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Erweckender Moment
10章
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あれから1週間経ち、いよいよ本戦の日である。
「やべー!!寝坊した!!」
今日に限って寝坊する涼。涼らしいと言えば涼らしいが・・・
「おはよぉ!」
「あ、あぁ、おはよう。」
急いで準備したため寝癖がついている。
「もう、だから昨日根詰めすぎないようにって言ったのに。」
そう、涼は前日遅くなるまで特訓していたのだ。その特訓は月夜に頼んで月夜の分身相手にやっていた。分身と言ってもアンドロイドで、月夜の人格のコピーを埋め込んだものである。その点で言うと分身ではあるが。
「やっぱ月夜さんつえーな。」
以前、涼は確かに勝ったがあれは手加減されていたからである。刀術では本気だったが月夜は能力を使っていなかった。なので今のところ連敗である。
「当たり前よ。うちのお母さんは十三使徒の1人なんだから。」
十二神家は東の州で権力を持つ家である。それと別で十三使徒とは世界最強の13人が選ばれるのである。月夜は十三使徒の中で9番目に強い。
「そりゃそうか。」
2人とも呑気に話しながら行ってるが遅刻ギリギリである。
「いよいよ始まったー!!!!代表戦本戦の開幕です!!実況解説は先週と同じく私山田咲と!」
「アリシア・ドミナーです。」
「でお送りします!!!」
相変わらずテンションの高い実況である。
「では開会式を始めます。」
開会式は代表候補生徒が集まり選手宣誓をするだけである。
1試合目原田とマークはお互いに引かない戦いだった。しかし、やはり序列が上のマークの方が武があったのかマークの勝利に終わった。
「10分の休憩を挟み2試合目を行います。」
2試合目はセクステットの1人であるサラの試合だ。
「サラ先輩って強いのか?」
「当たり前でしょ。だからセクステットなのよ。」
セクステットとは六重奏の意味である。6人でこの学院の総戦力を上げているために名付けられた。ちなみに今までの学院に6人以外にかけ離れた力を持つものは出ていない。
「これより2試合目、サラ・サーティと安部山和則の試合を行います!」
2人が定位置についた。
「では、始め!!」
サラは拳銃を扱うようだ。それも二丁。
「うん?もしかしてサラ先輩のインターフェースって・・・」
「そう見たいね。」
サラは拳銃自体がインターフェースという稀に見る特異な人物である。
普通は武器とインターフェースは別にして扱う。そうしないとインターフェースが持たなくなるからである。
「そっか、銃や弓は直接打撃を与えるわけじゃない、だからインターフェースが壊れることが無いんだ。」
「そうなのか。」
対する安部山はメイスを使っているようだが、サラに近づけずジリ貧である。
「おかしくないか?普通の銃弾ならメイスで弾き返せるだろ。」
「よく見て。サラ先輩は実弾じゃない。魔弾よ。どうやらあれは魔銃のようね。」
魔銃とは自らのドルイドを銃弾にして撃つものである。普通の人はドルイドが持たないため魔銃は使えない。しかし、セクステットである彼女にその心配は杞憂だったようだ。
「そこまで!!」
結局為す術もなくスタミナ切れで安部山が負けた。サラの手の内が明かされなかったのが惜しいところである。
「次私の番だ!行ってくる!」
「はーい。」
涼も遥も負ける心配をしていなかった。それだけの自信が2人にはあったからだ。
「では始め!!」
試合が始まった。
「行くよ!『夜桜』!」
遥は夜桜で相手を牽制している。夜桜は攻撃技だが、相手が素早い時など牽制として使える。
「この程度かい?」
田中太一、ごく普通の名前でごく普通な顔な彼だが、実力はある。彼は忍術使いであるためとても素早く動く。
「うーん、ウザったいなぁ。」
遥はこれがウザったいらしい。なので範囲技で決めるようだ。
「このフィールド全部に攻撃すればいいかな?」
遥は剣を鞘に収める。左手で鞘を掴み、右手で剣の柄をつかむ。
「神崎流剣術奥伝、『神鳴』」
鞘から少し抜きまた収める。
カチャッ
その瞬間、フィールドは雷で埋め尽くされた。
おさまることのない雷撃が次々と田中を攻撃する。
「そこまで!」
「流石だな。」
「いやぁあの人も良かったと思うよ。私に奥伝を使わせるんだからさ!」
遥はただ面倒くさかっただけである。
2人は相手が弱いふうに話しているが彼らはとても強い。しかし、2人とも十三使徒の月夜に鍛えられているためそれなりに強く、セクステットやそのくらいしか強いと思わない。
「これより、昼休みに入ります。トイレは指定された場所に、昼ご飯は食堂か体育館で食べてください。ゴミは散らかさないようにしてください。」
昼ご飯のようだ。
「お、涼くん!」
「凪沙先輩こんにちは。」
「こんにちは。」
「君は月夜さんの娘の遥ちゃんだね?よろしく!」
「お母さんを知っているんですか?」
「うん!昔手合わせしてもらったしねぇ。」
ここで何か用事を思い出したようだ。
「次の試合の準備しなきゃ。涼くん必ず上がってきてよ!」
「分かってますよ。」
「その前に遥ちゃんとだけどね。手加減しないよ?」
「お願いします!」
