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第5章 森王動乱
幕間 動き出す森
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果てが見えぬほど広く広くその緑を伸ばす大森林。そんな中でもぞもぞと蠢く無数の魔物達。もしこの世界にヘリコプターでもあり上空から見ることができればその姿はまるで一個の巨大な生き物のように見えるだろう。
「森の魔物達が集結している。やはり奴の力は恐るべきものがあるな」
そんな魔物の群れの中に人影が、周囲を見回しながらつぶやきを漏らす。魔物の中に人など餌を投げ入れるようであるが、なぜか周りの魔物達はその者を襲う事はなく、むしろ魔物達はそのものに背を向け従うかのようである。
その人影は全身をフード付きのコートのようなもので覆い、顔は全く見えない。声色からどうやら男という事がわかるばかりである。
「これで一通りの魔物がそろったか。まだ少しずつ合流する魔物もいるようだが、時間の問題か。それよりも、やつはどこにいったのだ、先ほど出たキリだが」
男がそう愚痴を漏らすと、ちょうど呼応するように魔物の一団に切れ目が生まれ、一体の魔物が姿をあらわす。それは巨大な大剣を背負った人型の魔物であり、その魔物が現れるとともにあたりの空気が変わる。
姿はオーガに似ているが、覇気すら感じるその威容に発せられる圧力、その全てにおいて普通のオーガには似ても似つかぬものがある。
「やっと戻ってきたか。これからエルフに襲撃するというのに、何か見つけたのか?」
「ーーーーー」
「そうだったな、お前の自我は縛っていたんだった。どうせ獣が本能で徘徊しただけだろうがな」
そういって男が不快げな声を漏らす。男はその魔物を、というより魔物という存在そのものを嫌悪しているようであった。
「全く、必要とは言えこの俺が魔物風情と共に行動しなければならないとはな。だがエルフ族と霊樹アトムが俺達にとって邪魔であるのは事実だ。上の指示である以上従わなければならないな。ーー精々役に立てよ、魔物が」
苛立ちを隠しもしないまま、フードの男は戻ってきたその魔物に寄っていく。
ブォン
「ちぃっ」
「ーーーーー!」
数歩近づいたところで、オーガに似たその魔物が背中の大剣を抜き、フードの男に斬りかかる。大剣という鈍重な武器にもかかわらずその動きに淀みがない。軽いナイフでも振り回すかのように片手で軽々と大剣を振るう。
フードの男の首を大剣が薙ぐ直前に装束から右手が抜き出される。右手には魔力がたなびく小剣が握られており、2つがぶつかり合い、寸前で大剣の軌道を首元から逸らす。
「"止まれ"」
「ーーーーー」
すぐさま追撃をしかけようと振るわれる大剣だが、フードの男が語調を強め、制止の言葉を発するとともにその動きがぴたりと止まる。まるで体中を何かに縛られているかのように。
「全く、何重もの隷属の上級魔法で縛っているはずだ、そんな状態でこちらに攻撃してくるとは、やはりこいつはただの魔物ではないな。だが俺が主である以上、こいつは俺の命令に従うしかない」
魔物の動きが停止したのを確認したフードの男が小剣を再び懐へとしまい、忌々しげにつぶやく。
「……だが、竜種部隊が残存していればこんなことをする必要はなかったのだ!エルフの里と霊樹を破壊するなど、竜種達による物量とブレスで森ごと焼いて仕舞えばそれで済んだことなのだ、そうすればこのバイサール様がこんなところまできて、森の魔物どもを使役することもなかった」
吐き捨てるようにいうフードの男、名前はバイサールというらしい。竜種部隊、それは大迷宮ディアラの深層85層に存在した飛竜蛇竜含め500を超える竜種の軍の事である。竜種は一体でも脅威である、しかも中には10体の上位種や上級竜である黒竜をも要する巨大戦力であった。
