107 / 141
第5章 森王動乱
幕間 動き出す森
しおりを挟む
果てが見えぬほど広く広くその緑を伸ばす大森林。そんな中でもぞもぞと蠢く無数の魔物達。もしこの世界にヘリコプターでもあり上空から見ることができればその姿はまるで一個の巨大な生き物のように見えるだろう。
「森の魔物達が集結している。やはり奴の力は恐るべきものがあるな」
そんな魔物の群れの中に人影が、周囲を見回しながらつぶやきを漏らす。魔物の中に人など餌を投げ入れるようであるが、なぜか周りの魔物達はその者を襲う事はなく、むしろ魔物達はそのものに背を向け従うかのようである。
その人影は全身をフード付きのコートのようなもので覆い、顔は全く見えない。声色からどうやら男という事がわかるばかりである。
「これで一通りの魔物がそろったか。まだ少しずつ合流する魔物もいるようだが、時間の問題か。それよりも、やつはどこにいったのだ、先ほど出たキリだが」
男がそう愚痴を漏らすと、ちょうど呼応するように魔物の一団に切れ目が生まれ、一体の魔物が姿をあらわす。それは巨大な大剣を背負った人型の魔物であり、その魔物が現れるとともにあたりの空気が変わる。
姿はオーガに似ているが、覇気すら感じるその威容に発せられる圧力、その全てにおいて普通のオーガには似ても似つかぬものがある。
「やっと戻ってきたか。これからエルフに襲撃するというのに、何か見つけたのか?」
「ーーーーー」
「そうだったな、お前の自我は縛っていたんだった。どうせ獣が本能で徘徊しただけだろうがな」
そういって男が不快げな声を漏らす。男はその魔物を、というより魔物という存在そのものを嫌悪しているようであった。
「全く、必要とは言えこの俺が魔物風情と共に行動しなければならないとはな。だがエルフ族と霊樹アトムが俺達にとって邪魔であるのは事実だ。上の指示である以上従わなければならないな。ーー精々役に立てよ、魔物が」
苛立ちを隠しもしないまま、フードの男は戻ってきたその魔物に寄っていく。
ブォン
「ちぃっ」
「ーーーーー!」
数歩近づいたところで、オーガに似たその魔物が背中の大剣を抜き、フードの男に斬りかかる。大剣という鈍重な武器にもかかわらずその動きに淀みがない。軽いナイフでも振り回すかのように片手で軽々と大剣を振るう。
フードの男の首を大剣が薙ぐ直前に装束から右手が抜き出される。右手には魔力がたなびく小剣が握られており、2つがぶつかり合い、寸前で大剣の軌道を首元から逸らす。
「"止まれ"」
「ーーーーー」
すぐさま追撃をしかけようと振るわれる大剣だが、フードの男が語調を強め、制止の言葉を発するとともにその動きがぴたりと止まる。まるで体中を何かに縛られているかのように。
「全く、何重もの隷属の上級魔法で縛っているはずだ、そんな状態でこちらに攻撃してくるとは、やはりこいつはただの魔物ではないな。だが俺が主である以上、こいつは俺の命令に従うしかない」
魔物の動きが停止したのを確認したフードの男が小剣を再び懐へとしまい、忌々しげにつぶやく。
「……だが、竜種部隊が残存していればこんなことをする必要はなかったのだ!エルフの里と霊樹を破壊するなど、竜種達による物量とブレスで森ごと焼いて仕舞えばそれで済んだことなのだ、そうすればこのバイサール様がこんなところまできて、森の魔物どもを使役することもなかった」
吐き捨てるようにいうフードの男、名前はバイサールというらしい。竜種部隊、それは大迷宮ディアラの深層85層に存在した飛竜蛇竜含め500を超える竜種の軍の事である。竜種は一体でも脅威である、しかも中には10体の上位種や上級竜である黒竜をも要する巨大戦力であった。
彼ら「」の持つ最高戦力の1つであり、有事のために人がやってこなく魔物や魔力が豊富な大迷宮の奥深くに隠していた。
だが、その大部隊はある時突然壊滅した。竜種の全てが討伐されたのだ。何者によるのかは現在も調査中であるが、未だに判明してはいない。
しかし、この戦力喪失が彼らにとっては相当の痛手であった。この一件で彼らの計画は大きな進路変更を要求された。
「だが、失敗は許されない。あの方に黒炎で焼かれかねないからな。それは死んでも御免だ。幸い、エルフどもの戦力に比べて数十倍の戦力がこちらにある。ここまでとは正直予想外だったがな」
計画では、このオーガを隷属の魔法によってしばり、バイサールと共にエルフの里を襲撃。霊樹を破壊するというものであった。しかし、オーガを隷属させたところで、かのオーガがこれまで押さえつけていた魔物達が全て下ったのだ。
災害に匹敵するAランクの魔物すらも中には存在し圧倒的戦力であるそれは嬉しい誤算であった。
しかし、油断はできない。万が一にでも失敗しようものなら、すぐに粛清されるだろう。黒い炎に焼かれる姿を幻視しバイサールは冷や汗を流す。
「あの方」であればそれくらいのことはやりかねない。
