崩壊世界の絶対者

真崎 遥也

文字の大きさ
上 下
10 / 15
Erweckender Moment

10章

しおりを挟む
あれから1週間経ち、いよいよ本戦の日である。

「やべー!!寝坊した!!」

今日に限って寝坊する涼。涼らしいと言えば涼らしいが・・・

「おはよぉ!」

「あ、あぁ、おはよう。」

急いで準備したため寝癖がついている。

「もう、だから昨日根詰めすぎないようにって言ったのに。」

そう、涼は前日遅くなるまで特訓していたのだ。その特訓は月夜に頼んで月夜の分身相手にやっていた。分身と言ってもアンドロイドで、月夜の人格のコピーを埋め込んだものである。その点で言うと分身ではあるが。

「やっぱ月夜さんつえーな。」

以前、涼は確かに勝ったがあれは手加減されていたからである。刀術では本気だったが月夜は能力を使っていなかった。なので今のところ連敗である。

「当たり前よ。うちのお母さんは十三使徒の1人なんだから。」

十二神家は東の州で権力を持つ家である。それと別で十三使徒とは世界最強の13人が選ばれるのである。月夜は十三使徒の中で9番目に強い。

「そりゃそうか。」

2人とも呑気に話しながら行ってるが遅刻ギリギリである。


















「いよいよ始まったー!!!!代表戦本戦の開幕です!!実況解説は先週と同じく私山田咲と!」

「アリシア・ドミナーです。」

「でお送りします!!!」

相変わらずテンションの高い実況である。

「では開会式を始めます。」

開会式は代表候補生徒が集まり選手宣誓をするだけである。








1試合目原田とマークはお互いに引かない戦いだった。しかし、やはり序列が上のマークの方が武があったのかマークの勝利に終わった。

「10分の休憩を挟み2試合目を行います。」

2試合目はセクステットの1人であるサラの試合だ。

「サラ先輩って強いのか?」

「当たり前でしょ。だからセクステットなのよ。」

セクステットとは六重奏の意味である。6人でこの学院の総戦力を上げているために名付けられた。ちなみに今までの学院に6人以外にかけ離れた力を持つものは出ていない。

「これより2試合目、サラ・サーティと安部山和則の試合を行います!」

2人が定位置についた。

「では、始め!!」

サラは拳銃を扱うようだ。それも二丁。

「うん?もしかしてサラ先輩のインターフェースって・・・」

「そう見たいね。」

サラは拳銃自体がインターフェースという稀に見る特異な人物である。

普通は武器とインターフェースは別にして扱う。そうしないとインターフェースが持たなくなるからである。

「そっか、銃や弓は直接打撃を与えるわけじゃない、だからインターフェースが壊れることが無いんだ。」

「そうなのか。」

対する安部山はメイスを使っているようだが、サラに近づけずジリ貧である。

「おかしくないか?普通の銃弾ならメイスで弾き返せるだろ。」

「よく見て。サラ先輩は実弾じゃない。魔弾よ。どうやらあれは魔銃のようね。」

魔銃とは自らのドルイドを銃弾にして撃つものである。普通の人はドルイドが持たないため魔銃は使えない。しかし、セクステットである彼女にその心配は杞憂だったようだ。


「そこまで!!」

結局為す術もなくスタミナ切れで安部山が負けた。サラの手の内が明かされなかったのが惜しいところである。










「次私の番だ!行ってくる!」

「はーい。」

涼も遥も負ける心配をしていなかった。それだけの自信が2人にはあったからだ。

「では始め!!」

試合が始まった。


「行くよ!『夜桜』!」

遥は夜桜で相手を牽制している。夜桜は攻撃技だが、相手が素早い時など牽制として使える。

「この程度かい?」

田中太一、ごく普通の名前でごく普通な顔な彼だが、実力はある。彼は忍術使いであるためとても素早く動く。

「うーん、ウザったいなぁ。」

遥はこれがウザったいらしい。なので範囲技で決めるようだ。

「このフィールド全部に攻撃すればいいかな?」

遥は剣を鞘に収める。左手で鞘を掴み、右手で剣の柄をつかむ。

「神崎流剣術奥伝、『神鳴』」

鞘から少し抜きまた収める。

カチャッ

その瞬間、フィールドは雷で埋め尽くされた。

おさまることのない雷撃が次々と田中を攻撃する。

「そこまで!」



「流石だな。」

「いやぁあの人も良かったと思うよ。私に奥伝を使わせるんだからさ!」

遥はただ面倒くさかっただけである。

2人は相手が弱いふうに話しているが彼らはとても強い。しかし、2人とも十三使徒の月夜に鍛えられているためそれなりに強く、セクステットやそのくらいしか強いと思わない。



「これより、昼休みに入ります。トイレは指定された場所に、昼ご飯は食堂か体育館で食べてください。ゴミは散らかさないようにしてください。」

昼ご飯のようだ。

「お、涼くん!」

「凪沙先輩こんにちは。」

「こんにちは。」

「君は月夜さんの娘の遥ちゃんだね?よろしく!」

「お母さんを知っているんですか?」

「うん!昔手合わせしてもらったしねぇ。」

ここで何か用事を思い出したようだ。

「次の試合の準備しなきゃ。涼くん必ず上がってきてよ!」

「分かってますよ。」

「その前に遥ちゃんとだけどね。手加減しないよ?」

「お願いします!」

涼遥は凪沙と別れた。

「俺達も昼飯食うかー。」

「そうね。」

そして2人は食堂へと向かった。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

死んで全ての凶運を使い果たした俺は異世界では強運しか残ってなかったみたいです。〜最強スキルと強運で異世界を無双します!〜

猫パンチ
ファンタジー
主人公、音峰 蓮(おとみね れん)はとてつもなく不幸な男だった。 ある日、とんでもない死に方をしたレンは気づくと神の世界にいた。 そこには創造神がいて、レンの余りの不運な死に方に同情し、異世界転生を提案する。 それを大いに喜び、快諾したレンは創造神にスキルをもらうことになる。 ただし、スキルは選べず運のみが頼り。 しかし、死んだ時に凶運を使い果たしたレンは強運の力で次々と最強スキルを引いてしまう。 それは創造神ですら引くほどのスキルだらけで・・・ そして、レンは最強スキルと強運で異世界を無双してゆく・・・。

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

処理中です...