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6章 大闘祭
懐かしの顔ぶれ
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「大丈夫ですよ、リュートくんにはそんな心配はいりません」
背後から投げられた声に反応し振り向く隆人達、そこには見覚えのある顔があった。
細身だが引き締まった体躯に浮かぶ温厚な表情、そしてその背後から真逆の厳つい存在感を放つ特徴的な得物、大剣。
「グリンジャーさん!」
迷宮都市ディアラにおいて最大最強を誇るパーティ「太陽の剣」を率いるAランク冒険者グリンジャーその人である。
以前リュート達とグリンジャーは迷宮の下層魔物討伐作戦において顔を合わせ、その元凶であったアルラウネ戦では共闘した。いわば戦友とも呼べる間柄である。
「グリンジャー……まさか、[両断]か!?」
「迷宮都市の主まで来てんのかよ」
飛び出したグリンジャーという言葉に周囲にいた者達が俄かにざわめき立つ、Aランク冒険者でしかも異名持ちというインパクトはそれだけ大きいものなのである。
だが、その名を聞いた周囲の反応は様々だ、楽しげに口を歪める者、焦りを浮かべ顔を青くする者、観察するようにじっくりと目を細める者もいる。
グリンジャーはそんな者達を一瞥し、隆人達の元へと歩み寄る。声をかけられた側である受付嬢も一瞬状況を飲み込めないでいたが、すぐに気を取り直す。
「グリンジャーさん!いらしてたんですね。もしかしてこの方達はグリンジャーさんのお知り合いの方でしょうか?」
「えぇ、彼らは一時期ディアラの方で冒険者として活動してましてね、そこで依頼を共に受ける機会があったので。彼らは猛者と呼ぶにふさわしい実力者ですよ、私が保証します」
そう突然現れて太鼓判を押すグリンジャー。再び周囲がざわめく、あのAランク冒険者があそこまで評価するあの青年は何者なのか、と。
隆人としてもそこまで褒められると多少むず痒くはあるが、嫌な話の進みから解放されたのは事実である。
隆人はグリンジャーに感謝を述べ、申し込み作業へと戻す。
「皆さま、冒険者の方だったのですね。しかもあの[両断]も認めるほどの。先程は大変失礼をいたしました」
「いいって、気にかけてくれただけなんだしね。それで、無差別級に申請って事でいいんだよね?」
「もちろんです!すぐに手続き致しますね。お連れの皆様はどうなさいますか?同様に無差別級への申し込み手続きをしてしまってよろしいですか?」
受付嬢の視線が後ろにいるティナ達に向く。3人は少し悩む素振りを見せるが、すぐにまずシルヴィアが手を挙げた。
「私は遠慮しよう。対人戦はあまり気乗りしなくてな、観客として参加する方が楽しめそうだ」
「ロロノもやめるのです。見られるのはすきじゃないのです。リュートさまをおうえんするです!」
シルヴィアに続いてロロノも手を挙げ参加を辞退する。隆人やティナとの関わりで緩和されてきているが、奴隷として売られていた過去ゆえか人間をあまり関わりたがらないロロノ。そんなロロノに大衆に見られる戦場は苦なのだろう。それに、参加すれば否応無く1人になる時間がうまれる。ロロノも戦闘力は高いが幼い少女である。
戦闘内外どちらにせよ、万が一の可能性を考えると、シルヴィアと一緒に観客席にいてもらうのが一番安心できる。
まぁ戦闘面の危険など今更なのだが。
「じゃあ2人は観客ってことで。ティナはどうするのかな?」
「私は…………」
隆人の改めての問いに再び逡巡する様子を見せるティナ。だがやがて決断する。
「いえ。私は参加します!今の自分がどこまでやれるのか試してみたいですし、それにーーできるなら私はリュート様とも、組手ではなく真剣勝負をしたいです!」
その眼には確かな決意が映る。その様子をみて隆人がニヤリ笑顔を見せる。
