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第5章 森王動乱
霜降り肉の行方は?
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ティナが発動句らしきものを唱えるとともに、ティナの目が輝く。その光の明るさは「天眼」の比では無い。
そして濃密な魔力をティナが纏わせる。
「すごい圧力だね。それがティナの新しい力なのかな?」
「はい。ユニークスキル『天霊眼』。精霊様の加護を得て進化した天眼の新たな姿です!」
言葉と共にティナが手を扇状に振る。するとその手の軌跡をなぞるように炎球が生み出される。その一つが聖なる力を秘めており、普段のティナの炎弾よりも一回り大きい。
生み出された聖炎の球は五つ、それがティナの前方に浮遊したまま静止している。
「無詠唱、しかも待機状態での保持か」
「はい!でも驚くのはこれからですよ」
隆人の言葉にニコリと明るい笑顔を見せたティナはすぐに真剣な顔に変わる。そして掲げていた手を正面に向ける。
静止していた炎が全て槍の形に変容する。そしてそれらが急加速し隆人へと迫る。その動きは本来直線的である魔法とは全く違う、不規則な動きで隆人の周囲を囲むように飛んでくる。
そして炎の発射と同時、ティナがとびだした。隆人との距離を一気に縮める。
「へぇ、予想以上に面白い力だね」
「ありがとうございます!」
隆人の周囲を飛ぶ槍のうち一本が突然急加速。隆人を斜め後ろから狙う。
不意を突くような攻撃に普通であればなすすべなく反応することも出来ず一撃で試合が決していただろう。しかし隆人は余裕の笑みを浮かべたまま、そちらを見ることなく回避する。
「まだですよ!」
「うおっと」
しかしその回避先を待っていたようにもう一つの槍が真上から迫る。更に退路を断つかのように残る三本の槍が低空から迫る。
予想外の軌道を見せる魔法にさすがの隆人も一瞬虚を突かれる。しかし歴戦の経験は伊達ではなく、すぐに対応して見せる。
「『エアウォール』!」
詠唱短縮で瞬時に発動した風属性の魔法。隆人はエアウォールを自らより少し離れた上部に発動する。短縮により発動した魔法は小さなものである、その小さな風の壁が現れたのは真上から迫る槍に衝突し、一瞬の均衡ののちすぐに貫かれる。
しかしそれによって埋まれた時間は迫る槍に綻びを産むには十分であり、隆人はその隙間に体をねじ込む。槍達は止まり切れずにぶつかりお互いを相殺した。
「待ってましたよ!魔力剣・炎!」
「っ!迎撃、はマズイか、〈風よ〉!」
体をねじ込むように回避した隆人は受け身をとるようにして衝撃を逃す。しかしそこに待ち構えていたかのようにティナがおり、魔力をこめた精霊剣を振るってくる。
熊爪の短剣を持って迎撃しようとした隆人であるが、赤く光る剣から勘のようなもので危険性を察知、再度の回避を選択する。
そして魔法の発動、しかしそれは攻撃ではなく、隆人へと降りかかる。奥の手である突風による強制回避、今度は受け身ではなく真の意味で地面を転がる。先程まで隆人がいた地面には赤い斬撃線が描かれたおり、見ると高熱によって熱せられていた。
今度こそ体勢を立て直した隆人が驚きを露わにする。剣を振り抜いたティナは悔しげである。
「惜しかったですね。あと少しでしたのに」
「俺の魔力剣の新しい形とはね。ただ魔力を剣に込めるのではなく、炎の魔力を宿すとは」
「天霊眼での魔力制御に加えて、炎の魔力を受け止めうる精霊剣があってこそですけどね」
「それでもこの威力、危うく武器を失うか一撃もらうところだったよ」
ティナの魔力剣・炎は、高い熱量を誇り、先程熊爪の短剣で受け止めていたら、短剣そのものが溶け落ちていたであろう威力であった。
「遠距離戦は不利かな」
仕切り直しを察したティナは、バックステップで隆人から距離をとる。ここまでの一連の流れでティナの魔力操作と威力を考えて遠距離戦の分の悪さを悟った隆人は、距離を取られまいと走る。
しかし、
「ロロノをわすれているのです!」
「くっ、上手いね、ロロノ」
隆人が足を踏み出した瞬間、横から槍が突き出される。隆人をティナが攻め始めたところで、ロロノは隆人から離れ、隙を伺っていたのだ。
無論隆人の気配探知はその動きを追っていたが、突風での緊急回避、ティナへの接近、その瞬間だけ隆人の意識がティナ1人に向く。その瞬間を逃す事なくロロノが強襲したのである。
気配探知により奇襲成功とまでは行かずとも確実に反応の遅れた隆人は、必然的にティナを追う事が出来ず距離を取られてしまう。
ティナはすぐさま魔力を高める。そして再び炎球を精製し今度は矢の形で飛ばした。
「おりゃおりゃーなのです!」
「炎の矢が的確に妨害してくる、いい連携だね」
速度だけで言えば互角に近く、技量も向上したロロノだが、隆人の次元までは程遠い。本来であれば数合も続かないはずの2人の戦いであるが、現実は拮抗していた。