「だが準備は整ったな、魔物どもも集まり切ったようだ。これでエルフの里へ進行を開始できる」
そう言ってバイサールが視線を前へと移す。
「"進め"ーーーー。エルフの里へ」
「ーーーーー!!!」
先ほどと同じように強い語調で命令を下す。大剣を構えた姿勢で固まっていたオーガは進行の命令とともに再びビクンと体を震わせる。
そして意志のない瞳でエルフの里の方向を向くと、大剣を背負い、言葉にならない咆哮をあげる。そして一歩を踏み出す。
それに伴い、辺り一面を埋め尽くす大量の魔物達も同様に進行を始める。数えきれない魔物の面々がオーガに続くように咆哮をあげる。
魔物の軍勢が、今エルフの里へと本格的に行動を始めた。
開戦は間近。
「行くぞ、俺たち魔族の敵を踏み潰せ」
「森の魔物達が集結している。やはり奴の力は恐るべきものがあるな」
そんな魔物の群れの中に人影が、周囲を見回しながらつぶやきを漏らす。魔物の中に人など餌を投げ入れるようであるが、なぜか周りの魔物達はその者を襲う事はなく、むしろ魔物達はそのものに背を向け従うかのようである。
その人影は全身をフード付きのコートのようなもので覆い、顔は全く見えない。声色からどうやら男という事がわかるばかりである。
「これで一通りの魔物がそろったか。まだ少しずつ合流する魔物もいるようだが、時間の問題か。それよりも、やつはどこにいったのだ、先ほど出たキリだが」
男がそう愚痴を漏らすと、ちょうど呼応するように魔物の一団に切れ目が生まれ、一体の魔物が姿をあらわす。それは巨大な大剣を背負った人型の魔物であり、その魔物が現れるとともにあたりの空気が変わる。
姿はオーガに似ているが、覇気すら感じるその威容に発せられる圧力、その全てにおいて普通のオーガには似ても似つかぬものがある。
「やっと戻ってきたか。これからエルフに襲撃するというのに、何か見つけたのか?」
「ーーーーー」
「そうだったな、お前の自我は縛っていたんだった。どうせ獣が本能で徘徊しただけだろうがな」
そういって男が不快げな声を漏らす。男はその魔物を、というより魔物という存在そのものを嫌悪しているようであった。
「全く、必要とは言えこの俺が魔物風情と共に行動しなければならないとはな。だがエルフ族と霊樹アトムが俺達にとって邪魔であるのは事実だ。上の指示である以上従わなければならないな。ーー精々役に立てよ、魔物が」
苛立ちを隠しもしないまま、フードの男は戻ってきたその魔物に寄っていく。
ブォン
「ちぃっ」
「ーーーーー!」
数歩近づいたところで、オーガに似たその魔物が背中の大剣を抜き、フードの男に斬りかかる。大剣という鈍重な武器にもかかわらずその動きに淀みがない。軽いナイフでも振り回すかのように片手で軽々と大剣を振るう。
フードの男の首を大剣が薙ぐ直前に装束から右手が抜き出される。右手には魔力がたなびく小剣が握られており、2つがぶつかり合い、寸前で大剣の軌道を首元から逸らす。
「"止まれ"」
「ーーーーー」
すぐさま追撃をしかけようと振るわれる大剣だが、フードの男が語調を強め、制止の言葉を発するとともにその動きがぴたりと止まる。まるで体中を何かに縛られているかのように。
「全く、何重もの隷属の上級魔法で縛っているはずだ、そんな状態でこちらに攻撃してくるとは、やはりこいつはただの魔物ではないな。だが俺が主である以上、こいつは俺の命令に従うしかない」
魔物の動きが停止したのを確認したフードの男が小剣を再び懐へとしまい、忌々しげにつぶやく。
「……だが、竜種部隊が残存していればこんなことをする必要はなかったのだ!エルフの里と霊樹を破壊するなど、竜種達による物量とブレスで森ごと焼いて仕舞えばそれで済んだことなのだ、そうすればこのバイサール様がこんなところまできて、森の魔物どもを使役することもなかった」
吐き捨てるようにいうフードの男、名前はバイサールというらしい。竜種部隊、それは大迷宮ディアラの深層85層に存在した飛竜蛇竜含め500を超える竜種の軍の事である。竜種は一体でも脅威である、しかも中には10体の上位種や上級竜である黒竜をも要する巨大戦力であった。
彼ら「」の持つ最高戦力の1つであり、有事のために人がやってこなく魔物や魔力が豊富な大迷宮の奥深くに隠していた。
だが、その大部隊はある時突然壊滅した。竜種の全てが討伐されたのだ。何者によるのかは現在も調査中であるが、未だに判明してはいない。
しかし、この戦力喪失が彼らにとっては相当の痛手であった。この一件で彼らの計画は大きな進路変更を要求された。
「だが、失敗は許されない。あの方に黒炎で焼かれかねないからな。それは死んでも御免だ。幸い、エルフどもの戦力に比べて数十倍の戦力がこちらにある。ここまでとは正直予想外だったがな」
計画では、このオーガを隷属の魔法によってしばり、バイサールと共にエルフの里を襲撃。霊樹を破壊するというものであった。しかし、オーガを隷属させたところで、かのオーガがこれまで押さえつけていた魔物達が全て下ったのだ。