彼ら「」の持つ最高戦力の1つであり、有事のために人がやってこなく魔物や魔力が豊富な大迷宮の奥深くに隠していた。
だが、その大部隊はある時突然壊滅した。竜種の全てが討伐されたのだ。何者によるのかは現在も調査中であるが、未だに判明してはいない。
しかし、この戦力喪失が彼らにとっては相当の痛手であった。この一件で彼らの計画は大きな進路変更を要求された。
「だが、失敗は許されない。あの方に黒炎で焼かれかねないからな。それは死んでも御免だ。幸い、エルフどもの戦力に比べて数十倍の戦力がこちらにある。ここまでとは正直予想外だったがな」
計画では、このオーガを隷属の魔法によってしばり、バイサールと共にエルフの里を襲撃。霊樹を破壊するというものであった。しかし、オーガを隷属させたところで、かのオーガがこれまで押さえつけていた魔物達が全て下ったのだ。
災害に匹敵するAランクの魔物すらも中には存在し圧倒的戦力であるそれは嬉しい誤算であった。
しかし、油断はできない。万が一にでも失敗しようものなら、すぐに粛清されるだろう。黒い炎に焼かれる姿を幻視しバイサールは冷や汗を流す。
「あの方」であればそれくらいのことはやりかねない。
「だが準備は整ったな、魔物どもも集まり切ったようだ。これでエルフの里へ進行を開始できる」
そう言ってバイサールが視線を前へと移す。
「"進め"ーーーー。エルフの里へ」
「ーーーーー!!!」
先ほどと同じように強い語調で命令を下す。大剣を構えた姿勢で固まっていたオーガは進行の命令とともに再びビクンと体を震わせる。
そして意志のない瞳でエルフの里の方向を向くと、大剣を背負い、言葉にならない咆哮をあげる。そして一歩を踏み出す。
それに伴い、辺り一面を埋め尽くす大量の魔物達も同様に進行を始める。数えきれない魔物の面々がオーガに続くように咆哮をあげる。
魔物の軍勢が、今エルフの里へと本格的に行動を始めた。
開戦は間近。
「行くぞ、俺たち魔族の敵を踏み潰せ」
「森の魔物達が集結している。やはり奴の力は恐るべきものがあるな」
そんな魔物の群れの中に人影が、周囲を見回しながらつぶやきを漏らす。魔物の中に人など餌を投げ入れるようであるが、なぜか周りの魔物達はその者を襲う事はなく、むしろ魔物達はそのものに背を向け従うかのようである。
その人影は全身をフード付きのコートのようなもので覆い、顔は全く見えない。声色からどうやら男という事がわかるばかりである。
「これで一通りの魔物がそろったか。まだ少しずつ合流する魔物もいるようだが、時間の問題か。それよりも、やつはどこにいったのだ、先ほど出たキリだが」
男がそう愚痴を漏らすと、ちょうど呼応するように魔物の一団に切れ目が生まれ、一体の魔物が姿をあらわす。それは巨大な大剣を背負った人型の魔物であり、その魔物が現れるとともにあたりの空気が変わる。
姿はオーガに似ているが、覇気すら感じるその威容に発せられる圧力、その全てにおいて普通のオーガには似ても似つかぬものがある。
「やっと戻ってきたか。これからエルフに襲撃するというのに、何か見つけたのか?」
「ーーーーー」
「そうだったな、お前の自我は縛っていたんだった。どうせ獣が本能で徘徊しただけだろうがな」
そういって男が不快げな声を漏らす。男はその魔物を、というより魔物という存在そのものを嫌悪しているようであった。
「全く、必要とは言えこの俺が魔物風情と共に行動しなければならないとはな。だがエルフ族と霊樹アトムが俺達にとって邪魔であるのは事実だ。上の指示である以上従わなければならないな。ーー精々役に立てよ、魔物が」
苛立ちを隠しもしないまま、フードの男は戻ってきたその魔物に寄っていく。
