崩壊世界の絶対者

真崎 遥也

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Erweckender Moment

4章

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次の日、涼は学院へ行きいつものようにいじめられ1日を終えた。

「よし、今日も頼む。」

涼は遥に鍛えてもらべく頼んでいる。

「ごめん!今日は会議があって・・・」

遥が言うには、今日十二神家次期当主による会議が行われるらしい。

「そっか・・・」

「でも大丈夫!今日はお母さんに頼んだから!」

「げっ!」

涼が嫌な顔をした理由それは、遥の母、神崎月夜が苦手だからである。

小さい頃から面識があった二家族はよく互いの家で遊んでいた。その時、月夜に散々に遊ばれ、涼は怯えていたのである。

「私よりお母さんの方が強いから大丈夫の筈よ!」

「そうだといいけどな・・・」

こうして涼は月夜に教えを請うことになった。



「よぉ、久しぶりだなぁ涼。」

月夜は金髪高身長ですごく美人である。しかし、その男混じりな性格故昔はあまりモテなかったらしい。

「久しぶりですね、月夜さん。」

「ほんとだな、中学あたりからお前来なくなったもんな。」

「・・・」

ちょうどその頃母が亡くなったため、塞ぎ込んでいたので行かなかったのである。

「春夜が亡くなってからもう1年ちょっとか。どうせお前のことだからあいつに強くなってほしいやら何やら言われてそれを叶えようとしてるんだろ?」

「よく分かりましたね。」

「そりゃお前のことは結構知ってるつもりだからな。」

月夜は別に涼が嫌いなわけではない。可愛さ故にいじめたくなるのだ。そして涼も苦手だが嫌いなわけではない、むしろ好意さえある。

「よし、なら始めるか。裏の道場へ来い。」







「遥から聞くにどうやらあまり才能はないみたいだな。」

「っ・・・!」

「だからお前はこれを使え。」

そうして投げられたのは木刀である。いつも使っている西洋剣を模したものではない。ちゃんとした日本刀の形である。

「俺には才能がないんでしょ?」

「いいからやってみろ。」

今ここに即興で試合が始まった。

「ふん!!」

月夜は抜刀術の構えを取り居合抜きをする。

「はぁ!」

涼はその衝撃を抑えるべく刀を逆手に持ち刀をしたに向け、もう片方の手で剣先を押さえる。

「ほぅ。」

「では少し力を出していこう。神崎流抜刀術一式、『夜桜』!!」

神崎流刀術、ドルイドを用い独自の技術で武術の頂点までに上り詰めた流派である。

『夜桜』は居合抜きをする前までは変わらないが、その時にドルイドを刀に纏う。そして抜刀した時、ドルイドが衝撃と一緒に飛ぶが分散するため、かなり手ごわい。

「ちっ、少しは手加減しろ、よ!!」

昨日までの涼では避けることも叶わなかっただろう。しかし、昨日より軽快に動き汚い剣さばきであるが、すべて撃ち落としている。

「これはたまげた。よし!今から本気で行くぞ!」

「お、おい!それはやめろ!」

涼は知っている。神崎流の奥伝はどれも地形を変わらせるほどの威力を持つことを。

「神崎流刀術奥伝、『神・破斬』!!」

神速を超える剣速でこちらに迫ってくる。

「う、うぉぉぉぉぉぉ!!!」

涼は木刀にちょこんと自身の木刀を当てるだけだった。

ブゴォォォォン!!!

「・・・まさか、私が負けるとわな。」

立っていたのは月夜だったが、すぐに涼も立ち上がった。ボロボロではあるが。

涼の状態を見ると勝ちは見えている、なのに自分の負けだという月夜。その理由は・・・

「木刀が折れてやがる。」

そう、涼が狙ったのは武器破壊。あの瞬間で木刀の一番脆くなっている所を見つけ当てたのだ。だが普通はそれだけだと破壊できない。だから月夜の技を利用したのだ。あの剣速ならば壊すには十分であった。

「これで分かったことがひとつ。お前は刀術に関しては天性の才能がある。ドルイドがなかった理由は分からないが天は二物を与えずと言うからな。」

納得はいかないが、涼は自分にも力があると分かり嬉しくなる。

「よっしゃぁぁ!!!」

「だから、明日から私がびっちり訓練してやろう。」

「え、何でですか?」

「何でってお前も知ってるだろ?あいつが刀術使えないの。」

涼は思い出してみる。確かに剣技はSSランクだったが刀術なかった。

「って事は・・・」

「私が適任ってわけさ!」

涼はすごく落ち込んだ。しかし、意志が強いためそんな事でやめるなどはしなかった。

「お前には最終的に自己流刀術を編み出してもらう。神崎流だとドルイドを必ず使わないといけないからな。」

「自分の流派・・・」

「お前ならやれるさ。十二神家の神崎家当主様がそう言ってるんだ。」

涼は、自分の強くなる未来を思い浮かべ、胸が踊るのだった。


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