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軋む夕暮れ
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【鏡野家*鏡野 泰斗編】一第二話一
一
慈悲鬼の巫女である雛瀬は、鏡野神社にある《鏡神の鏡》に祈りを捧げるという仕事があった。 今日も雛瀬は日課として《鏡神の鏡》に祈っていると…頭の中が黒い霧に覆われてしまった。
「!」
(これは…なに…?)
雛瀬は慌てず黒い霧が何をしようとしているのか、様子を見た。 黒い霧はグルグルと回ったかと思えば、突然動きを止めた。
《ツマラヌ》
「!?」
耳元で男の声が聞こえた。 雛瀬は後ろへと飛び退くと、後ろに慈悲鬼の護符を投げつけた。
彼方へと投げられた護符は扉に到達する前に、《黒い炎》で燃えてしまった。
「………」
何者かの気配は過ぎ去った。 しかし雛瀬は胸騒ぎがした。 双鬼村に何かが来ようとしている。
その正体は分からないが、大きな災いであることに変わりはなかった。
***
「「歩こう、歩こう!元気よく歩こう!」」
森の中を二人の兄弟が歌を唄いながら、歩いていた。 兄の灯都与、弟の緋都瀬だった。
小学校からの帰り道は幼い緋都瀬達には過酷な道のりの為迎えは親か兄達が行くことになっている。 二人の声を森の木々で鳴いている蝉たちに負けないほどに響き渡っていた。
家まであと少しというところで、緋都瀬は兄を見つめながら言った。
「ひー兄ちゃん!どっちが先に家に着くか競争しようよ!!」
「おっ?やるかぁ?また俺に負けて泣くなよ?緋都瀬?」
「負けないし、泣かないもん!ほら!はーやーく!」
「分かったって!引っ張るなよ!」
緋都瀬は兄の手を引っ張ると、落ちていた枝で簡単な線を引いた。 灯都与の顔は苦笑していたが、嬉しそうに笑っていた。 お互いに手を離し、位置についた。
「よーい…どん!!」
灯都与の合図で二人は一斉に走り始めた。 二人は並走していたが、段々と緋都瀬が引き離されていく。
「ううっ!!ひー兄ちゃん!!待ってよぉ!!」
「ははっ!兄ちゃんに勝とうなんて百万年早いっての!」
灯都与と緋都瀬の差はどんどん広がっていった。灯都与は勝利を確信しているのか得意げな顔で後ろを振り返りながら言った。
走ることに関しては、灯都与は得意な方だった。更に勝負事ともなれば真剣にならざるを得ないだろう。
もう家はすぐそこだ。 今日も緋都瀬に勝った!と灯都与が喜んだ時だった。
「わぁああああ!!」
「!?」
後ろから緋都瀬の悲鳴が聞こえた。 咄嗟に振り向いた灯都与の横を一一緋都瀬が高速で駆け抜けて行った。 そのまま緋都瀬は玄関の扉に思いっきり体を打ちつけてしまった。
「はあ!?マジかよ!? 緋都瀬!!大丈夫か!!」
「あ~う~…目が回るよ~…」
「……大丈夫みたいだな…よかった…」
灯都与は何が起こったのか分からなかった。 ただ、緋都瀬が玄関の扉に体を打ちつけた事だけは分かった。 緋都瀬の元まで行き、体を揺らすと、意識ははっきりとしており、目が回っているだけなのを確認すると安堵のため息をついた。
「緋都瀬?何が起こったか、兄ちゃんに説明できるか?」
「うーーん……俺も、分かんない…ただ…」
「ただ?」
「頭の中で…声がしたんだ。 『もっと早く走りたいか?』って」
「え?」
緋都瀬の言葉に、灯都与は胸が高鳴った。
「もっと早く走りたい!って答えた時に、ひー兄ちゃんを追い越したんだ」
「………」
「ひー兄ちゃん?」
「ん?あぁ…悪い…そっか。分かった。念のために父さんに見てもらおうか」
「そうする!ひー兄ちゃんも一緒に来てくれるの?」
「ごめんな…兄ちゃんは母さんに話があるから、一緒には行けないんだ」
「え~!なんでだよ!」
「ごめんなって言ってるだろ?今度お前の好きなお菓子買ってやるから、な?それで許してくれよ」
「うう~!!絶対だからね!!」