「それでは、お二方が無差別級に参加するということでよろしいですね?少々お待ちください」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「改めて、お久しぶりですねリュートくん、それにクリスティーナさん、ロロノちゃんも。ディアラ以来ですね、出立の時は所用で顔を出せずすみませんね」
「こっちも急いで出て行っちゃったからね、気にしなくていいよ。まさかこうして王都で会えるとは思ってなかったけど」
つつがなく参加申請を終え闘技場を後にした隆人達は、そこで再びグリンジャーと挨拶を交わす。
「グリンジャーさんも大闘祭に参加するのかな?」
「えぇもちろん。リュートくん達と同じ無差別級に出場しますよ。もう申請は済ませていますし」
「そうか、当たるのが楽しみだね。ところで、グリンジャーさん今日は1人なのかな?」
「いえ、『太陽の剣』の皆と一緒ですよ。今日は別の用事があってこの辺りに来ていたのですが、その途中で皆さんを見かけましてね、わたしだけ先に来たのです。他の皆も後から……ほら、噂をすれば」
「グリンジャーさん!いきなり走ってどうしたんですかー?……って、お前は!!リュート!!」
グリンジャーの視線を隆人達が追うと、通りからこちらへと大声を発しながら駆け寄る青年が。あの青年は確か……
「システマ?」
「ステインだ!この野郎、どんな覚え違いだそれもう原型ないだろうが」
到着早々に怒り出すシ……ステイン。歯磨き的な名前と覚えていたのがダメだったようだ。
そしてそんなステインの後からさらに数人がこちらにやってくる。中にはステイン同様に下層魔物討伐作戦で顔を合わせた「太陽の剣」のメンバーの姿もある。
そしてそんな集団の中で、一際目立つ男が1人。筋骨隆々の肉体を誇る大男、そしてデカイ声。
その男も隆人に気づいたようで一瞬驚いたような顔を浮かべた後嬉しそうに手を挙げてやってきた。
「おぉ!リュート君じゃないか!君も王都に来ていたのだな」
「スティングさん、久しぶりです。元気そうで良かったです」
「ディアラは相変わらずで毎日胃は痛いがな」
そう言って豪快に笑う男。迷宮都市ディアラにある冒険者ギルドのマスタースティング。以前はかなり腕の立つAランク冒険者として知られていたようである。現在は冒険者を引退し事務方に勤しんでいる。
そんなスティングを遮ってステインが更に詰め寄ってくる。
「おい、お前もここにいるって事は大闘祭に参加するのか?」
「うん、そうだよ無差別級にね」
「やっぱりか!予選何番だ?」
まくし立てるように聞いてくるステイン。
何番。それは無差別級本戦出場者を決める予選の部における番号のことである。
王国の花形行事とも言える大闘祭はそれだけ出場者の数も多い。そんな中で一つ一つ試合をしていてはいつまで経っても終わらない。
その為、本戦の前に、出場者達を1~16の番号に割り振り、そこで全員一斉に乱戦を行う。各回の脱落せず残った最後の2名が本戦に出場するのだ。
「俺は15番だったよ」
「ちぇっ、俺は8番だ」
残念そうに息を吐くステイン。その様子を小柄な男が笑う。
「若いもんは血気盛んでいいのう」
「ロイドさんは参加しないんですか?」
その小柄の男ーー「太陽の剣」のサブリーダーを務めるロイドに隆人が質問を投げかける。
このロイドもアルラウネ戦で共に戦った仲間である、その実力もよく知っている。
「こう言った催しというのはワシら壁役にはあまり縁のないものだからの。戦いは若い者がやるものよ」
自嘲げな言葉だがその顔に悲観さはない。というより何も気にしてないようである。
「だからついてくる必要はないと言ったのですがね?付いてくると聞かなくて」
「ディアラにいても退屈だからのう」
呆れるような口ぶりで話すグリンジャーに飄々と返すロイド。
「太陽の剣」の面々が来たにしては数が少ないとは思ったがどうやら大闘祭への参加を望んだものだけが来ているようだ。
「参加希望者、思ったより少ないんだね、「太陽の剣って50人以上はいるんだろ?」
