
私は少しずつ変われている。
”変化は連鎖する”と言った精霊様の言葉が分かるような気がした。
そんなに広くない谷の中ではすでに何かしらの噂が広まってしまっているようで、ビルを見る人々が口々に何か言っているのが見て取れた。
「・・・裏切者」
そんな声が私にも聞こえて、そちらの方を向こうとするとトゥアが大きな声で言った。
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トゥアの迫力に怖気づいたのか、人は次第に道をあけていく。
家に入っていくビルと、家に入らずどこかへと行ってしまうトゥアを目で追う。
「リビさん、お兄ちゃんのことお願いしてもいいですか」
ビルにそう言われてトゥアを追いかけると、そこには精霊の泉の前で縮こまって座るトゥアがいる。
私は少し離れた隣に座って、ただ、泉を見ていた。
「・・・母さんが死んでからビルはずっと泣き虫で臆病で俺が守ってやらないとって思ってた。父さんは母さんのぶんまで頑張るとか言って、難しい交渉の仕事を引き受けて年に1度も帰ってこないなんてざらだったから。父さんの交渉はこの谷の誰よりも上手くて、余計に任されるようになって、俺とビルがどれだけ寂しくても会えなかった。それが、俺たちの当たり前になってた。ビルを守るのは俺しかいないって思ってたんだ」
己の腕を握りしめて、そうして顔をあげたトゥアは泣いてはいなかった。
「俺までこの谷を出ていったら、ビルのせいにされちまう。そうならないように、俺はこの谷の身勝手な奴らを黙らせられるくらい功績をあげてやるんだ。魅了なんて能力が、利用されなくて済むようにしてやるんだ。だから、頼みがある」
トゥアは私の手を掴んだ。その手は力強くて暖かかった。
「リビ、ビルの味方になって。俺と一緒にビルを守ってくれ」
トゥアの手を握りしめて、私は頷いていた。
「はい。私はビルさんとトゥアさんの味方ですよ」
『ボクも味方だよ、泣き虫なビルとトゥアのね』
精霊様が顔を出してそう言った。
トゥアももしかしたらこの泉に来て泣いていたのかもしれない。
妹にさえ弱さを見せられなかったのかもしれない。
「精霊様、なんか言ってる?」
「・・・二人の味方だって言ってますよ」
「・・・そうかよ」
握った手は少しの間離されなかった。
転ばないようにするためには誰かの手が必要だったのかもしれない。
表でシグレが待っているからとビルは泉の谷を出ようとしていた。
誰もが声をかけられず、呆然と見ていた。
そんな中、引き止めたのはもちろんアワン族長だった。
「ビル、どうしても谷を出ないといかんか」
「・・・私、自分と同じように困っている子供を助けたい。でも、この谷にいたらそれはきっと、出来ないの。だから、ごめんなさい」
ビルは振り向くこともせず、谷の外へ歩き出す。
アワン族長は、今まで孫の本当の夢さえも知らなかった。
そのことがきっと悲しくて、情けなくて、そしてそれ以上言葉を紡げない。
一歩一歩外へ向かうビルは、そのことが分かっているから振り向けない。
振り向けば、我慢している涙が落ちてしまうから。
ビルが進むほどに精霊の森の木々が閉じてしまう。
ビルの姿が見えなくなってしまう。
アワン族長の小さな声が届かなくなる。
そのときだった。
「ビルちゃん!!いつでも帰ってきていいの!!」
大きなその声はフジャンだった。
「貴女の故郷なんだから、笑顔だけ持って戻ってくればいいの。何か言ってくる奴は私がぶっ飛ばしてあげるから!!」
ビルの足が止まって、それからゆっくり振り向いた。
アワン族長と目が合って、それから我慢していた涙が落ちてきて。
「そうじゃ、ビル。いつでも待っておる。私の大切な孫なんじゃから」
ビルは走りだしていて、転びそうにもつれる足を前に出して、フジャンとアワン族長に抱き着いた。