ブォン
「ちぃっ」
「ーーーーー!」
数歩近づいたところで、オーガに似たその魔物が背中の大剣を抜き、フードの男に斬りかかる。大剣という鈍重な武器にもかかわらずその動きに淀みがない。軽いナイフでも振り回すかのように片手で軽々と大剣を振るう。
フードの男の首を大剣が薙ぐ直前に装束から右手が抜き出される。右手には魔力がたなびく小剣が握られており、2つがぶつかり合い、寸前で大剣の軌道を首元から逸らす。
「"止まれ"」
「ーーーーー」
すぐさま追撃をしかけようと振るわれる大剣だが、フードの男が語調を強め、制止の言葉を発するとともにその動きがぴたりと止まる。まるで体中を何かに縛られているかのように。
「全く、何重もの隷属の上級魔法で縛っているはずだ、そんな状態でこちらに攻撃してくるとは、やはりこいつはただの魔物ではないな。だが俺が主である以上、こいつは俺の命令に従うしかない」
魔物の動きが停止したのを確認したフードの男が小剣を再び懐へとしまい、忌々しげにつぶやく。
「……だが、竜種部隊が残存していればこんなことをする必要はなかったのだ!エルフの里と霊樹を破壊するなど、竜種達による物量とブレスで森ごと焼いて仕舞えばそれで済んだことなのだ、そうすればこのバイサール様がこんなところまできて、森の魔物どもを使役することもなかった」
吐き捨てるようにいうフードの男、名前はバイサールというらしい。竜種部隊、それは大迷宮ディアラの深層85層に存在した飛竜蛇竜含め500を超える竜種の軍の事である。竜種は一体でも脅威である、しかも中には10体の上位種や上級竜である黒竜をも要する巨大戦力であった。
彼ら「」の持つ最高戦力の1つであり、有事のために人がやってこなく魔物や魔力が豊富な大迷宮の奥深くに隠していた。
だが、その大部隊はある時突然壊滅した。竜種の全てが討伐されたのだ。何者によるのかは現在も調査中であるが、未だに判明してはいない。
しかし、この戦力喪失が彼らにとっては相当の痛手であった。この一件で彼らの計画は大きな進路変更を要求された。
「だが、失敗は許されない。あの方に黒炎で焼かれかねないからな。それは死んでも御免だ。幸い、エルフどもの戦力に比べて数十倍の戦力がこちらにある。ここまでとは正直予想外だったがな」
計画では、このオーガを隷属の魔法によってしばり、バイサールと共にエルフの里を襲撃。霊樹を破壊するというものであった。しかし、オーガを隷属させたところで、かのオーガがこれまで押さえつけていた魔物達が全て下ったのだ。
災害に匹敵するAランクの魔物すらも中には存在し圧倒的戦力であるそれは嬉しい誤算であった。
しかし、油断はできない。万が一にでも失敗しようものなら、すぐに粛清されるだろう。黒い炎に焼かれる姿を幻視しバイサールは冷や汗を流す。
「あの方」であればそれくらいのことはやりかねない。
「だが準備は整ったな、魔物どもも集まり切ったようだ。これでエルフの里へ進行を開始できる」
そう言ってバイサールが視線を前へと移す。
「"進め"ーーーー。エルフの里へ」
「ーーーーー!!!」
先ほどと同じように強い語調で命令を下す。大剣を構えた姿勢で固まっていたオーガは進行の命令とともに再びビクンと体を震わせる。
そして意志のない瞳でエルフの里の方向を向くと、大剣を背負い、言葉にならない咆哮をあげる。そして一歩を踏み出す。
それに伴い、辺り一面を埋め尽くす大量の魔物達も同様に進行を始める。数えきれない魔物の面々がオーガに続くように咆哮をあげる。
魔物の軍勢が、今エルフの里へと本格的に行動を始めた。
開戦は間近。
「行くぞ、俺たち魔族の敵を踏み潰せ」
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