「まぁ大闘祭は大きな祭りですからね、数少ないはずのAランクの猛者達もザラにいるし、半端な実力じゃ予選の時点で何も出来ず脱落することになるからね、ここにいるのは基本、実力者だけだよ」
たしかにグリンジャーの後ろに控える者たちの気配もかなりのものである。
と、隆人が気になったことを訪ねる。
「もしかして、Sランクの冒険者も参加したりするのかな?」
「あー……Sランクは、いないかな」
その問いに突然言葉を濁すようにして答えるグリンジャー、不思議そうにする隆人に理由を続ける。
「あの人たちはきまぐれだから。世界中を飛び回っていて所在が分からないか、ずっと特定の場所に篭りっきりの人がほとんどなんだ。ここ十年くらいは大闘祭にSランクの冒険者が参加した記録はないですね」
「そうなんだ……」
その言葉に少し残念そうにする隆人。これまで何度かその話を耳にした、冒険者における最高ランクであるSランク。別次元とも称されるその者達との機会もあると期待していた。
「Sランクには及びませんが、私もリュートくん達が旅立ってからまた腕を上げましたからね。戦えるのが楽しみです」
「そうだね、グリンジャーさんとも一度ちゃんと試合して見たかった。本戦まで負けないでよ?」
「無論ですとも、リュートくんも油断して脱落なんてことは無いよう気をつけてくださいよ?」
お互いが闘志をちらつかせる。ディアラでは共闘はあっても実際に戦う事はなかった。それもあって戦闘意欲が高まっているのだろう。
隆人も既に気持ちは切り替わっている。
2人共口に笑顔を浮かべ、ほぼ同時に言葉を発する。
「それでは」
「次は大闘祭の会場で、だね」
そしてそのままグリンジャーはその場を後にした。ステインやロイドら「太陽の剣」の面々もその後に続いていく。
ステインは最後に「俺との戦いも楽しみにしとけよ!」と捨て台詞らしき物を吐いていったが。
そして、グリンジャー達が行ったのを見計らいスティングが近づいてきて囁く。真剣
「少し話がある。ここでは何だからな、ついてきてくれ」
(久しぶりの登場になるディアラ組、遡ってみると最後に出てから半年以上経っているみたいです笑
最後の蛇足感があったので一部修正しました)
背後から投げられた声に反応し振り向く隆人達、そこには見覚えのある顔があった。
細身だが引き締まった体躯に浮かぶ温厚な表情、そしてその背後から真逆の厳つい存在感を放つ特徴的な得物、大剣。
「グリンジャーさん!」
迷宮都市ディアラにおいて最大最強を誇るパーティ「太陽の剣」を率いるAランク冒険者グリンジャーその人である。
以前リュート達とグリンジャーは迷宮の下層魔物討伐作戦において顔を合わせ、その元凶であったアルラウネ戦では共闘した。いわば戦友とも呼べる間柄である。
「グリンジャー……まさか、[両断]か!?」
「迷宮都市の主まで来てんのかよ」
飛び出したグリンジャーという言葉に周囲にいた者達が俄かにざわめき立つ、Aランク冒険者でしかも異名持ちというインパクトはそれだけ大きいものなのである。
だが、その名を聞いた周囲の反応は様々だ、楽しげに口を歪める者、焦りを浮かべ顔を青くする者、観察するようにじっくりと目を細める者もいる。
グリンジャーはそんな者達を一瞥し、隆人達の元へと歩み寄る。声をかけられた側である受付嬢も一瞬状況を飲み込めないでいたが、すぐに気を取り直す。
「グリンジャーさん!いらしてたんですね。もしかしてこの方達はグリンジャーさんのお知り合いの方でしょうか?」
「えぇ、彼らは一時期ディアラの方で冒険者として活動してましてね、そこで依頼を共に受ける機会があったので。彼らは猛者と呼ぶにふさわしい実力者ですよ、私が保証します」
そう突然現れて太鼓判を押すグリンジャー。再び周囲がざわめく、あのAランク冒険者があそこまで評価するあの青年は何者なのか、と。
隆人としてもそこまで褒められると多少むず痒くはあるが、嫌な話の進みから解放されたのは事実である。
隆人はグリンジャーに感謝を述べ、申し込み作業へと戻す。
「皆さま、冒険者の方だったのですね。しかもあの[両断]も認めるほどの。先程は大変失礼をいたしました」
「いいって、気にかけてくれただけなんだしね。それで、無差別級に申請って事でいいんだよね?」
「もちろんです!すぐに手続き致しますね。お連れの皆様はどうなさいますか?同様に無差別級への申し込み手続きをしてしまってよろしいですか?」
受付嬢の視線が後ろにいるティナ達に向く。3人は少し悩む素振りを見せるが、すぐにまずシルヴィアが手を挙げた。
「私は遠慮しよう。対人戦はあまり気乗りしなくてな、観客として参加する方が楽しめそうだ」
「ロロノもやめるのです。見られるのはすきじゃないのです。リュートさまをおうえんするです!」
シルヴィアに続いてロロノも手を挙げ参加を辞退する。隆人やティナとの関わりで緩和されてきているが、奴隷として売られていた過去ゆえか人間をあまり関わりたがらないロロノ。そんなロロノに大衆に見られる戦場は苦なのだろう。それに、参加すれば否応無く1人になる時間がうまれる。ロロノも戦闘力は高いが幼い少女である。
戦闘内外どちらにせよ、万が一の可能性を考えると、シルヴィアと一緒に観客席にいてもらうのが一番安心できる。
まぁ戦闘面の危険など今更なのだが。
「じゃあ2人は観客ってことで。ティナはどうするのかな?」
「私は…………」
隆人の改めての問いに再び逡巡する様子を見せるティナ。だがやがて決断する。
「いえ。私は参加します!今の自分がどこまでやれるのか試してみたいですし、それにーーできるなら私はリュート様とも、組手ではなく真剣勝負をしたいです!」
その眼には確かな決意が映る。その様子をみて隆人がニヤリ笑顔を見せる。
「それでは、お二方が無差別級に参加するということでよろしいですね?少々お待ちください」
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「改めて、お久しぶりですねリュートくん、それにクリスティーナさん、ロロノちゃんも。ディアラ以来ですね、出立の時は所用で顔を出せずすみませんね」
「こっちも急いで出て行っちゃったからね、気にしなくていいよ。まさかこうして王都で会えるとは思ってなかったけど」
つつがなく参加申請を終え闘技場を後にした隆人達は、そこで再びグリンジャーと挨拶を交わす。
「グリンジャーさんも大闘祭に参加するのかな?」
「えぇもちろん。リュートくん達と同じ無差別級に出場しますよ。もう申請は済ませていますし」
「そうか、当たるのが楽しみだね。ところで、グリンジャーさん今日は1人なのかな?」
「いえ、『太陽の剣』の皆と一緒ですよ。今日は別の用事があってこの辺りに来ていたのですが、その途中で皆さんを見かけましてね、わたしだけ先に来たのです。他の皆も後から……ほら、噂をすれば」
「グリンジャーさん!いきなり走ってどうしたんですかー?……って、お前は!!リュート!!」
グリンジャーの視線を隆人達が追うと、通りからこちらへと大声を発しながら駆け寄る青年が。あの青年は確か……
「システマ?」
「ステインだ!この野郎、どんな覚え違いだそれもう原型ないだろうが」
到着早々に怒り出すシ……ステイン。歯磨き的な名前と覚えていたのがダメだったようだ。
そしてそんなステインの後からさらに数人がこちらにやってくる。中にはステイン同様に下層魔物討伐作戦で顔を合わせた「太陽の剣」のメンバーの姿もある。
そしてそんな集団の中で、一際目立つ男が1人。筋骨隆々の肉体を誇る大男、そしてデカイ声。
その男も隆人に気づいたようで一瞬驚いたような顔を浮かべた後嬉しそうに手を挙げてやってきた。
「おぉ!リュート君じゃないか!君も王都に来ていたのだな」
「スティングさん、久しぶりです。元気そうで良かったです」
「ディアラは相変わらずで毎日胃は痛いがな」
そう言って豪快に笑う男。迷宮都市ディアラにある冒険者ギルドのマスタースティング。以前はかなり腕の立つAランク冒険者として知られていたようである。現在は冒険者を引退し事務方に勤しんでいる。