「ああ。約束だ」
頬を膨らませ、拗ねる様子を見せる緋都瀬に苦笑すると小指を立てた。 渋々と緋都瀬は自分の小指を絡ませた。 診療所の場所は緋都瀬は把握しているので心配はしていなかった。
「またあとでね~!」
「おう!気をつけてな~!」
緋都瀬は診療所まで小走りで向かって行った。 弟の姿が見送ると、灯都与は玄関の扉を調べた。
「……」
(結構な勢いで当たってたのに…窓が割れてないなんて…)
灯都与は眉間に眉を寄せた。 不可解な現象に緋都瀬は考え込んだ後に頷いた。
(母さんに言ってみるか…もしかしたら、何か知ってるかも知れないしな…)
確か母は診療所ではなく、巫女の仕事で朝から鏡神社にいたはずだ。灯都与は早足で家の裏手にある鏡野神社へと向かった。
***
鏡野神社にはすぐに着くことが出来た。 灯都与は神社の中にいる母に声をかけようとした瞬間一一障子が唐突に開いた。
「わっ!」
「あら!灯都与?どうしたの?」
お互いに驚いた後灯都与は「神社の中で話したい」と言った。 不思議に思いながらも雛瀬は頷くと神社の中へと戻っていった。
「………」
灯都与の視線が真っ先に向いたのは、《鏡神の鏡》だった。
「どうしたの?灯都与?何かあったの?」
「ああ…ちょっと、変な出来事があったんだ」
雛瀬は首を傾げながらも灯都与の話を聞いてくれた。 話を聞き終えると雛瀬は目を見開き、驚いているようだった。
「もしかして…鏡神様の仕業なのか?」
「ええ…恐らくね…」
二人の視線は《鏡神の鏡》へと向けられた。 鏡野家の伝承では、鏡神は子ども好きであり、いたずらをよくしていた事で慈悲鬼の先祖に叱られていたと伝えられていた。 雛瀬は小さくため息をつくと呟くように言った。
「実はね…緋都瀬は産まれた時に鏡神様が見に来て下さったの。 そしたら…大喜びして…そこからかしらね? 緋都瀬にくっついて回るようになったのよ」
「げっ…マジかよ?全然気付かなかった」
「そりゃあそうよ。気配を感じさせないのもあの方の得意技だからね。 本当に困った神様だけど…緋都瀬が健康で元気に育ってくれたのも鏡神様のおかげだからね。文句は言えないわ」
「…そうだな…はぁ…心配して損した」
ほっと胸をなで下ろした灯都与を雛瀬は優しげな瞳を向けると、彼の頬を触った。
「なに?母さん?」
「ん?灯都与が弟思いの優しい子に育ってくれて、良かったなぁと思ったの」
「や、やめろよ…!」
「ふふ。本当の事を言っただけよ?」
「あっ、そうですか!」
母の言葉に灯都与は頬を赤くすると、そっぽを向いた。
「おかしな現象は解消出来た?」
「うん。スッキリしたよ!さて…診療所に行った緋都瀬の様子を見に行ってくるよ」
「お願いね。私も家に帰って、貴方たちのおやつの準備をしておくわ」
「ちなみに今日のおやつはなに?」
「桜餅よ」
「よっしゃ!俺の大好物!じゃあね!母さん!」
「ええ。またね!」
桜餅は灯都与と緋都瀬の大好物だ。 また取り合いになるのだろうなぁと雛瀬は走り去って行く灯都与の背中を見つめながら考え込んでいた。
一一雛瀬は、蝉の声を聞きながら、切ない気持ちになっていた。 今日《鏡神》が告げたのはあまりにも残酷な《未来》だった。
穏やかで優しい日常は《夜神の民が災いを持ってくる》ことで崩壊する。
鏡野家の人間たちや村に住む人々の未来がはっきりと見えた時雛瀬は心が引き裂かれそうな痛みを感じた。
回避する方法はない。 鏡神の予言は絶対なのだ。
だから、雛瀬は覚悟を決めたのだ。
どんな結末になろうとも、家族を愛していることに変わりはないのだ。
いつか必ず、救われる時は来る。
今はただ、受け入れようと、雛瀬は強く誓ったのであった。
END
一
慈悲鬼の巫女である雛瀬は、鏡野神社にある《鏡神の鏡》に祈りを捧げるという仕事があった。 今日も雛瀬は日課として《鏡神の鏡》に祈っていると…頭の中が黒い霧に覆われてしまった。
「!」
(これは…なに…?)
