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泉の谷
贖罪と約束
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休憩と称してシグレはまた、私の手当てをしてくれている。
フブキは向こうの方でソラと遊んでくれているのが見えるが声は聞こえない。
私がなんだか気まずくて黙っていると、シグレが口を開いた。
「あの馬鹿は随分とソラさんと仲がいいですね」
「はい、ソラもフブキさんに一番なついていますね。多分、光魔法で相性がいいのかと」
ソラはジャンプしてフブキに抱き着いている。
あれ、そろそろやめさせないと私の腰が折れそうだ。
「・・・リビさんは、あの馬鹿がヒサメ様の命を救ったことはご存知ですか」
「はい、聞いています。そのことがあって、光魔法がバレたんですよね?」
ぎゅっ、と包帯が締められる。
いつもより力が入っているようで少し痛い。
「私もその場にいたんです」
「え、ヒサメ様が怪我をしたときに?」
「ええ、ヒサメ様は光魔法のせいで鉱石の外に出ているフブキによく勉強を教えていました。そしてあの日もそうだった。私も勉強を教えて貰っていた子供の一人で、フブキとヒサメ様と一緒に外側にいました。何もかも運の悪い日でした。いつものモンスターであればヒサメ様もフブキも問題のない相手だったのに、その日現れたのは危険度がハイレベルのフェニックスだったんです」
フェニックスといえば、炎をまとう鳥みたいな生物かな。
「危ない魔獣ってことですか」
「魔力が多くて危険という意味です。よりにもよって機嫌の悪い日だったらしく、その鋭い嘴でヒサメ様の腹には大きな穴が開きました。幸いすぐに飛び去って私とフブキは無事でしたが、ヒサメ様からは致死量の血が流れていました」
「フブキさんが、光魔法で治癒したんですよね」
シグレはゆっくり頷くと、包帯を巻き終えて私の隣に腰をおろす。
「私は王宮の医師を連れてくるから待っていろとフブキに言いました。フブキは分かったと言って魔法を使い始めて、私は・・・そんなことをしたら光魔法がバレるからやめろと言ったんです」
シグレは遠くのフブキを見つめたまま。
「最低でしょう?王宮の医師が来るまで間に合わないと分かっていたのに、私はフブキの方が心配だったんです。光魔法の者は全て処刑されてきたから。フブキは俺の一番最初の友人だったから。家族のいない俺にとって、フブキしか・・・いなかったから」
両手で顔を覆ったシグレがどんな表情をしているか分からない。
「俺がヒサメ様を見殺しにしようとしたことを、ヒサメ様はきっと分かってらっしゃる。信用されないのも当然だ、俺は贖罪のようにヒサメ様に仕えているようなものだからだ。フブキの果たせなかった約束を俺が代わりにすることでしか、償うことはできない」
フブキとヒサメの人生を大きく左右したあの出来事は、シグレの人生をも大きく変えることになったのだ。
私はかける言葉が見つからなかった。
フブキさんも、ヒサメ様も、シグレさんも過去に囚われている。
その過去は他人が介入できるものではない。
けれど、こんな苦しみのまま生きていかないといけないんだろうか。
「・・・フブキさんのことを守りたかったその気持ちは、ヒサメ様も理解して下さると思います」
「まぁ、それはそうでしょうね。ヒサメ様は常にフブキのことを考えていますから」
「はい、そのおかげで私はヒサメ様に殺されかけましたし」
「・・・そうなのですか?何故です」
「フブキさんの・・・恋人だと間違われて」
シグレは2秒ほど黙ると、私の肩に手を置いた。
「良かったですね、首が飛ばなくて」
「しみじみ言うのやめてください。私はヒサメ様に信用されてませんし、その他大勢の知り合いの一人だと思いますが、フブキさんを守ったことでまぁまぁ大事にはされてるんですよね?」
「ええ、そうですね」
「じゃあ、シグレさんもでしょう?」
シグレは目を丸くすると不安げにこちらを見つめる。
「どういうこと、でしょうか」
「ヒサメ様はあなたが贖罪のように生きていることに気づいてる。それなら、あなたがフブキさんの代わりに約束を果たそうとしていることにも気付いているってことですよ」
「そうだとしても、私のことは」
「ヒサメ様がフブキさんのことばかり考えているのは否定しませんよ。でも、フブキさんのことを助けてくれる周りのこともちゃんと考えてます。一度傷を治した私のことでさえ護衛をつけるくらいです。ずっと一緒にいたシグレさんならもっと、ヒサメ様は考えていると思います」
シグレは何かを言いかけて口を閉じ、ため息をつく。