災害に匹敵するAランクの魔物すらも中には存在し圧倒的戦力であるそれは嬉しい誤算であった。
しかし、油断はできない。万が一にでも失敗しようものなら、すぐに粛清されるだろう。黒い炎に焼かれる姿を幻視しバイサールは冷や汗を流す。
「あの方」であればそれくらいのことはやりかねない。
「だが準備は整ったな、魔物どもも集まり切ったようだ。これでエルフの里へ進行を開始できる」
そう言ってバイサールが視線を前へと移す。
「"進め"ーーーー。エルフの里へ」
「ーーーーー!!!」
先ほどと同じように強い語調で命令を下す。大剣を構えた姿勢で固まっていたオーガは進行の命令とともに再びビクンと体を震わせる。
そして意志のない瞳でエルフの里の方向を向くと、大剣を背負い、言葉にならない咆哮をあげる。そして一歩を踏み出す。
それに伴い、辺り一面を埋め尽くす大量の魔物達も同様に進行を始める。数えきれない魔物の面々がオーガに続くように咆哮をあげる。
魔物の軍勢が、今エルフの里へと本格的に行動を始めた。
開戦は間近。
「行くぞ、俺たち魔族の敵を踏み潰せ」
1
お気に入りに追加
1,331
あなたにおすすめの小説

半神の守護者
ぴっさま
ファンタジー
ロッドは何の力も無い少年だったが、異世界の創造神の血縁者だった。
超能力を手に入れたロッドは前世のペット、忠実な従者をお供に世界の守護者として邪神に立ち向かう。
〜概要〜
臨時パーティーにオークの群れの中に取り残されたロッドは、不思議な生き物に助けられこの世界の神と出会う。
実は神の遠い血縁者でこの世界の守護を頼まれたロッドは承諾し、通常では得られない超能力を得る。
そして魂の絆で結ばれたユニークモンスターのペット、従者のホムンクルスの少女を供にした旅が始まる。
■注記
本作品のメインはファンタジー世界においての超能力の行使になります。
他サイトにも投稿中
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)
ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。
流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定!
剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。
せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!?
オマケに最後の最後にまたもや神様がミス!
世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に
なっちゃって!?
規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。
……路上生活、そろそろやめたいと思います。
異世界転生わくわくしてたけど
ちょっとだけ神様恨みそう。
脱路上生活!がしたかっただけなのに
なんで無双してるんだ私???

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく
霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。
だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。
どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。
でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!
転生してテイマーになった僕の異世界冒険譚
ノデミチ
ファンタジー
田中六朗、18歳。
原因不明の発熱が続き、ほぼ寝たきりの生活。結果死亡。
気が付けば異世界。10歳の少年に!
女神が現れ話を聞くと、六朗は本来、この異世界ルーセリアに生まれるはずが、間違えて地球に生まれてしまったとの事。莫大な魔力を持ったが為に、地球では使う事が出来ず魔力過多で燃え尽きてしまったらしい。
お詫びの転生ということで、病気にならないチートな身体と莫大な魔力を授かり、「この世界では思う存分人生を楽しんでください」と。
寝たきりだった六朗は、ライトノベルやゲームが大好き。今、自分がその世界にいる!
勇者? 王様? 何になる? ライトノベルで好きだった「魔物使い=モンスターテイマー」をやってみよう!
六朗=ロックと名乗り、チートな身体と莫大な魔力で異世界を自由に生きる!
カクヨムでも公開しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる