神を従えし者たち

真崎 遥也

文字の大きさ
上 下
25 / 62
第2章 魔姫の救済

第6話 文化祭の開始

しおりを挟む
文化祭が始まった。八百万学園の文化祭という事で来場者がとても多い。

「和葉、何から周りますか?」

「うーん、どこでもいいよ。」

という事で連れてこられたのはあの男だらけのメイドカフェである。頼んだのは愛情を込めたオムライスだ。

「お待たせしました。」

持ってきたのは、マッチョの大男のメイドだった。

「では、はァァァ!!美味しくなぁれ!!!ラブを注入!!!はァァァ!!!」

その勢いだけで気絶しそうな勢いだ。

「はい、和葉あーん。」

「あむ。え、クソうめぇ。」

あのメイドたちが作ったとは思えない。

「作ったのは女子生徒に見たいですね。」

せめて逆にしろよ・・・
俺の心の叫びは誰にも届かなった。

「カグヤにおばけ屋敷連れてってあげたいんだ。」

「分かりました!そろそろ劇の準備しないといけないので先帰ってますね。」

「おう。」



という事でおばけ屋敷にやってきた。

「楽しみじゃの!」

「あぁ。」

この無邪気な笑顔がとても可愛い。本当に神かどうか疑いたくなるが・・・

「早く行くのじゃ!」

この笑顔は神と呼べるくらい可愛い。

「ぎゃあああ!!!」

とてもビビってる。カグヤは怖い物好きだがビビリだ。

「ゔぅ、怖いのじゃあ!!!」

「よしよし。」

頭を撫でてやると頬真っ赤に染める。そんな事されると意識しちゃうじゃないか・・・

「じゃあ俺も劇の準備するがカグヤはどうする?」

「妾は和葉の中で寝とくのじゃ。」

「分かった。」



「おまたせ。あれ?義治は?」

「それが・・・」

着付けの前にお腹が痛いといい出てったという。やばいぞ、あと5分で開始だ。

「くそっ仕方ない、もしもの時は考えよう。」

結局終盤に差し掛かったが義治は戻ってこなかった。仕方ない。ちょうど垂れ幕が掛かったので義治の衣装をもらう。


いよいよ、人間の王子に戻る場面だ。俺は誰にも聞こえないように魔法を唱えた。唱えた魔法は「衣装変換ドレスチェンジ」と空間魔法、あと髪の毛の色を銀髪に変えた。

ここであえての眩い光を演出する。

大歓声が巻き起こった。
「よかったぁ。成功したよ。」

こうして無事に劇は終わった。

ちなみに義治は昨日食べた牡蠣が当たって今病院に搬送中だ。すぐ帰ってくるだろう。

いよいよ有志発表だ。

「行ってきます!」

「行ってこい!」

エリーは着替えたらしいが俺は着替えていない。ほかの人がいうには今の俺は本当の王子みたいだ。銀髪銀眼に白の衣装が合わさりそう見えるらしい。だからみんなこれで出ろという。

てか自分で自分を王子みたいって言うの滅茶苦茶反吐が出そうだ。

エリーと俺は元々趣味でギターを弾けたので全部一人での演出だ。

「ーー♪」
エリーが歌うとすごい歓声があがる。

「「「「「「「ウォォォォォォォ!!!!」」」」」」」

パチパチパチ!!!!!!!!!

エリーの番が終わった。

「良かったぞ!」

「良かったです。和葉も頑張ってください!」



俺は歌い始めた。エリーの時と違い歓声などは起きない。やっぱり下手なのかな・・・

落ち込みながら歌い、終わると一人、また一人と拍手が巻き起こる。それもスタンディング・オベーションと言うやつだ。

「良かった・・・」

下手くそ!!どっか行け!!とか言われたら立ち直れなかった。

「か、かっこよかったです!」

エリーが頬染めそう言ってくる。なんだか最近この光景が多すぎて夢を見てるみたいだ。今までこんな生活なかったからな・・・

その時・・

バリィィィーーン!!!!

色々なものが割れる音がした。

「何事だ!!」

「我は魔族を指揮っている者だ。世界侵略を開始する。」

もう現れたか・・・

「アル!観客を結界で守れ!!」

「分かりました。」

「ヘラクレス!!日本各地を周って魔族の被害を抑えてきてくれ!!」

「了解だ!!」

学園に来ている魔族は100人程、しかし、その1個体が人間の10倍程だ。


まぁ俺には関係ないが。

「死ね。」

「え?」

魔族の指揮官の胸には穴が空いている。俺の手にあるものは奴の心臓だ。

「空間魔法「空間切除」だ。俺と敵の間の空間を一時的に切除する。だからお前と俺の間はゼロ距離に等しい。」

「な、んて、奴だ。」

魔族は死んでいった。

「名前も分からなかったな。」

俺はそう呟き、観客の避難に移った。



side.アルダ

遂に来た!我々魔族が世界を侵略する時が!!

「我は魔族を指揮っている者だ。世界侵略を開始する。」

俺には相対してる奴が聖霊と英霊を呼び出した。

(何だ!アイツ!十二聖霊に英雄の頂を呼び出しただと!?それにあいつらはその中で1番強い奴らだ。)

だがアイツは命令した後1人になった。

(ふん、1人なら雑魚同然だな。)

「死ね。」

「え?」

俺は自分の胸に違和感を感じた。何故だ?あるはずの物がない。

奴が今の事について説明をし始めた。それを聞き俺が思ったのは、

「な、んて、奴だ。」

死の間際に思い出したのはある1つの話。3年前に伝説の魔人、『サレルノ』が狂人化させられ、暴走したのを食い止めた1人の男がいた。確か、

『虚無の還元者』

そして俺は目を閉じた。


side out.
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

好きでした、さようなら

豆狸
恋愛
「……すまない」 初夜の床で、彼は言いました。 「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」 悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。 なろう様でも公開中です。

【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。

曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」 「分かったわ」 「えっ……」 男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。 毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。 裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。 何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……? ★小説家になろう様で先行更新中

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

美しい姉と痩せこけた妹

サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。

友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」 貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。 「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」 耳を疑いそう聞き返すも、 「君も、その方が良いのだろう?」 苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。 全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。 絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。 だったのですが。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

処理中です...