崩壊世界の絶対者

Erweckender Moment

2章

「はぁ～今何時だ？」

時間を見ると8時10分だった。

「やべー！！遅刻じゃん！！」

涼は朝からバタバタさせながら準備をしている。昨日はたまたま早く起きたが、いつもは遅刻常連者だった。遥もそれを見越して先に行っている。

「よし、母さん行ってきまーす！」

どんなに遅刻しようが母への挨拶は忘れない。それが越前涼という人間性を表している。



ガラガラ

「よし、セーフ！！」

「アウトです。」

先生の方を見ると笑顔である。しかし、起こっているのが分かる。

「登校初日から遅刻とは！！」




「うぇぇ、あの先生優しそうに見えてめっちゃ怖いな。」

「あんたが遅刻するからでしょ？」

「そうなんだけどさー。」

涼は周りを見渡すと人が減っていることに気づく。

「遥、なんで人少ないんだ？」

「なんでって、今から能力検査でしょ？」

忘れてたと言いそうな顔をしている。

「忘れてた！」

・・・実際に言ったが、涼は遅刻のことで完全に忘れていた。

「早く行くわよ。」

「はいさ！」










「えー、皆さん検査の前に機能説明した『インターフェース』について説明しますね。インターフェースとは私もうまくは説明できませんが、簡単に言うと能力を発動する接続機器ですね。それが無いと発動できません。」

まずvisシステムを詳しく説明すると、イニシエータは命令するための機能である。そこからインターフェースを通して発動する。発動する能力のことをターゲットという。インターフェースを通してでないと能力は正常に発動しない。その理由は人は脳で演算──超スピードで計算処理する事──を行う事ができない。それを補うのがインターフェースだ。

「今日の検査は皆さんのドルイド値と能力を見ていきます。ドルイド値と能力はランクが存在します。人によっては固有能力、複数能力がある場合があります。だからといって単数能力者が弱い訳ではありません。」

「なので皆さんも立派な能力者になってくださいね！」










そして検査は始まった。ドルイド値と能力のランクはG～SSSランクまである。それ以下、またはそれ以上は測定することが出来ない。全くドルイド値が無いものは過去にも存在したがSSSランクを超える者はいない。

次は遥の番だ。

「す、すごいです！！ドルイド値SSSランクです！」

驚きの声があちこちから上がる。このクラスの最高値はＡランクであるからだ。

「能力はどうだった？」

「これよ。」

能力は守秘義務により本人にしか見せられない。

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能力：剣技SS、魔法S、神姫SSS、縮地A、救世主

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どれも化け物揃いである。最後の能力にランクがないという事は固有能力である。


「お前すげぇな。」

涼も凄すぎて呆気にとられている。

「まあ頑張って特訓してきたからね。」

魔法はドルイドを操る訓練することにより、ランクが上がる。（測定する前まで）

ドルイドを操るのはインターフェースは必要ではない。

剣技も特訓することでランクが上がる。（条件無し）
そして、visシステムにより闘技と呼ばれる簡単に言うと必殺技が使えるようになる。

「知ってるよ。俺は頑張るお前の姿をずっと見てきたからな。」

「涼・・・」

「うし！次は俺の番だ。行ってくるよ。」


「越前涼君ね。えーと君は、え！？」

「どうかしたんですか？」

「エラーって出てるの・・・ごめんなさい貴方にはどうやらドルイドが無いみたい。」

「え？」

ショックを受けるのも仕方がない。10000000分の1確率だからだ。

「能力も・・・」

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能力：UNKNOWN

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「No、という表示は初めてだけどおそらく無いのでしょうね。でも適性があるという事はこれからなにか身につける筈だから！諦めないで。」

（もしかしてNOしか表示されていないのか？）

涼はこれからの学院生活が最悪なものになる予感がした。そして、その予感は奇しくも当たってしまったのだった。