「おばあちゃん、おばさま、ごめんなさい。ありがとう」
「リビ、色々話を聞かせてくれんか」
ビルが泉の谷を出た後、アワン族長にそう言われ頷いた。
隣では涙を拭うフジャンがいる。
「フジャンさん、ありがとうございます」
「ううん。ビルちゃんのことに気づけなかったのは、私の落ち度でもある。それに、やっと言えたんです。本当は、出ていくお姉ちゃんに言いたかったことだったから」
フジャンさんは駆け落ちしたアイルの母、アズさんの妹さんだ。
お姉さんを笑顔で送り出したはずのフジャンさんは、本当は戻ってきて欲しかったのかもしれない。
でも、アズさんの水魔法が谷に利用されてほしくなかった。
谷に縛られないようにするには、戻ってきてなんて言えなかったのかもしれない。
前の谷は今よりももっと、泉の谷の外へなんて出られなかったはずだから。
「もっと谷を変えていく必要があるって気づかせてもらったんです。私も、頑張らないと」
そう言って笑うフジャンと共にアワン族長の家へと向かうことになった。
「白銀の国の騎士じゃったのか・・・」
シグレの話を聞いたアワン族長はゆらゆらと揺れる椅子に座りながらため息をつく。
「まさかとは思うが、ビルが人質にされるなんてことないじゃろうな?」
私は慌てて首を横に振る。
「ありませんよ。ビルさんは技術を買われて職人として行ったんです。必要な人材を人質にするはずありません。それに、今回の要塞の浄化の件でビルさんを引き合いに出すような方々ではないですよ」
「そうか、すまんのぉ。孫娘が急に谷を出ていって疲労困憊しておるんじゃ。そんなに思い詰めておったとは知らなかった。」
「ビルちゃんはお母さんのために仕事頑張らなきゃっていつも言ってましたから。私たちは、そんなビルちゃんを応援しなきゃって思ってたんです。本当はやりたいことがあったのに、言い出せなかったんですね」
フジャンは飾ってある写真を眺めている。
そこには家族みんなで食卓を囲んでいるのが写っている。
「頭が追い付いておらんが、ビルはそのシグレと結婚するつもりなのかのぉ」
「え、いや、そこまでは。ビルさんは今、片想いの状態というか」
「ねぇよ」
突然扉が開いて入ってきたのはトゥアだ。
ビルの見送りにも来なかったが、まだ精霊の泉にいたのかもしれない。
「完全にビルの一方通行だ。シグレの年齢は知らねぇがおそらくリビと同じくらいだろ。そうなれば、相手からすればビルは子供だ。リビ、あんたから見て俺は子供だろ?」
私もシグレの年齢は知らないが、おそらく多分同じくらいだろう。
「ええ、そうですね。」
「普通のあんたがそう言うならそれが基準だ。もしビルと結婚するなんてことになったら白銀の国に乗り込んで連れ戻すしかねぇわ」
本気か冗談か分からない言葉だったが、さきほどよりは元気に見える。
「そうですね。まぁ、まだ結婚は早いかと」
相槌を打つとトゥアは納得したような顔をする。
「こんなにもトゥアが受け入れとるのに、私が色々言う訳にはいかんのぉ。リビ、時折ビルの様子を見に行ってくれんか。」
「はい、分かりました。一応シグレさんと話し合って、ビルさんはシグレさんが護衛して下さるとのことなので。シグレさんと私は連絡が取れるので安心かと」
「そうかそうか。リビにはこれからも世話になることになるのぉ」
アワン族長がしみじみとそう言うので、私もそんな気がしてきた。
はじめは鉱石の浄化の仕事をヒサメ様に頼まれて依頼しに来ただけだったというのに。
今では族長も、その孫たちとも関わりを持つことになり、泉の精霊とも知り合っている。
太陽の国のように関われる人たちが増えることはいい傾向かもしれない。
日本にいた最後のころは、あんなにも人に会いたくなかったというのに。
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