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Erweckender Moment
11章
しおりを挟む昼休みも終わり、いよいよ4試合目が始まる。
「皆さんお昼ご飯は食べましたか?私は食べました!唐揚げ弁当です!ということで4試合目が始まろうとしています!!」
何がということでなのか分からないがみんな観客席に座っている。
「ふぅ、神宮君とやるのも久しぶりだね。」
「俺はあなたと戦いたくないですけどね。」
真琴は1年の時にセクステットへと成り上がった。その時天狗になった彼は彼女に挑みコテンパンにやられた。それ以来天狗も治ったが凪沙に対して苦手意識があるようだ。
「それでは始め!!」
凪沙は雷魔法で加速する。そして真琴に刀で切りつける。
「俺も成長したんですよ!」
真琴は光魔法の使い手だ。光を目眩しに使い避ける。
「光魔法『光速化』」
凪沙の速さに追いつくべく真琴も補助魔法を発動した。
「『雷切』」
「『聖剣クラウソラス』」
雷切は高速な攻撃に加え雷を付与する。それに対し政権クラウソラスは光魔法を付与し威力だけを底上げする。
「まさか、刀をおられるなんてね。」
「やった!勝ったか?」
見事にフラグを立てた真琴。
「ふふ、私、本当は素手の方が得意なんだ!」
凪沙は今空いた隙を狙い素早く接近する。腹にパンチを入れる。1発KOだ。
「そこまで!」
「いやぁ、驚きだ。凪沙先輩の得物が拳だとはね。」
「みんな知らなかったみたいね。」
遥が言ったように誰も知らなかった。それほど彼女は強かったのだ。それでも本気にさせた真琴は凪沙に劣るが強いのだろう。
いよいよ山下の試合が始まる。
サーシャ・アルドレナ。序列7位でセクステットでは無い。しかし、最もセクステットに近い人と言われている。序列6位と大差がない。ほぼ実力的にはセクステットに並ぶ。彼女は実家が有力な家であったが父に冤罪が掛けられ底辺にまで堕ちてしまった。その家を救うため、父を救うため、彼女は強くならなければならない。そんな彼女は山下の姿を見て嫌な予感がした。
(何あの彼。すごく恐ろしいオーラを纏ってるわね。)
彼女はドルイド視認できる精霊眼の持ち主だ。
(なるべく早く終わらせないと。)
「それでは始め!」
「ハハハ」
山下は笑うだけで動かない。なら、とサーシャは動き出す。彼女は短剣を使うため接近戦が得意である。
「ハン!」
「な、に?」
闇で短剣を折られた上に捕えられてしまった。
「は、なせ。」
「ふふ、ハハハ!!」
闇を触手のようにし嬲る。彼女の顔はボコボコに腫れ上がり降参しようとしている。
「ご、めんなさい。こうさ、」
「ハハハ!!」
闇が彼女を貫く。
「や、めて。」
泣き叫ぶ彼女を見て喜び嬲る。闇で体を刺しまくり、原型がなくなるまで殴る。
死なないよう結界を張っているため死ぬ事は無い。しかし、それが裏目に出て彼女にとっては生き地獄である。
「もう、殺して。」
「トドメだ。」
漆黒の炎で燃やし尽くした。
「そ、そこまで」
ここでサラ先輩が審判に非難する。
「なぜ早く止めなかった!!これは明らかな違反だろ!」
「試合を途中で止めるわけにはいきませんでした。」
涼は、空いた口が塞がらなかった。このような状況までに追い込むまで止めることが出来なかったのかと。
「いや、それは無い。」
後ろにいた壮年の男が声を上げる。
「それは明らかな審判のミスだ。」
「あ、貴方様は!」
涼は誰か知らないようだ。しかし、遥は知っているようだ。
「天界道のじっちゃんじゃない!」
天界道家、十二神家の中で最も最強で十二神家をまとめている家である。
「久しぶりだな、遥譲ちゃん。」
彼はその後話を続ける。
「家から調査団を送る。この事については今度話し合うとする。遥譲ちゃんとそこの少年、彼女の病院の搬送先まで行ってほしいんだが。」
「わ、分かりました。」
涼たちは救急車が到着する場所へ向かった。
「彼奴が俊也の息子か。似とるな。」
サーシャは集中治療室へと運ばれた。
一命を取り留めたため、部屋へ運ばれた。しかし、殆どが面会拒否のため立ち入れなかった。サラを除いては。
「はじめまして、サラ先輩。」
「おや、君は。」
サラは疲れ果てているようだ。
「サーシャはな、お父さんが大好きだった。その家を復興させるためにこの学院へ来たんだとさ。私たちと共に競いあい、共闘したりもした。良い奴だったんだ。だけど今回の件で心に深い傷を負った!!」
彼女の唇から血が出ている。
「あいつが恐怖を植え付けたせいで!私は絶対アイツを許さない!!」
「俺に任せてください。」
「し、しかし!これは、」
「俺もムカついているんです。あれは明らかに異常だ。それに今の話を聞くと怒りが倍増しました。」
涼は決して偽善はしない。
「あいつは人間としての道を外しています。俺が元に戻してやる。」
「す、すまない。君に任せた。」
彼女が諦めた理由は、必ず凪沙と当たるためだ。という事は山下に当たることは無い。
「俺もまずサクラ先輩に勝てるか分かりませんが、必ずやつに1発決めてやります!」
そう言って病院を後にした。
「ありがとう・・・」
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