そんなスティングを遮ってステインが更に詰め寄ってくる。
「おい、お前もここにいるって事は大闘祭に参加するのか?」
「うん、そうだよ無差別級にね」
「やっぱりか!予選何番だ?」
まくし立てるように聞いてくるステイン。
何番。それは無差別級本戦出場者を決める予選の部における番号のことである。
王国の花形行事とも言える大闘祭はそれだけ出場者の数も多い。そんな中で一つ一つ試合をしていてはいつまで経っても終わらない。
その為、本戦の前に、出場者達を1~16の番号に割り振り、そこで全員一斉に乱戦を行う。各回の脱落せず残った最後の2名が本戦に出場するのだ。
「俺は15番だったよ」
「ちぇっ、俺は8番だ」
残念そうに息を吐くステイン。その様子を小柄な男が笑う。
「若いもんは血気盛んでいいのう」
「ロイドさんは参加しないんですか?」
その小柄の男ーー「太陽の剣」のサブリーダーを務めるロイドに隆人が質問を投げかける。
このロイドもアルラウネ戦で共に戦った仲間である、その実力もよく知っている。
「こう言った催しというのはワシら壁役にはあまり縁のないものだからの。戦いは若い者がやるものよ」
自嘲げな言葉だがその顔に悲観さはない。というより何も気にしてないようである。
「だからついてくる必要はないと言ったのですがね?付いてくると聞かなくて」
「ディアラにいても退屈だからのう」
呆れるような口ぶりで話すグリンジャーに飄々と返すロイド。
「太陽の剣」の面々が来たにしては数が少ないとは思ったがどうやら大闘祭への参加を望んだものだけが来ているようだ。
「参加希望者、思ったより少ないんだね、「太陽の剣って50人以上はいるんだろ?」
「まぁ大闘祭は大きな祭りですからね、数少ないはずのAランクの猛者達もザラにいるし、半端な実力じゃ予選の時点で何も出来ず脱落することになるからね、ここにいるのは基本、実力者だけだよ」
たしかにグリンジャーの後ろに控える者たちの気配もかなりのものである。
と、隆人が気になったことを訪ねる。
「もしかして、Sランクの冒険者も参加したりするのかな?」
「あー……Sランクは、いないかな」
その問いに突然言葉を濁すようにして答えるグリンジャー、不思議そうにする隆人に理由を続ける。
「あの人たちはきまぐれだから。世界中を飛び回っていて所在が分からないか、ずっと特定の場所に篭りっきりの人がほとんどなんだ。ここ十年くらいは大闘祭にSランクの冒険者が参加した記録はないですね」
「そうなんだ……」
その言葉に少し残念そうにする隆人。これまで何度かその話を耳にした、冒険者における最高ランクであるSランク。別次元とも称されるその者達との機会もあると期待していた。
「Sランクには及びませんが、私もリュートくん達が旅立ってからまた腕を上げましたからね。戦えるのが楽しみです」
「そうだね、グリンジャーさんとも一度ちゃんと試合して見たかった。本戦まで負けないでよ?」
「無論ですとも、リュートくんも油断して脱落なんてことは無いよう気をつけてくださいよ?」
お互いが闘志をちらつかせる。ディアラでは共闘はあっても実際に戦う事はなかった。それもあって戦闘意欲が高まっているのだろう。
隆人も既に気持ちは切り替わっている。
2人共口に笑顔を浮かべ、ほぼ同時に言葉を発する。
「それでは」
「次は大闘祭の会場で、だね」
そしてそのままグリンジャーはその場を後にした。ステインやロイドら「太陽の剣」の面々もその後に続いていく。
ステインは最後に「俺との戦いも楽しみにしとけよ!」と捨て台詞らしき物を吐いていったが。
そして、グリンジャー達が行ったのを見計らいスティングが近づいてきて囁く。真剣
「少し話がある。ここでは何だからな、ついてきてくれ」
(久しぶりの登場になるディアラ組、遡ってみると最後に出てから半年以上経っているみたいです笑
最後の蛇足感があったので一部修正しました)
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