「慰めとして受け取っておきましょう。こんな話をする羽目になるなんて、貴女が二人の知り合いだったせいですね」
「なんか、すみません」
「今話したことは口外しない方がよろしいですよ」
「メリットないですもんね」
「そういうことです」
シグレが少しだけ笑ってくれたので私も安心した。
なんだか少しだけ心の距離が近づいたような気もするが、側にいるとやっぱり怖い。
体に刻まれた傷を思い出すせいかな。
それでもふと横を見れば、フブキを見つめるシグレの横顔が優しそう。
ヒサメ様そっくりな表情だな。
それだけ長い月日を一緒に過ごしてきたのだろうと思ったのだった。
フブキはまた別の町に仕事に行くらしく、すぐにお別れとなった。
今度の仕事は遠くまで行くらしく、次にいつ会えるか分からないとのこと。
シグレはずっと睨んでいるが、フブキはそんなのはお構いなしにソラの頭を撫でる。
「ソラ、またな」
「キュキュ!」
そうして私の方を向くと、ソラと同じように頭を撫でた。少し恥ずかしい。
「リビ、特訓で大怪我しないようにな」
「ありがとうございます。フブキさんもお仕事お気を付けて」
それからフブキはようやくシグレを見ると手を差し出した。
おそらく握手なのだろうが、シグレは手を出さない。
「リビのこと頼む。・・・ヒサメ様のことも」
「お前に言われるまでもない。さっさと行け」
フブキは手を下ろして背を向けて一歩、走りだそうとした。
「おい馬鹿、たまにはヒサメ様に連絡してやれよ」
「・・・忙しいだろ、あの人。俺が連絡したら走ってこっちに来ちまうだろ」
私たちは全員、確かに、と思った。
「3回点滅が生存確認だ、それならヒサメ様も安心するだろ。それに、さすがに仕事が立て込んでいればヒサメ様も走って行かない・・・はずだ」
自信のなさの理由はよく分かる。
短い期間しか共にいなかった私でもそう思うから。
「・・・分かった。それじゃあなシグレ」
走り去るその背中を見えなくなるまで見ていたシグレと目が合ってしまった。
「寂しい、ですか」
「メリットがないのでお答えできかねます」
その表情はどこか柔らかくて少しだけ泣きそうにも見えた。
いや、きっと見えただけ。
私は寂しそうにしているソラを抱きしめてシグレに言えないことを呟いた。
「寂しいね、でもまた会えるよ。大丈夫だよ」
シグレの耳がかすかに揺れるのが見えて、私は大丈夫だよ、と念を押すように呟いた。
フブキは向こうの方でソラと遊んでくれているのが見えるが声は聞こえない。
私がなんだか気まずくて黙っていると、シグレが口を開いた。
「あの馬鹿は随分とソラさんと仲がいいですね」
「はい、ソラもフブキさんに一番なついていますね。多分、光魔法で相性がいいのかと」
ソラはジャンプしてフブキに抱き着いている。
あれ、そろそろやめさせないと私の腰が折れそうだ。
「・・・リビさんは、あの馬鹿がヒサメ様の命を救ったことはご存知ですか」
「はい、聞いています。そのことがあって、光魔法がバレたんですよね?」
ぎゅっ、と包帯が締められる。
いつもより力が入っているようで少し痛い。
「私もその場にいたんです」
「え、ヒサメ様が怪我をしたときに?」
「ええ、ヒサメ様は光魔法のせいで鉱石の外に出ているフブキによく勉強を教えていました。そしてあの日もそうだった。私も勉強を教えて貰っていた子供の一人で、フブキとヒサメ様と一緒に外側にいました。何もかも運の悪い日でした。いつものモンスターであればヒサメ様もフブキも問題のない相手だったのに、その日現れたのは危険度がハイレベルのフェニックスだったんです」
フェニックスといえば、炎をまとう鳥みたいな生物かな。
「危ない魔獣ってことですか」
「魔力が多くて危険という意味です。よりにもよって機嫌の悪い日だったらしく、その鋭い嘴でヒサメ様の腹には大きな穴が開きました。幸いすぐに飛び去って私とフブキは無事でしたが、ヒサメ様からは致死量の血が流れていました」
「フブキさんが、光魔法で治癒したんですよね」
シグレはゆっくり頷くと、包帯を巻き終えて私の隣に腰をおろす。
「私は王宮の医師を連れてくるから待っていろとフブキに言いました。フブキは分かったと言って魔法を使い始めて、私は・・・そんなことをしたら光魔法がバレるからやめろと言ったんです」
シグレは遠くのフブキを見つめたまま。
「最低でしょう?王宮の医師が来るまで間に合わないと分かっていたのに、私はフブキの方が心配だったんです。光魔法の者は全て処刑されてきたから。フブキは俺の一番最初の友人だったから。家族のいない俺にとって、フブキしか・・・いなかったから」