涼遥は凪沙と別れた。
「俺達も昼飯食うかー。」
「そうね。」
そして2人は食堂へと向かった。
「やべー!!寝坊した!!」
今日に限って寝坊する涼。涼らしいと言えば涼らしいが・・・
「おはよぉ!」
「あ、あぁ、おはよう。」
急いで準備したため寝癖がついている。
「もう、だから昨日根詰めすぎないようにって言ったのに。」
そう、涼は前日遅くなるまで特訓していたのだ。その特訓は月夜に頼んで月夜の分身相手にやっていた。分身と言ってもアンドロイドで、月夜の人格のコピーを埋め込んだものである。その点で言うと分身ではあるが。
「やっぱ月夜さんつえーな。」
以前、涼は確かに勝ったがあれは手加減されていたからである。刀術では本気だったが月夜は能力を使っていなかった。なので今のところ連敗である。
「当たり前よ。うちのお母さんは十三使徒の1人なんだから。」
十二神家は東の州で権力を持つ家である。それと別で十三使徒とは世界最強の13人が選ばれるのである。月夜は十三使徒の中で9番目に強い。
「そりゃそうか。」
2人とも呑気に話しながら行ってるが遅刻ギリギリである。
「いよいよ始まったー!!!!代表戦本戦の開幕です!!実況解説は先週と同じく私山田咲と!」
「アリシア・ドミナーです。」
「でお送りします!!!」
相変わらずテンションの高い実況である。
「では開会式を始めます。」
開会式は代表候補生徒が集まり選手宣誓をするだけである。
1試合目原田とマークはお互いに引かない戦いだった。しかし、やはり序列が上のマークの方が武があったのかマークの勝利に終わった。
「10分の休憩を挟み2試合目を行います。」
2試合目はセクステットの1人であるサラの試合だ。
「サラ先輩って強いのか?」
「当たり前でしょ。だからセクステットなのよ。」
セクステットとは六重奏の意味である。6人でこの学院の総戦力を上げているために名付けられた。ちなみに今までの学院に6人以外にかけ離れた力を持つものは出ていない。
「これより2試合目、サラ・サーティと安部山和則の試合を行います!」
2人が定位置についた。
「では、始め!!」
サラは拳銃を扱うようだ。それも二丁。
「うん?もしかしてサラ先輩のインターフェースって・・・」
「そう見たいね。」
サラは拳銃自体がインターフェースという稀に見る特異な人物である。
普通は武器とインターフェースは別にして扱う。そうしないとインターフェースが持たなくなるからである。
「そっか、銃や弓は直接打撃を与えるわけじゃない、だからインターフェースが壊れることが無いんだ。」
「そうなのか。」
対する安部山はメイスを使っているようだが、サラに近づけずジリ貧である。
「おかしくないか?普通の銃弾ならメイスで弾き返せるだろ。」
「よく見て。サラ先輩は実弾じゃない。魔弾よ。どうやらあれは魔銃のようね。」
魔銃とは自らのドルイドを銃弾にして撃つものである。普通の人はドルイドが持たないため魔銃は使えない。しかし、セクステットである彼女にその心配は杞憂だったようだ。
「そこまで!!」
結局為す術もなくスタミナ切れで安部山が負けた。サラの手の内が明かされなかったのが惜しいところである。
「次私の番だ!行ってくる!」
「はーい。」
涼も遥も負ける心配をしていなかった。それだけの自信が2人にはあったからだ。
「では始め!!」
試合が始まった。
「行くよ!『夜桜』!」
遥は夜桜で相手を牽制している。夜桜は攻撃技だが、相手が素早い時など牽制として使える。
「この程度かい?」
田中太一、ごく普通の名前でごく普通な顔な彼だが、実力はある。彼は忍術使いであるためとても素早く動く。
「うーん、ウザったいなぁ。」
遥はこれがウザったいらしい。なので範囲技で決めるようだ。
「このフィールド全部に攻撃すればいいかな?」
遥は剣を鞘に収める。左手で鞘を掴み、右手で剣の柄をつかむ。
「神崎流剣術奥伝、『神鳴』」
鞘から少し抜きまた収める。
カチャッ
その瞬間、フィールドは雷で埋め尽くされた。
おさまることのない雷撃が次々と田中を攻撃する。
「そこまで!」
「流石だな。」
「いやぁあの人も良かったと思うよ。私に奥伝を使わせるんだからさ!」
遥はただ面倒くさかっただけである。
2人は相手が弱いふうに話しているが彼らはとても強い。しかし、2人とも十三使徒の月夜に鍛えられているためそれなりに強く、セクステットやそのくらいしか強いと思わない。
「これより、昼休みに入ります。トイレは指定された場所に、昼ご飯は食堂か体育館で食べてください。ゴミは散らかさないようにしてください。」
昼ご飯のようだ。
「お、涼くん!」
「凪沙先輩こんにちは。」
「こんにちは。」
「君は月夜さんの娘の遥ちゃんだね?よろしく!」
「お母さんを知っているんですか?」
「うん!昔手合わせしてもらったしねぇ。」
ここで何か用事を思い出したようだ。
「次の試合の準備しなきゃ。涼くん必ず上がってきてよ!」
「分かってますよ。」
「その前に遥ちゃんとだけどね。手加減しないよ?」
「お願いします!」
涼遥は凪沙と別れた。
「俺達も昼飯食うかー。」
「そうね。」
そして2人は食堂へと向かった。
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