崩壊世界の絶対者

真崎 遥也

文字の大きさ
上 下
11 / 15
Erweckender Moment

11章

しおりを挟む

昼休みも終わり、いよいよ4試合目が始まる。

「皆さんお昼ご飯は食べましたか?私は食べました!唐揚げ弁当です!ということで4試合目が始まろうとしています!!」

何がということでなのか分からないがみんな観客席に座っている。

「ふぅ、神宮君とやるのも久しぶりだね。」

「俺はあなたと戦いたくないですけどね。」

真琴は1年の時にセクステットへと成り上がった。その時天狗になった彼は彼女に挑みコテンパンにやられた。それ以来天狗も治ったが凪沙に対して苦手意識があるようだ。

「それでは始め!!」

凪沙は雷魔法で加速する。そして真琴に刀で切りつける。

「俺も成長したんですよ!」

真琴は光魔法の使い手だ。光を目眩しに使い避ける。

「光魔法『光速化』」

凪沙の速さに追いつくべく真琴も補助魔法を発動した。

「『雷切』」

「『聖剣クラウソラス』」

雷切は高速な攻撃に加え雷を付与する。それに対し政権クラウソラスは光魔法を付与し威力だけを底上げする。

「まさか、刀をおられるなんてね。」

「やった!勝ったか?」

見事にフラグを立てた真琴。

「ふふ、私、本当は素手の方が得意なんだ!」

凪沙は今空いた隙を狙い素早く接近する。腹にパンチを入れる。1発KOだ。

「そこまで!」

















「いやぁ、驚きだ。凪沙先輩の得物が拳だとはね。」

「みんな知らなかったみたいね。」

遥が言ったように誰も知らなかった。それほど彼女は強かったのだ。それでも本気にさせた真琴は凪沙に劣るが強いのだろう。

いよいよ山下の試合が始まる。

サーシャ・アルドレナ。序列7位でセクステットでは無い。しかし、最もセクステットに近い人と言われている。序列6位と大差がない。ほぼ実力的にはセクステットに並ぶ。彼女は実家が有力な家であったが父に冤罪が掛けられ底辺にまで堕ちてしまった。その家を救うため、父を救うため、彼女は強くならなければならない。そんな彼女は山下の姿を見て嫌な予感がした。

(何あの彼。すごく恐ろしいオーラを纏ってるわね。)

彼女はドルイド視認できる精霊眼の持ち主だ。

(なるべく早く終わらせないと。)


「それでは始め!」

「ハハハ」

山下は笑うだけで動かない。なら、とサーシャは動き出す。彼女は短剣を使うため接近戦が得意である。

「ハン!」

「な、に?」

闇で短剣を折られた上に捕えられてしまった。

「は、なせ。」

「ふふ、ハハハ!!」

闇を触手のようにし嬲る。彼女の顔はボコボコに腫れ上がり降参しようとしている。

「ご、めんなさい。こうさ、」

「ハハハ!!」

闇が彼女を貫く。

「や、めて。」

泣き叫ぶ彼女を見て喜び嬲る。闇で体を刺しまくり、原型がなくなるまで殴る。

死なないよう結界を張っているため死ぬ事は無い。しかし、それが裏目に出て彼女にとっては生き地獄である。

「もう、殺して。」

「トドメだ。」

漆黒の炎で燃やし尽くした。

「そ、そこまで」

ここでサラ先輩が審判に非難する。

「なぜ早く止めなかった!!これは明らかな違反だろ!」

「試合を途中で止めるわけにはいきませんでした。」

涼は、空いた口が塞がらなかった。このような状況までに追い込むまで止めることが出来なかったのかと。

「いや、それは無い。」

後ろにいた壮年の男が声を上げる。

「それは明らかな審判のミスだ。」

「あ、貴方様は!」

涼は誰か知らないようだ。しかし、遥は知っているようだ。

「天界道のじっちゃんじゃない!」

天界道家、十二神家の中で最も最強で十二神家をまとめている家である。

「久しぶりだな、遥譲ちゃん。」

彼はその後話を続ける。

「家から調査団を送る。この事については今度話し合うとする。遥譲ちゃんとそこの少年、彼女の病院の搬送先まで行ってほしいんだが。」

「わ、分かりました。」

涼たちは救急車が到着する場所へ向かった。

「彼奴が俊也の息子か。似とるな。」















サーシャは集中治療室へと運ばれた。

一命を取り留めたため、部屋へ運ばれた。しかし、殆どが面会拒否のため立ち入れなかった。サラを除いては。

「はじめまして、サラ先輩。」

「おや、君は。」

サラは疲れ果てているようだ。

「サーシャはな、お父さんが大好きだった。その家を復興させるためにこの学院へ来たんだとさ。私たちと共に競いあい、共闘したりもした。良い奴だったんだ。だけど今回の件で心に深い傷を負った!!」

彼女の唇から血が出ている。

「あいつが恐怖を植え付けたせいで!私は絶対アイツを許さない!!」

「俺に任せてください。」

「し、しかし!これは、」

「俺もムカついているんです。あれは明らかに異常だ。それに今の話を聞くと怒りが倍増しました。」

涼は決して偽善はしない。

「あいつは人間としての道を外しています。俺が元に戻してやる。」

「す、すまない。君に任せた。」

彼女が諦めた理由は、必ず凪沙と当たるためだ。という事は山下に当たることは無い。

「俺もまずサクラ先輩に勝てるか分かりませんが、必ずやつに1発決めてやります!」

そう言って病院を後にした。

「ありがとう・・・」



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

死んで全ての凶運を使い果たした俺は異世界では強運しか残ってなかったみたいです。〜最強スキルと強運で異世界を無双します!〜

猫パンチ
ファンタジー
主人公、音峰 蓮(おとみね れん)はとてつもなく不幸な男だった。 ある日、とんでもない死に方をしたレンは気づくと神の世界にいた。 そこには創造神がいて、レンの余りの不運な死に方に同情し、異世界転生を提案する。 それを大いに喜び、快諾したレンは創造神にスキルをもらうことになる。 ただし、スキルは選べず運のみが頼り。 しかし、死んだ時に凶運を使い果たしたレンは強運の力で次々と最強スキルを引いてしまう。 それは創造神ですら引くほどのスキルだらけで・・・ そして、レンは最強スキルと強運で異世界を無双してゆく・・・。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜

西園寺おとば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。 4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。 そんな彼はある日、追放される。 「よっし。やっと追放だ。」 自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。 - この話はフィクションです。 - カクヨム様でも連載しています。

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

処理中です...