両手で顔を覆ったシグレがどんな表情をしているか分からない。
「俺がヒサメ様を見殺しにしようとしたことを、ヒサメ様はきっと分かってらっしゃる。信用されないのも当然だ、俺は贖罪のようにヒサメ様に仕えているようなものだからだ。フブキの果たせなかった約束を俺が代わりにすることでしか、償うことはできない」
フブキとヒサメの人生を大きく左右したあの出来事は、シグレの人生をも大きく変えることになったのだ。
私はかける言葉が見つからなかった。
フブキさんも、ヒサメ様も、シグレさんも過去に囚われている。
その過去は他人が介入できるものではない。
けれど、こんな苦しみのまま生きていかないといけないんだろうか。
「・・・フブキさんのことを守りたかったその気持ちは、ヒサメ様も理解して下さると思います」
「まぁ、それはそうでしょうね。ヒサメ様は常にフブキのことを考えていますから」
「はい、そのおかげで私はヒサメ様に殺されかけましたし」
「・・・そうなのですか?何故です」
「フブキさんの・・・恋人だと間違われて」
シグレは2秒ほど黙ると、私の肩に手を置いた。
「良かったですね、首が飛ばなくて」
「しみじみ言うのやめてください。私はヒサメ様に信用されてませんし、その他大勢の知り合いの一人だと思いますが、フブキさんを守ったことでまぁまぁ大事にはされてるんですよね?」
「ええ、そうですね」
「じゃあ、シグレさんもでしょう?」
シグレは目を丸くすると不安げにこちらを見つめる。
「どういうこと、でしょうか」
「ヒサメ様はあなたが贖罪のように生きていることに気づいてる。それなら、あなたがフブキさんの代わりに約束を果たそうとしていることにも気付いているってことですよ」
「そうだとしても、私のことは」
「ヒサメ様がフブキさんのことばかり考えているのは否定しませんよ。でも、フブキさんのことを助けてくれる周りのこともちゃんと考えてます。一度傷を治した私のことでさえ護衛をつけるくらいです。ずっと一緒にいたシグレさんならもっと、ヒサメ様は考えていると思います」
シグレは何かを言いかけて口を閉じ、ため息をつく。
「慰めとして受け取っておきましょう。こんな話をする羽目になるなんて、貴女が二人の知り合いだったせいですね」
「なんか、すみません」
「今話したことは口外しない方がよろしいですよ」
「メリットないですもんね」
「そういうことです」
シグレが少しだけ笑ってくれたので私も安心した。
なんだか少しだけ心の距離が近づいたような気もするが、側にいるとやっぱり怖い。
体に刻まれた傷を思い出すせいかな。
それでもふと横を見れば、フブキを見つめるシグレの横顔が優しそう。
ヒサメ様そっくりな表情だな。
それだけ長い月日を一緒に過ごしてきたのだろうと思ったのだった。
フブキはまた別の町に仕事に行くらしく、すぐにお別れとなった。
今度の仕事は遠くまで行くらしく、次にいつ会えるか分からないとのこと。
シグレはずっと睨んでいるが、フブキはそんなのはお構いなしにソラの頭を撫でる。
「ソラ、またな」
「キュキュ!」
そうして私の方を向くと、ソラと同じように頭を撫でた。少し恥ずかしい。
「リビ、特訓で大怪我しないようにな」
「ありがとうございます。フブキさんもお仕事お気を付けて」
それからフブキはようやくシグレを見ると手を差し出した。
おそらく握手なのだろうが、シグレは手を出さない。
「リビのこと頼む。・・・ヒサメ様のことも」
「お前に言われるまでもない。さっさと行け」
フブキは手を下ろして背を向けて一歩、走りだそうとした。
「おい馬鹿、たまにはヒサメ様に連絡してやれよ」
「・・・忙しいだろ、あの人。俺が連絡したら走ってこっちに来ちまうだろ」
私たちは全員、確かに、と思った。
「3回点滅が生存確認だ、それならヒサメ様も安心するだろ。それに、さすがに仕事が立て込んでいればヒサメ様も走って行かない・・・はずだ」
自信のなさの理由はよく分かる。
短い期間しか共にいなかった私でもそう思うから。
「・・・分かった。それじゃあなシグレ」
走り去るその背中を見えなくなるまで見ていたシグレと目が合ってしまった。
「寂しい、ですか」
「メリットがないのでお答えできかねます」
その表情はどこか柔らかくて少しだけ泣きそうにも見えた。
いや、きっと見えただけ。
私は寂しそうにしているソラを抱きしめてシグレに言えないことを呟いた。
「寂しいね、でもまた会えるよ。大丈夫だよ」
シグレの耳がかすかに揺れるのが見えて、私は大丈夫だよ、と念を押すように呟いた。
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