ロロノに隙が生まれるたびに、ティナの発動した炎矢がその隙を埋めるように飛来する。時折隆人を狙う炎矢への対象に追われる。隆人にとってもどちらも一撃には十分ゆえに片方を疎かにはできない。
結果、隆人が攻めあぐねる事になったのである。
しかし、ティナとロロノの連携によって生まれた拮抗であったが、それも長くは続かなかった。
「うん、想像以上だった。このまでとはね。さてそろそろ終わりにしようか」
「あぁっ!なのです」
賞賛の言葉とともに満足気に笑う隆人、次の瞬間、打ち合いを演じるロロノの体が崩れる。隆人が体重移動と受け流しを利用しロロノの重心をずらしたのである。
生まれた隙を守るように隆人の元へ炎矢が前後から迫る。しかし数度の展開から炎矢の支援を読んでいた隆人はすでに魔法を発動していた。
後方をウインドカッターを複数ぶつけて相殺、正面の炎矢は魔力を流して炎を生み出した熊爪の短剣によって防いだ。
魔力剣と比べて炎矢は威力がそれほど高くなく、最大火力の熊爪の短剣によってであれば迎撃が可能であった。
そして体勢を崩したロロノに短剣を突きつける。負けを確認したロロノがうなだれる。
「まずはロロノ、アウトだ」
「くやしいのです……」
「そして、残るは」
隆人は視線をティナに移した。そして地を蹴り今度こそ接敵を敢行する。
「まだですよリュート様!」
既に炎弾を精製していたティナもそれらを隆人へと次々に射出してくる。不規則なその攻撃を、隆人は前進を止める事なく紙一重で全てかわしのけた。
「魔力剣・炎」
「隙ありだよ、ティナ」
そしてティナの眼前に現れた隆人にティナが赤く光る精霊剣を振り下ろす。しかし隆人の姿は既にそこにはない。
そして短剣が真横からティナの首筋に突きつけられていた。
「……負けました。流石ですねリュート様」
「いやぁ、俺も2人がここまでやるとは驚きだよ。最後は俺も本気だったしね」
「それにしても悔しいです、これで巨飛竜の霜降り肉が食べられなくなってしまうのですね」
そう言って残念そうにするティナ。隆人は少し考えたのち、頷く。
「うん。2人とも予想以上に強くなっていたし、霜降り肉を食べる資格はあると思うよ」
「!それでは……」
「うん、今日は肉パーティだ!」
「やったのです!」
「ありがとうございます!」
隆人の宣言にいつのまにかすぐ近くまで来ていたロロノが喜びを露わにする。そしてティナも喜色に顔を染めながら隆人に感謝を述べる。
そしてその日の夜。広い原っぱの真ん中で3人は霜降り肉を頬張った。
(私ごとですが今日からテスト期間です。睡眠が足りてません汗 変な誤字脱字がたくさん後から出てきそうな気配が……)
そして濃密な魔力をティナが纏わせる。
「すごい圧力だね。それがティナの新しい力なのかな?」
「はい。ユニークスキル『天霊眼』。精霊様の加護を得て進化した天眼の新たな姿です!」
言葉と共にティナが手を扇状に振る。するとその手の軌跡をなぞるように炎球が生み出される。その一つが聖なる力を秘めており、普段のティナの炎弾よりも一回り大きい。
生み出された聖炎の球は五つ、それがティナの前方に浮遊したまま静止している。
「無詠唱、しかも待機状態での保持か」
「はい!でも驚くのはこれからですよ」
隆人の言葉にニコリと明るい笑顔を見せたティナはすぐに真剣な顔に変わる。そして掲げていた手を正面に向ける。
静止していた炎が全て槍の形に変容する。そしてそれらが急加速し隆人へと迫る。その動きは本来直線的である魔法とは全く違う、不規則な動きで隆人の周囲を囲むように飛んでくる。
そして炎の発射と同時、ティナがとびだした。隆人との距離を一気に縮める。
「へぇ、予想以上に面白い力だね」
「ありがとうございます!」
隆人の周囲を飛ぶ槍のうち一本が突然急加速。隆人を斜め後ろから狙う。
不意を突くような攻撃に普通であればなすすべなく反応することも出来ず一撃で試合が決していただろう。しかし隆人は余裕の笑みを浮かべたまま、そちらを見ることなく回避する。
「まだですよ!」
「うおっと」
しかしその回避先を待っていたようにもう一つの槍が真上から迫る。更に退路を断つかのように残る三本の槍が低空から迫る。
予想外の軌道を見せる魔法にさすがの隆人も一瞬虚を突かれる。しかし歴戦の経験は伊達ではなく、すぐに対応して見せる。
「『エアウォール』!」
詠唱短縮で瞬時に発動した風属性の魔法。隆人はエアウォールを自らより少し離れた上部に発動する。短縮により発動した魔法は小さなものである、その小さな風の壁が現れたのは真上から迫る槍に衝突し、一瞬の均衡ののちすぐに貫かれる。
しかしそれによって埋まれた時間は迫る槍に綻びを産むには十分であり、隆人はその隙間に体をねじ込む。槍達は止まり切れずにぶつかりお互いを相殺した。
「待ってましたよ!魔力剣・炎!」
「っ!迎撃、はマズイか、〈風よ〉!」
