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Erweckender Moment
3章
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「もう嫌だなー。」
帰り道の途中、涼はギリギリ遥の耳に届く声で呟いた。
「ドルイドが全くないのはびっくりしたけど大丈夫よ。私がちゃんと鍛えてあげるから。」
確かにその方がいいだろう。教師に教えを乞うより次期当主の遥の方が強い筈だ。しかし、彼のプライドがそれを許さなかった。
「うーん、もう少し考えさせてくれ。」
そう言って遥を家に送り、帰った。
(はぁ、本当にどうしようかな。)
能力者になる、という夢は元々母の願いだった。涼が生まれる前、当時最強である能力者に助けてもらい、その人の様に人助けのできる能力者になって欲しいという願いが芽生えたのだ。
「母さんのためにも強くならなきゃな。」
涼は今は亡き母の願いを叶えるべく日々精進していこうと決心したのであった。
──翌日
「おはよー!」
「まさか私が涼を待たせる日が来るなんてね・・・」
本気で落ち込んでいるようだ。
「なぁ、やっぱり俺を鍛えてくれないか?」
「どうしたの?急に。」
「昨日考え直したんだ。強くなるためにはお前の教えが必要だってな。」
「ふふ、いいわよ。」
遥は何故か嬉しそうにしている。
「何で嬉しそうなんだよ。」
「別にー。」
「変なやつだな。」
遥は、自分が涼に頼りにされていることが嬉しいのである。
「よし強くなるぞ!!」
涼はまたそう強く思うのであった。
しかし、
「ほらよ!」
「まだまだ!!」
「こっちからも、せいや!」
「グハァ!!!」
涼に対して3人は何をしているのか。既にお見通しかもしれないが、そう、いじめである。
人という生き物は、自分より劣っている者に対して強さを見せびらかしたりいじめたりすることで優越感に浸ろうとする。
しかし、いじめをする人間はある共通な理由がある。
それは、同族嫌悪。彼らも涼を除くと落ちこぼれである。しかし、その自分を遥か高みにいると正当化させるために自分より劣っている者をいじめたりするのだ。だが、その大きな要因は正当化ではなく、ただ自分を見ているようでイライラするから。それが同族嫌悪なのだ。
「何してるの!!早く涼から離れて!」
「うっ、うるせー!!学年最強だからといって偉ぶるな!!」
「違うでしょ?私はいじめをしているあなたたちをとめたの。それのどこか偉そうなの?」
「ちっ、すまなかった。」
「謝る相手が違うでしょ!?」
「・・・越前、悪かった。」
そして彼らはこの場を後にした。
「ありがとう。」
「別にいいわよ。いつもの事だし。」
入学してはや1ヶ月。涼は既に劣等生の烙印を押されていた。それとは真逆で遥は優等生どころか学園最強の1人と謳われるようにまでなった。
「いつも悪いな。」
今日の涼は落ち込んでいた。それが益々遥を心配させるのであった。
「なぁ、今日はいつもの倍できつくしてくれ。」
「分かったわ。」
「いやぁ!はぁ!!」
西洋剣を催した木刀で打ち合いをする。遥は西洋剣を使った剣技が得意である。
「はぁ!!」
遥は剣を下から上に一気に振り上げる。そして大勢を崩した隙に遥は剣を逆手にもに持ち涼の首元につける。
「私の勝ちね。」
「ハァハァ、あぁ、俺の負けだ。」
「やっぱり俺向いてないのかな。」
「いつまでも弱音吐くな!あんたは強くなるんでしょ?なら有言実行しなさいよ!」
「遥・・・お前に気付かされてばかりだよ。本当に情けなくて辛い。」
「とりあえず今日は帰るわ。」
そして涼は帰っていった。
「くそ、力が欲しい。」
涼は疑問に思っていた。なぜ自分だけこんな目に遭わないといけないのか。