雛瀬は慌てず黒い霧が何をしようとしているのか、様子を見た。 黒い霧はグルグルと回ったかと思えば、突然動きを止めた。
《ツマラヌ》
「!?」
耳元で男の声が聞こえた。 雛瀬は後ろへと飛び退くと、後ろに慈悲鬼の護符を投げつけた。
彼方へと投げられた護符は扉に到達する前に、《黒い炎》で燃えてしまった。
「………」
何者かの気配は過ぎ去った。 しかし雛瀬は胸騒ぎがした。 双鬼村に何かが来ようとしている。
その正体は分からないが、大きな災いであることに変わりはなかった。
***
「「歩こう、歩こう!元気よく歩こう!」」
森の中を二人の兄弟が歌を唄いながら、歩いていた。 兄の灯都与、弟の緋都瀬だった。
小学校からの帰り道は幼い緋都瀬達には過酷な道のりの為迎えは親か兄達が行くことになっている。 二人の声を森の木々で鳴いている蝉たちに負けないほどに響き渡っていた。
家まであと少しというところで、緋都瀬は兄を見つめながら言った。
「ひー兄ちゃん!どっちが先に家に着くか競争しようよ!!」
「おっ?やるかぁ?また俺に負けて泣くなよ?緋都瀬?」
「負けないし、泣かないもん!ほら!はーやーく!」
「分かったって!引っ張るなよ!」
緋都瀬は兄の手を引っ張ると、落ちていた枝で簡単な線を引いた。 灯都与の顔は苦笑していたが、嬉しそうに笑っていた。 お互いに手を離し、位置についた。
「よーい…どん!!」
灯都与の合図で二人は一斉に走り始めた。 二人は並走していたが、段々と緋都瀬が引き離されていく。
「ううっ!!ひー兄ちゃん!!待ってよぉ!!」
「ははっ!兄ちゃんに勝とうなんて百万年早いっての!」
灯都与と緋都瀬の差はどんどん広がっていった。灯都与は勝利を確信しているのか得意げな顔で後ろを振り返りながら言った。
走ることに関しては、灯都与は得意な方だった。更に勝負事ともなれば真剣にならざるを得ないだろう。
もう家はすぐそこだ。 今日も緋都瀬に勝った!と灯都与が喜んだ時だった。
「わぁああああ!!」
「!?」
後ろから緋都瀬の悲鳴が聞こえた。 咄嗟に振り向いた灯都与の横を一一緋都瀬が高速で駆け抜けて行った。 そのまま緋都瀬は玄関の扉に思いっきり体を打ちつけてしまった。
「はあ!?マジかよ!? 緋都瀬!!大丈夫か!!」
「あ~う~…目が回るよ~…」
「……大丈夫みたいだな…よかった…」
灯都与は何が起こったのか分からなかった。 ただ、緋都瀬が玄関の扉に体を打ちつけた事だけは分かった。 緋都瀬の元まで行き、体を揺らすと、意識ははっきりとしており、目が回っているだけなのを確認すると安堵のため息をついた。
「緋都瀬?何が起こったか、兄ちゃんに説明できるか?」
「うーーん……俺も、分かんない…ただ…」
「ただ?」
「頭の中で…声がしたんだ。 『もっと早く走りたいか?』って」
「え?」
緋都瀬の言葉に、灯都与は胸が高鳴った。
「もっと早く走りたい!って答えた時に、ひー兄ちゃんを追い越したんだ」
「………」
「ひー兄ちゃん?」
「ん?あぁ…悪い…そっか。分かった。念のために父さんに見てもらおうか」
「そうする!ひー兄ちゃんも一緒に来てくれるの?」
「ごめんな…兄ちゃんは母さんに話があるから、一緒には行けないんだ」
「え~!なんでだよ!」
「ごめんなって言ってるだろ?今度お前の好きなお菓子買ってやるから、な?それで許してくれよ」
「うう~!!絶対だからね!!」
「ああ。約束だ」
頬を膨らませ、拗ねる様子を見せる緋都瀬に苦笑すると小指を立てた。 渋々と緋都瀬は自分の小指を絡ませた。 診療所の場所は緋都瀬は把握しているので心配はしていなかった。