体をねじ込むように回避した隆人は受け身をとるようにして衝撃を逃す。しかしそこに待ち構えていたかのようにティナがおり、魔力をこめた精霊剣を振るってくる。
熊爪の短剣を持って迎撃しようとした隆人であるが、赤く光る剣から勘のようなもので危険性を察知、再度の回避を選択する。
そして魔法の発動、しかしそれは攻撃ではなく、隆人へと降りかかる。奥の手である突風による強制回避、今度は受け身ではなく真の意味で地面を転がる。先程まで隆人がいた地面には赤い斬撃線が描かれたおり、見ると高熱によって熱せられていた。
今度こそ体勢を立て直した隆人が驚きを露わにする。剣を振り抜いたティナは悔しげである。
「惜しかったですね。あと少しでしたのに」
「俺の魔力剣の新しい形とはね。ただ魔力を剣に込めるのではなく、炎の魔力を宿すとは」
「天霊眼での魔力制御に加えて、炎の魔力を受け止めうる精霊剣があってこそですけどね」
「それでもこの威力、危うく武器を失うか一撃もらうところだったよ」
ティナの魔力剣・炎は、高い熱量を誇り、先程熊爪の短剣で受け止めていたら、短剣そのものが溶け落ちていたであろう威力であった。
「遠距離戦は不利かな」
仕切り直しを察したティナは、バックステップで隆人から距離をとる。ここまでの一連の流れでティナの魔力操作と威力を考えて遠距離戦の分の悪さを悟った隆人は、距離を取られまいと走る。
しかし、
「ロロノをわすれているのです!」
「くっ、上手いね、ロロノ」
隆人が足を踏み出した瞬間、横から槍が突き出される。隆人をティナが攻め始めたところで、ロロノは隆人から離れ、隙を伺っていたのだ。
無論隆人の気配探知はその動きを追っていたが、突風での緊急回避、ティナへの接近、その瞬間だけ隆人の意識がティナ1人に向く。その瞬間を逃す事なくロロノが強襲したのである。
気配探知により奇襲成功とまでは行かずとも確実に反応の遅れた隆人は、必然的にティナを追う事が出来ず距離を取られてしまう。
ティナはすぐさま魔力を高める。そして再び炎球を精製し今度は矢の形で飛ばした。
「おりゃおりゃーなのです!」
「炎の矢が的確に妨害してくる、いい連携だね」
速度だけで言えば互角に近く、技量も向上したロロノだが、隆人の次元までは程遠い。本来であれば数合も続かないはずの2人の戦いであるが、現実は拮抗していた。
ロロノに隙が生まれるたびに、ティナの発動した炎矢がその隙を埋めるように飛来する。時折隆人を狙う炎矢への対象に追われる。隆人にとってもどちらも一撃には十分ゆえに片方を疎かにはできない。
結果、隆人が攻めあぐねる事になったのである。
しかし、ティナとロロノの連携によって生まれた拮抗であったが、それも長くは続かなかった。
「うん、想像以上だった。このまでとはね。さてそろそろ終わりにしようか」
「あぁっ!なのです」
賞賛の言葉とともに満足気に笑う隆人、次の瞬間、打ち合いを演じるロロノの体が崩れる。隆人が体重移動と受け流しを利用しロロノの重心をずらしたのである。
生まれた隙を守るように隆人の元へ炎矢が前後から迫る。しかし数度の展開から炎矢の支援を読んでいた隆人はすでに魔法を発動していた。
後方をウインドカッターを複数ぶつけて相殺、正面の炎矢は魔力を流して炎を生み出した熊爪の短剣によって防いだ。
魔力剣と比べて炎矢は威力がそれほど高くなく、最大火力の熊爪の短剣によってであれば迎撃が可能であった。
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「まずはロロノ、アウトだ」
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「そして、残るは」
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「まだですよリュート様!」
既に炎弾を精製していたティナもそれらを隆人へと次々に射出してくる。不規則なその攻撃を、隆人は前進を止める事なく紙一重で全てかわしのけた。
「魔力剣・炎」
「隙ありだよ、ティナ」
そしてティナの眼前に現れた隆人にティナが赤く光る精霊剣を振り下ろす。しかし隆人の姿は既にそこにはない。
そして短剣が真横からティナの首筋に突きつけられていた。
「……負けました。流石ですねリュート様」
「いやぁ、俺も2人がここまでやるとは驚きだよ。最後は俺も本気だったしね」
「それにしても悔しいです、これで巨飛竜の霜降り肉が食べられなくなってしまうのですね」
そう言って残念そうにするティナ。隆人は少し考えたのち、頷く。
「うん。2人とも予想以上に強くなっていたし、霜降り肉を食べる資格はあると思うよ」
「!それでは……」
「うん、今日は肉パーティだ!」
「やったのです!」
「ありがとうございます!」
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