『ーー、ーーーし、だよ。』
謎の声が聞こえた。その声の正体を知るのはまだ先の話である。
帰り道の途中、涼はギリギリ遥の耳に届く声で呟いた。
「ドルイドが全くないのはびっくりしたけど大丈夫よ。私がちゃんと鍛えてあげるから。」
確かにその方がいいだろう。教師に教えを乞うより次期当主の遥の方が強い筈だ。しかし、彼のプライドがそれを許さなかった。
「うーん、もう少し考えさせてくれ。」
そう言って遥を家に送り、帰った。
(はぁ、本当にどうしようかな。)
能力者になる、という夢は元々母の願いだった。涼が生まれる前、当時最強である能力者に助けてもらい、その人の様に人助けのできる能力者になって欲しいという願いが芽生えたのだ。
「母さんのためにも強くならなきゃな。」
涼は今は亡き母の願いを叶えるべく日々精進していこうと決心したのであった。
──翌日
「おはよー!」
「まさか私が涼を待たせる日が来るなんてね・・・」
本気で落ち込んでいるようだ。
「なぁ、やっぱり俺を鍛えてくれないか?」
「どうしたの?急に。」
「昨日考え直したんだ。強くなるためにはお前の教えが必要だってな。」
「ふふ、いいわよ。」
遥は何故か嬉しそうにしている。
「何で嬉しそうなんだよ。」
「別にー。」
「変なやつだな。」
遥は、自分が涼に頼りにされていることが嬉しいのである。
「よし強くなるぞ!!」
涼はまたそう強く思うのであった。
しかし、
「ほらよ!」
「まだまだ!!」
「こっちからも、せいや!」
「グハァ!!!」
涼に対して3人は何をしているのか。既にお見通しかもしれないが、そう、いじめである。
人という生き物は、自分より劣っている者に対して強さを見せびらかしたりいじめたりすることで優越感に浸ろうとする。
しかし、いじめをする人間はある共通な理由がある。
それは、同族嫌悪。彼らも涼を除くと落ちこぼれである。しかし、その自分を遥か高みにいると正当化させるために自分より劣っている者をいじめたりするのだ。だが、その大きな要因は正当化ではなく、ただ自分を見ているようでイライラするから。それが同族嫌悪なのだ。
「何してるの!!早く涼から離れて!」
「うっ、うるせー!!学年最強だからといって偉ぶるな!!」
「違うでしょ?私はいじめをしているあなたたちをとめたの。それのどこか偉そうなの?」
「ちっ、すまなかった。」
「謝る相手が違うでしょ!?」
「・・・越前、悪かった。」
そして彼らはこの場を後にした。
「ありがとう。」
「別にいいわよ。いつもの事だし。」
入学してはや1ヶ月。涼は既に劣等生の烙印を押されていた。それとは真逆で遥は優等生どころか学園最強の1人と謳われるようにまでなった。
「いつも悪いな。」
今日の涼は落ち込んでいた。それが益々遥を心配させるのであった。
「なぁ、今日はいつもの倍できつくしてくれ。」
「分かったわ。」
「いやぁ!はぁ!!」
西洋剣を催した木刀で打ち合いをする。遥は西洋剣を使った剣技が得意である。
「はぁ!!」
遥は剣を下から上に一気に振り上げる。そして大勢を崩した隙に遥は剣を逆手にもに持ち涼の首元につける。
「私の勝ちね。」
「ハァハァ、あぁ、俺の負けだ。」
「やっぱり俺向いてないのかな。」
「いつまでも弱音吐くな!あんたは強くなるんでしょ?なら有言実行しなさいよ!」
「遥・・・お前に気付かされてばかりだよ。本当に情けなくて辛い。」
「とりあえず今日は帰るわ。」
そして涼は帰っていった。
「くそ、力が欲しい。」
涼は疑問に思っていた。なぜ自分だけこんな目に遭わないといけないのか。
『ーー、ーーーし、だよ。』
謎の声が聞こえた。その声の正体を知るのはまだ先の話である。
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