「またあとでね~!」
「おう!気をつけてな~!」
緋都瀬は診療所まで小走りで向かって行った。 弟の姿が見送ると、灯都与は玄関の扉を調べた。
「……」
(結構な勢いで当たってたのに…窓が割れてないなんて…)
灯都与は眉間に眉を寄せた。 不可解な現象に緋都瀬は考え込んだ後に頷いた。
(母さんに言ってみるか…もしかしたら、何か知ってるかも知れないしな…)
確か母は診療所ではなく、巫女の仕事で朝から鏡神社にいたはずだ。灯都与は早足で家の裏手にある鏡野神社へと向かった。
***
鏡野神社にはすぐに着くことが出来た。 灯都与は神社の中にいる母に声をかけようとした瞬間一一障子が唐突に開いた。
「わっ!」
「あら!灯都与?どうしたの?」
お互いに驚いた後灯都与は「神社の中で話したい」と言った。 不思議に思いながらも雛瀬は頷くと神社の中へと戻っていった。
「………」
灯都与の視線が真っ先に向いたのは、《鏡神の鏡》だった。
「どうしたの?灯都与?何かあったの?」
「ああ…ちょっと、変な出来事があったんだ」
雛瀬は首を傾げながらも灯都与の話を聞いてくれた。 話を聞き終えると雛瀬は目を見開き、驚いているようだった。
「もしかして…鏡神様の仕業なのか?」
「ええ…恐らくね…」
二人の視線は《鏡神の鏡》へと向けられた。 鏡野家の伝承では、鏡神は子ども好きであり、いたずらをよくしていた事で慈悲鬼の先祖に叱られていたと伝えられていた。 雛瀬は小さくため息をつくと呟くように言った。
「実はね…緋都瀬は産まれた時に鏡神様が見に来て下さったの。 そしたら…大喜びして…そこからかしらね? 緋都瀬にくっついて回るようになったのよ」
「げっ…マジかよ?全然気付かなかった」
「そりゃあそうよ。気配を感じさせないのもあの方の得意技だからね。 本当に困った神様だけど…緋都瀬が健康で元気に育ってくれたのも鏡神様のおかげだからね。文句は言えないわ」
「…そうだな…はぁ…心配して損した」
ほっと胸をなで下ろした灯都与を雛瀬は優しげな瞳を向けると、彼の頬を触った。
「なに?母さん?」
「ん?灯都与が弟思いの優しい子に育ってくれて、良かったなぁと思ったの」
「や、やめろよ…!」
「ふふ。本当の事を言っただけよ?」
「あっ、そうですか!」
母の言葉に灯都与は頬を赤くすると、そっぽを向いた。
「おかしな現象は解消出来た?」
「うん。スッキリしたよ!さて…診療所に行った緋都瀬の様子を見に行ってくるよ」
「お願いね。私も家に帰って、貴方たちのおやつの準備をしておくわ」
「ちなみに今日のおやつはなに?」
「桜餅よ」
「よっしゃ!俺の大好物!じゃあね!母さん!」
「ええ。またね!」
桜餅は灯都与と緋都瀬の大好物だ。 また取り合いになるのだろうなぁと雛瀬は走り去って行く灯都与の背中を見つめながら考え込んでいた。
一一雛瀬は、蝉の声を聞きながら、切ない気持ちになっていた。 今日《鏡神》が告げたのはあまりにも残酷な《未来》だった。
穏やかで優しい日常は《夜神の民が災いを持ってくる》ことで崩壊する。
鏡野家の人間たちや村に住む人々の未来がはっきりと見えた時雛瀬は心が引き裂かれそうな痛みを感じた。
回避する方法はない。 鏡神の予言は絶対なのだ。
だから、雛瀬は覚悟を決めたのだ。
どんな結末になろうとも、家族を愛していることに変わりはないのだ。
いつか必ず、救われる時は来る。
今はただ、受け入れようと、雛瀬は強く誓ったのであった。
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