神を従えし者たち

真崎 遥也

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第1章 邪龍王の生贄

エピローグ

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邪龍王の討伐も終え、俺達は学園に戻る事にした。

「エリー、俺が倒したのは内緒な?」

「何故です?」

「いくら俺が神従士になったからと言ってSSSランク魔物に勝てるわけないだろう?普通は。俺はエリーを見つけた後すごい勢いで逃げて、その時にXランクの神従士が助けてくれたってことにしとけ。」

「それで大丈夫なんですか?」

「あぁ。ある人に頼んであるからな。」

そう言いながら俺達は学園へと向かった。

「無事だったか!お前たち!」

そう言い大原先生はこちらへ来た。

「何で勝手な事したんだ!救助が来るまで待つべきだっただろう!」

「ご、ごめんなさい・・・」

「すいません・・・」

これは俺たちの行動が心配させる原因だったのだ。素直に謝るべきだ。

「まぁ、良かったな。Xランクの神従士序列一位の『虚無の還元者』が助けに来てくれて。」

「え?」

「いや、私も姿は見たことないが強かっただろ?神従士の中で頂点だからな。」

エリーが戸惑うのもその筈だ。本当に事実が変わっているのだから。まぁ のだが・・・

「お前たち今日はもう帰るんだ。他のみんなはもう帰してある。」

俺も疲れたから帰って寝たいしな。

「「分かりました。」」

2人で帰っている帰り道、夕日が沈んでいく様子が伺える。その夕日が彼女をいっそう美しく魅せるのは彼女の元からの魅力なのかは分からない。疲れているだけなのかもしれないが、彼女が自分の中で大切な人になっている気がする。普通の友達としてではない何か・・・

そんな事を思いながら俺たちは帰路を共にする。

「今日は色々なことがありましたね。」

「そうだな。神従士になれたり、邪龍王が襲ってきたり、こんな事滅多にないぞ?」

笑いながらそう彼女に言うと、

「そうですね。今日はありがとうございました。私、和葉が助けに来てくれてとても嬉しかったんですよ?あの時、私の王子様が来てくれたんだって。あ、今のは聞かなかったことにしてください!」

そう言い彼女は焦り始めた。しかし、そんな事よりも俺は、彼女のいつもの愛想笑いなどではない心からの笑顔に心を奪われていた。

「俺らしくないな。」
と、苦笑しながら聞こえない声で呟くと、

「俺もお前のその笑顔見れて頑張った甲斐があったよ。」

「あ、ありがとうございます///」

すごく照れているようだ。

「さぁ帰るか。」

「はい!」

こんな平穏な日々が、異性に対してドキドキするような日々が、続けばいいなって思う。一般校ではないが、せめて高校生らしく、な?

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・用語解説

「神従士序列」
まず、神従士のランクを上げる方法は3つある。1つ目は上位ランカーからの推薦。2つ目は魔物の討伐数。最後は年に1回ある、『神技闘技会』である。神技闘技会は下克上も可能であるため、大体のものがこれに賭けている。1番最初のランクが低くても、上位ランカーになれるのはかなり多い。逆に、最初は高ランクでも下克上により下がる事もある。
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